中央タクシー・宇都宮司社長の証人尋問

2021年2月22日、群馬県労働委員会中央タクシー不当労働行為救済申立事件の第2回審問が開催された。今回は宇都宮司代表取締役社長の証人尋問だった。本来審問は公開であるが、新型コロナウイルス感染拡大の中で、出席・傍聴の許可人数は申立人4名、傍聴人3名という制限の中で開催された。傍聴したくてもできない状況もあり、代表者以外の固有名詞を伏せる形で、速記録に基づいた記録を公開する。

証言速記録

事件番号  群労委令和2年(不)第2号

事件名   中央タクシー株式会社不当労働行為救済申立事件

証言者  氏名  宇都宮司(主尋問及び反対尋問)

     役職  中央タクシー株式会社代表取締役

審問期日  第2回審問(令和3年2月22日)

群馬県労働委員会

小暮審査委員長 それでは始めてください。

H補佐人 え一。群馬営業所所長のHと申します。では始めさせていただきます。ではまず、乙13号証を示します。

宇都宮証人 はい。

H   この一枚目にある、署名押印は、あなたが押印したものですか。

宇都宮 はい、そうです。

H   乙13号証の内容に間違いはありませんか。

宇都宮 はい、ありません。

H   事件の詳細は、乙13号書に細かく記載してありますか。

宇都宮 はい。記載してあります。

H   Tさんは、平成26年11月1日に入社したということでいいですね。

宇都宮 はい、いいです。

H   Tさんは、令和2年1月末をもって定年となったということですね。

宇都宮 はい、そうです。

H   今回は、Tさんの、令和2年2月1日からの雇用継続の雇用条件が問題となっているということでいいですか。

宇都宮 はい、いいです。

H   会社はTさんを定年後に再雇用しないと主張したことはこれまでにありますか。

宇都宮 ありません。

H   Tさんに、2月1日以降の雇用継続の意思確認を最初にしたのはいつですか。

宇都宮 令和元年12月25日です。

H   会社の誰が行いましたか。

宇都宮 はい。群馬営業所所長のH所長です。

H   なぜその日に確認を行ったのですか。

宇都宮 はい。Tさんは、以前より、定年になったら、辞めてやる。こんな会社頼まれても続けないということを、周りの方に、よく話をしていたと聞いています。ですから60歳定年で、退職されるというふうに、思っておりました。念のため確認をしていただこうということで、群馬のH所長に、その頃お願いをしたという経緯になります。

H   他の方に言い続けていたと、おっしゃったんですけれども、これは、他の方というのは、社員でよろしかったですか。他の社員で。

宇都宮 はい。他の社員です。

H   他の社員に言い続けていたという他の社員とは具体的に誰のことでしょうか。

宇都宮 はい。例えば、Y元群馬営業所長。…また、KNさん。…

H   Tさんに確認したときに、Tさんは何と言ってたと、私から聞いていますか。

宇都宮 続けたい、この仕事を続けたいと、180度真逆のことを返答したと聞いております。

H   それに対し、私とTさんとどのようなやりとりがあったと聞いてますか。

宇都宮 はい。かねてから、辞めてやる、こんな会社もう辞めてやるということを言っていた中でしたので、所長の方から、Tさんに、そのようなことを周りに言って周りの人が混乱するようなことがないように、やめてくださいという話を、申し伝えたところ、Tさんが、分かりましたと。で、継続雇用に関する件は、組合を通してお伝えしますというふうに返事をしたと申し受けております。

H   その後、甲1号証の要求書が届いたという流れですね。

宇都宮 はい、そうです。

H   その後の組合とのやりとりの書面は全て組合側から証拠提出されていますね。

宇都宮 はい、そうです。

H   甲2号証の「雇用契約書(パート従業員)」に記載した労働条件を提示した理由を述べてもらえますか。

宇都宮 はい。甲10号証ですか。

H   甲2号証ですね。

宇都宮 このように、時給制で示しました。Tさんは、定年前の雇用契約である雇用契約の内容として、Tさんの雇用契約、定年前の雇用契約は、基本給と、稼動手当、固定残業代である稼働手当で構成されておりました。が、Tさんは、その稼動手当を、固定残業代であるという説明を、会社側から何度もしておりましたが、そのことを理解せず、また理解しようとする姿勢もなく、そのような状況が続いておりました。ですから、働いた時間に対して、手当をつけさせていただくという、時給制にするほかなかったということになります。

H   会社は団体交渉において、労働条件にっいて、一部譲歩しましたね。

宇都宮 はい。団体交渉の、お話を受けて、勤務日数を週5日という、条件を加えました。

H   Tさんは稼動手当が固定残業ではないと言い出したのはいつからですか。

宇都宮 組合に入ってからです。それまでは一切ありませんでした。

H   それはなぜでしょうか。

宇都宮 入社時に説明がなされていたからだと思います。

H   Tさんは、訴訟提起前の団体交渉の段階から一貫して、稼動手当は固定残業ではないと主張していましたか。

宇都宮 固定残業代、ですか。

H   はい。固定残業代では、あ、失礼しました。固定残業代ではないと、主張していましたか。

宇都宮 はい、主張していました。

H   それは判決出て以降も同じですか。

宇都宮 はいそうです。

H   どうしてそう思われるのですか。

宇都宮 先般の、直近の労働委員会の尋問におきましても、稼動手当が、固定残業代として、固定残業代ではないということを言っておりました。そういうところから考えましても、現在も、稼動手当は固定残業代ではないという考えに変わりはないと思います。

H   Tさんは本日まで稼動手当を固定残業代だと理解して、納得したことはありますか。

宇都宮 1度もありません。

H   入社の際に、Tさんに稼動手当が固定残業代であることは説明しましたか。

宇都宮 はい、説明しております。前橋地方裁判所の判決文におきましても、入社時に説明がなされているというふうに、文章において、記載されております。

H   これまで会社側は団体交渉や訴訟において、ことあるごとに、稼動手当が固定残業代であることを説明してきましたか。

宇都宮 はい。入社時におきましても、組合に加盟した後も、団体交渉時、また訴訟の件におきましても、いく年にもわたって何度もそのことは伝え続けております。

H   Tさんが定年前の雇用条件を認めず、稼動手当が固定残業代だという内容で仕事をすることを拒否したということですか。

宇都宮 はいそうです。稼動手当を固定残業代として認めないがゆえに、労働時間が8時間を超えれば、稼動手当以外にも、時間外手当を付けるようにということを、主張していましたので、主張しておりました。

H   前橋地方裁判所も稼動手当は固定残業代であると明記していましたよね。

宇都宮 はい。前橋地方裁判所の判決文にも、はっきりと稼動手当は、固定残業代であると、定額残業代であるというふうに明記してあります。

H   それが、雇用契約の内容にも影響しているということでしょうか。

宇都宮 はい。影響しています。そこを、その、稼動手当に関する見解が、一致しない条件の中で、定年前の、雇用契約を続けるということは当然できかねます。ですから、明確に、時間に対して手当を付けさせていただくという、時給制をとるほかなかった。それ以外に方法があるのか、という思いです。

H   退職前の雇用契約の内容は、前橋地方裁判所の裁判で、大きな争点になりましたね。

宇都宮 はい。なりました。

H   Tさん側の訴訟の請求額からすれば、一番大きい争点といえましたね。

宇都宮 一番大きい…

H   争点といえましたね。

宇都宮 はい、そうです。

H   そのことは、訴訟費用の裁判の裁判所の判断にも表れていますね。

宇都宮 はい。表れています。

H   乙1号証を示します。これがその裁判ですね。

宇都宮 はい、そうです。

H   この事件は、平成28年10月28日に提起され、口頭弁論終結日が、令和元年10月9日だから、3年近く訴訟を行っていましたね。

宇都宮 はい、そうです。

H   この裁判では、Tさんと元組合員のSさんだけが当事者だったのですか。

宇都宮 その2人に加えて、Kさん、当時Kさんも、割増賃金の請求、損害賠償の請求をしておりました。

H   裁判の終盤でKさんは、Kさんですね、訴訟を取り下げたのは事実ですか。

宇都宮 はい。取り下げました。

H   なぜ取り下げたのでしょうか。

宇都宮 本人のことなので、分かりかねますが、おそらく、Kさん自身の主張が認められないと思ったからだと思います。

H   この裁判ではTさんとSさん、宇都宮社長の本人の尋問を行っているとともに、Kさんの陳述書も何通か、証拠提出されていますね。

宇都宮 はい、そうです。

H   この訴訟において、組合は、甲26号証の委員会の命令書も証拠提出していましたね。

宇都宮 はい。していました。

H   これら全てを踏まえて、乙1号証の判決が出されましたね。

宇都宮 はいそうです。

H   この裁判でSさんの割増賃金の請求は全く認められませんでしたね。

宇都宮 はい。認められませんでした。

H   Tさんは、約38万円だけ割増賃金が認められましたね。

宇都宮 はい。約38万円だけ認められました。

H   Tさんだけが認められた理由はなぜだと思いますか。

宇都宮 はい。Tさんは、必要以上に早く出社する傾向がありました。その時間が、就業時間として、計算されたことによると、思います。また、裁判において非常に膨大な資料、チャート紙などの資料が、提出されました。実際は、裁判官の方が、その資料一つ一つに、出社時間の目安を認定していくということは、大変な作業になるため、非常に面倒に、なってしまうということも、大きく影響しているというふうに考えています。

H   それ、この、Tさんが早く出社ということなんですけどもこれ指示により早かったんですか。

宇都宮 はい。会社の定めていた時間よりも、早く来るということが、いつもということでありませんが、本人の、都合によって、そういうことを、そういう出社がなされているということが、ままあったということです。

H   また先ほどちょっとあったんですけど裁判官が面倒になってしまったということなんですけど、それ以外には何か理由がありますか。

宇都宮 はい。その早く、指示よりも早く出社するという、具体的な時間を、会社側が、立証することができなかったからだというふうに思います。

H   いずれにしてもSさんは、割増賃金が一切認められなかったということですね。

宇都宮 はい、そうです。

H   前回のKさんの尋問において、Kさんが、会社の事業モデルについて、割増賃金の未払で成立しているかのような批判をしていたが、どのように思いますか。

宇都宮 全く事実に反しているというふうに思います。現にSさんの、判決による、時間外の割当ての額は、ゼロということです。また、Tさんは不必要に、早い出社をしてきているところの部分で、時間外が認められていたというところから考えても、他の従業員の方に、Tさんと同様に、時間外の手当が割り当てられるということは、有り得ないというふうに考えております。

H   会社はこれまでTさんを定年後に雇用しないといったことはありますか。

宇都宮 1度もありません。

H   雇用することを明確に、労働条件が問題になっているということですね。

宇都宮 はい、そうです。

H   乙6号証の2を示します。協定書ですね。

宇都宮 はい。

H   第2条1項と本件の関係はどのように考えていますか。

宇都宮 はい。求釈明事項に呼応する形で、Tさんが、この2条1項に、適さないということは、主張させていただいております。が、会社側としては、Tさんを継続雇用するということを前提に、しておりました。したがって、この2条1項が、適用になるかどうかということは、問題ではなく、労働条件がいかなるものであるかということが、問題になるというふうに考えております。

H   Tさんの退職前の勤務時間はどうでしたか。

宇都宮 極めて、他の方と比べて短い労働時間であったことは、本人が、乙2号証でも書かれている乗務記録からは、明らかです。本当に短い日は、2時間、3時間という日も散見されます。

H  Tさんの主張は会社が乗務指示をしなかったことから、短くなったかのような主張をしていますが、それに対してどのように思いますか。

宇都宮 全くの誰弁です。Tさんは、稼動手当を、固定残業代として認めることがなく、労働時間が8時間を過ぎれば、時間外手当を払わなければ、仕事をすることはできないと拒否し続けていました。

H   そのことによって、会社は組合員に時間が長くなる可能性のある運行を割当てすることはできないということでよろしいですか。

宇都宮 はい。時間が長引けば、組合員、長引けば時間外手当を、稼動手当のほかにも払わなければいけないという状況になりますので、労働時間が長くなるような配車を割り当てることは到底できませんでした。そのようなことが起きると、他の方にも、時間外手当を稼動手当のほかにも支払うという状況が、起きてしまいます。とてもそのような状況を続けていたら会社は、成立、続けていくことができず倒産してしまいます。そのような観点からも、時間の長くなる配車を彼らに割り当てることはできませんでした。

H   費用面でも…

宇都宮 そうですね費用面におきましても、稼動手当は、11万以上のお支払をさせていただいておりましたので、そこにさらに時間外手当となりますと、二重払という形になりますので、その費用面の面からも、割り当てることはできませんでしたし、また、8時間以上超えた場合に、手当を払わないようならば、職務を放棄するようなことも非常に懸念されました。例えば、お客様を、放棄して乗せることなく、会社に戻ってきてしまうような、そういう、非常に考えられないような、非常識な行動を、取られてしまうような懸念も、強く抱いておりました。

H   非常識なことをやりかねないという、懸念があるんですね。

宇都宮 はい。あります。例えば、Kさんに対する暴行事件がありましたが、そのことを、会社側が企てた、私が指示をして、彼をボウカンしたというようなことを再三にわたって言われました。全く見当違いな、思い込みが激しいそうしたことを、平気で主張してくる、ビラを配る。そのような、非常識な行動を、取るということからも、想像できるのではないかというふうに思います。

H   定年前にTさんのように稼働手当が固定残業代ではないと主張し続けた人がいましたか。

宇都宮 Tさん、Sさん、Kさん以外には1人もおりません。

H   前例となるような人がいないということですね。

宇都宮 1人もおりません。

H   Tさんは平成27年8月12日にKさんとSさんが会社に通告に来た際にいなかったから、自分が残業代をもらわなければ8時間以上は働かないとは言っていないというようなことも主張していますが、その点についていかがでしょうか。

宇都宮 全くおかしな話だと思います。Kさんは、Kさんですね、当時Kさんは、組合の分会長という立場で自分は来たというふうに、宣言していましたし、彼がそこで伝えた内容には、Tさんのことも含まれておりました。また、一緒にいたSさんにおきましても、Tのこともよろしくなという言葉を発しておりまレた。当時、3人は、一緒に行動し、同じ認識の下、行動してたと、いうふうに考えております。

H   乙6号証の2を示します。

宇都宮 はい。

H   第2条第2項「前項各号に選定基準を満たしている場合であっても、定年退職日の前日までに会社の提示する労働条件等に正当な理由なく同意しない者は、継続雇用しないことがある。」と記載されていますが、これはどういう意味ですか。

宇都宮 定年前から定年後において、労働条件が変更し得ることがあり得るというふうに見て取れると思います。また、裁判例におきましても、定年前から定年後において、定年前に比べて給料が下がってしまうことも、やむを得ない場合があるという、裁判例があるというふうに認識しております。

H   第6条、労働条件等の提示、会社は、前条に基づき、従業員から継続雇用を希望する旨の申出を受けたときは、定年退職後の労働条件等について具体的な内容を検討し、その結果を、定年退職日の1ヶ月前までに本人に提示すると記載されていますが、これはどういう意味ですか。

宇都宮 はい。これに関しましても、定年前と定年後では、労働条件が変わり得るということが、見て取れると思います。

H   話が変わります。団体交渉についてです。組合が、令和1年12月28日付の要求書で求めた団体交渉は、令和2年1月9日に実際に行われていますね。

宇都宮 はい。組合の希望どおりに行いました。

H   その際に、組合から交付を求められた協定書のコピーは、会社から組合に交付していますね。

宇都宮 はい。しております。

H   令和2年4月1日要求書、甲8号証ですね、甲8号証における団体交渉の開催が問題となっていますね。

宇都宮 はい。[携帯電話の着信音のような音] すいません、ちょっと、大丈夫ですか。切って。私が、私がすいません。

審査委員長 はい、では切ってください。

宇都宮 申し訳ないです。

K補佐人 時間ねえだろう。

T補佐人 いい加減にしろよ。

審査委員長 お静かにお願いします。

宇都宮 はい。失礼しました。

H   はい。よろしいですか。

宇都宮 はい。

H   当時社会においてコロナウイルスの感染拡大が問題となっておりますね。

宇都宮 はい。なっております。

H   令和2年4月1日要求書、甲8号証ですか、すいません。失礼しました。会社は、組合からの団体交渉の開催要求の要求書に対し、書面で全て返答していましたね。

宇都宮 はい。返答していました。

H   それは今回の委員会の証拠として全て提出されていますね。

宇都宮 はい。されています。

H   会社側からの回答で、書面で質問して欲しいと依頼していますね。

宇都宮 はいそうです。

H   それはなぜですか。

宇都宮 はい。それは、コロナの、緊急事態宣言も発令する間近の状況で、非常に、大変な世の中の状況でしたので、移動回数を減らす必要がある。また団体交渉においても、回数や時間等を極力減らす必要があるというふうに考えておりました。そのためには、できるだけ争点を明確にしていく必要がある。そのために、文書で、文書において、質問、返答をしていくことによってζ争点を絞り込み、そのことで、できるだけ、団体交渉の回数や、時間、移動回数を減らしていこうと考えたからです。

H   組合は会社に対し、文書での質問をしてきましたか。

宇都宮 してきませんでした。文章で、質問回答をしていくことは、できたとは思います。本当に、問題を解決に向けていくのであれば、そのことは、可能だったと思いますが、開催を目的とするように感じられ、文章での回答はございませんでした。

H   開催することが手段っていう、手段に過ぎず、協議の内容が重要であるということでよろしいですね。

宇都宮 そうですね。協議をしていく内容が重要なんですけども、開催をするということに、目的があるように感じざるを得ませんでした。

H   会社は令和2年4月13日、14日に群馬営業所に従業員を集めて解雇の言渡しを行いましたね。

宇都宮 はい。

H   それを理由に組合は団体交渉ができたのではと主張していますが、どのように考えますか。

宇都宮 はい。コロナの状況が、感染拡大が進む中で、群馬営業所の売上げは、もうほぼないという状況に陥っていました。その中で、従業員の方に、継続していただくことが非常に厳しく、解雇をお伝えする必要がありました。そのような重要なことをお伝えするには、群馬営業所の皆さんに集まっていただいて、そのことをお伝えする必要がありました。Tさんも、その集まっていただく中に一緒に参加していただくことになっておりました。ですからそこでの説明をした上で、不足があれば、個別で、その説明を、加えていかれたらというふうに考えておりました。そのような形をとることで、できるだけ移動の回数や、県境をまたぐことを避け、避ける回数、対面で話す回数も極力避けるということの、方法として、そのような手立てをとりました。

H   全従業員を集めた日の説明はスムーズに行われましたか。

宇都宮 行われませんでした。組合の方々が来るといつも大変、騒ぎになります。その日も同様でした。従業員の方以外の組合員の方も、会社に来て、大声で騒ぎ、マスクもせずに騒いでいる方もいました。隣のうどん店の店長の方さえも、トラブルに巻き込んでしまい、非常に御迷惑をかけました。そのような状況下でありました。

H   詳細は、陳述書に記載してありますか。

宇都宮 はい。詳細は陳述書にも記載させていただいております。

H   その日のTさんの様子はどうでしたか。

宇都宮 その日のTさんは、ビニール袋のようなものを、顔から、顔に、つけて、フェイスシールドのようにして、ビニールで顔を覆い、異様ないでたちでありました。また、お話をお伝えしているときも、周りの従業員の方とは、1人離れて立って話を聞いているという状況でした。人一倍感染に関して、注意を払い、人の密を人一倍避けようとする様子が伺えました。

H   その後緊急事態宣言が解除された後の令和2年4月16日付け要求書甲13号証。これに対して会社は6.月5日に団体交渉をしていますね。

宇都宮 はい。しております。

H   その後組合から会社に対し、団体交渉開催の申込みはしていませんね。

宇都宮 しておりません。

H   私からの質問は以上でございます。

審査委員長 では、反対尋問をお願いいたします。

清水申立人 では、申立人清水から反対尋問を行います。主尋問で、Tさんが入社した時に、稼動手当が固定残業代であるという説明をしたとおっしゃいましたか。

宇都宮 はいそうです。

申立人 それはいつどこで誰が行いましたか。

宇都宮 …ちょっとはっきりとした記憶ではありませんが、入社時に、群馬営業所において、おそらく当時、SNさんかKO部長かが行っていると思いますが、裁判の資料でも、記載させていただいておりまして、おるとおりでございます。

申立人 裁判の資料で記載してますか。

宇都宮 記載しているんだと記憶しておりますが、判決文の中に、入社時に説明をしたという判決文は明記されております。

申立人 それ、何か証拠を挙げてますかね。

宇都宮 証拠をどのように上げたかは記憶に、すいません、ございませんが、裁判官が、判決文において、開催しているということを明記していることは、しっかり把握しております。

