上州貨物自動車高崎営業所K所長は損害賠償請求訴訟を取下げよ!
2024年12月9日、上州貨物自動車高崎営業所K所長が、群馬合同労組上州貨物自動車A分会長を名誉毀損の損害賠償を請求して訴えた裁判が前橋地裁高崎支部で開かれた。
この日は原告K所長と被告A分会長の本人尋問が予定されていた。ところがK所長がまさかのドタキャン。「感染症の疑い」があると出廷しなかった。あきれた。裁判は午後からなんだから医者に行って陽性か陰性か調べて来いという話だ。
K所長の代理人は会社の代理人でもある朝妻太郎弁護士と薄田弁護士が出廷、組合からは二けたの傍聴者が狭い傍聴席を埋めた。
労働委員会も結審して年度内に不当労働行為の救済命令が出る。不当配転を粉砕して2人の組合員が高崎営業所に戻るつもりだ。
追いつめられたK所長。群馬合同労組は、A分会長を刑事告訴までした(不起訴決定)K所長と会社、朝妻太郎弁護士を絶対に許さない。
本日に向けてA分会長が提出した陳述書を以下に紹介する。
陳述書
1 本件のLINE送信までの事情について
私が入社した後、2020年6月~2023年12月までの間、K所長のもとで仕事をしていた職員が、少なくとも9名、退社になっています。
(1)私が2020年6月26日に入社して、少し経った頃に知ったのですが、Bさんという運転手さんの話を聞いたことがありました。
そのBさんという若い運転手は、遅刻や忘年会をすっぽかしたりするようなミスをしていたということがあったそうです。そのため、次に何かあった場合には会社を辞めます、という内容の念書を、K所長から書かされたという話を聞きました。
Bさんのこの話は、運転手のなかでは結構知られている話で、Bさんは、私が入社したあと半年ほどで会社を辞めてしまいました。
(2)Bさんが辞めてしまった後ですが、K所長は、別の運転手に目を付けたようでした。その運転手さんは、K所長から、担当車両の変更を指示されたことがあったのですが、その変更後の車両には特殊な塗料を用いることになったそうで、その塗装費用16万円を負担するように言われて実際に負担したのだそうです。
そのことで私に直接不満を話してくれたことがあったのですが、私以外の人にもいろいろと不満を漏らしていたようです。
どうも、不満を漏らす話がK所長の耳に人ったようで、K所長がその運転手さんに対する態度がきつくなったそうです。ちょっとしたことでもいろいろと注意するようになっていったそうです。いろいろと注意を受けることに関する愚痴を、何度も私は聞かされていました。その運転手さんは、最終的には、K所長の顔も見たくないという話を私に話して、辞めていきました。辞める際には、会社内で起きたことを外部には洩らさないようにという内容の念書を書かされたとも言っていました。
(3)その運転手さんが辞めたあと、2021年11月14日の出来事がきっかけになり、K所長の目が私に向いたのです。
私も含めて運転手全員は、私が入社したころからずっと、タイムカード打刻及び点呼前に、車両日常点検や出庫前の機材の積み込みなどの作業を行っていました。点呼終了後出庫までは10分間程度しか時間の余裕がないため、積み込み作業を前倒しで行ったり日常点検も前倒しで行っておく必要があったのです。
ところが、2021年11月14日、高崎営業所だけの社内講習会が開かれ、車両日常点検の見直しが取り上げられました。社長が同席する中で、K所長さんが講話をしました。点検実施の動画を視聴し、その動画にあるような点検を踏んでもらいたいということでした。そして、点検表そのものの改正と点検時間の設定の話がありました。
新たに設定する点検時間について、K所長さんから意見を聞かれた際、私から、視聴した動画にあるような点検を点検表に従って実施する場合には30分程度が必要だと思うという話をしました。K所長さんは、それほどかからないのではないかという見解を持っていましたが、やり取りをする中で最終的には20分間という時間設定がされることになりました。
このとき、ほかの運転手たちは終始意見を述べることがなかったですし、私の意見はK所長にとっては、都合の悪い内容、あるいは、気に入らない内容だったのではないかと思います。とにかくその場で私が目立った存在になり、それ以来、K所長からは目をつけられたように思います。
そして、2021年12月1日からは、20分の点検時間で実施するようK所長からは全員に業務命令があり、あわせてタイムカード打刻及び点呼前に、車両日常点検や出庫前の機材の積み込みなどの作業を行わないよう全員への指示もありました。
(4)K所長さんが私に対して嫌がらせの対応をとるようになった、2021年12月3日の出来事をお話しします。
