日雇い派遣をめぐる大手派遣会社のおそまつ

 日系ブラジル人のAさんは今年の8月15日付で雇い止め解雇された。東京に本社がある大手派遣会社Bから大手製造会社Cの群馬県内の工場に派遣されていた。雇い止めの8月15日というのは、派遣先はすでに数日前からお盆休みに入っている。これも問題がある。

 雇い止めの通告は1ヶ月前に行われた。しかし問題は、最後の雇用契約(派遣契約)が2019年7月17日から8月15日になっていること。

 リーマンショックの後の派遣切りが社会問題になったときに、当時の民主党政権は派遣法の改正をして、日雇い派遣を原則禁止にした。これは、派遣会社と派遣労働者との間の雇用契約を30日以下は原則禁止とする、というものだ。派遣先が30日以下であっても、それは派遣会社と派遣先会社の関係であって、それはOKなのだが、派遣会社が派遣労働者と派遣の元になる雇用契約を結ぶときには、30日以下はだめですよ、というもの。(もっとも例外規定があったり、アルバイトなどの直接雇用の形態を取った実質的派遣の例は後を絶たない。)

 Aさんの件は間違いなく違法な日雇い派遣に該当する。違法な雇用契約の上での雇い止め解雇だから、これも違法である。責任を取って補償をせよ、と要求した。

 B社の回答は、こうだった。… 確かに雇用期間が30日以下になっていて、それだけでは違法な日雇い派遣になる。しかし当社がAさんに交付した就業条件明示書に最後の備考欄に「平成30年12月19日から令和1年7月15日の雇用期間変更分とする」との明示をしており、問題はない。毎回このような形をしているわけではなく、最後の延長の際には、Aさんだけではなく、みなさんこのやり方でやってきている。この点に関しては、東京都労働局の需給調整室でも確認を取っている。したがって要求に応える義務はない。…

 組合は、会社が労働局のお墨付きを得ているというならば、何を言っても無駄であろうと考え、検討の上、再度連絡をすることとした。

 どう考えてもこれは納得がいかない。東京の労働局需給調整室に電話で問い合わせてみる。対応した担当者は、話を聞いた上で、上司に確認してみると、いったん席を外したが、戻ってくると、これは問題ないです、と言い出した。問題ないわけないでしょうと食い下がるが、全然らちがあかない。あとで考えてみるとこの担当者は、基本的なことがわかっていなかった。

 結局、群馬労働局需給調整室に問題の「派遣労働者雇入通知書兼就業条件明示書」を持ち込んだ。担当者は、一般論として、と、話をしていたが、問題の書類を目にしたら、「ああ、これはだめですね」「あらたな雇用通知ですから」勝負あり。

 東京都労働局の需給調整室にも再度電話をして、相談を受けた担当者を出してもらった。一連の話をしたら、「えっ、うちが相談を受けた話とはまるで違いますね。B社の相談はあくまで1日2日の延長をするという話の前提でしたから。これは文句なしの日雇い派遣ですね。」

 B社には一連の経過を報告した。こんなデタラメは許せないと。水曜日まで回答を待つ。それまでに回答なければキャンペーンすると通告した。お粗末に過ぎる。緊張感もクソもない。