申立人 判決文にあるのはわかってます。だけど、会社がそういう証拠を挙げたということはないですよね。記憶してないですよね。

宇都宮 説明をしたということは、私はしっかり認識しております。

申立人 だけど証拠挙げてないですよね。

宇都宮 私は証拠上げたかどうかというのは、すいません、記憶には今ありませんが、

申立人 いいです。いいです。

宇都宮 はい。

申立人 それから、申立人が非常識で、Kさんの襲撃を宇都宮社長が指示をしたというふうに言ったり書いたりした。それは本当ですか。

宇都宮 含みを持たせた表現であったと思いますが…

申立人 含みを持った表現をしたということでよろしいですか。そんなことは言ってないですよね。

宇都宮 含みを持たせた表現でしたが、明らかに、私がやったということを感じざるを得ない表現で、団体交渉などで言っていたというふうに認識してます。

申立人 そんなことを断言したんですか。

宇都宮 含みを持たせた表現で、はっきりと言われたことはしっかり記憶しております。

申立人 含みを持たせた表現だったということでよろしいですね。

宇都宮 私はそのように感じました。

申立人 はい。ほいで、8時間以上は働かないと、それSさんが、Tのこともよろしくなって言ったんですかね。

宇都宮 そうです。

申立人 ふ一ん。ということは、Tさんは自分では言ってないっていうことは間違いないですね。

宇都宮 はいそうです。

申立人 はい。答弁書等準備書面は、あなたが作成してるんですか。

宇都宮 いや、私が代理人に相談して作成しております。

申立人 割増賃金等請求裁判では中山耕平弁護士が代理人でしたけど、彼が作ってるんですか。

宇都宮 私が代理人に相談し作成しています。

申立人 はい。中山さんですね。

宇都宮 そうです。

申立人 はい。稼動手当に関連して聞きます。Kさんが入社してから、2013年、平成25年7月までは時間外手当深夜手当の記載が、明細書にあったと証言しましたが、覚えていますか。

宇都宮 はい。明細、どこでですかね。

申立人 うん。Kさんの明細書に2013年7月までは時間外手当と深夜手当の欄があって、そこに金額が書かれていたという証言。

宇都宮 はい。

申立人 事実そうですか。

宇都宮 はいそうです。

申立人 それまでは、稼動手当は固定額ではなかったんですね。

宇都宮 …固定額でした。というふうに認識しています。

申立人 11万4600円。

宇都宮 そうです。

申立人 それにプラスして時間外手当と深夜手当が支払われていたんですか。

宇都宮 違います。

申立人 違いますよね。

宇都宮 はい。

申立人 稼動手当からその時間外手当と深夜手当で払った額を引いた額が稼動手当だったんですよね。足して11万4600円だったんでしょ。

宇都宮 そういうことです。

申立人 そういうことですよね。

宇都宮 はい。

申立人 稼動手当は固定額じゃなかったですよね、だからね。

宇都宮 固定で11万4600円を支払わせていただいておりました。

申立人 だから固定でっていうのは全部足して11万4600円の固定額で、ね。それは稼動手当と時間外手当深夜手当の合計でしょ。

宇都宮 全部足したものを稼動手当として支給していたということです。

申立人 違うでしょ。稼動手当は別にあったでしょ。

宇都宮 結論的には、総額で11万4600円だったということです。

申立人 そうですよね。

宇都宮 はい。

申立人 稼動手当は、時間外手当払ってたら、それ引いた額で、11万4600円からその分安い金額になってたでしょ。明細に書いてあった額は。

宇都宮 今おっしゃってる稼動手当の定義がどのようなものかということが、ちょっとよく分かりかねますが、

申立人 明細の話聞いてんですよ。

宇都宮 はい。とにかく足し算して、総額が11万4600円ということです。

申立人 はいはいはい。だから、2013年の8月から、その時間外手当深夜手当への記載がなくなりましたよね。

宇都宮 そうだったかと思います。

申立人 何で変わったんですかね。

宇都宮 え一、何で変わったか。

申立人 うん。

宇都宮 ちょっと曖昧ですが、労働基準監督署の方のアドバイスを受けて変わったということで、前橋地方裁判所の判決文にも書いてあるというふうに思います。

申立人 まあ、いいや。その時、誰かが労基署に申告したりしたんですかね。残業代が出てないよっつうんで。

宇都宮 いや、そうではなく、そういうこともあったかもしれませんが、その前から、監督署の方にアドバイスを受けて、その変更をする手続をしていたということです。

申立人 甲24号を見てくれますか。

宇都宮 はい。

申立人 これTさんと、会社の雇用契約書ですね。

宇都宮 はい。

申立人 第2項を見てみてください。「就業場所は群馬営業所とし、その他の労働条件は、就業規則およびこれに基づく諸規定の定めるところによる。」って書いてありますね。

宇都宮 はい。

申立人 これ以外に、労働条件通知書のようなものを作成してますか。

宇都宮 雇用契約書。

申立人 とは別に、うん。

宇都宮 別に。

申立人 労働条件通知書。

宇都宮 労働条件通知、雇用契約書。

申立人 雇用契約書っていうのは、この労働契約書でしょ。

宇都宮 労働契約書と雇用、何ていうんすかね、個別の。

申立人 そうそうそう。それを作ってます。

宇都宮 はい。

申立人 作ってる。

宇都宮 作ってます。当時がどうだったかちょっと今記憶が曖昧ですが、今作っております。

申立人 今はね。

宇都宮 はい。

申立人 そういうものを初めて作ったのは、Tさんが組合に入ってね。ね、稼動手当を8万円カットしますよっていうんで、その時作ってきましたよね。

宇都宮 そうだったかもしれません。

申立人 そうですよね。

宇都宮 はい。

申立人 そのとき初めて、労働条件通知書っつうものを会社は作ったんじゃないですか。

宇都宮 ちょっと曖昧ですが、そうだったかもしれません。

申立人 はい。あれは誰かに相談して作ってもらったんですか。

宇都宮 おそらく社労士の先生に相談して作ったと思います。

申立人 はい。その前はだからなかったですよね。このTさんが労働契約書を結んだ時に、それとは別に労働条件を明示する書類を作ってないですね。

Tさんは見たことないし、会社もそういうものは、ないですよね。少なくとも裁判とかそういうもので出してることはないですよね。労働委員会でも。

宇都宮 はい。

申立人 はい。これー、就業規則、賃金規定、三六協定書、いずれもTさんが就職した時に、群馬営業所には、常時閲覧できる状態にはありませんでしたよね。

宇都宮 はい。

申立人 ロッカーの中に鍵かけてしまってありましたよね。

宇都宮 はい。

申立人 はい。当時、賃金規定に稼動手当の説明は明記されてませんでしたね。

宇都宮 もう一度、すいません。

申立人 当時の賃金規定には、稼動手当っていう言葉は出てこなかったですよね。

宇都宮 稼動手当は出てなかったかもしれませんが、稼動手当という言葉は、なかったですね。

申立人 うん。

宇都宮 違う言葉であったと思いますが。

申立人 うん。

宇都宮 はい。

申立人 その稼働手当っつう言葉が初めて賃金規定に書かれたのは、平成27年、2015年の8月24日のことですよね。

宇都宮 すぐ分かりませんが、

申立人 まあTさんが組合に入って、ね、それで残業代のことで、要求書出したということをきっかけにして、

宇都宮 それがきっかけというか、以前からその監督署の方に、その前の言葉なんて言いましたっけ。稼動手当の前に就業規則で表現していたその言葉では、

申立人 調整手当ですかね。

宇都宮 調整手当では、その中央タクシーさんが言っている意味合いの言葉とすれば、うまく表現できてないから、言葉を変えた方がいいですよということがきっかけです。Tさんのことがきっかけではありません。

申立人 うん。時期的にはその後ですよね。

宇都宮 時期的にはその後です。

申立人 はい。甲36号証を見てくれますか。これはTさんが応募したハローワークの会社の求人票ですね。

宇都宮 はい。

申立人 平成26年、2014年の9月2日受付って書いてあるのがわかりますよね。

宇都宮 はい。

申立人 はい。これ、真ん中の列の「賃金」という項目がありますね。

宇都宮 はい。

申立人 真ん中の列で、賃金の形態、これが、一番上に「賃金」ってあって、まず「a基本給」というのありますね。

宇都宮 はい。

申立人 25万円から30万円。

宇都宮 はい。

申立人 で、「b定額的に支払われる手当」。何か書いてありますか。

宇都宮 書いてないです。

申立人 空欄ですね。

申立人 はい。「cその他の手当等付記事項」。何か書いてありますか。

宇都宮 書いてないです。

申立人 はい。それから賃金の形態、何か書いてありますかね。

宇都宮 「年俸」と書いてあります。

申立人 はい。「3,000,000~3,600,000円」と書いてありますね。

宇都宮 はい。

申立人 それで昇給はなし。

宇都宮 はい。

申立人 賞与が「あり」、「年2回」。「30万円~40万円」。いうふうになっていますね。

宇都宮 はい。

申立人 これは間違いないですかね。

宇都宮 はい。

申立人 それからその下、「就業時間」というところがあります。

宇都宮 はい。

申立人 分かりますかね。「変形(1ヶ月単位)」って書いてありますね。

宇都宮 はい。

申立人 それで、(1)から(3)まで、「0:00~13:00」、「02:00~15:00」、「04:00~17:00」、この三つが記載されていますね。

宇都宮 はい。

申立人 その下に「時間外なし」って書いてありますね。

宇都宮 はい。

申立人 「休憩時間180分」って書いてありますね。

宇都宮 はい。

申立人 「休日他週休二日制上って書いてありますね。

宇都宮 はい。

申立人 「求人条件特記事項」で「年俸には賞与分が含まれています」って書いてありますね。

宇都宮 はい。

申立人 9月20日午前10時より藤岡営業所にて説明会を開きますと。これのことですかね。説明会っつうのはね。

宇都宮 そうですね。

申立人 はい。

宇都宮 はい。

申立人 この三つのね、就業時間によると17時から0時の間は業務が入らないことになってますけども、これ、車は動いてないわけじゃないですよね。

宇都宮 はい。

申立人 その時間は、他の人がやるっていうことですか。

宇都宮 ここに書かれている内容と、実際の業務に、少し違いがあるということが、違いがあります。ただ、この説明会において、ここに書かれていることがこれでいいと言ってるわけではないですが、説明会において、実際の現状の仕事に対しての説明と、質疑に対して答えているということになります。

申立人 いずれにしてもこの1労働日当たり実働は10時間、休憩3時間、変形労働時間制でっていうことですよね。

宇都宮 ここにはそう書いてありますが、ここに書かれてる内容が、実際の実務とは一致していないと思います。それが決して正しいことではないですし、今、見る限りでは書き直す必要があるというふうに考えております。ただ、その説明会において、実際の業務のことをですね、きちんと説明しておりまして、この一つのフォーマットに当てはめていったときに、現実との違いがどうしても出てしまっていたり、見解の違いで出てしまっている部分があるかもしれませんが、説明会において、きちんと、稼動手当の説明等を含め、しているということは、判決文にも書いてあるとおりだというふうに思います。

申立人 裁判官はそこまで見てますか、これ証拠で挙げてないんだけど。

宇都宮 そこら辺の評価は、私は分かりませんが、それが事実です。

申立人 あのね、Tさん、これ証拠で挙げてないんですよ。そこはね、だから会社もね、説明したかどうかについては、会社の証拠も挙がってないし、だから、証拠を踏まえた判断じゃないんですね。実際、この求人票を見ていただくと分かるように、残業はなしって書いてあるんですよ。じゃあね、その就職説明会でね、この求人票は嘘でしたと、ね。本当は残業ありますよという説明をしたんですか。

宇都宮 細かい、こういうような説明っていう、つまり現実に、どういうような日常の業務になって、どのような時間帯で仕事をして、そしてどのような給与をお支払いさせていただいているかという説明をきちんとさせていただいております。

申立人 Tさんは、そのね、賃金、明細をもらうまで稼動手当なんて言葉は聞いてませんよ。

宇都宮 それは説明しております。

申立人 誰が説明したんですか。

宇都宮 この説明会においてしております。

申立人 誰がしたんですか。

宇都宮 当時、SNさんなのか分かりませんが、ちょっとはっきり私も把握しておりませんが、説明会で説明をしております。

申立人 Fさんですね。当時の総務課長。

宇都宮 Fさんだったかもしれません。

申立人 あのね、この求人票を見て、応募するわけですよ。ね。これ、実は違いますよなんて説明は一切されてないですよ。

宇都宮 はい。

申立人 そういう説明をしなさいというふうに、社長が指示してますか、明確に。

宇都宮 実際に行われる、日常の業務をしっかりとイメージして、現実に行われてる仕事の内容や給与の手当を説明しているということになります。

申立人 残業をね、じゃあ休憩時間はどう説明します、その時に。

宇都宮 はっきりとは分かりませんが、日常の業務でどのような休憩をとっていただいたりとか、ということがあるということを説明させていただいております。

申立人 これ、だから、求人票には180分休憩時間というふうに書いて、13時間の拘束時間と書いてあるんだけども。

宇都宮 はい。

申立人 そういう説明はしてないんですね。

宇都宮 そういう説明はしていないと思います。

申立人 180分という休憩時間も、ね、みんなこれ見てきてるんだけども。180分の休憩時間じゃないよっていう説明してますか。

宇都宮 定型的な業務ではありません。定刻で動く運行はしておりません。ということの説明の中に、休憩時間が長いときもあれば短い時もある。そういう説明をさせていただいていて、そのことをここに全部書き込むことは不可能ですので、おおよその内容ということで、書かせていただいておりまして、ハローワークの方にも大体全てフォーマットどおりにいかない場合はっていうような説明があるんだろうというふうに、以前聞いたことがあります。

申立人 じゃあ、この賃金形態もそうなんですか。このとおりいかないことがありますよって、ハローワークにそういう報告をしてるんですか。

宇都宮 実際の説明会においては、今後どのような賃金形態で、どのように稼動手当等をお支払いしてるかということを説明させていただいております。ここに書かれている内容がどうかということもありますが、説明会において、日常に即した説明をきちんとさせていただいております。

申立人 あのね、説明会でちゃんと説明するんだったら、ね。その求人票と違うんだから、労働条件通知書っていうものをちゃんと書いて、ね。交付しないと分かんないと思いませんか。休憩時間、残業代。

宇都宮 その日常でどのような仕事をしていただいてるかという、現実に即した内容をボードや口頭を使って説明をさせていただいております。

申立人 それ働いた後で賃金どうなるかって分かるわけでしょ。実際、残業はないよって言われてたのに、残業してるじゃん。

宇都宮 残業がないというような説明は、説明会では一切しておりません。

申立人 じゃあこれね、求人票は違いますよって説明は、だからしたんですかっていうの。

宇都宮 しておりません。

申立人 してないですね。

宇都宮 はい。

申立人 タイムカードってあったんですかね。

宇都宮 ないですね。

申立人 休憩時間の管理ってしてましたかね。

宇都宮 チャート紙を見てしていたと思います。

申立人 していたと思います。

宇都宮 はい。

申立人 誰が。

宇都宮 運行管理の方が。

申立人 それは何、どういうふうに。

宇都宮 チャート紙を見て、裁判の等々に出していた帳票類のようにです。

申立人 あれ裁判になってから作ったものですよね。

宇都宮 書式自体は違いますが、情報はそのようにして抽出しております。

申立人 その時には、労働時間、休憩時間はどういうふうに処理してたんですかね。

宇都宮 どのようにと申しますと。

申立人 万一、じゃあね、拘束13時間だとしますよ。求人票にあったとおりね。

宇都宮 はい。

申立人 休憩時間は、その実態に応じて判断したわけですよね。チャート紙を見て。

宇都宮 はいそうです。

申立人 そうするとこの日は休憩1時間だったとか、そういうこと全部書いてあったんですか。

宇都宮 そうです。そのチャート紙を見て、空いているところから休憩時間を割り出してました。

申立人 それで残業代がね、固定、払ってるかというよりも増え、出ちゃった場合は、ね。出さなきゃいけないですよね。

宇都宮 そうですね。

申立人 Tさんはそれで出なかったんですか。当時。

宇都宮 休憩時間の換算の仕方が、今回の裁判所における計算の仕方と違っていたから、出ていませんでした。

申立人 どう違ってたんですか。

宇都宮 私たちの考えていた手空き時間の休憩を休憩時間としては認めていただけていなかったからです。

申立人 その手空き時間とはどういうことですか。

宇都宮 どういうことといいますと。

申立人 手空き時間は全部休憩時間。

宇都宮 全部というか、そうですね。そういうふうに考えておりました。

申立人 うん。結構な時間になりますよね。3時間じゃきかないですよね。

宇都宮 その時によって違うと思います。

申立人 はい。陳述書は間違いないんですかね。

宇都宮 そのように考えております。

申立人 Tさんが他の従業員の前で大きな声でこんなクソみたいな会社辞めてやる、定年なっても頼まれても嫌だ、KNさんとかYMさんにそういうふうに言ってたと、いうことですか。

宇都宮 はいそうです。

申立人 それ誰から聞いたんですか。

宇都宮 本人から聞きました。

申立人 YMさんとKNさん。

宇都宮 はい。

申立人 う一ん。その2人だけ。

宇都宮 他にもおりましたが、その2人を具体的に示しました。

申立人 それはいつ頃の話ですかね。

宇都宮 いつ頃…。まあ、常々というふうに聞いてます。

申立人 甲12号証を見てください。

宇都宮 はい。

申立人 空港便の専属乗務員は、全員解雇したんですかね。

宇都宮 そうです、ほぼ。

申立人 全員解雇。

宇都宮 そうです。

申立人 この解雇の方針はいつ決定したんですか。

宇都宮 …。

申立人 これ4月13日付の解雇通知ですけども、これを決定したのはいつなんですか。

宇都宮 この日という明確な日付はわかりません。

申立人 先ほどのね、甲11ですかね。ここで、先ほど言ってましたけど、4月中旬には全ての従業員に説明する予定でありますとあって、この時はもう解雇するって決めてたような、主尋問の話ですよね。

宇都宮 決めてたというか極めて厳しい状況にあるということをお伝えしました。

申立人 うん。だけど、その時も決めてたんじゃない。4月中旬にね。説明会やると。説明会やるっていうのは解雇を伝える説明会をやるっつうふうに、最初からそういう考えだったんですか。

宇都宮 最初からそういう考えというか、極めて厳しいのでそうなる可能性もあるというようなことはお伝えしていたと思います。

申立人 その可能性があるよっつう話をすることも考えていたんですか。そのために集めるっつうこと。

宇都宮 一日一日のニュースでもうどんどん状況が目まぐるしく変わっていた時だったので、平時のような判断というよりは、逐次その判断の内容は変わらざるを得ない状況でしたので、楽観論悲観論の中で悲観論を少し強めに表現して伝えておりました。

申立人 甲9号証を見てもらえますか。

宇都宮 はい。

申立人 休業についての労使協定を2020年3月29日に説明して3月31日に締結したということですけど、Tさんにも説明してんですかね。

宇都宮 もう一度すいませんお願いします。

申立人 3月29日に労使協定、休業についてね、労使協定を結びたいということで、従業員に説明をして、3月31日に休業の労使協定を結んだと、書いてありますよね。

宇都宮 はい。

申立人 2番で。これTさんにもこれ説明してますか。

宇都宮 Tさんに説明したかはっきり分かりませんが、労使協定は過半数以上という、規約がありましたので、それに基づいて進めました。

申立人 政府から雇用調整助成金が出されたと思いますが申請はしたんですよね。

宇都宮 しました。

申立人 このね、甲の16号証を見てくれます。

宇都宮 はい。

申立人 休業の労使協定ですけども、これ期間は、令和2年、2020年4月1日から4月30日まで、なってますね。

宇都宮 はい。

申立人 で、途中のね、この期間の途中で4月の17日付けで解雇になってるわけですよね。

宇都宮 はい。

申立人 これ、労使協定違反じゃないですか。

宇都宮 労使協定の違反と申しますか、会社存続が、危ぶまれる状況の中で、労使協定のことと、労使協定が決して軽い意味であるということは申し上げませんが、会社あって初めての労使協定だというふうに考えております。

申立人 そもそもその雇用調整助成金でしのごうっつうことで、これだって、労使協定結んだんじゃないんですか。

宇都宮 売上が突如としてなくなるという状況の中で、平時と同じような判断はいたしかねるという前提で考えておりました。

申立人 そういう説明って、ね。組合が、4月1日付けで要求書出して、休業についての労使協定について説明しなさいということでね、要求しましたよね。休業についての労使協定書を出して理解を求めようと思わなかったんですか。

宇都宮 もう一度いいですか、すいません。

申立人 組合からね。質問事項が来なかったとかって言いますけども、質問事項はもう明確な話で、休業協定ってどうなってんだという話でもあったわけですよ。ね、休業協定書はこうなってますっていう説明をしなくちゃいけないと思わなかったんですかね。