その日、私は、タイムカードを打刻した時間より前には、すでに出社していました。同じく早めに出勤していた運転手リーダーであるCリーダーから、声をかけられました。私が担当する車両のパンク修理がようやく終わったことを教えてもらったのです。そのうえでCリーダーは、修理が仕上がったタイヤを担当車両に積むのであれば、フォークリフトで運んであげるよ、と提案をしてきました。私は、Cリーダーからの申し出をそのまま受け入れました。Cリーダーがフオークリフトで運んできてもらう修理済みタイヤを積み込みにあたっては、私の担当車両の停車位置を変える必要がありました。ですから、車両を移動させるにあたって、Cリーダーに申し出をして、車両点検をして場所を移動させることをお願いしました。Cリーダーからも了解をしてもらいました。
私は、担当車両の車両点検を行い、車両位置を移動させ、Cリーダーがフォークリフトで運んできた修理の終わったタイヤを担当車両に積み込みました。
そうこうしているうちに、点呼の時間になったので、K所長さんのところに点呼のために行きました。
そうしたところ、K所長さんが、何をしていたのかと私に声掛けをしました。私は、そのときに修理の終わったタイヤの積み込みをしたことをそのまま話しました。これに対して、K所長さんは、タイムカード打刻前・点呼前の作業はしてはいけないという業務命令を出していたことに違反するという指摘を私にしました。そして、K所長さんは、私に対してだけ、翌日から出勤時間10分前まで入所を禁止するという業務命令を出しました。しかし、私と一緒に作業をしていたCリーダーに対して、K所長さんは、何の注意もせず、私のように10分前までの入所禁止という命令を下すこともありませんでした。
私だけに対するこの10分前までの入所禁止命令は、2021年12月3日~2023年5月25日の転勤になるときまで、長期間にわたって続きました(本件のLINEは2023年3月7日に送信したものですから、その長期間の差別的扱いの最中のものです。)。
私は、このような嫌がらせというべき特別視された扱いを受け、それまで見てきた他のターゲットになった同僚たちと同様、自分が嫌がらせを受ける立場になったのだと思い、心理的なストレスがかかりました。そのため、2021年12月3日以降徐々に体調が悪化し、医師の診断により投薬を受けつつ数ヵ月治療するほどの状態になりました(添付診断書参照)。
あるとき、K所長さんは、私が反省し会社に対して詫び状や誓約書の提出を行えば、禁止命令を解除することを考えると言っていたことがありました。しかし、きっかけになった作業は、先ほど書いたとおりのものでしたから、Cリーダーと区別される扱いに理由はなく、まして私だけがペナルティを受ける理由もありません。詫び状などを書くのは筋違いではないかと考え、K所長の要望には対応しませんでした。
(5)私は、2023年5月26日より本社勤務に転勤になりました。その時に社長に聞いたところ、本社では私に対して始業前の会社の敷地内立ち人り制限などはないとのことでした。
もちろん、K所長さんが言ったような詫び状も誓約書も提出はしていません。こういう事実を目の当たりにすると、K所長の独断の判断で、私に不利益を課していたのだろうと考えざるを得ません。
(6)そのほかにも、K所長からは、繁忙期の間に限って長距離の仕事をするように業務命令を受けたことがあったのですが(2022年7月8日からのことです。)、繁忙期が終わっても、長距離の仕事から解放されず、ずっと長距離ばかりを担当するよう指示されていました。K所長から自宅待機命令があった2023年3月まで続いたのです。しかし、従事期間が繁忙期を超えて延長されることについて、何の説明もK所長からはなされませんでした。
これも、K次長による、私に対する不当な仕打ちの一つだと思っています。
(7)私は、2022年11月18日、会社に対して労働組合の結成を通告し、要求書を提出しました。
その文書の中で、私が2020年9月26日付の雇用契約書では期限の定めがない労働契約を会社と締結していたのにもかかわらず、2022年3月26日付で署名を求められた会社との雇用契約書では1年間の有期労働契約へと不利益に変更する内容が記載されていたのに、そのことについて説明がなかったことを指摘しています。
その直後から、K所長は、私が出庫前の車両について、日常点検作業をしている際、その様子を複数回ビデオで撮影されました。労働組合員ではない他の運転手にそんなことをしてはいませんでしたから、明らかに労働組合活動を嫌悪するものだと思いましたし、労働組合活動をする者への差別的な取り扱いだと思いました。2022年11月23日、12月6日、12月7日、12月13日、12月14日、12月20日と合計6回ほどビデオ撮影が繰り返されたのです。
