高齢者介護施設・吉ヶ谷の県労働委員会がついに証人尋問へ
安中市の高齢者介護施設・小規模多機能の家吉ヶ谷(よしがたに)の組合つぶし・組合員に対するパワハラ・いじめを争ってきた群馬県労働委員会で、「調査」が終わり、次回9月25日から証人尋問に入る。9月25日(月)14時から組合員2名の証人尋問、11月28日(火)14時から株式会社吉ヶ谷・田村智専務の証人尋問だ。いずれも群馬県庁26階審問室にて行われる。支援の傍聴をお願いしたい。
この間の団体交渉と労働委員会で重要な事実が明らかになった。昨年9月介護中に利用者Bさんが暴れて出血する事故が起こった。会社の報告を受けた安中市の調査の結果は、A組合員による心理的虐待があったというものであったが、専務と会社は、この事件をA組合員による暴行・身体的虐待として描き出して、利用者家族と職員に説明をしていたのである。
そのやり方であるが、まず報告書の内容のでっち上げである。いっしょに介護にあたったCさんの報告を「Aさんの言動やBさんが苦しがっている姿を見て怖くなり、助けを呼ぼうと思った。個室の窓を閉め切っていたら個室内の様子が聞こえないと思いCさんが個室の窓を開けた。すると職員のDさんが様子を見に来てくれた。」というものである。しかしこれはでっち上げの作文である。
二つに、Cさんが録音していたこの時のファイルを「文字起こししたもの」を会社は作り、これを団体交渉や利用者家族の説明会での説明に使っているのであるが、これに脚色・でっち上げがほどこされて、Cさんのウソの報告書を真実であるかのように描き出すものとなっている。労働委員会に録音ファイルが提出されたことによって、この事実がわかったのだ。例えば、CさんやBさんが笑って対応しているようなやり取りはなかったことにされている。Dさんの発言がAさんの発言にすりかえられている。聞き取れないAさんの発言が文字にされたり、状況説明で「口を押えられもがく様子」「苦しそうにもがく」「抵抗してもみあう」などの恣意的な説明が加えられている。
Cさんの報告書とこの「文字起こししたもの」を読み上げられれば誰でも暴行・肉体的虐待があったと受け止めるしかない。利用者家族を集めた説明会においてもそのような説明が行われた後、質疑応答とアンケートの記入が行われ、利用者家族からは、虐待だ、解雇せよ、などの発言や回答を引き出している。職員にもそのように説明をして、組合員を孤立させ、いじめを組織したのである。
そもそも株式会社吉ヶ谷は、条例で義務付けられた虐待防止対策の会議の開催や講習会をこれまで一度も開いておらず、また今回も記録を残しておらず、違法な施設運営を行ってきた。虐待が起こった責任はまず虐待防止対策の義務を怠った被申立人の違法な施設運営にある。
例えば、開かない利用者の口を、職員が指サックをして開けて食べさせろという指示を社長が行っていた。組合が社長がナースコールのスイッチを切ったことを問題にするとナースコールを撤去してしまった。冷暖房が十分でない…などなど社長が先頭で虐待と疑われるような問題のある言動を行ってきたのが吉ヶ谷である。虐待防止対策などやれるわけがないのである。
吉ヶ谷は、事故を事件だとして、Aさんに解雇を通告した。Aさんが納得できず、群馬合同労組に相談して加入した。組合がAさんの加入を電話で専務に通告して解雇の撤回を要求すると、専務は「では事件にします」と宣言をして、事故を身体的虐待・暴行として描き出して追い出すことに必死になった。職場全体で組合員を孤立化して、パワハラといじめを繰り返した。2人の組合員はついに適応障害を発症して仕事ができなくなってしまった。群馬合同労組は株式会社吉ヶ谷を絶対に許さない。責任を取らせる。
地域にも全国にも、このような施設・職場がたくさんあり、同じように苦しんでいる労働者は数知れない。個人加盟ユニオンに加入して勝利すること、施設や会社を変え、職場を変えることは可能であることを示したい。みなさんのご支援をお願いします。