宇都宮 休業…。

申立人 思わなかったから出さなかったんですよね。

宇都宮 ちょっとよく記憶しておりません。

申立人 うん。

宇都宮 組合の方もそうですが、人数的にはそれ以外の方がほとんどですので、多くの方にいろんな説明をしていくことが、頭にあったと思います。

申立人 だからね、従業員の側からすればね、どういう状況なのか知らないことには、いきなりね、解雇の説明会ですよ、全員解雇ですよじゃ困るわけですよ。だからね、労働組合としてはね、団結権の行使として、要求書出して詳しい説明を求めたわけですよ。だいたい解雇なんて話も寝耳に水ですよね。

宇都宮 ですからその1回目の説明会の時に、非常に厳しい状況にあるということをお伝えして、そして2回目の説明会の時に、全員の方にできるだけ同時に、お伝えすることが必要だというふうに判断しました。その時に、そこにTさんも一緒に参加していただけるということでしたから、コロナという状況下で、何回も何回もというところもありましたし、総合的に判断してそのようにいたしました。

申立人 甲11号証、4月の6日付けですけど。

宇都宮 はい。

申立人 この時、まだ非常事態宣言、出てなかったですよね。

宇都宮 まだ出ておりません。

申立人 うん。,

宇都宮 ですが、もう出るということが、かなり世の中では取り沙汰されていた状況だったと記憶してます。

申立人 この頃まだ営業もしてましたよね。

宇都宮 営業してます。

申立人 うん。

宇都宮 営業はずっとしてます。

申立人 はい。乙13の13ページ。

宇都宮 乙13、の13ページ。

申立人 Sさんのことが書いてあって、一番最後の段落ですね。Sさんの申立人組合からの脱退について、新たに加入した労働組合からの加入通知書に、「S氏は、会社と喧嘩をするのではなく、話し合ってもっと良くしていきたいとの想いから、今までの労働組合脱退しての加入となります」と記載されていたことが書かれていますが、事実ですか。

宇都宮 …。

申立人 Sさんがね。新たな労働組合からね。

宇都宮 そうですね。そういう記憶があります。

申立人 はい。Kさんから2018年11月22日未明に襲撃された件についてあなたはいつ知りましたか。

宇都宮 いつ知ったか、ちょっと記憶にありません。

申立人 その日のうちですか。

宇都宮 誰から聞いたのか、ちょっとよく覚えていません。

申立人 覚えてないんですか。

宇都宮 はい。

申立人 え一と、前回の証人尋問でKさんが証言したんですけど、2019年、令和1年12月28日付けで、あなたの名前でSさんに警告書という文書を交付してますよね。

宇都宮 ちょっと、すいません。

申立人 分かんない。

宇都宮 はい。

申立人 んとね、40件ぐらいね、いろいろ書き連ねて、就業規則違反の事例を列挙して、今後繰り返されれば懲戒処分にするという警告書をSさんに出したことある。

宇都宮 何となく、はい。

申立人 うん。それはKさんが襲撃されてから約1年後ぐらいですよね。

宇都宮 うん。

申立人 うん。その中に、平成30年、2018年ですね、11月22日、19時、S氏からH氏への電話において、K氏に対して、命を取る、埋めてやる、歯を一本一本抜いてやる、顔の皮を剥いでやるなどと常軌を逸した発言をしたというふうに書いてあるんですけども、覚えてます。

宇都宮 SさんがHさんに言ったってことですか。

申立人 そうそう。

宇都宮 ええ、なんかそういう話は聞いています。

申立人 あの一、1年後だから報告書が上がってたってことですよね、H所長からね。

宇都宮 ちょっとあまり記憶にないんで、その事件にあまり興味、関心がそれほどなかったので。

申立人 うん。だけど、こういう具体的な表現も含めて全部記録されてることは間違いないですよね。

宇都宮 おそらくそうだと思います。

申立人 この電話があった後で、すぐHさんから報告ありました。Sさんがこんなこと言ったって。

宇都宮 もう一度お願いします。もう一度質問すいません。

申立人 これだから、組合も騒いだし、大問題になったじゃないですか。

宇都宮 まあ、大問題と。はい。

申立人 その当日ですよ。

宇都宮 当日、はい。

申立人 襲撃された当日にSさんから電話がかかってきて、Hさんにね、Sさんこんなこと電話で言ってたっていう話は、聞いてるでしょう。

宇都宮 そういう話聞いたんですけど、いつとかそういうことまでは、あんまりはっきり覚えていません。

申立人 はい。襲撃事件の当日ね。夕方、私、Kさんと一緒に営業所に報告に行っているんです。Hさんにね、そこで、Sさん居たんですよ。玄関のね、入口の正面に。机に座ってました。その日はね、無断欠勤になってるわけですね、朝襲撃されて、そのまま倒れちゃっているから。Sさん知らないわけですよ。何が起こってるかはね。無断欠勤した。そこに、僕も一緒になって、事務所に上がりこんできたんで、何しに来たんだっていう顔をして見てたんですよね。

宇都宮 はい。

申立人 Hさんから案内されて2階で話をして、帰る時にはもうSさんいなかったんですよ。

宇都宮 はい。

申立人 だからね、そのあと、Sさんが7時だよね。Hさんに電話して、何があったんだという話になってね。襲われたらしいんだよっつう話になって、なんだあの野郎俺がぶっ殺してやるわっつう話になったんだと思うんですよね。

宇都宮 はい。

申立人 あのね、Hさんからこの報告聞いて、Sさんが犯人かもしれないって、あなた思いませんでした。

宇都宮 もう正直そこら辺の推測は、私がすること自体に意味がないと考えてまして。とにかく警察に委ねるというのがもう、どう考えても筋だと考えてましたので、もうそのことだけです。

申立人 うん。

宇都宮 はい。

申立人 だけど、警察に被害届出れば、会社はこういうことがね、報告書で上がってますって、そういう証拠を出しますよね。

宇都宮 うん。

申立人 当日ね。

宇都宮 はい。

申立人 HさんにSさんがね。殺してやる。顔の皮、剥いでやる。歯を抜いてやる。こういうね、電話でこんなこと言ってたんですっていう報告書はね、警察には出しますよね。

宇都宮 まあ、出すんですかね。はい。

申立人 うん。そうすると逮捕されますよね。容疑者として。

宇都宮 どなたがですか。

申立人 Sさん。

宇都宮 それは私には分かりません。

申立人 わからない。逮捕されちゃうんじゃないかなと思いませんでした。

宇都宮 まったく、もうとにかく、犯人を捕まえてくれということだけしか考えてなかったので、そのことが事実だとしたら。

申立人 うん。

宇都宮 だから、とにかく事実なのかどうかさえも私は正直よく分かりませんでしたので、事実なのか、そして、犯人は誰なのか、社内であろうと社外であろうと誰であろうと、とにかく捕まえなければ、その後は危険ですので、そのことだけです。それ以外に、推測等々私がしても意味のないことだと考えてました。

申立人 他にね。あなたが知ってる限りでKさんにね、強い憎しみだとか殺意を感じさせる人は他にいましたか。そういう発言をする人が。

宇都宮 お答えしてもいいんですけど、あまり本件の協議の内容とあまり意味がないように、個人的に感じますが。

申立人 他にもいるんですか。

宇都宮 何ですか。

申立人 他に、他にも。

宇都宮 いやだから、私はすいません、犯人探しに興味がないから、興味がないといったら、ちょっと語弊がありますが。

申立人 誰がっつう犯人捜しじゃなくて他にもそういう人が、思い当たる人があったんですか。頭の中には。

宇都宮 犯人。

申立人 いやだから、そういう殺意をね、持ってるんじゃないかとか。

宇都宮 誰が誰にですか。Kさんにですか。

申立人 そうそう。

宇都宮 誰かが。いやだから、それがもう何だかさっぱり分からないので、とにかく警察にお願いするのはそれ以外に何があるんでしょうかということです。

申立人 分かりました。はい。そのね、襲撃事件があって、その7日後に第12回団体交渉開かれてます。覚えてますかね。

宇都宮 はい。

申立人 おんなじようにね、被害届を出してくれと言いましたよね。

宇都宮 はい。

申立人 そういう問題じゃないよということでね、私もだいぶ激しく言ったんで、中にはね、ふざけんじゃないお前と怒鳴って怒られてね、謝りましたよね、私ね。

宇都宮 うん。ちょっとよく覚えてないですが。

申立人 はい。そのぐらいね、あなたはしつこくね、警察に被害届を出せって言ってたのは覚えてますかね。

宇都宮 それはもう、もうそれしかないと思います。

申立人 襲撃事件の後ね、2019年1月15日に申立人がね、この襲撃事件は許さないということでビラをね、群馬営業所にまきに行ってますけども、その時にもう、警察が出動する騒ぎがあったの覚えていますか。

宇都宮 何となく覚えてます。

申立人 うん。その時に敷地に入るなっつって対応に出てきたのH所長とSさんだったんですよ。覚えてますかね。

宇都宮 敷地に入れば、それはそういうふうにするんじゃないでしょうか。

申立人 うん。あの敷地に入ってないですけどね。まあいいや。で、H所長の指示でね、自分の携帯で警察の出動要請したのはSさんだったんですけども、それって知ってます。

宇都宮 申し訳ありません。あまり記憶にないです。

申立人 そうですか。

宇都宮 はい。

申立人 申立人のプログにも書いてあるんですけどもね。Sさんが敷地内に入るんじゃねえ、やんのかこのやろうっつうんで私に食ってかかってきて、それは記事にしたんですけども。なんかね、Sさん、元の組合の仲間って感じじゃなくて、H所長の右腕のような感じだったんですよね。

宇都宮 まあ、どうなんでしょう。

申立人 はい。覚えてない。

宇都宮 っていうか、あまり関心がないです。

申立人 うん。

宇都宮 はい。なかったので記憶があまりないです。はい。

申立人 先ほどのね、懲戒のSさん{こ対する警告書がね、申立人に渡るとは思ってなかったと思うんですけども、どうですか。

宇都宮 ごめんなさい、もう一度。

申立人 だからね、そんなことを書いた警告書が組合にね、渡るっていうのは意外でしょ。

宇都宮 あまりすいません。ちょっとそこら辺に、意識がなかったので、あんまり記憶がありません。はい。

申立人 うん。その間にね、1年の間に、襲撃をされたKさんはね、後遺症でやっぱり退職せざるを得なかったわけですよね。それは分かりますよね。

宇都宮 それは…、分かると言われても、分かりかねます。

申立人 うん。Kさんが辞めたらね、Sさんに対する態度が一変したんじゃないですか。

宇都宮 誰のですか。

申立人 会社の。

宇都宮 全くそんなことはありません。

申立人 そうですか。

宇都宮 はい。

申立人 Sさんはね、この警告書をもらって、組合に相談に来たわけですよ。それで、今まで会社のためにね、やってたのに、急に使い捨てにされそうだと。いうことでね。それで、相談に来たわけですよ。それで、私もね、こんなこと言ってたら、Sさんね、被害届を出したら逮捕されて、解雇されたよっつったら、非常に悔しがってましたよ。分かりますか、その気持ち。

宇都宮 いや、すいません。分からないのと、ちょっと個人的な見解になってしまいますが、本件の協議と全く関係のないお話に聞こえてしまいます。

申立人 分かりました。

宇都宮 はい。

申立人 私からは以上です。

審査委員長 はい、よろしいですか。

T  委員長。

審査委員長 はい。

T  私、Tから質問をいたします。私、Tは、平成26年11月、入社してから、固定残業代11万4600円分をオーバーした分を、何時間か、労働したかを把握していますか。

宇都宮 把握しておりません。

T  じゃ、オーバーした残業代は払ってないということですね。

宇都宮 そういうふうにも言っておりません。

T  じゃ、どういうことですか。

宇都宮 分からないということです。

T  分からない。

宇都宮 はい。

T  最高裁判所、サクライリュウコ裁判官。これについて判例を出してますけども、知ってますか。

宇都宮 …。すいません、分かりません。

T  はい。

宇都宮 はい。

T  それは、固定残業をオーバーした分を払っていないと、この固定残業制はいくらもゼロ円だと、いうことを同裁判官は述べているわけですよ。そういうことは、知っていませんか。

宇都宮 …分かりません。

T  判例ですよ、判例って知ってますか。

宇都宮 分かります。

T  その辺のところ、固定残業制、あなたはだいぶ誤解していると思う。判例をしっかり見てください。それともう1点、質問いたします。証人が、山本さん、KNさんから、Tは辞めてやると聞いていると言いましたが、これ、どのような感じで、いつどこで何をもって聞きましたか。

宇都宮 いつどこで何をもってというか、日常会話の中で幾度か聞いております。

T  ということは、あやふやなんですね。

宇都宮 いつどこで誰がという明確なことは言えませんが、日常会話で幾度となく聞いております。

T  Sさんから聞いたことはありませんか。

宇都宮 いつどこで誰がどのようにというのは、分かりませんが、幾度となく聞いております。

T  Sさんから聞いたことがあるということですか。こういうことについて、Tは定年になったら辞めると。

宇都宮 Sさんからは聞いたことはありません。

T  ありませんか。

宇都宮 私の記憶では、Sさんから言われたということはありません。

T  それと最後の質問になりますが、時給1,000円、この1,000円、1,500円じゃなくて、850円じゃなくて1,000円にしたっていうこと。それはどんぶり勘定で切りがよくて1,000円としたんですか、何か根拠はありますか。

宇都宮 根拠はあった、ないということはないですね。過去に時給でやっていただいてた方や、その他のことなどを勘案して、決めたというふうに記憶してます。

T  それはいつ頃、どこの営業所でどのような感じでやってたんですか。

宇都宮 具体的な細かいところまでは記憶しておりません。

T  大ざっぱで1,000円と決めたということですね、勘でね。

宇都宮 過去の時給で仕事をしていただいていた方や、長野で、時間で仕事していただいてる方など、総合的なところから、それぞれの方に不具合がないようにとか、考えて判断したというふうに記憶してます。

T  はい。それもしっかりとした根拠がなくてどんぶり勘定で決めたと、そういうふうに理解してよろしいですね。以上です。

審査委員長 よろしいですか。

K  あ、じゃあ、ちょっとすいません。

審査委員長 はい。

K  甲36号のことなんですけども。こちらは求人票の方ですね。ここの定年再雇用の項が右側にあるんですけども、「定年制あり一律60歳 勤務延長なし 再雇用あり70歳まで」と記載されておりますけども、これは、2013年3月の25日だったかな、そこに出てると思いますけども、定年再雇用の経過措置の協定書。例えばTさんが62歳ならば、62歳から年金がもらえるからそこまでですよという、あれですよね、協定書。その協定書の後に出されたもので間違いないですよね。

宇都宮 はいそうです。

K  そうですよね、時間的に。これはその後の求人票にも記載されておりましたか。

宇都宮 その後といいますと、どの後。

K  例えば、Tさんの後にも求人票出してますよね。

宇都宮 まあ、出してると思います。

K  はい。

宇都宮 ちょっとそう、

K  その時も勤務延長の後、70歳までという記載がありました。

宇都宮 ちょっと分かりませんが、ちょっと記憶はありません。

K  あと、すいません。経過措置でTさんのように、時給制で再雇用された例というのはありますか。

宇都宮 ありません。

K  ないですよね。

宇都宮 はい。

K  それはなぜですか。

宇都宮 それは、Tさんのように、定年前の労働雇用契約、基本給、稼動手当、その稼動手当を、固定残業代として認めませんというような見解の一致がされない方が定年を迎えたという例がないからです。

K  それは組合が主張したということで間違いないですよね。

宇都宮 他の方と同一労働ではない状況の中で、同一賃金で進んでいた、その方が、稼動手当が固定残業代だということを認めずにして、定年を迎え、その見解の一致がなされていない雇用契約を継続するという判断に迫られたことは今まで1回もなかったからです。

K  裁判上や我々の組合の主張として、稼働手当がおかしいという主張をしたから、時給制にしたということですか。

宇都宮 契約、

K  主張をすることも許されないんですか。

宇都宮 契約をしていこうという時に、お互いの見解が一致するから契約になるのであって、定年前の雇用契約の見解の一致がなされないのに、そのまま継続して同じ契約を結ぶということは、現実的に有り得ない話だと思います。その稼動手当が固定残業代だということは裁判でも認めていただいているにもかかわらず、それを理解せず、理解しようともせず、相変わらず固定残業代として認めずに、時間外手当を請求される状況の中で、どうしてそれが契約できるのか。であれば、明確に時間に対してお支払いいただくための時給制を採用せざるをえない。他に方法があるなら教えて欲しいという思いです。

K  じゃあ、固定残業代の話をしましたよね。固定残業代は一体、何時間含まれているんですか。深夜何時間含まれてるんですか。割増率違いますよ。法定休日、ね。35%だ。どうやって計算するんですか。法定休日、きちっと予定表に示しました。

宇都宮 固定残業代のあり方に対しての見解の違いがあるということが、問題だと思ってます。

K  そういうことを聞いてんじゃなくて、計算の仕方ですよ。

宇都宮 計算の仕方は深夜時間等々によって変わってきます。

K  25%ですよね。割増率も全然違うわけですよ。じゃ、休日出勤誰がしたか、ね。彼がしたけども、それは法定休日なのか、法定外休日なのかっていう区別してないでしょ。どうやって計算するんですか。当然、これは固定残業代じゃないって主張するでしょ。主張したからこそ、不利益扱いしたんじゃないか。違いますか。

宇都宮 計算方法の違いで、話し合った記憶はございません。固定残業代であるかどうかということの認識の違いについて、常々話してきたというふうに思います。そこを受け入れていただけなかったというのが事実だと思ってます。

K  じゃあ、固定残業代として何時間含むということも、何時間残業したかっていうことも、いまだには出せないわけですね。

宇都宮 出せなくないですね。

K  何で出さなかったんですか。例えば80時間含まれているっていう、

宇都宮 表にしたら莫大な組み合わせが出てくる。

K  11万4,600円の稼働手当のうち、残業は何時間まで支払われてるということか聞いてるんですよ。そこが不明だったからこそ、含まれてない、含まれてないんじゃないかっていう主張をしたわけですよ。ね。当然でしょ、この場で、じゃあ何時間含まれてるかって計算したんでしょ。計算したなら言えるはずじゃないですか。言ってください。分からなければ結構ですけど。以上です。

審査委員長 反対尋問は時間がかなり過ぎているんですが。

SG補佐人 すいません、ちょっと。

審査委員長 じゃあ、手短に。

SG  今のことに関してですけども、ここはやっぱし、労働者と経営者と、その中で、職場状況がいい形で変わっていくか、というようなことも含めてのだと思いますけれども、宇都宮さん、固定残業代ということを言ってますけれども、それで、固定残業代だから、一人一人の労働者の働く時間を管理しなくてもいいということですね。そうですよね。そうじゃないと会社をやっていけないよ、ということですよね。

宇都宮 そのようなことは一言も申し上げておりません。

SG  じゃあ、その固定残業代に対して運行管理者がいて、運行していく場合に、一人一人に対して、非常に過重が及んだり、そういう形が起こるわけですよ。そういうことについては、一切職場状況を考えないで経営していたということですね。

宇都宮 そのようなことも、一言も申し上げておりません。

SG  うん。だけど、実態としてはそういう、会社状況が続いていると。だから、例えば、一人の人に対して、ちょっと過重な長時間があるというような形についても、目配せはしてなかったということですね。

宇都宮 そのような話は、今一切にしておりません。

SG  じゃ、そういうこともちゃんと考えながら経営をしてたということですか。

宇都宮 様々なことを考えてやらせていただいて…

SG  いや、様々なことじゃなくて、そのことについてです。だから、労働者自身の間に、固定残業代だということで、労働時間を管理してなくても、いいということで言っていて、そしたら当然と起こることとしてですよ。知らなくても、そういう会社かということで、例えば非常に長時間になって疲れてしまうとか。そういうようなことが、実現するということは考えなかったですか。それだけです。考えたか考えなかったか。経営上で。

宇都宮 配車は、それぞれの人が、どのような時間体でどのような時間の長さで、走っているのかということを把握しながら、できるだけその中での最適を確保するために、配車の方が営業所同士連携しながら、考えて配車を行っておりました。

SG  そういう経営ですね。じゃ、この人は残業が発生してるとか、そういうことは固定残業代だから考えない。

宇都宮 その中に全部含まれていることは把握しております。

K  何時間含まれているか、言えてねえじゃねえかよ。

審査委員長 よろしいですか。

申立人 ちょっと1点だけ。

審査委員長 1点だけ。

申立人 先ほど、あなた、残業代のことを説明して、裁判の判決も説明をしてもね、Tさん分からなかったって話をしましたけども、判決はTさんの解雇の時ですよね。裁判の判決が出たのは、ね。Tさんが解雇された後の話ですよね。判決の話なんかそれまでしてないですよね。出てないですよね。

宇都宮 判決は、出てないですね。

申立人 うん。間違いですよね。だからさっき言ったのはね。

宇都宮 いや、それは時系列というよりは、その判決が出た後も、つまりその後の、例えば先般の労働委員会の尋問においてでさえも変わっていないということを申し上げたわけです。

申立人 うん。だから、この件については関係ないですよね。間違いですよ。だから、その判決の話を持ち出したってのは間違いですよね。記憶違いでしたね。

宇都宮 今でも変わってないから、その当時もそうだったということです。

申立人 それ判決が出てからの話でしょ.

宇都宮 そうです。

申立人 はい。

T  はい。

審査委員長 じゃ、手短にお願いします。’

T  この前、当労働委員会において、証人は不当労働行為があったと認定されています。それ以後、群馬労働組合あるいは労働組合のTに対する考え方、見方、何か変わったことはありますか。

宇都宮 不当労働行為の判決があったことも含めての前橋地方裁判所の判決だと認識しております。

T  いや、当委員会で、それ以後、あなたは証人として、今、呼ばれているんですけども。何か、不当労働行為が認定されて、稼働手当が減額したのはだめだと言われたと。それ以後、労働組合、あるいは労働組合員に対する見方っていうのは何か変わったことがありますか。ありませんか。

宇都宮 その判決も含めた委員会の判決も含めた上での前橋地方裁判所の判決だというふうに認識して…

T  そうじゃなくて、あなた自身がそういうふうなものを受けて、不当労働行為が認定されて、これはまずかった、こうしようとか、いろいろ考えたと思います。全く変わってないっていうことなんですかね、じゃあね。

宇都宮 労働委員会の判決も前橋地方裁判所の方含めて、前提においての今回の判決だということを認識しています。

T  だから、前提としてあなた自身の主体性として、人間として経営者として、そういう指摘を受けていろいろ考えたと思います。何も考えなかったと、今までどおりと同じように、労働組合を、反対する意見をカットすると、そういう見方は変わってないと解釈してよろしいですね。

宇都宮 そうではありません。

T  じゃあ、どういうことですか、はっきり言ってくださいよ。自分の言葉で、魂からきちんと言うべきことは。正式な場なんですから。きちっと話してくださいよ。早くいい加減に話すんじゃなくって、あなたが言ってることはほとんど嘘、でたらめ、いんちきですよ。信じられませんよ。

宇都宮 そう思われてしまうなら結構です。

T  あんた、

審査委員長 すいません、もうこれで。

T  はい。

審査委員長 はい、これですいません。再主尋問の方はよろしいですか。では、これで証人尋問は終了させていただきます。席にお戻りください。

注[ ]で囲んだ部分は、注釈であって、尋問及び証言の内容ではない。

中央タクシーに組合員の証人尋問で断をくだす!

 2021年1月12日、中央タクシーの不当労働行為救済を求める群馬県労働委員会で2人の組合員の証人尋問が、群馬県庁26階審問室で開かれた。

 あいにくの新型コロナウイルスの感染拡大で、申立人席は4席、傍聴席は3席という制限だったが、営業所従業員全員解雇という厳しい状況でも、中央タクシー分会の闘争が何であったのかを、感動的に突き出す証人尋問として勝ち取られた。群馬県労働委員会事務局から証言速記録が届いたので、ぜひ多くの皆さんに読んでほしい。

B組合員の証人尋問

小暮審査委員長 では、申立人側から主尋問を始めてください。

清水申立人 はい。申立人 、委員長の清水彰二から尋問を行います。まず、甲32号証を開いてください。Aさん。甲32。

A    はい。

申立人 これ、この陳述書はAさんが書いたものに間違いありませんか。

A    はい。間違いありません。

申立人 内容にも間違いはないでしょうか。

A    はい。間違いありません。

申立人 2014年、平成26年11月1日から、中央タクシーで働き出しましたね。

A    はい、そうです。

申立人 群馬合同労働組合に加入したのは2015年7月26日でよろしいでしょうか。

A    はい、そうです。

申立人 Aさんは、入社してからこの頃までの割増賃金について裁判で争いましたね。

A    はい、争いました。

申立人 乙1号証68ページを見てください。

A    はい。

申立人 いいですか。「A割増賃金計算書(認定)」とありますね。

A    はい。

申立人 前橋地方裁判所が認定した残業時間などがそこに記載されていますね。見えますか。表になっていて。

A    はい。

申立人 例えば2015年7月を見ると拘束時間が312時間36分、残業時間が148時間16分となっていますね。

A    はい。

申立人 Aさんは片道の通勤に会社までどのくらい、片道どのぐらいかかりますか。

A    約1時間ぐらいかかります。

申立人 そうすると、これは1労働日について考えると、休憩の1時間、それから通勤時間を入れると、家にいる時間は、平均6時間ぐらいしかなかったんではないでしょうか。

A    はい、そうです。

申立人 しかも不規則でしたよね。

A    はい、そうです。

申立人 とても恐ろしい労働状況ではなかったでしょうか。

A    はい、とても恐ろしい状況でした。私が、家まであと1キロのところで、居眠りが始まり、仮眠しなければ、家まで帰れないような、まともな状況じゃありませんでした。

申立人 判決では付加金も認められましたね。

A    はい、そうです。

申立人 なぜでしょうか。

A    それは、会社の労務管理が、タコグラフを偽装しろ、タコグラフを抜いたり、非常に悪質性が高いということを裁判所は認定したからです。

申立人 はい。A  さんが群馬合同労働組合に加入した動機はこのような劣悪な労働環境を変えたいという思いでしたか。

A    はい、そうです。

申立人 裁判については控訴はしなかったんですね。

A    はい、しませんでした。

申立人 それはなぜですか。

A    それは、会社がいつまで持つか、非常に不安だったからです。

申立人 群馬の営業所がなくなったということもありますか。

A    はい、それもあります。

申立人 はい。2015年の夏に組合で36協定について無効だと主張したことがありましたか。

A    はい、ありました。

申立人 それはなぜでしょうか。

A    それは、労働者代表の、選出過程において、その過程を踏んでなく、おかしな状況に、労働者代表を選んだからです。

申立人 会社、K総務部長が、会社が指名しましたっていう、回答を団交でしませんでしたか。

A    はい、しました。

申立人 それができるまでは違法な残業は行わないと、きちんとした36協定の手続きが行われるまでは、違法な残業なので行わないという申入れを会社に組合がしたことがありますか。

A    あります。

申立人 それは誰が申入れを行ったんでしょうか。A  さんが直接に申入れをしましたか。

A    いえ、私は直接申入れはしておりません。

申立人 分会の、当時分会長のBさんとCさんが申入れをしたということでよろしいですか。

A    そうです。

申立人 はい。甲26号証を開いてくれますか。23ページ。

A    …。

申立人 23ページ。甲の26。

A    はい。

申立人 これは群馬県労働委員会の不当労働行為救済命令の命令文ですけども、ちょっと長いですけども、読みますね。

A    はい。

申立人 (ウ)のところです。「8,12団交で、組合は会社に対し、長時間労働に見合った時間外手当が支払われていないことを指摘し就労時間の正しい管理を求めたが、会社からは十分な回答はなされなかった。また、8.12団交の後、BとCはD副所長に面会し、8.12団交において、36協定が無効ではないかとの組合の主張に回答がなかったと問題を指摘し、そうした状況が改善されなければ、9時間しか働かないなどと述べた。」(エ)のちょっと、2段落目。「しかし、BとCのこの発言の主な目的は、就労時間の正常な管理とそれに見合った時間外手当の支払を求めることであり、併せて36協定の成立過程の問題を指摘したのである。」「会社にあってはジャンボ部門乗務員の就労時間の管理が十分にされていたとは認められず、時間外手当の支払も法律に従っているとは思えない状況にあり、更には7.16団交においてK部長が36協定の労働者代表は同人が指名した旨述べていることから両名の指摘には相当の理由がある。」、こういうふうに認定された事実がありますか。

A    はい、そのとおりです。

申立人 はい。申立人の組合員が9時間しか働かないといった経緯が詳しく書かれていますが、この点も間違いないですね。

A    はい。

申立人 それ以外にAさんが9時間以上働かないと、会社に対して言ったことがありますか。

A    私が言ったことは、1回もありません。

申立人 はい。会社は2015年の8月分以降、Aさんの稼動手当を約8万円減額しましたね。

A    はい、そうです。

申立人 群馬県労働委員会の不当労働行為救済命令が出て、支払わせたんですね。

A    そのとおりです。

申立人 被申立人会社は、組合員が言っても理解しないので、組合員のわがままな主張につき合ってきたと主張していますが、事実ですか。

A    それは会社側の一方的な見方で、客観的な事実はそういうものではありません。

申立人 事実としては一方的に減額したものの、群馬県労働委員会の救済命令でやむなく支払ったということでよろしいですか。

A    はい、そのとおりです。

申立人 その後会社は稼動手当の減額ができず、残業の業務命令もできなかったということで間違いないですか。

A    …。

申立人 その後ね、救済命令が出た後、救済命令を受けて、これからね、残業をこれからどうするかだとか、Aさん残業やってくださいだとか、会社としてね、こういうふうに残業と賃金をしますよっていう話が会社からあったことはありますか。相談を受けたことがありますか。

A    相談はもう一切ありません。

申立人 相談もなく、減額もされず、業務命令も出されなかったということでよろしいですか。

A    はい、そのとおりです。

申立人 はい。宇都宮社長が陳述書で稼動手当を付与する給与体系での就労はA  氏自身が拒否している状態と書いていますが事実ですか。

A    事実ではありません。

申立人 え一、稼働手当が割増賃金であることを前提とした給与体系での勤務を拒否したという事実がありますか。

A    それも事実ではありません。拒否したことはありません。

申立人 8時間以上の稼働はしないと言い続けてきた。これは事実ですか。

A    そんなこと私は1回も言ったことありません。

申立人 他の従業員と同じ稼動手当を受け取っているのは、会社は、不当利得だというふうに表現していますが、おかしいと思いますか。

A    おかしいことです。

申立人 会社は団体交渉でも裁判でも、待機時間を休憩時間だと主張しましたね。

A    はい、そうです。

申立人 団体交渉で合意ができなかったんでしょうか。

A    合意は全くできませんでした。

申立人 裁判の判決は、待機時間はAさんの主張どおり拘束時間であると認定しましたね。

A    はい。

申立人 その中身はどのような中身であったか、簡単に言っていただけますか。

A    それは次の準備をしたり、いつも私は仕事のことを考えて、そんな休めるような状況ではなかったです。実際休んでもいませんでした。

申立人 普通のタクシーとは違って、空港便の待機時間は拘束性が高いという判決でしたね。

A    はい、そうです。

申立人 判決の言い渡しがあったのはいつでしたか、覚えていますか。

A    去年の4月13日です。

申立人 それは、Aさんが定年になった前ですか後ですか。

A    定年になった後です。

申立人 定年後のAさんの賃金では、嘱託雇用なんて稼働手当は一切支払われなくなりましたか。

A    はい、そうです。

申立人 会社は、稼動手当の問題については裁判の判決を待つと主張しているようですが、事実ではないですよね。

A    そうです。

申立人 すでに判決の前から定年を機に稼動手当は支払われなくなりましたね。

A    はい、そうです。

申立人 定年の問題についてですけども、甲の28号証見てください。

A    はい。

申立人 継続雇用制度における選定基準等に関する協定書、ですね、書いてありますね。

A    はい。

申立人 これは、申立人が団体交渉で要求して、会社に写しを交付させたものですね。

A    そうです。

申立人 はい。それまで、こういう協定書があったことを、A  さんは知っていましたか。

A    全く知りませんでした。

申立人 営業所に閲覧できるように、張り出されていたということはないですか。

A    そういうこともありませんでした。

申立人 はい。そういう協定書があるんだという説明を受けたことがありますか。

A    それもありませんでした。

申立人 A  さんは既に定年で嘱託雇用になった同僚から定年後の条件、契約の仕方などを聞いていましたか。

A    はい、聞いていました。

申立人 既に定年になった方から聞いたと、陳述書にありますが、1人はEさんですね。

A    はい、そうです。

申立人 あともう1人の名前が分かりますか。

A    はい。Fさんです。

“申立人 はい。Fさんからいつごろ聞いたかっつうのは覚えてますか。

A    去年のうちです。

申立人 去年。

A    はい。

申立人 と、一昨年じゃなくて。

A    はい。

申立人 じゃ、1月、定年になる。1月。

A    あ、失礼しました。定年になる前なんで、一昨年になるのか。定年になる前の年です。

申立人 はい、まあ、分かりました。甲22号証を見てください。

A    はい。

申立人 2018年12月25日、Aさんがつけているノートの写しですね。

A    はい。

申立人 「9時45分から9時55分、会社奥の机、Mさんがいて、一言も発せず。H所長がAさんに対して、『このクソ会社、Aさん、定年でやめるでしょう』と聞いてきた」とありますが、事実に間違いないですね。

A    はい、事実に間違いありません。

申立人 Aさんは、「いや続けます。組合を通じて連絡します。」と答えたとありますね。

A    はい、そうです。

申立人 間違いありませんか.

A    はい、間違いありません。

申立人 このクソ会社と言ったのはAさんではなくてHさんですね。

A    そうです。

申立人 Iさん、Nさんに対して、クソみたいな会社頼まれても残らないといったことがありますか。

A    ありません。

申立人 同じノートの中にH狂ってる、冷静さを失っていると書いてありますが、それほど異常な感じだったのでしょうか。

A    はい、そうです。

申立人 被申立人はAさんの評価について準備書面3で書いていますが、評価について聞いたことがありましたか。

A    いいえ、ありません。

申立人 評価が低いよと、こういうことを直してくださいよと言われたことがありますか。

A    ありません。

申立人 評価が低いことで何か処分や、賞与が他の人より下がったということがありますか。

A    ありません。

申立人 U社長の陳述書に、これは、乙、乙13号証を開いてもらっていいですか。

A    はい。

申立人 これは宇都宮社長の陳述書です。9ページ。上2行目のところに、「A氏は、他の従業員の前で、大きな声で『こんなクソみたいな会社辞めてやる。定年になっても頼まれても嫌だ』などと吐き捨て、事ある毎に周りの従業員に聞こえるように大声で当社を中傷する態度を示し続け、他の従業員に大変不快な思いをさせ続けた」とありますが、そういう事実はありますか。

A    そういう事実は一切ありません。これは多分、私と、もう1人の人、間違えているんじゃないでしょうか。今は大きな声出しても、普段はほとんどそういうことは私は言いません。

申立人 Cさんと間違えているということですか。

A    そうです。

申立人 今にこの会社にとんでもないことが起きるぞ、潰れるぞなどと暴言を吐き続けたことがありますか。

A    ありません。

申立人 その同じページの2のところですけども、「A氏は、業務でミスがあっても全く謝らず、事ある毎に組合の名前を出し団体交渉だとわめきちらし、当社の業務指示に従いませんでした。A氏は、日々の業務命令と組合の団体交渉とを混同しており、日々の業務命令においてすら支障が生じていました。」、思い当たることがありますか。

A    ありません。

申立人 「A氏は、当社が点呼時間を指示しても守らず、混むからと言って早く営業所を出発するのですが、結局現地で長く待つことになり、当社がそのことを何度注意しても全く聞く耳を持ちませんでした。」、このようなことがありましたか。

A    ありません。一言加えると、営業所では、営業所からお客様への到着時間をパソコンで時間を出していました。実際のかかる時間ではありません。実際は渋滞すると、そうするとお客様に着く時間が、遅れることになります。あるいは1時間ぐらい走るとトイレに行きたい時間もあります。だからその時間では、行けません。実際に行く時間とパソコンの時間は違うので、そのことを会社側は混同していました。

申立人 Aさんは、運行管理者の資格をお持ちですね。

A    はい、私は貨物も旅客も両方の運航管理者の資格を持っております。

申立人 点呼を行えば、出発してもいいんですよね。

A    そうです。

申立人 点呼時間を指示しても守らずっていうのは意味が分かりますか。

A    分かりません。

申立人 逆にAさんは、勤務時間外にコースを下見したりしていたというふうに聞いていますが、事実ですか。

A    はい、事実です。

申立人 会社の乗合タクシーにはですね、カーナビが付いていますか。

A    付いていません。

申立人 会社でカーナビは付けてないんですね

A    はい、付けてないです。

申立人 そうすると、カーナビは使わない、原則使わないということでしょうかね。

A    私は、カーナビはバックの中に入れておきました。運行中は、普通は原則使いません。

申立人 不安だから、下見をしてたわけですか。

A    安全を確実にするためです。

申立人 はい。それは業務時間外に見に行っていたということですよね。

A    はい、そうです。

申立人 同じ宇都宮社長の陳述書10ページ、5のところで、「当社は『お客様が先で利益が後』との運営方針により経営しておりますが、A氏は会社において『利益が先でお客様が後』などと何度も大声で話」したとありますけど、これは事実ですか。

A    事実では全くありません。

申立人 思い当たることがありますか。それはない、ないということ。

A    確か、当時のI営業所長が、お客様が先で利益が後などということは、違うよと私は言われたことを、覚えております。

申立人 あと、これらの会社の話は、嘘だということでよろしいでしょうか。宇都宮社長のこの陳述書でAさんの問題点として挙げたことは、事実ではありませんね。

A    はい、事実ではありません。さっきも申し上げたとおり、私どもう1人の組合員を混同して、書かれています。

申立人 はい。私から以上なんですが、最後に言いたいことがあれば、お願いします。

A    はい。労働組合というものは、日本国憲法によって、認められています。よって、労働組合員に対して、差別したり、排除したりする行動は認めることはできません。よって、私は組合が要求している37万円、それと、失業給付金の不足分17万円、計54万円を当労働委員会で認めてくださるよう、強く強く要望いたします。それと、こういう現下の国の状況を鑑みる時に、できるだけ速やかに判決を出していただきたいと、結論を出していただきたいと強く思います。以上です。

申立人 あと、Bさんなんかある。いい。

B補佐人 はい。

審査委員長 よろしいですか。では、被申立人側から反対尋問の方お願いたします。

宇都宮司被申立人   はい。乙1号証を示します。これは、あなた方組合員3名が、平成28年10月28日に前橋地方裁判所に提起した割増賃金等を請求する訴訟の判決ですね。

A    …。

被   乙1号証。これは、組合員3名で、前橋地裁に提起した割増賃金等請求訴訟の判決ですね。

A    はい、そうです。

被   この訴訟において、稼動手当が固定残業代に当たるか否かと労働時間が主な争点でしたね。

A    …。

被   稼動手当が固定残業代に当たるのか、それと労働時間が主な争点でしたね。

被   あなたが、起こしたものですけど。

A    それも一つの取り方だと思います。

被   はい。主文3項において、訴訟費用の判断がなされています。訴訟費用を6等分して、そのうちの1を会社の負担、それ以外を組合員3名の負担としていますが、よろしいでしょうか。1ページ目の、下から2行目の3番。訴訟費用を6等分して、そのうちの1を会社負担、それ以外を組合員3名で負担されている。よろしいですか。

A    …。

被   判決の内容ですけど。

A    もう一度言っていただけますか。

被   乙1号証の1ページ目、下から2行目に3って書いてある。

A    うん。

被   読めると思いますけども。訴訟費用は原告Aと被告との間に生じたものはこれを6分し、その1を被告の負担とし、その余は原告Aの負担とし、原告Cと被告との間に生じたものは原告Cの負担とする」って書いてありますよね。

A    はい、あります。

被   それを聞いてるんですが、よろしいですね。

A    はい、よろしいです。

被   これは会社の主張が6分の5認められ、あなたの主張が6分の1だけ認められたということだと思いますが、それは理解していますか。

A    それは私には分かりません。

被   分からない。理解していないんですか、この内容。

A    費用の負担については、私は…

被   見解じゃなくて、6分の5が会社の言い分が認められて、6分の1があなたが認められたっていうその事実は理解していますか。

A    理解しておりません。

被   理解していない。

A    はい。

被   その理由は、理解されていないんですか。これ理解していないっていう、裁判の結果を理解してないっていうことですか。

A    訴訟費用については、私は詳しい知識を持っておりませんので、理解できません。

被   じゃ、裁判の結果は理解しないで今ここにいらっしゃるということですか。

A    結果ではなくて訴訟費用について理解してないと言ってるんです。

被   費用の額のことですか。

A    訴訟費用です。

被   6分の5が会社が認められて、6分の1があなたが認められたという事実を理解してないっていうことなんでしょうか。

A    訴訟費用と…

被   訴訟費用というか、ここに書いてある6分の5、6分の1と書いてあるわけですけども。

A    だから、その金額を負担すると、そういう事実だと思っています。

被   うん。そういう事実ですね。主張の6分の5、会社が認められて、6分の1があなたが認められたという事実が分かっているということでいいですね。

A    いえ、この訴訟費用の負担と言い分がどのくらい認められたかっていうのは、私は今まで考えたことはなくて、今初めて質問を受けました。

被   6分の5認められているんですけども、事実としてここに書いてありますが、それはつまり、稼動手当が固定残業代に当たると判断されているということでよろしいですか。

A    いや、これは何度も私は繰り返してるとおり、訴訟費用とどのくらい認められたことの関連性にっいては、今初めて聞くんで、そういう知識もありませんしそれは分かりません。

被   乙1号証の10ページをお開きください。一番最後に稼動手当と書いてあります。よろしいですか。

A    はい。

被   12ページをお開きてください。下から6行目。途中から、「そうすると」とありますね。「そうすると、稼動手当の支払をもって、原告らの時間外労働等に対する賃金の支払と見ることができる」とこう書いてありますが、これはお読みになってますか。

A    もちろん読んでおります。

被   もう1回言います。「稼動手当の支払をもって、原告らの時間外労働等に対する賃金の支払と見ることができる」と書いてあります。もう一度聞きますが、会社の主張が6分の5認められ、あなたの主張が6分の1だけ認められているということですが、その理由が、稼動手当が固定残業代に当たると判断されたからということでよろしいですか。

A    その辺の細かいところは、この一文だけを見て判断するんじゃなくて、全文を見て判断しないと、私にはそうだ、違うとか言うことできません。

被   あなたはこの判決に納得していますか。

A    …。判決に納得していると言えば納得している、納得していないとしたらしていないということです。

被   どっちかでお答えください。していますか。

A    している部分もありますし、していない部分もあります。

被   分からないということですね、内容を。

A    分からないじゃありません。

被   じゃ、どちらですか。

A    はい。

被   イエスかノーでお答えください。

A    判決について納得している、あるいは…。

B  イエスかノーかっていう判断を一方的にするのはおかしいですよ。

被   いやそういう場所ですから。

B  判決の内容についてね、一部認める・一部認めないっていうのはあるから。

被   じゃあ、稼動手当が固定残業代に当たるということに納得していますか、していませんか。稼動手当が固定残業代に当たるということを裁判所は言っていますが、これに納得していますか、していませんか。

A    失礼ですけど質問がよくないと思います。やっぱり全体を見て、判断しないと。

被   いや、お伝えしています。稼動手当が固定残業代に当たると12ページに書いてあると申し上げましたが、それを受けて、このことに対してあなたは納得していますか、してませんか。このことだけに関して。

A    それは納得していません。

被   はい。今でも納得していないんですね。

A    もちろん納得していません。

被   はい。あなたはこの裁判で稼動手当を割増賃金として控除せずに請求していますね。

A    …。

被   あなたはこの裁判で稼動手当を割増賃金として控除、抜かないで請求していますね。時間外の手当から、稼動手当を抜かずに、稼動手当プラス時間外手当を請求してますね。

A    …。

被   あなたが請求したことについてお聞きしていますが。

A    細かいところは、弁護士に任せていましたんで。

被   そうですか。あなたは固定残業代足す時間外を請求しているのか、それとも時間外から固定残業代を引いて請求してるか知らずに、今いらっしゃるということですか。

A    だから、その固定残業制っていうのは、僕らの主張は、労働時間の何時から何時まで働いたと。それもきちんとできていないで、固定残業制の成立する余地はないと、そういう主張です。

被   時間の測り方を聞いてるんじゃなくて、あなたがこの裁判で請求したんですよね、お金を、あなたが。

A    そうです。

被   はい。そこには固定残業代を、時間外と認めて請求してるんですか。それとも、いや、じゃ、稼動手当は固定残業代なんですか。イエスかノーでお答えください。

A    それもさっき申したとおり、固定残業制もいろんなものがあるし、あるいは…

被   はい、結構…です。

A    はい。

被   稼動手当が固定残業代として、認めているのか認めてないか、答えられない状態で今いるということですね。

A    この稼動手当で固定残業代で、普通は認めることはできないんじゃないでしようか。

被   イエスかノーで答えてください。

A    じゃあ、認めないってことはノーってことですか。

被   ノーですね。聞かれても困るんですが。あなたは稼働手当を固定残業代として認めていないということですね。

A    だから、中央タクシー株式会社の固定残業制は…。

被   すいません。

A    何時間分と含まれてるとかそういうの全然なく、何時から何時まで始まったってことも示してなく、残業代何時間も分からず、これが固定残業制として認めることができるでしょうか。

被   それは、そういう評価を聞いてるんじゃなくて、あなたが、稼動手当というものを固定残業代と認識しているかいないかという質問に答えられない状態で、今あなたはそこに座っているということでよろしいですか。

A    ちょっとこの細かい質問なんですけども、その固定残業制っていうのは、普通認められる固定残業制もありますし、これは認められない固定残業制です。中央タクシーの固定残業制については。

被   中央タクシーの話じゃ…。あなたが今、ああ、いいです。分かりました。結構です。あなたは、何度も言いますが、稼動手当が固定残業代だと認めているかいないか、答えられないということでいいんですかね。

A    だから、私の方も何度も何度も言うように、認められる固定残業制、認められない固定残業制もあります。

被   質問を変えます。もう一度。あなたは裁判で、時間外請求をされましたよね。

A    はい。

被   その時間外請求した額は、稼動手当を、時間外手当から稼動手当を抜いて請求したんですか。それとも、稼動手当プラス時間外で請求されてるんですか。とても大事な話なんですよ。イエスかノーで答えてください。

A    いや、それもさっき言ったように、細かいところは、弁護士先生にお任せいたしました。

被   分かりました。ではあなたが、今回のこの判決において、判決の評価、固定残業代があなたは含まれて請求しているかしていないかということを知らないで、あなたはこの裁判を評価しているということなんですね。弁護士先生にお任せですか。

A    だから、何度も言うように、固定残業制って言っても、いろいろあるわけです。

被   はい。

A    例えば…。

被   結構です。

G補佐人 話させてくださいよ。

被   では、乙6の2を示します。乙6号証の2、本件において、会社は雇用継続を前提に対応したということでよいですね。あなたが定年されて、いった時にですね、会社は雇用継続を前提として対応したということでいいですか。

A    いいえ、違います。

被   会社はあなたを雇用継続しないと言ったんですか。

A    そうです。

被   いっ言ったんでしょうか。

A    それは私の陳述書にあるとおりです。

被   あなたは、会社が、あなたの陳述書ですか。陳述書の内容を簡単に言ってもらえますか。会社があなたを雇用しないと言ったのは、いつ、誰がどのように言ったんでしょうか。

A    だから陳述書を詳しくは見てください。

被   いや、今お答えください。

A    それは、もう会社を辞めるでしょうと。最初から隣に座っているH群馬営業所長は私に言いました。すごい辞めるでしょうと。最初から言いました。

被   あなたはなんて答えたんですか。

A    いえ、陳情書にあるとおり、継続しますよと答えました。

被   それに対して会社は、じゃあ、あなたの答えに対して、じゃあ辞めなさいとは言いましたか。それともやることを前提に話をしましたか。

A    継続審議になりました。

被   つまり辞めろとは言ってないということですね。辞めてくださいとは言ってないということでいいですか。その後、そのようなことがありましたか。いいえ続けますと言った後に会社が、いや辞めてくださいというようなことを言ったことがありましたか。

A    それも強く言われました。

被   いつ誰に言われましたか。

A    陳述書に書いてあるとおりです、詳しくは。

被   今お答えください。

A    陳述書に書いてあるとおりです。読んでください。

被   お答えできないということですね。陳述書がないと。

A    その前に陳情書を読んでください。

被   いや、私が聞く質問ですので。記憶がないということでよろしいですか。曖昧ということでよろしいですか。

A    最初からその日に、隣に座っているH営業所長が、群馬営業所長が、もう辞めるんだろうと。

被   それは先ほどの話です。その後の話を聞いてます。それから会社があなたの返事を聞いて以降、会社があなたを辞めるんですね、辞めてくださいといったようなことがありましたか。イエスかノーでお答えください。

A    それはなかったと思います。

被   はい。これまで会社が、あなたを定年後、雇用を継続しないと主張したことはないということですね。同じことを聞いてます。

A    最初はありましたけど、次回から継続審議と、そういうふうになりました。

被   はい。そこは争いがないということでいいですね。あなたは辞めろ辞めろと言ってたわけじゃないですね。先ほどの事実かどうかは別にして、ですから、どうかは別にしてというか、Hさんがそういうことをお尋ねして、あなたが答えた。それ以降、辞めろ、やる、そういう話はしてないということでよろしいですよね。

A    それはしておりません。

被   はい。こちらの第2条。

申立人 委員長。あれ、スマホとかいじってていいんですか。

審査委員長 はい。

申立人 Hさんがスマホを。

被   これ共有できないんで、写真を。文書の共有ができないんで写真を。

審査委員長 録音とかっていう意味でおっしゃったんですか。

申立人 いや、あの。

審査委員長 スマホ自体で同じものですか。

申立人 はい、そうです。

審査委員長 スマホ自体で同じものであれば、録音とかそういうことをされているんでないんあれば、あまり一緒に見ていただくっていうのも。

申立人 何やってるか分かんないですよね、だけど。

審査委員長 まあ、そう。

被   じゃあ、やめても結構ですよ。

審査委員長 じゃあ、なるべく一緒にその記録を見るようにしてください。

被   はい、コロナなんでちょっと気をつけるようにしました。

審査委員長 そうですね。はい。

被   乙6号証の2の続きですが、第2条第1項、雇用契約対象者の選定基準が記載されていて、会社はあなたの勤務態度は同条の要件を満たさないとは主張していますが、本件では、継続雇用は前提としているので、その点で争いがないということでよろしいですね。

A    …。

被   すいません、時間何時まででしたっけ。

審査委員長 35分から始まりましたか、そうすると3時5分までを。

被   第2条第1項、下から1、2、3、4、5、6行目ですね。(6)っていう下です。大丈夫ですか。雇用を、契約対象者の選定基準ですね、記載されていますが、会社は、あなたの勤務態度は、同条のここに書いてある要件を満たさないとは私たち主張していますけれども、この労働委員会の件では、継続雇用、先ほど、ね、継続するかしないかっていう継続雇用に関しては、継続するんだということを前提で話していますので、ここを争ってるわけじゃないっていうことでよろしいですか。

A   はい。

被   はい。第2条第2項ですが、「前号各号に選定基準を満たしている場合であっても、定年退職日の前日までに、会社の提示する労働条件等に正当な理由なく同意しない者は継続雇用しないことがある」と記載されていますが、いいですかね。書いてありますね。大丈夫ですか。あ、ごめんなさい。これ、ここは(6)の下ですけども。書いてある。分かりますね。そこに、この条文を素直に見れば、労働条件について、定年前と定年後では異なることもあるということを前提として書いてあると思いますが、そう読めますか。

A    よく分かりません。

被   はい、分かりました。続いて第5条、「労働条件等の提示」って書いてあります。「会社は、前条に基づき従業員から継続雇用を希望する旨の申出を受けたときは、定年退職日後の労働条件等について具体的な内容を検討し、その結果を定年退職日の1ヶ月前までに本人に提示する」と書いてあります。この条文を素直に見れば、労働条件については定年前と定年後では異なることもあるということを前提として書いてあると思いますが、よろしいですか。そのように読めますか。

A    いやこの文章を、見たことがありませんでした。

被   はい、分かりました。この証拠が出た後もお読みになってないということですね。これ団体交渉でも提出を求められて出しておりますが、あなたは、その以降もこれについて理解してないということでよろしいですか。

A    ちよっと難しくてざっと読みましたけども、あまりよくは分かりません。

被   結構です。乙2号証を示します。乙2号証、これはあなたが作成したものでよろしいですか。乙2号証。

A    はい、そうです。

被   当然事実を記載していますね。

A    そうです。

被   はい。内容は間違いないですね。

A    内容、突然言われても間違えないかどうかって、それは。

被   嘘は書いていないということでよろしいですね。

A    はい。

被   はい。定年前の勤務は、他の従業員の労働時間よりも極端に少ないということは認識していますか。

A    私は、言われた指示命令を、そのとおり忠実に安全に配慮して運行していました。自分のことでやるので、命がかかってるので精一杯でした。

被   その運行が他の入と比べて極端に少ないという認識はされていますか。

A    いや別にしていなかったです。

被   はい。甲30、していないんですか。

A    はい。

被   この記録を見ますと、例えば、最初5時間、次のページは大体6時間。6時間ですね。1月7日は大体4時間ぐらい、1月9日なんかは2.5時間ですが、こういった時間をあなたは他の人と比べて少ないとは感じていないということでよろしいんですか。

A    他の人がどのくらい労働してるかっていうのは、私は関心がありませんでした。

被   はい。じゃあ、甲31を示します。これは2020年の団体交渉の反訳したものですよね。よろしいですか。

A    はい。

被   甲31号証は、組合側から提出された証拠であるので、ここに記載されたあなたが発言したことは、発言したということで間違いないですね。嘘が書いてあるわけじゃないですね。あなたの発言はあなたの発言として書いてあるということで、よろしいですか。

A    だと思います。

被   21ページ5行目。「U 周りの社員さんからの評価はあまりよくない。A    うん。あんまり働いていないからでしょ?それはいいんだけど。」、書いてありますが、そう記載されていますね。これ間違いないですね。言ったかどうがじゃなくて、これ記載されているかどうかお答えください。

A    もう一度、何行目か言っていただけますか。

被   はい。21ページ、大丈夫ですか。

A    はい。

被   1、2、3、4、5行目。

A    はい。

被   「周りの社員さんから評価あんまり良くない。A    うん。あまり働いてないからでしょ?それはいいんだけど」と書いてある。よろしいですか。

A    はい。

被   はい。空港便の運転業務は運行をどれだけ行ったかが、会社への貢献に直結することは理解できますね。

A    それも一つの要因だと思います。

被   はい、あなたは今でも定年前会社への貢献は高かったと考えているんですか。

A    というよりも、安全第一なんで…。

被   イエスかノーでお答えください。

A    そのとおりできたんで、自分なりにはよく働いたなと思っております。

被   はい。今もその考えは変わらないということで。

A    はい、変わりません。

被   会社や同僚からのあなたの評価は必ずしも高くありませんが、その高くない評価をあなたは理解できますか。

申立人 異議あります。事実じゃないですよ。評価が低いっていうのは事実じゃないですよね。

被   なんですか。判定の中での部分も出てますので、雇用継続に関する評価等でも出ています。

申立人 従業員…。

被   それは従業員の方の言っていることも基づいてやってますので、もう一度聞きます。会社や同僚からのあなたの評価は必ずしも高くありませんが、この評価を、その高くない評価あなた、理解することができますか、できませんか。

A    それについてはよく分かりません。

被   どうして分からないんですか。

A    評価というのを文字で見たこと、客観的なデータを見たことはありませんから。

被   客観的なデータ以外で、あなたは客観的なデータか客観的なデータ、あなたが、同僚や、会社からの評価は高くないんですね。会社からの評価は高くないという判定が出てるわけですけども、それに対してあなたは理解できますか、できませんか。

A    おかしいことはおかしいというふうな反対意見を言ってそうすれば、低く見ると、それはちょっと違うんじゃないでしょうか。

被   理解できるかできないか。

A    いや、私はそれは理解できません。

被   はい。

A    一言申し上げてよろしいですか。

被   いや、結構です。

A    委員長、よろしいですか。それについて。

審査委員長 質問事項に答えていただく時間なんで。

被   話は変わりますが、組合が令和1年12月28日付の要求書で求めた団体交渉は、令和2年1月9日に実際に行われていますね。令和元年12月28日付の要求書で求めた団体交渉を、令和2年1月9日に開催してますよね。

A    細かいことについては今、分かりません。

被   はい。開催されていますよね。令和2年1月9日。去年のね、1月の新年になったばっかり開催しましたよね。覚えてないんですね、記憶ないんですね。

A    その日付がいつかというのを、今、はっきりと分からないということです。

被   じゃあ、その程度の記憶ということで。その際に、組合が要求した協定書について、会社側から交付を受けていますよね。その際に、組合が先ほどの協定書を出しなさいと言ったんで、会社から出してますよね。先ほどの文章、ちょっと覚えてないようです。読んでないっておっしゃってましたが、平成25年3月25日付の継続雇用制度における選定基準に関する協定書、私はこんなの見たことがないと、先ほど言ってましたけど、それを会社が出したんですけども、覚えてますか。

A    覚えております。

被   はい。つまり会社は組合の希望どおりに団体交渉を開催しましたね。開催してと言ったんで開催しました。

A    それは私が担当してなかったんで、詳しいことはよく分かりません。

被   協定書をもらったのは、覚えてるんですよね。

A    あ、それは覚えております。

被   つまり団体交渉が開催されたということでよろしいですか。そのもらった時の団体交渉、開催されているわけですよね。

A    開催はされました。

被   令和2年4月1日要求書における団体交渉の開催が、今回問題となっていますよね。今回の労働委員会で問題になっているのは、令和2年4月1日の要求書、甲8号証です。

A    …。

被   それが問題になってますよね、今回。

A    …。

被   甲8号証ですね。当時、甲8号証のこれが問題になってるんですよね。分からないですか。当時、社会において、コロナウイルスの感染問題がこのとき問題になっていましたよね。いかがですか。去年の…

A    問題が始まった当時ですかね。

被   はい。あなたはフェイスシールドして、会社にも来てましたけど、問題になってましたよね。ちょっとあの頃ですけども。

A    いや、私はフェイスシールドをして、会社に出勤したことは1度もない、と思います。

被   写真がありますが、まあ、結構です。会社は、組合からの団体交渉の開催要求の要求書に対して、書面ですべて返答していましたね。

A    いや、それは私にはよく分かりません。

被   甲8号証の要求に対して、甲9号証でお答えしてます。甲10号証の要求に対して、甲11号証でお答えしています。これはよろしいですか。

A    そんなに早く言われても、見ることはまだできていません。

被   この文書をあまり見たことはないということでよろしいですね。会社は、団体交渉開催の要求の返答として、書面で質問して欲しいとお願いしましたよね。

A    私が、そういう担当してなかったんで、具体的にはよく分かりません。

被   会社が書面でお願いしますつていうことに対して、分からないんですね。それをあなたから、不当だというふうに言われてるんですがそれが分からないということなんですね。分かりました。それに対して、組合側としては、会社側へ質問したかどうかってのも分からないってことですかね。これ今回の不当労働行為だと言われてる問題に対して御質問してるんですが、それは組合のことなので、Aさんには分からないということを、今、あなたはお答えしてると思うんですがそれでよろしいですね。

A    その辺については、私はしっかり、学習しておりません。

被   はい。では、その質問しなかった理由もわからないということでよろしいですか。

A    …。さっき答えたとおりです。

被   組合側が、会社側へ質問のね、文書でしなかった理由も当然分からないですよね。

G  すいません、ちょっと時間が。

審査委員長 あとどのくらいですか。

被   あと1、2問です。申し訳ございません。

審査委員長 手短にお願いします。

被   その後、緊急事態宣言が解除された後の令和2年4月16日付けの要求書、甲13号証ですが、に対して、会社は6月5日に団体交渉をしていますよね。緊急事態宣言終わった後に、団体交渉しましたよね、覚えてますか。

A    よく覚えておりません。

被   あなたが何回も要求した団体交渉を開催したことを覚えてないということなんですね、分かりました。6月5日の団体交渉において、組合側は当然交渉したい内容をテーブルに上げて、交渉していますよね。ていうか、団体交渉した記憶がないんですから、この質問もわからないですかね。

A    よく分かりません。

被   あなたは団体交渉をしましょうと言ったんだけど、私たちもさせていただいたんですが、それが記憶にないということは、その団体交渉で、組合側が当然交渉したい内容をテーブルに全部上げて交渉したと思うんですけど、それもよくわからないということですかね。

A    多分、その当時私はすでに解雇されて、いたと思います。

被   あなたは、じゃあ、その団体交渉にいなかったんですか、いたんですか。

A    もう大分昔のことなので記憶にありません。

被   なるほど。よく分かりました。その後、組合から会社に対して、団体交渉の申し込みはしていませんね。

A    私にはよく分かりません。

被   分かりました。以上です。

審査委員長 はい、再主尋問ございますか

申立人 はい、申立人の清水から再主尋問ですが、乙1号証の裁判の判決文についてですけれども、控訴しなかったのは納得したからではないですよね。

A    納得したからではありません。

申立人 本当はやりたいという意向でしたね。

A    はいそうです。

申立人 しかし、会社から解雇された経済状況、それから、経済状況をね、解雇されて、生活していくね、先行き、長年にわたって控訴で裁判を続けていく自信がない、ということがありましたよね。

A    はい、それもありまして先ほど申し上げたとおり、一番の理由は中央タクシー株式会社という会社が、そんなにもたないんじゃないかと、途中で終わりになってしまうと。そしたらその場で終わりでそういうことを考えた時にはもう、手堅くやったほうがいいんじゃないかなと私は思ったからです。

申立人 はい。その裁判を続けるっていうことと、解雇撤回を求めるっていうことは関係がありましたか。

A    …。

申立人 質問を変えますけれども。本件の救済申立ての中でも、最初は地位の確認を最初は求めると、解雇撤回を求めるという中身でしたよね。

A    はい。

申立人 被申立人の経営状況、あるいは、群馬営業所がね、もうなくなったということ、それから長期間のね、裁判含め労働委員会を続けるっていうことも、ちょっと不安があるということでしたよね。

A    そうです。

申立人 はい。裁判の方も、それも含めてやりたいけどもちょっと難しいということでしたよね。

A    はい、そうです。

申立人 はい。決して内容的に納得をしたということではなかったですね。

A    はい、そうです。

申立人 はい。それで、判決では、稼働手当は固定残業代であるという内容になっていますけれども、その前提としてね、採用の際に、固定残業代、稼動手当は固定残業代であるという説明をしたというふうに認定されているようですが、そういう説明をされたという記憶がありますか。

A    それはありません。

申立人 はい。そういう稼動手当が固定残業代であるという説明をどこかで受けたということがありますか。

A    それはありません。

申立人 はい。その点でも不満が残っているということでよろしいですね。

A    はい、そうです。

申立人 それから、裁判費用の問題ですけれども、それは、請求した額が大きかったということで、実際にね、判決の額が少なかったっていうことという理解でよろしいんですかね。請求した額が大きかったっつうことで、その差が出たということかなと思うんですけど、どうですかね。

A    その辺は先ほどもちょっとよく分からないんですよ。

申立人 いいです、分かりました。はい。何かありますか。

審査委員長 よろしいですか。

申立人 はい、じやあ、以上で。いい。

審査委員長 ありますか、いい。

B  いいです。

審査委員長 よろしいですか。再反対尋問、ありますか。

被   今のお話で、裁判の内容には、納得してないということですよね。そして、稼動手当が固定残業代であるということを、判決の中で認められてるということを前提に立ってるということでいいということですよね。今、お話、そうですとおっしゃいましたけど。

申立人 私、いいですか。

被   清水さんの質問に対してAさんがそうですと答えましたので確認してますが、稼動手当が固定残業代に当たるという判決であったということを、理解しているということですよね。先ほど質問、私、ただ繰り返しているだけですけど。それでその質問されましたよね。

A    まあ、そういう理解も一つの理解だと思います。

審査委員長 よろしいですか。

被   先ほど言ってたことを繰り返しただけです。

審査委員長 では、私の方から、少しお聞きします。主尋問でも出てたんですけれども、証人の書かれた陳述書、甲32号証に、定年を迎えた被申立人従業員2名から、被申立人では、定年前と定年後とで給料は同じである旨を聞いたということを書かれてますけど、ということですね。

A    はい、そうです。

審査委員長 はい。1名が、先ほど出たEさん。

A    はい。

審査委員長 もう1名はFさん、ていう方。

A    はい、そうです。

審査委員長 「〇」は、字は普通の「〇」。普通の「〇」って言ったら変ですけど。この。

A    これ、なにかんむりだ。

審査委員長 これね、普通の「〇」ですね。に、「×」ですか。

A    はい。

審査委員長 Fさんという方で、どういうふうに何て聞きましたか、何てっていうか、どういう表現で言われました。

A    もう60歳になったんだけど、給料とか条件とかいろいろ変わりましたかと聞きましたところ、2人とも異口同音に同じだ同じだと、何も変わんないよと。そういうことを言われましたんで、私は安心していました。

審査委員長 はい。で、もし分かればですけども、FさんとEさんっていう方たちは、時間外労働はされてたんですか。

A    していたと思います。

審査委員長 そうすると、Aさんは、1日、乙2号証見ても概ね1日、休憩時間1時間入れて、9時間以内で働いていらしたということで、時間外労働はされてはいなかった、ということになりますか。

A    それは会社の指示命令で働いてたとおりで、結果として私はそうなったんですかね

審査委員長 結果として、はい。そうですか。他に、従業員、Aさんの他には、このジャンボの運転される方は何名ぐらいいらしたんですか。

A    多い時には、群馬営業所、所員全員で、約30名ぐらいいました。

審査委員長 そうなんですか、はい。Aさんとすると、他の人より自分の労働時間が少ない?ていうかどうかっていうのはあまり認識はしていなかった。

A    そうです。

審査委員長 はい。で、Aさんの方からもっと配車して欲しいとかそういうことを言ったこともない。

A    何もありません。

審査委員長 ないんですね。

A    はい。

審査委員長 はい。他にどなたか御質問よろしいでしょうか。よろしいですか。では、よろしいでしょうか。では、席にお戻りください。

B元分会長の証人尋問

小暮審査委員長 では、尋問される方は最初に氏名を名乗ってから尋問を始めてください。また新型コロナウイルス感染防止のため、尋問は原則として証人席に近づかないようにし、御自分の席でされるようにお願いいたします。では始めてください。

清水彰二申立人 申立人、執行委員長の清水から、主尋問を行います。甲33号証を見てください。

B   証人はい。

申   これはあなたが書いた陳述書で間違いないでしょうか。

B   はい。間違いありません。

申   ここに書かれてある内容にも間違いはありませんか。

B   はい。間違いありません。

申   2015年の6月に、あなたは群馬合同労働組合に、加入したので間違いないでしょうか。

B   はい。間違いありません。

申   その頃、国土交通省が出していた旅客運送事業者の拘束時間に関する改善基準告示に、違反する事例が中央タクシーにはあったのでしょうか。

B   はい。ありました。、

申   え一と、どのような。基準告示では…

B   一日13時間の拘束時間と、それから15時間以上週2日まで。最大16時間までという、拘束時間に関すること。それから運転時間が、二日合わせて9時間とか、二日平均9時間とか、前後の9時間とかそういう拘束時間に関連することが特に、守られていなかったと記憶しています.

申   はい。その基準違反をごまかすために、会社はどのような指示を出していましたか。

B   まず、タコグラフ、運行記録計を14時間程度で抜くようにという指示と、提出しても、赤ペンで不可という形で返されて、こんなの提出するな、というようなことは行われてました。

申   はい。改ざんを指示されたわけですね。

B   そうですね。はい。

申   スピード違反をしなければ間に合わないような業務状況だったというふうに聞いていましたが、事実ですか。

B   はい。2014年に、今の群馬営業所に転勤してきまして、新潟から。当時はですね、人数が10名ほどしかおりませんで、上里サービスエリアとの乗り継ぎ便、これだけでも間に合わなかったと。とにかくもうお客さんが迫ってるということで、スピードを出せと。そうするともう、130、140出さなきゃいけない。運行管理者にこんなことやってられないよと言えば、俺はスピード違反守ったことないと、140出して行けというようなことを、言われたということがございます。

申   そもそも人手不足が日常化していたということですか。

B   はい。そうです。

申   休みが、休日が休日ではないという話もありましたね。

B   はい。休日が一応暦上割り振られているんですけども、24時間深夜も勤務しますんで、朝、早朝の5時、6時に戻ってきて、その日は休日なんですけども、翌日の23時出勤、という形になってました。というのが結構ありまして、確実に24時間休日が取れるのは、月2回程度ある連休の2日間のみです、はい。

申   当然、従業員からの不満の声があったと思いますが、いかがですか。

B   はい。ありました。

申   不満の声を抑え込むために、会社が行っていたことはどういうことでしょうか。

B   時計型のですね、SDカードで保存できるですね、録音機をですね、事務所内に設置しておりまして、それを仕掛けておいて、ピンポイントで、パワハラ行為に準じるようなことを行っていたということです。

申   車両の整備や点検修理がおざなりだった、危険だったという指摘もされていましたね。

B   そうですね。例えば組合員の方にも提出したように、スリップサインの出たスタッドレスの履き古しをずっと履いていたということ、あるいは、群馬来てから見たのでは、後ろのサスペンション、板バネがですね、中で折れてるような状態、非常に振動もあるんですけどもそういう状態であったり、あるいは新潟の車両なんですけども、そういう状態で傾いたまま走行して途中でバーストしたり、あるいは、あれは313号車で黄色っぽい車が長野から来たんですけども、ボンネットめくるとですね左側のタイヤのホイールハウスがさびて穴が空いているんですね。そういう状況。あと、燃料の噴射ポンプから燃料が漏れる危険な状態で走行してたとか、そういう事例がかなり顕著に見られました。

申   はい。

B   あと、すいません。あと定期点検にも出してないと。3ヶ月の定期点検にも出してないっていう事例もありました。

申   はい。何とかしたい。運転手や乗客の命に関わる状況である、という思いから群馬合同労働組合に加入したということでよろしいですか。

B   はい。間違いありません。

申   あなたが加入したのに続いてAさんが加入しましたね。

B   はい。

申   Aさんの置かれた状況はどのようなものだと思っていましたか。

B   え一とですね、Aさんと元組合員の人、それからちょっとこう、口うるさいような人もいるんですけども、そういうような人に対しては、配車がきつかったように、印象がございます。時間が長い、ということですね。

申   人によつて、配車が恣意的で、差があるという状況でしたか。

B   そうですね。

申   宇都宮恒久会長について聞きます。

B   はい。

申   お会いしたことはありますか。

B   はい。

申   何回ぐらいありますか。

B   入社して、だいたい社員としては9年くらいですけど、4、5回いって。はい。

申   何か強い印象がありますか。

B   2013年にカンブリア宮殿という番組が出たんですけども、顧客サービスを優先するような、話を研修会の中でしていたという印象があります。

申   はい。宇都宮会長が書いた幸せのサービスという本がありますね。

B   はい。

申   読んだことがありますか。

B   はい。

申   どういう経緯で読んだんですか。,

B   2013年頃だったと思うんですけども、10月か11月だったと思うんですけども、全社員に配布されました。当時の。

申   はい。読んでみようかなと思って読んだということでよろしいですか。

B   はい。

申   甲35号証を見てください。2ページ。

B   はい。

申   下の方の段で、未経験者採用で純粋培養っていうところに、2行目ですかね。読みます。「当時の社内は労使紛争が絶えず、朝礼では、挨拶どころか、この『馬鹿野郎』と怒号が飛び交っていた。新入社員が入ってきてもすぐにヤル気を失ってしまう。『腐ったりんごは周りのりんごまで腐らせる』という状態だった。」というふうに書いてありますね。

B   はい。

申   それから、甲34号証。2枚目ですかね。本のページで言うと61ページ。真ん中ぐらいですけども、「その父の誘いで長野タクシーに行って、私は愕然とします。そこはとても会社の体をなしていませんでした。労働争議がこじれにこじれ、人の心が荒れ果てていました。」というふうに書いてありますね。

B   はい。

申   これを読んで何か感想が、思ったことがありますか。

B   労働組合に対する嫌悪感を持っていると、会社設立当初から持っていたと、思っているであろうというのは思いました。

申   甲26号証。19ページ。

B   はい。

申   いいですか。これは群馬県労働委員会の救済命令書ですが、(オ)のところですね、4行目。「確かに、I所長はBに連絡し、27年6月9日には『組合に加入したのは何か腹づもりがあってのことなのか』、『俺にすれば裏切られたみたいな』などと、同月11日には『既に弁護士も付けている』と発言し、また、宇都宮社長もBに対し、同月12日に『いきなりガシャーンとやったら会社は倒産』、『中で喧嘩している場合ではない』などと発言している。これらはいずれもBの組合活動を牽制しようとしたものと判断することができ、会社は組合の活動を快く思っていなかったことを窺わせる事実である。」こういう記載がありますね。

B   はい。

申   これ、こういう扱いを、Bさんが受けたときに、先ほどの会長の話と繋がりましたと。

B   はい。彼の言葉で言うと腐ったりんごの一人、一つだろうと思いました。

申   あなたが中央タクシーに入社した頃は、時間外割増賃金の記載がありましたね。

B   はい。ありました。

申   時間外、深夜、休日の手当が明細に記入されていたんですよね。

B   はい。

申   しかし調整給稼動手当という名称の手当と、割増賃金を合計すると、11万4600円の固定額になるっていうことが、後に分かりましたよね。

B   はい。

申   そういう説明を、あなたは会社から受けたことがあったでしょうか。

B   ありません。

申   群馬合同労働組合が、表計算ソフトのエクセルで入力してみて、初めて分かったことですね。

B   そうです。

申   会社はそういう賃金体系であることを、1度も説明したことはなかったですね。

B   はい。

申   従業員には分からないように偽装されてきたと思いますか。

B   はい。

申   あなた自身も、それまでは、割増賃金が支払われているというふうに、思っていましたね。

B   はい。

申   それが、一定額だという計算結果が分かるまでは。

B   そうですね、一定額ということが分かりました。

申   それが後に稼動手当という名前で一本化されて、同じ金額。11万4600円の固定額になりましたね。

B   はい。

申   この時に、なぜそうなったのかっていうことについての説明があったでしょうか。

B   ありません。

申   この頃会社は、どういう説明をしていたか覚えていますか。

B   当時の説明ですと、年俸制だということで、説明がありました。

申   年俸制。

B   はい。

申   固定残業代だということではなかったわけですね。

B   はい。

申   その後新入社員には稼動手当の11万4600円は固定残業代だと説明されるようになったんでしょうか。

B   新入社員に対して会社説明会をしたのは、Aさんが入社した当時からで、おそらく説明したとされるJさんっていう方も理解してなかったんではないかと。雑談の中でも、これどういうことっていう質問にも答えられていなかった。疑念が残ります。

申   それまで、Aさん達の前は、新入社員に説明会もしてなかったんですか。

B   ありません。

申   この時に、固定額になぜ変更になったか分かりますか。

B   はっきりとしたことは分からないんですけども、団体交渉の中で、労基署のアドバイスを受けたという返答をされておりましたので、何らかの指導なり、是正勧告なり、あったのではないかなと。まあこれ推測ですけども。

申   はい。固定残業代が、そもそも固定残業代だという認識を、どれだけの方がされていたか分からないんですけれども、その固定残業代が何時間分の残業代になるか分かる人がいたでしょうか。

B   それがいないんですね。

申   はい。それから36協定も問題がありましたね。

B   はい。

申   点呼もきちんとされていなかった。

B   そうですね。当時は、夜間は運行管理者一人もいませんでした。

申   はい。休憩時間も明確ではなかったですね。

B   はい。

申   そもそも、取れていましたか。

B   ほとんど取れていないです。

申   団体交渉の中で、待機時間が休憩時間だと会社は主張しましたか。

B   はい。

申   この点については会社と組合で合意はできたでしょうか。

B   できておりません。

申   団体交渉では合意はできると思いましたか。

B   思いません。

申   結局裁判で時間外労働について争うしかないと思ったということでしょうか。

B   はい。

申   Aさんが原告となった裁判にあなたも当初、原告として加わっていましたね。

B   はい。

申   待機時間については原告の主張どおり全て労働時間だという判決でしたね。

B   はい。

申   2018年9月30日に全中央タグシー労働組合の結成大会が開かれましたね。

B   はい。

申   何名が加入手続きをしたのでしょうか。’

B   22名だったと思います。

申   はい。あなたはこの大会で、結成大会で書記長に就任しましたね。

B   はい。

申   当時のあなたの住まいが組合の住所になっていたんですね。

B   はい、そうです。

申   団体交渉で宇都宮社長は、この議案書を見たと言っていましたよね。

B   はい。

申   あなたの住所が組合の住所になっていることを、宇都宮社長は認識していたのではありませんか。

B   はい、そうです。

申   あなたは全中央タクシー労働組合の結成大会から2ヶ月足らずの2018年11月22日に何者かに襲撃されましたね。

B   はい。

申   これは出勤途上だったんですね。

B   そうです。

申   出勤途上のけがということで労災申請をしましたか。

B   はい。しました。

申   労災の認定がされなかった理由は何でしたか。

B   まず一つは会社が認めなかったということ、それから、労基署の方が警察に届けることを条件…事実認定をされてません。

申   はい。会社は団体交渉で、執ように警察に被害届を出すように言いましたか。

B   はい。

申   Bさんは被害届は出しませんでしたね。

B   出してません。

申   この時に被害届を出していたら、容疑者として誰が、誰かが逮捕されたと思いますか。

B   元組合員のCさんが、逮捕されたと思います。

申   なぜそう思いますか。

B   後で分かったことなんですけども、H所長が報告したという書面ですか、社長名かちょっとあれなんですけども。襲撃当時の状況が書かれておりまして、Bを殺してやるという発言を、メモをとって、懲戒処分の警告という書面を見ました。

申   それは、被申立人が、元組合員のCさんに対して、懲戒の警告書を出したと、その書面でよろしいですか。

B   そうです。はい。

申   はい。その書面の中に、Bさんが襲撃された日に、Cさんが、Hさんに、電話で、Bさんを殺してやるというふうに、騒いでいたと、いう記載があったということでよろしいですか。

B   はい。

申   その会社が、Cさんに、懲戒の警告書を出した。その書面について、なぜ、組合が知ることになったんでしょうか。

B   当人が、組合員に相談をして、提出したということです。

申   はい。あなたは、Cさんが、襲撃の犯人、又はそれに関わっていたというふうに思いますか。

B   思いません。

申   それはなぜですか。

B   彼の、性格的なものですとか、常に行動を何年もしておりましたし、この状況から考えて、あり得ないだろうということを感じてました。

申   はい。関わっていたんだったら、そのような会社からの、証拠になるような警告書を、組合に見せたりしないですよね。

B   はい。そう思います。

申   はい。襲撃された事件のその日に、夕方に、私と一緒に、被申立人の群馬営業所に、報告に行きましたね。

B   はい。

申   その時誰がいましたか。

B   え一とですね、H所長が、おられてですね、2階の部屋に案内されました。

申   H所長と話をしたんですね。

B   そうです。

申   その時に、申立人は、これは会社内部の犯行ではないかというふうに話をしませんでしたか。

B   はい。そういう話をしました。

申   その時にH所長はどういうふうに反応しましたか。

B   まあそうですね、と。こちら側の話に同意しておりました。

申   その可能性が高いですねっていう発言をしましたよね。

B   そうですね、はい。

申   そのCさんの、組合に提出した会社の警告書に記載された日付が、まさにその日に電話があったということだったわけですね。

B   そうですね。記載の事実がそうでした。

申   そうするとHさんはその電話を受けて、Cさんが、Bさんを殺してやると、言ってきたことを承知していたわけですよね。

B   と思いますね。

申   被害届を出せば、第1の容疑者が、Cさんになると思いますか。

B   そのように考えます。

申   おそらく、それだけのね、証言、証拠がそろっていれば、逮捕されると思うんですがいかがですか。

B   そう思います。

申   で逮捕されると、解雇される可能性が高いですね。

B   そうですね。

申   …、え一っと、申立人としては、こういう形で、Cさんから情報が提供されたの大分後のことでしたけれども、これを見て、証人はどういうふうに考えましたか。

B   …内ゲバでっち上げて、組織破壊を企てたということで怒り心頭でした。

申   はい。Cさんは組合を辞めたけれども、残業代や労働時間に関してAさんと同じ扱いを受けていましたね。

B   はい。

申   それから、被申立人がAさんが、利益が先でお客様が後っていうね、会社の悪口を、大声で言っていたというふうに主張していますけども、この点について何か思い当たることがありますか。

B   おそらくですね、大分前です。会社に是正勧告が下りた頃だと思うんですけども。当時Cさんとよく相談聞きに食事に行ったんですね、その時に、私が…お客…

申   利益が…

B   利益が先、お客様が後、従業員もっと後っていうことを冗談で言ったことはあるので、それを職場でどっかで言ったんじゃないかなとそう思います。

申   では最後に言いたいことがあればお願いします。

B   そうですね。今Aさんの定年制の問題で話してて、聞いていたんですけども。この会社の定年制っていうのは、非常にいい加減です。前任のI所長は69まで働いてましたし、L工場長っで本社の整備の人は80近くまで働いてました。で、定年があってないような状況なんですよ。で、定年再雇用の規定が就業規則上に書かれたのは、我々が組合に入った後なんですよ。そういう、後で付け足して昔からそうだったっていうような論法で時系列が無茶苦茶な状況でやられていると。それが結構ありますね。で、稼動手当については、明らかに時間外出してたんですよ、2万数千円なり。で、深夜も出してたんですね。で、差し引きゼロにするんですわ。はみ出した分っていうのは、一切払われてない。陳述書に書いてありますけども、繁忙期もですね、閑散期もですね、一定額なんです。そういうようなビジネスモデルが、存在していたということ。それから今回の判決見ても、待機時間が全部労働時間で労働時間だ、タクシーの業務よりも労働密度が濃いよっていうことはこれ休憩時間与えられてないってことですよ。で、彼の時間外150時間近くなんです。150時間の長時間労働させて、休憩時間も認められてない。そんな状況で我々は働かせていたんですよ。で、彼の請求期間は実質上7ヶ月なんですね、年換算で70万。請求権のある人は100人以上いるんですよ、年間7000万ですよ。当時公表されていた、売上げの14億8000万に、業界平均の利益率掛ければ一致するんです。彼らのビジネスモデルっていうのは、未払によって生じてた。これ断罪しなきゃいけない。私は、労働組合に入ったのは、そういう不当なビジネスモデルを粉砕する、という思いがありました。以上です。

申   ありがとうございます。主尋問何かある。追加で。では主尋問以上です。

審査委員長 それでは、反対尋問15分お願いします。

宇都宮司被申立人   宇都宮恒久会長に対しての、組合に対する嫌悪感というような形をあなたが感じているのは、本の中身の中で全てということでよろしいでしょうか。

B   いえ。何回か研修とかっていう話で、一方的っていえば一方的なんですけども、ステージでしゃべってるお話とか、そういうのを聞きました。大体同じような内容ですね。

被   つまり本の内容と一緒ということでよろしいですか。

B   ほぼですね。

被   それから、あなたが群馬営業所に異動したのは、平成26年、2014年の9月でよろしいですか。

B   正式な辞令が交付されてないんですけども。実際仕事を開始したのが9月5日からです。

被   Aさんが入社したのは、その3ヶ月後の平成26年11月でよろしいですか。

B   はい。

被   以上です。

審査委員長 もうよろしいですか。

申   はい。

審査委員長 では私から一点だけ確認ですけれども、証人が被申立人会社を退職した日は、陳述書にあるように2019年、平成31年4月30日。

B   だと思います。すいません。

審査委員長 はい。それから甲26号証を見てください。4ページの第3、1、(3)に、〇ってありますけども、これはB証人と同一人物っていうことで間違いないですか。

B   え一と、当事者っていうとこですかね。

審査委員長 はい。(3)に〇ってあるんですけども。

B   (3)。あ、はい、そうですね。はい。

審査委員長 これはBさんのこと…

B   これは私。個人の名前変わりました。

審査委員長 同一人物ですね。

B   はい。

審査委員長 一応その確認です。

B   はい。

審査委員長 はい。他にございますか。よろしいですか。では、終わります。

和解は決裂。とことん闘う。(中央タクシー地労委)

 2020年12月4日、中央タクシーの不当労働行為救済を求めた群馬県労働委員会で和解の協議が開かれた。委員のみなさんの和解に向けた熱意を受けて、いったんは群馬合同労組も和解を受け入れる表明をしたものの、最後に中央タクシーが無理難題を吹っかけてきたので和解は決裂した。それは「中央タクシーに関わる一切のネット記事の削除」「今後一切会社に関わる記事掲載や書込みをしない」という条件だ。組合はいったんは了承した。ところが、最後になって、書いたら解決金を返納すること、さらに一件につき〇十万円の損害賠償を支払うことを約束しろというのだ。「本件に関して」というのならまだわかる。これまで中央タクシーの悪事に関しては労働委員会でも救済命令が出されたし、裁判でも支払の判決が出ている。これを含めて一切合切、会社のことを書くな、書いたら〇十万円支払えというのだから、あきれてものも言えない。当該のT組合員には、申し訳ないが、わずかばかりの解決金のために譲れるものではなかった。何様だと思っているのか?

 ということで、この間の経緯をまとめて報告しておく。

 (これまでの経緯はこちらを参照のこと→ https://gungoroso.org/?p=2002 )

 現在群馬県労働委員会で救済を求めて争っているのは、T組合員が60歳の定年の誕生日を迎えた2020年1月、T組合員の嘱託再雇用を時給1000円のパートに切り替えたこと。T組合員以外に、正社員から定年で嘱託に移行する時に、労働条件を変更されたドライバーはいなかった。明白な組合差別である。

 さらに、その後新型コロナ感染拡大で休業が始まる中で団体交渉を拒否したことである。まだ非常事態宣言が出る前で、会社が営業を続けている中で団交拒否した。

 新型コロナ感染拡大が始まって、中央タクシーは雇用調整助成金の申請をして休業の労使協定を結びながら、その途中で営業所ドライバー全員の解雇を通告した。整理解雇4要件をかえりみない違法な解雇だった。

 当初、解雇撤回・地位確認も救済として申し立てたが、営業所がなくなってしまっては、長野への通勤か単身赴任しか期待できない。家庭の事情もあり、それはあきらめた。それで2~4月の給与を、減額されなかったものとして全額払えとの救済申し立てを行った。これは失業保険の給付額にも影響するのだから当然の話だ。大した額ではないが、解雇されたT組合員にしては大きな金額になる。

 営業所ドライバー全員解雇を通告したのと同じ4月13日に、割増賃金請求裁判の判決が前橋地方裁判所であった。判決は固定残業代の評価に関して非常に問題があるのだが、悪質な違法行為に対するペナルティーである付加金を合わせて100万円ほどの支払を命じるものであった。中央タクシーは控訴をした。仮執行宣言がついているにもかかわらず、会社は賃金分の支払をせず、T組合員は中央タクシーのメインバンクの差し押さえをして支払わせた。

 中央タクシーが控訴をしたことについて、組合は、解雇した労働者が続々と割増賃金を請求してくると恐れたのではないかとみている。案の定、落ち着いたころになって、中央タクシーは控訴を取り下げた。解雇された労働者は、未払残業代(割増賃金)がないか調べた方がいいと思う。ある程度の労働時間が証明できる材料があれば、労基署に相談に行ってみてほしい。

 この先、中央タクシーがどこまで持ちこたえることができるのか、危うい。しかし、どんな形になっても、会社が生き残り、労働者がその犠牲になるのは許せない。中央タクシーのような会社が数知れずあるに違いないのだ。だから、最後まで闘い抜いて、労働者の勝利の希望を握りしめたい。

 労働者は黙っていては生きていけない時代だ。一人では闘えない。群馬合同労組は一人でも加入できる個人加盟ユニオンだ。ぜひ気軽に相談してほしい。全国に仲間がいる。詳しくは、労働相談ドットコム( https://rodo931.com/ )へ。

月刊労働運動9月号。川谷内書記長の報告

群馬合同労働組合の闘いの報告

群馬合同労働組合

書記長 川谷内 政樹

組合加入前の状況

 職場はワンボックスカーで自宅から成田・羽田空港へ送迎を行う中央タクシー(本社 長野市)旅客運送業でした。1日16時間以上の勤務、まともな休日は月に2日しか保証されず、年間半分近くの繁忙期を有給凍結となっており、有給休暇など取得できる状況ではありませんでした。2015年頃から極度の人員不足により、サービスエリアへのピストン送迎すら高速を140キロで走っても間に合わず、当時10人足らずの職場は1年間で半分入れ替わるような状況でした。「運行の合間にトイレもいけない」、「運行管理者からスピード違反しても迎え時間に間に合わせろ」そんな怒りを漏らす同僚に同調している様子を盗聴器で確認し、長時間労働で疲弊している中で、突如としてパワハラ行為が身に降りかかって来ていました。

労働組合の必要性と一抹の不安

 自身の職場状況を通じ労働組合の必要性を強く感じましたが、労働組合が闘わなくなったといわれて久しく、諦めかけていた時に国鉄闘争を終わらせていなかった事実は私にとって絶望から希望への転換点となりました。群馬合同労組はそこから繋がり現在に至ります。

 しかしながら、加入を決めた後も合同労働組合であるがゆえに企業別組合のように運動のリーダーが職場にいない一抹の不安は残りました。

組合会議の在り方が不安を解消

 群馬合同労組は定期的に組合会議を行っていますが、執行部以外の組合員も自由に参加し、日々攻撃にさらされている現場労働者の苦悩を共有ししています。職場で起きていることを全体で「労働相談」のように取り組む体制のイメージになるかと思います。

中央タクシーの闘争では、組合加入するや否や事務所に閉じ込められて、私は千羽鶴を折らされたり、便所掃除。他の分会員は給与の3分の1を減額されました。ネット掲示板への組合員への罵詈雑言、経営者の著書から労働組合に対する嫌悪感を超えた異常とも思える敵意がどこからくるのか、職場の様子を細かに共有し、その反撃の過程で固定割増賃金のインチキが明らかになりました。残業代を明細に記載しておき、同額を別手当から差し引く。これを「固定割増賃金」として、会社側は割増を従業員に実質支払わずに長時間労働を強いていたのでした。委員長からの知らせで勝利への道筋がつきました。

闘争時における苦悩や職場における変化を会議の中でさらけ出すことによって、怒りを共有すれば、職場に労組のリーダーがいないことは杞憂でした。そして何よりもT組合員の詳細な勤務の記録がその裏付けとなり闘いの前進に繋がりました。

渾身の怒りが団結へ

中央タクシーに限ったことではないものの、不正な金儲けの仕組みをあばかれる脅威からか団体交渉は熾烈な攻防でした。ただの一度も書面で回答もせずに交渉時間を1時間一方的に指定した上で組合員に自己紹介をさせ、要求書を読み上げる時間稼ぎを行ってきました。要求項目に答えない(わからない)不誠実な社長に対し、業を煮やし「お前ではだめだ!親父(会長)を呼べ」など怒鳴りつけ机を蹴飛ばしたり、怒りが爆発する場面もありました。もうそこにはワンマン社長の前に微塵も恐れることはなくなっていました。そしてストライキが根底からの怒りの表現として個々の組合員が共感と全体の団結が形成を生み出して来ていった感をもっています。

組織拡大に向けたネットの活用と職場での多数派へむけて

  各職場の闘争において私が国鉄闘争に希望を見出したように労働運動が身近なものとして目に留まりやすくできるように反原発高崎駅前金曜行動でのビラ巻きや街頭活動を基軸にネット環境の積極的な活用を行ってきました。SNSを通じ組合のサイトへの閲覧者も増え、ネット検索では「群馬 労働組合」と検索すれば最上位にヒットするようになってきました。 いろんな手法がある中で、群馬合同労組は入り口としてのネットの活用を重要視してきました。また、会議に参加できない組合員にはSkypeを用いた遠隔会議も行っています。

 そして多数を獲得するかという問題では、中央タクシーでは先述の固定割増賃金のインチキ(定額働かせ放題)による過重労働の仕組みは、利潤の相当部分は未払いであることに外ならず、それ故に、時には労基署を使い、過重労働に対して労基法を守れという要求を徹底していました。群馬の事業所では人員が倍増し、ほぼ労基法上の休日が取れるように変化しました。経営者一家の生活の糧である利潤の低下を最小限に抑えるべく、他の事業所間に労働条件の差異が生じ、そのタイミングが多数を獲得する機会と狙っていましたが、ここで誤算が生じました。利潤率低下を極度に恐れ利益が出るまで数年はかかるにもかかわらず、無謀な運行エリア拡大を行いました。実は、この数年前に新規事業の失敗から同様なエリア拡大を行い、短期間で同様の誤りを繰り返してしまい、更に運賃を3割程度引き上げ、一気に倒産情勢に陥ってしまったものと思われます。一時的に30名程度の組織を作り上げたものの私に対する襲撃事件も起きた関係で組織化できず終わり、今後に向けて事例として検証しなければならない課題として残りました。

外国人労働者の加入と女性労働者の決起

群馬ではここ近年外国人労働者の加入が相次いでいます。劣悪な労働環境の最前線で苦闘する彼らとの言葉の壁を超えた労働組合との出会いと新聞販売店で働く若い女性労働者の決起が大いなる希望を組合員に与えています。

その女性労働者と共に闘うご身内の一言「(労働運動・大衆運動は)要は生き方の問題なんだよね」。そうして仲間と共に強くなって来ています。

解雇と大失業に労働組合として対決を!

(月刊労働運動6月号投稿)

解雇と大失業に労働組合として対決を! 群馬合同労組 清水彰二

 新型コロナウイルス感染拡大の中で、空港送迎便を運航している中央タクシー(本社長野市)は、4月13日に「説明会」を開催して、群馬合同労組の組合員を含むほぼすべての労働者に解雇通告を行った。3月末には、6月いっぱいまでは雇用調整助成金を申請して休業補償で対応すると説明していたのを急きょ引っくり返した。また群馬合同労組の団体交渉開催要求に対して「緊急事態宣言」「多数での集まりの自粛」を口実として拒否をする続ける中で開催された「説明会」だった。

 群馬合同労組は、組合員が「説明会」に対して抗議、弾劾、オルグの宣伝行動に立ち上がった。会社は解雇回避義務を果たせ、不当解雇だと、ビラを配った。会社は、敷地から出ろと、妨害し、警察を呼んで弾圧を狙った。

 中央タクシーとの5年越しの闘いは、新自由主義を象徴するブラック企業との闘いとして、不屈に闘い抜かれ、新型コロナ感染拡大を契機とした大恐慌と大失業の到来の中で、これと労働組合として対決して希望を作り出す闘いとなった。

 これに先立って、今年の1月に60歳の誕生日、定年を迎えたT組合員に対して、中央タクシーは、時給1000円、月100時間程度という再雇用の労働条件を提示した。月10万円。どうやって生きて行けというのか?群馬合同労組は、他の従業員と同じように、正社員と同じ労働条件で再雇用しろと要求した。団体交渉で、会社は、他の従業員はこれまですべて正社員と同じ労働条件で再雇用したことを認めつつ、多少の譲歩は示しながらも、時給1000円は譲らなかった。群馬合同労組は、5月14日付で、団体交渉拒否と合わせて、労働組合法第7条の差別的な不利益取扱いとして救済を申し立てた。

 これは実は、中央タクシーが、割増賃金等(残業代)請求裁判で追い詰められた末の対応である。「説明会」が開かれた同じ4月13日の午前中に、4回に渡って延期された前橋地方裁判所の判決が出た。これは大きな問題がある判決であるが、T組合員には約38万円の残業代の支払いとタコグラフの改ざんなどの不法行為責任として同額の付加金の支払いを判決した。重要なことは、空港送迎便につきものの、膨大な待機時間を労働時間として認めるか否か、この点について、T組合員の証拠と主張を全面的に認めたことであった。

 中央タクシーは、この判決を不服として控訴した。従業員ほとんど解雇しておきながら、だ。これは解雇された労働者から同様の請求を起こされる恐怖からの対応だろう。宇都宮司社長、宇都宮恒久会長らは、あくまで東京オリンピックに望みをつないで、自分たちだけは生き延びようと必死だ。しかしそんなことは許さない。

 中央タクシーがやってきたことは、どういうことか?

 第一に、固定残業代制度を悪用した、「定額働かせ放題」の奴隷制度だ。「稼働手当」と称して、114600円を支払い、これで早朝深夜の区別なく、寝る時間も与えず、休日も与えず、労働者を酷使した。文句を言う労働者にはパワハラと差別的な配車で痛めつけ、たたき出した。実際に業務中に脳梗塞を起こして死亡した労働者がいたし、死なないまでも過労からくる脳や心臓の病気の話はいくつもあった。

 こうした地獄の職場から、分会を結成して、賃金カット、乗務外し、おり紙折りの業務命令などの悪らつな組合つぶしを打ち破って、ストライキ・デモや順法闘争、労基署申告や労働委員会申立、裁判などあらゆる闘いで、勝利してきた。とりわけ裁判闘争は、諸悪の根源にある「固定残業代制度」そのものの違法性を争う闘いであった。

 今年の3月30日、最高裁は、国際自動車のタクシー労働者が闘ってきた残業代(割増賃金)をめぐる裁判において、非常に重要な原告勝訴判決を出した。これは本質的に中央タクシーがやってきたことと同じ問題である。つまり形式的に「割増賃金」を算出して明細に記載していても、いわゆる固定残業手当から同額を引いて、結局基本的な賃金総額が変わらないという制度は、労働基準法第37条の定める割増賃金を支払ったことにはならないという判断である。

 この裁判を担ったのは、指宿昭一弁護士。ロイヤルリムジン(タクシー)のコロナ解雇などと闘っている弁護士だ。彼は言う。「このような労基法37条に違反する賃金規則が多くの会社でまかり通り、また、既存の労働組合はこれと闘ってこなかった。いや、むしろ、積極的に導入に協力し、または、容認してきたのである。」

 群馬合同労組は、中央タクシー分会が、闘ってきた闘いが、運輸労働者にとって、非常に普遍的で決定的な闘いであったことを再確認することができる。現在、さいたま市にある大石運輸分会でも、実はこれと同じ賃金体系があり、これを基にした組合差別を打ち破る闘いが始まっている。

 このような闘いであるからこそ、中央タクシー分会の闘いは熾烈を極めた。様々な苦難を乗り越えて、いよいよ少数派から多数派への闘いに入ろうとしたときに、分会長の襲撃事件が起こった。新たな家族とともに新たな住居で新たな生活に入ろうとした分会長を、犯人は暗闇に紛れて背後から木刀で襲ったのだ。出勤途上で。フラッシュバックと闘い、職場復帰したら、この新居が再び破壊された。分会長は、結局健康上の問題で退職を余儀なくされたが、堂々と勝利者として群馬合同労組の団結の中心に立っている。

 襲撃に関して、新居の住所、早朝の出勤、どちらも知っているのは会社だけだった。林群馬営業所長は、社内の犯行だろうと組合が言うと、その可能性は高いですねととぼけた。警察に被害届を出した方がいいとしきりと言う。団体交渉で宇都宮司社長も、被害届を出せと言った。最近わかったことがある。組合を脱退して一時敵対的だった元組合員が、この頃、分会長を殺してやると林所長に電話でまくし立てていたというのだ。思っていた通りだ。中央タクシーは、犯人をこの元組合員におっかぶせて、どちらも追い出そうとしたのだ。

 大恐慌と大失業。こんな資本との激しい闘いは避けられない。しかし労働者は負けない。そんな労働者の拠り所になる労働組合が求められているのだ。必ず解雇撤回させて勝利したい。

中央タクシーの解雇撤回へ要求書提出!

 群馬合同労組は、2020年4月13日の群馬営業所従業員への解雇通告に対して、4月16日付で要求書を提出して解雇の撤回を要求しました。中央タクシーは、長野本社以外の営業所をすべて閉鎖して、本社以外の従業員を解雇通告しました。

 要求項目は以下の通り。

1.    T組合員の解雇を撤回してください。雇用調整助成金の感染症の影響に伴う特例措置が取られています。2020年6月30日までの休業に関して国からの助成がなされます。貴社の解雇は、整理解雇4要件のうち、解雇回避努力義務の履行が十分に行われておらず、解雇権の濫用であり無効です。

2.    Tの解雇に関して、1の通り、争いますが、解雇予告手当については、将来の賃金の一部として、受領することを通告します。その上で、Tの解雇予告手当日額を2020年2月分と3月分の給与を平均して計算するとK総務部長から説明を受けていますが、計算方法は2020年1月分からの3ヶ月の平均から算出しなければなりません。訂正をしてください。

3.    今後の貴社の経営及び雇用についての見解・見通しについて説明をしてください。

4.    2020年4月1日付要求書、ならびに2020年4月2日付要求書で団体交渉の開催を要求したにもかかわらず、また群馬県労働委員会の場にて誠実団体交渉の和解協定書を締結したにもかかわらず、貴社は団体交渉を拒否して、2020年4月13日の全体説明会を開催しました。明白な不当労働行為と当労働組合は認識しています。謝罪をしてください。

 中央タクシーは、3月末に、雇用調整助成金の申請をするので、6月いっぱいはとりあえず6割の休業手当でがまんしてほしいと群馬営業所の従業員に説明したばかりでした。ところが、群馬合同労組の団体交渉開催の申し入れに対して、「緊急事態宣言」を口実として団交を拒否、組合員だけ排除して、他の従業員に解雇の合意を取り付け、4月13日の説明会を準備したのでした。

 説明会に対して群馬合同労組は、抗議と宣伝の行動を行いました。会社は、「施設管理権」を口実に「敷地に入るな」と騒ぎ、警察に通報して、弾圧を企みました。説明会に参加した労働者が組合にオルグされることを恐怖したのです。組合は、これは会社と労働組合の問題、警察は「民事不介入」の原則を守れと警察に抗議しました。警察官も共感してしまう状況でした。

 中央タクシーは、固定残業代制度を悪用し、規制緩和でグレーゾーンであった乗合タクシー事業・空港送迎便に企業としての生き残りを賭けてきました。しかしその実態は、過労死を招くとんでもない過酷労働でした。その中で3人のドライバーが立ち上がって、群馬合同労組に結集しました。これまでパワハラで労働者の不満を押さえつけるのが中央タクシーのやり方でした。組合つぶしのために、運転業務を外して「千羽鶴」を折らせる、固定残業代の「稼働手当」8万円のカットなどなど、悪辣な不当労働行為と5年間闘ってきました。組合は、団体交渉、労基署への違反申告、抗議行動、順法闘争、労働委員会闘争、裁判闘争、ストライキなど、あらゆる手を尽くして闘ってきました。長野の本社抗議行動や長野市内デモも闘いました。労働委員会闘争に勝利しました。職場や労働条件は、分会の闘いで大きく改善されました。

 これらの地平の上に2018年秋には、ついに分会を中心とした過半数組合の結成へと進みました。この意味は、とても大きなものがありました。

 しかしこの大前進に対する、大きな反動が起こります。分会長に対する個人襲撃事件でした。未明の暗闇の中、出勤のために家を出た分会長が背後から木刀のようなもので襲撃されたのです。再婚して、新たな生活を始めたばかりの分会長でした。新居を知っているのも、出勤時間を知っているのも、ごく限られた会社の人間でした。その後も新居に対する破壊活動が繰り返されました。

 この事件をめぐる団体交渉で、労災申請を拒否する一方、会社はしきりと、警察に被害届を出すべきだと執拗に繰り返しました。あとで判明するのですが、被害届を出していたら、組合を脱退した元組合員が容疑者として、逮捕される証拠を会社は用意していました。

 こうした激しいやり合いの中で、結果としてフラッシュバックに苦しむ分会長は退職して、新しい闘いを開始しました。

 しかし、どちらが勝ったのかは明白でした。4月13日の抗議行動の先頭には、元分会長が立っていました。「ゲームオーバーだ!社長!」との怒りの一声に、宇都宮司社長は激高して、「出て行け!」と元分会長に突っかかってきました。

 この闘いは、資本家階級が未来の主人公なのか、労働者階級が主人公なのか、が、かかった闘いなのだと思います。元分会長は、3月27日のAGC株主総会行動にも参加してマイクを握りました。労働者が解雇される、それがどんな苦しみなのかわかるか!労働組合を作ったことで解雇される、こんなことは絶対に許すことができない!

 中央タクシー分会の闘いは、続きます。それは労働者階級が、絶対に屈しない存在だということ、労働者階級が資本家階級を打ち倒して、自分たちの社会を建設することが可能であることを示すでしょう。

 4月13日に、前橋地方裁判所で、組合員のTさん、元組合員のSさんが原告となる、中央タクシー割増賃金等請求裁判の一審判決がありました。

 判決文が手に入りました。

 Tさんには38万円あまりの割増賃金(残業代等)の支払いと、同額の「付加金」の支払いを命じました。Sさんについては訴えを棄却しました。

 驚いたことがいくつかあります。

  • 固定残業代を容認したこと。固定残業代については、いくつもの裁判が闘われてきました。3月30日に国際自動車の残業代裁判で最高裁で逆転勝利判決がありました。今回の中央タクシーの判決は、肝心な固定残業代を、賃金規程上の不備を前提にしても、労働者に説明していたなどの理由で容認する反動判決でした。やはりこれは認めがたいものです。
  • 休憩時間か、労働時間か…待機時間をめぐる争点で完勝しました。「始業時刻、終業時刻及び休憩時間に関する原告らの主張を採用するのが相当」との裁判所の判断が示されました。T組合員の詳細なメモ・記録が決め手になりました。
  • 付加金が認められたこと。「群馬営業所においては,営業所ぐるみで,1日の拘束時間を16時間,走行時間の前後合計1時間を拘束時間とすることを前提として乗務員に対し,15時間を超える走行時間をタコグラフ記録に残さないように記録用紙を抜く等の指示をしていた」などと認定、T組合員に対して、残業代と同額の付加金の支払いを判決しました。

 裁判に勝っても、会社が倒産したり、資産がなければ、ゼロになってしまうという、厳しい現実があります。しかし、労働組合が断固として団結して闘いを前に進めることでしか希望は生まれないでしょう。

 最後に、判決から、労働時間の認定について、判決を紹介しておきます。

2 争点2(原告らがした時間外労働等の時間)について

 (1)前記前提となる事実に証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められる。被告代表者の代表者尋問における供述中、これに反する部分は、採用することができず、他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。

 ア 原告らの乗務開始前の準備作業

 原告らは、乗務開始前、乗務車両の鍵の受領、ETCカードの準備、運行前点検等のほか、次のような準備作業をする必要があった。

(ア)ジャンボタクシーは予約制であり、群馬営業所から予約顧客宅まで車両を回送して迎えに出向く必要があり、通常、複数の予約顧客宅に順次出向き、乗車させることとなる。そのため、乗務員は、予約顧客ごとに住宅地図を使用して経路を探知し、送迎時刻に遅延しないよう、顧客宅近隣の待機場所を探知する等の準備作業が必要であった。

(イ)被告の乗務員に対する配車伝票は、原則として乗務3日前に交付されるが、その後、急な予約顧客の追加、突発的キャンセル等の変更が発生する。そのため、配車伝票に基づき上記(ア)の経路探知等を終えても、事後的かつ五月雨式に経路探知等の準備作業が必要となり、経路探索等の準備作業は相当程度煩瑣であった。

(ウ)経路探知等の作業は、運転中に行うことはできず、住宅地図や配車伝票が群馬営業所内に保管されていることから、原告らは、主として群馬営業所内で乗務開始前等の乗務時間外に行っていた。

(エ)原告Tは、以上のような準備作業をタコグラフ記録上の走行開始時刻のおおむね40分から60分まで前に群馬営業所に出勤して行っていた。原告Sも、実情はほぼ同様であった。

イ 原告もの上里サービスエリア、成田空港及び羽田空港における待機時間

(ア)原告らは、①長野方面(上信越自動車道)又は新潟方面(関越自動車道)から羽田空港又は成田空港に向かう顧客を上里サービスエリアで出迎え、顧客を車両に乗り合わせた上で、羽田空港又は成田空港まで運送する業務、②羽田空港又は成田空港で顧客を車両に乗り合わせた上で上里サービスエリアまで運送する業務、③群馬県内から羽田空港又は成田空港に向かう顧客宅に出向き、その顧客を顧客宅かち上里サービスエリアまで運送する業務、④羽田空港又は成田空港から帰宅する顧客を上里サービスエリアで出迎え、群馬県内の顧客宅まで運送する業務に従事していた。いずれについても、上里サービスエリアが重要拠点であり、「ドッキング」と呼ばれる業務を上里サービスエリアで行っていた。

(イ)上記(ア)①の業務は、長野方面又は新潟方面からの顧客が一定の時間帯に上里サービスエリアに到着することを予定するが、予定通りに到着するかどうかは、道路事情、天候等に左右される。乗務員は、時により、連絡を取り合い、状況把握に努めることとなる。早めに到着する顧客もあれば、遅延する顧客もあるところ、乗務員は、顧客が到着する都度、荷物を持った顧客がタクシーに乗り換える際の補助をし、顧客に適宜の休憩をとらせることになるが、タクシー内で待機する顧客がある場合、顧客の荷物を積載したタクシーを離れて自由に行動することは困難である。

 このように、ジャンボタクシー運転手の上里サービスエリアにおける待機時間は、通常のタクシー運転手の客待ち時間とは業務内容が大きく異なり、労働密度は通常のタクシー運転手の客待ち時間よりも濃密である。また通常のタクシー運転手の待機時間は場所的拘束を伴うことが少ないが、ジャンボタクシー運転手の場合には、上里サービスエリア内という場所拘束を伴うこととなる。

(ウ)上記(ア)②の業務においては、乗務員は、顧客を出迎えるため、羽田空港又は成田空港の航空機(国際便)の到着時刻前に、タクシーを駐車した上で、被告が顧客に指示した出迎え場所まで徒歩で移動しなければならない。被告は、この場合の駐車場所を空港内に確保していない。乗務員は、空港内のタクシー送迎場所に長時間駐車することはできず、また、警察が空港周辺の路上駐車を比較的厳しく取り締まることから、路上駐車で時間を過ごすこともできない。空港周辺には、空港利用者向けの有料駐車場(駐車開始後30分まで無料)があるが、被告が30分経過後の駐車料金を全額負担することはなく、被告は、乗務員に対し、無料駐車時間の範囲で対応するよう指示をしている。さらに、国際便が到着予定時刻に到着することは少なく、到着時刻の変更が生じることが多い。

 乗務員は、待機時間中、航空機の到着時刻の変更をこまめに確認しなければならず、かつ、路上駐車をすることも困難であるため、長時間にわたる場合でも、労働から解放されて、待機時間を自由利用することはできない。

(エ)上記(ア)③及び④の業務は併せて命じられることも少なくない。このため、上里サービスエリアでは、顧客の入れ替えが必要となり、入れ替えの対象となる顧客が予定時刻通りに到着するものではないことから、上記(ア)①の業務と同様の状況となることが多く、場所的拘束も強く、かつ、待機時間の自由利用は保証されない。

ウ 車両整備等に要する時間

 原告らは、乗務終了前に、ガソリンスタンドで給油等を行う。群馬営業所に帰庫した後は、タコグラフの提出、ETCカードの返還、車両内部の清掃、一定の装備に関する安全点検を行う必要があり、時にはオイル交換をすることもあった。また、乗務記録を被告に提出する等の事務作業も必要であった。帰庫後の車両整備等に要する時間はおおむね60分程度であった。

エ 走行終了時刻(走行時間)の偽装

 遅くとも原告らが被告との間で労働契約を締結した頃以降、群馬営業所においては、営業所ぐるみで、1日の拘束時間を16時間、走行時間の前後合計1時間を拘束時間とすることを前提として乗務員に対し、15時間を超える走行時間をタコグラフ記録に残さないように記録用紙を抜く等の指示をしていた。

(2)以上によれば、始業時刻、終業時刻及び休憩時間に関する原告らの主張を採用するのが相当であり(時間外労働等の時間は、別紙T時間計算書及び別紙S時間計算書各記載のとおりとなる。)、稼働手当を割増賃金の既払分として控除すると、原告Tの割増賃金の残額は、別紙T割増賃金計算書(認定)「合計」欄記載の金額となり、原告Sの割増賃金の残額は、別紙S割増賃金計算書(認定)「合計」欄記載のとおり、0円となる。

………

待機時間が労働時間なのか休憩時間なのか、そもそもこれだけ会社の認識が違っているというのに、固定残業代で残業代等の割増賃金は支払われているとの判決は、どう考えても自己矛盾でしょう。

3月30日の国際自動車事件の最高裁判決をも武器にして、ギリギリまで闘い抜きたいと思います。ご支援をよろしくお願いいたします。

中央タクシーは解雇通告を撤回しろ!

 4月13日午後、前橋地裁で中央タクシーの残業代等割増賃金裁判の判決がありました。

 T組合員の請求に関しては支払いを会社に命じましたが、金額は別表になっているようで主文のみの判決言い渡しでは読み上げませんでした。2つ目の主文が38万円を支払えという判決ですが何の金かがわかりません。懲罰としての付加金ではないかと思います。タコグラフを改ざんするなど悪質なやり方があばかれましたから。訴訟費用は6分割して被告が1を、残りを原告が、とも言いました。そうすると残業代が38万円で同額の付加金ではないかと思われます。これは推測です。

 200万以上の請求で38万円。負けではないけれどひどい判決です。S元組合員に関しては敗訴です。請求した残業時間をほとんど認定しなかったと思われます。判決文が届いて詳細わかるのは後日になりますが。

 同じく本日17時から中央タクシーは群馬営業所で営業所従業員への説明会を開きました。4月17日付で全員解雇と通告しました。組合員以外にはすでに伝えてあったようです。それも許しがたい。解雇予告手当と有給の買い上げが補償とのこと。

 団体交渉を拒否して裁判の判決日のこのタイミングでの解雇通告。ビラまきと抗議で会場の群馬営業所に組合員で押しかけると、会社は敷地から出ろと大騒ぎ。「人が集まるのは自粛」、と団交拒否しておいて、解雇の説明会はやるのか!とこちらもヒートアップ。で、結局会社が呼んで、パトカー3台ほか警察官が大結集して大騒ぎになりました。

 6月までは特例措置で雇用調整助成金を使った休業補償ができるし、最初に会社はそのように説明しました。約束をひるがえしての全員解雇通告。労働組合の力が問われています。闘いは続きます。

 中央タクシーの労働者のみなさん。運輸労働者をはじめすべての労働者のみなさん。力をあわせて声をあげる以外に生きていくことができない時代がやってきました。ともに立ち上がりましょう!

中央タクシーはつぶれる前に団体交渉を行え!

 群馬合同労組中央タクシー分会は、2015年以来、長野市に本社がある中央タクシーと闘ってきました。中央タクシーは、1975年開業の長野のタクシー会社ですが、1999年から成田・羽田・中部国際空港への直接送迎タクシー事業を始め、これが業務の中心となっていました。

 長時間・長距離の空港送迎、お客さんに合わせる24時間営業…これを固定残業代制度を悪用して、過酷労働を強制していた中央タクシーに対して、労働者が声をあげて、群馬合同労組に加入して、闘ってきました。

 この新型コロナのパンデミックの中で、客と売り上げが激減、経営が行き詰まり、4月から新潟・栃木・山梨の営業所の閉鎖、従業員の解雇、残った営業所でも雇用調整助成金の申請をして、従業員は休業せざるをえない状態に立ち至りました。

 群馬合同労組は、今年1月で60歳定年を迎えたT組合員の再雇用が、差別的に時給1000円の時給制とされたことについて、団体交渉で抗議をし、労働委員会への不当労働行為救済申立も準備していたところでした。組合員の残業代をめぐる裁判も闘い、4月に判決が予定されています。国際自動車の残業代をめぐる最高裁判決が間違いなく追い風になる局面にあります。こうした中で群馬営業所のT組合員含む多くのドライバーも休業を余儀なくされました。

 群馬合同労組は、即座に4月1日付で要求書を提出しました。要求項目は以下の通り。

  • T組合員の処遇(勤務と業務、賃金、雇用、補償等)について。
  • 休業についての労使協定について。
  • 今後の貴社の経営及び雇用についての見解・見通しについて。

いつもの会場が使えないという理由で会社が団交を引き延ばすことは予想がついていたので、組合で会場は確保しておきました。

 会社は、それでも「政府の自粛要請」を理由にして、文書での回答で済ませようとしました。

 冗談ではありません。組合と会社は、群馬県労働委員会で、不誠実団交をめぐって争い、和解合意書を作成しています。これをも引き合いに出して再度の団体交渉の申し入れを行いましたが、今度は「緊急事態宣言」を理由として、拒否しました。4月中旬に全従業員に対して説明会を行うので、それまで待ってくれというのです。

 緊急事態は、組合員と労働者にとってこそ、緊急事態です。もたもたしていたら、全部犠牲を労働者におっかぶせられて、はいさようなら!となりかねません。冗談ではありません!中央タクシーはただちに誠実に団体交渉を開け!事態を説明して、労働者への補償について話し合いに応じろ!

中央タクシーはT組合員の再雇用差別をやめろ!

 中央タクシーでの闘いが続いています。

 時間外賃金請求訴訟は、既報の通り(https://gungoroso.org/?p=1880)昨2019年10月に結審しました。判決は1月15日に出る予定が、直前に延期となり、2月19日に判決となりました。運輸労働者に共通するこのただ働き賃金制度をぶっとばす闘いです。

 さらに、この1月に、群馬合同労組T組合員が60歳の誕生日を迎えました。それを前に会社は、T組合員に対して、時給1000円のパートとして再雇用すると提示しました。しかも月100時間、社会保険もなし、という、死ねというに等しい労働条件でした。冗談ではありません。群馬合同労組は、要求書を提出して、これまでと同じ労働条件で再雇用するように求めました。

 1月9日に開催された団体交渉で、会社は、これまで60歳の定年で再雇用した労働者はすべて、それ以前と同じ労働条件だったと認めました。T組合員だけなぜ違うのかという追及に対して、会社は残業代に対する見解が違うから、と答えました。明らかな不当労働行為です。

 団体交渉の結果、所定労働時間を増やし、社会保険にも加入すると条件を変えたものの、差別をするな、これまでと同じ労働条件で雇用契約を結べとの要求を会社は拒否しました。

 組合とT組合員は、従業員としての地位を確保するために、労働条件に関して同意するものではないとの「通知書」をつけて、署名なつ印したT組合員の雇用契約書を会社に提出しました。

 闘いは、再度、労働委員会闘争に入ります。皆さんのご支援をお願いします。中央タクシーの労働者の皆さん、群馬合同労組に相談・加入をお願いします。ともに闘いましょう。

中央タクシー残業代裁判が結審

 中央タクシーを相手に固定残業代制度のインチキを暴き、残業代と深夜割増賃金の不払い分を支払えと闘ってきた裁判が、10月9日結審した。判決は来年1月15日に出される。

 これに先だって、7月31日に証人尋問が行われた。原告のTさん、Sさん、被告会社の代表取締役、宇都宮司社長が順番に証人席に座った。

 2015年6月に長時間労働とパワハラに苦しむ労働者の相談から始まった中央タクシーの闘い。長野、群馬、新潟を主な拠点として、成田・羽田両空港への直接送迎の乗合ジャンボタクシー事業を運営してきた会社だ。群馬営業所の3人が群馬合同労組中央タクシー分会を結成し闘いを開始した。組合員に対する乗務外し、固定残業代の8万円減額などの激しい組合つぶしとの闘いだった。ストライキをはじめとする職場での闘い、労働委員会への救済申立、地域を席巻するデモなど組合の全力をあげて闘った。労働委員会闘争に勝利して、すべてを取り戻した。そして職場まるごとの組織化に手をかけたとたんに起こった分会長への襲撃事件。組合は大きな傷を受けながらも負けずに団結を守り抜いてきた。その総括をかけた残業代裁判でもある。

 中央タクシーの賃金体系は、こうだ。基本給16万円、稼働手当114,600円、それに空港実車手当(数千円程度)と通勤費がつく。この稼働手当が固定残業代であると会社は主張する。

 しかしこの「稼働手当」には大きな問題があった。

 ひとつは、そもそも労働時間管理がなされていなかったこと。運輸労働者には、実際に運転をしていない待機時間をどのように扱うかという大きな問題がある。休憩時間なのか、労働時間なのか、これで賃金に大きな差が出る。労働時間管理とは、運転時間がどれだけで、労働時間としての待機時間がどれだけで、賃金の発生しない休憩時間がどれだけか、ということを個々の労働者ごとに把握しなければいけない。ところが中央タクシーの「稼働手当」は114,600円払ってるから細かいことは言うな、という形で、実際には残業代や深夜割増をごまかしてきた。

 もうひとつは、群馬合同労組の分会が闘いを開始するまで、賃金規定に「稼働手当」の規定が存在せず、「調整手当」と記載されていたこと。

 もうひとつは、この「稼働手当」は、2013年6月まで固定額ではなく毎月違う金額で、これとは別に「時間外手当」と「深夜手当」が支払われていたこと。添付の当時のAさんの給与の表を見てほしい。一見、「時間外手当」も「深夜手当」もちゃんと支払われているように見える。しかしこの表の作成を通して、これがインチキだということが判明する。エクセルの自動計算で「時間外手当」と「深夜手当」と「稼働手当」の合計を計算したら、なんと毎月114,600円の固定額だったのだ。つまり、「時間外手当」も「深夜手当」もきちんと計算して支払っているかのように装い、その実は、労働時間管理など行わず、114,600円を固定残業代としてジャンボタクシー部門の全員に同額を支払っていた。賃金規定に「調整手当」とあったのはそのからくりから付けられた名称だったのである。そして労働者は誰もその事実に気がつかなかった。分会長でさえ、以前は「残業手当」が支払われていたのに、支払われなくなった、と思っていた。

 これらにふまえて裁判では原告は、「稼働手当」は残業代・深夜手当ではなく、時間外割増賃金の算定にあたって算定基礎額に算入される手当であると結論付けている。

 この「稼働手当」と名付けられた固定残業代制度は、「定額働かせ放題」の制度だ。たちが悪いのは、このように中央タクシーは、きちんと残業代・深夜割増を支払っているかのように偽装することから始まった詐欺的な制度だということである。

 そして偽装は、それだけではなかったのだ。長時間労働に関する国土交通省基準の違反を隠すためにタコグラフの改ざんをも行っていたのだ。そのやり方は、乗務開始から乗務終了までの合計時間が15時間を越える場合には、タコグラフを途中で抜き取って、2枚目に入れ直す、というやり方である。15時間以上のタコグラフを勤務終了後に運行管理者に提出すると、「不可」と赤字で書いて返される。そしてそれを手書きで書き直せという指導が行われていた。

 こうした偽装はもちろん会社ぐるみ、社長の指示で行われたことは間違いないのだが、社長は証人尋問でしらを切った。こういう指導がされていることを、知らなかった、と。組合に指摘されてから、やめるように言った、と。

 しかし原告代理人の弁護士から「運行管理として、労働時間の管理がきちんとされてなかったという実情があったんじゃないですか?」と聞かれて、宇都宮社長はこう答えるしかなかった。「そうです。」

 裁判では、Tさんが毎日記録していたノートの労働時間の記録としての証拠価値や、休憩時間の実態と扱いについての問題など、重要な争点について、完全に勝利したと思う。

 このとんでもない人でなし企業によって、実際に、業務中の運転手の死亡など、過労死と疑われる事態も起こった。健康を破壊された労働者がたくさんいる。運輸労働者の置かれている現実は、どの会社でも同じだと思う。労働者が団結して闘うことが現実を変える道だ。生きるために、闘う労働組合に結集して、ともに闘おう!群馬合同労組・合同一般労働組合全国協議会にぜひ相談を!