2 本件LINEの送信について
労働組合員として、すでに無期雇用契約から有期雇用契約への不利益変更の問題点を指摘していましたが、2023年3月には、再び有期雇用契約が有効であることを前提に、契約更新のための手続がとられる見込みでした。
(1)労働組合のプログには、2023年3月7日に掲載された「上州貨物自動車分会結成!不利益変更の契約更新拒否を呼びかけ!」の記事(https://gungoroso.org/?P=2840)がありました。私は、その記事の内容をほぼそのまま、20人程度の高崎営業所の運転手らにLINEで送信したのです。無期雇用契約上の地位を1年間の有期雇用契約上の地位へ切り下げられる危機に立たされた運転手等だけに絞り込んで、個々の通信として送信しました。高崎営業所の従業員間で使われていたグループLINEに送信したわけではありません。
(2)そのメッセージには、私も含めて他の運転手も気づいていなかったこと、つまりK所長が、個別面談時に、労働条件の不利益変更(1年間の有期労働契約に雇用期間の定めを変更する内容)がある事実を説明せず、かえってそれを秘匿して、契約書面への署名・捺印を求めていたことを知らせました。そして、高崎営業所に労働組合が結成されたことを知らせ、職場をよくするために労働組合への加入を呼びかけたものでした。
ア「上州貨物自動車は2020年に運転手に年俸制を導人しました。もちろん契約は期間の定めのない正社員です。」
イ「ところが昨年2022年3月の契約更新の時に突如、契約書の内容を1年の有期雇用に変えてしまいました。」
ウ「K所長(原告)は査定の結果だけ説明して、他は何も変わらないような顔をして、一人一人契約書に署名なつ印させました。」
エ「ほとんどの運転手がこの変更に気づいていませんでした。C組合員もそうです。組合委員長に指摘されて初めて気がついたのです。C組合員が同僚に聞いてみると気づいていた人はわずかでした。」
オ「群馬合同労組はC組合員は正社員・期間の定めのない雇用契約を結んでいる、昨年の1年の雇用契約は無効であり、正社員であることを確認せよと要求書を出して団体交渉で迫りました。」
カ「しかし、K所長(原告)は説明をしている、新しい1年契約は有効であると言い張ります。」
キ「しかしC組合員は昨年の契約更新の面談のやり取りを録音していました。組合は何の説明もされなかった証拠を出して、K所長に対してウソをついたことを謝罪し、正社員と認めろと要求しました。」
ク「それでもK所長(原告)は、署名なつ印があるから有効だと言い張っています。」
ケ「冗談ではありません。このような詐欺の手ロで正社員を1年契約社員に変更することは法律で禁止されています。」
これは正当な労働組合活動の一環であることに間違いありませんし、K所長にとっては都合がよくない本当のことに関する指摘があったのでしょうが、労働条件という極めて大切なものが不当に切り下げられていることを知ってもらうため、労働組合として厳しい態度で臨むことは必要なことですし、事実ですから仕方のないところです。
(2)そのほかにもK所長とすれば面白く思わない表現があったということが訴状で指摘されています。
しかし、その内容は、いずれも無期労働契約から有期労働契約への労働条件の切り下げという、とても大切な内容があるのに、そのことを説明もせずに平然としていた態度や、署名押印の際にまったく説明もしていないのに、押印があれば有効だという態度を貫くK所長の態度に起因したものですから、致し方のないところです。
それに、そのLINEを送信するまでに私がK所長から受けていたいくつもの嫌がらせのことが念頭にあったのは間違いありませんから、多少表現がきつくなったところがあったとしても、実際にあったことをもとにしているので仕方がないと思います。
(3)K所長が、その役職にある権力を利用して、労働者たちに強い影響力を及ぼしていたことは、その後の行動からも明らかです。
従業員に何も知らせ無いまま、もちろん労働組合への説明もなく、就業規則の内容を勝ってに変更し、K所長はその変更後の就業規則(本来、有効ではないもの)を使い、労働組合員のDと私に、規則に違反したとして、2023年3月27日から2023年5月25日までの2ヶ月間の自宅待機命令をだしたことはその典型です。自宅待機命令中には、事実と異なる内容が書かれた自宅待機命令書が、見せしめのように、高崎営業所に掲示し続けられたのです。
(4)その後、私とDは、2023年5月26日より高崎営業所から太田営業所へ転勤するよう命じられました。簡単に言えば、高崎営業所より給与の安い職種に配属させる嫌がらせです。
転勤先の給与体系では給与が半減するところだったのですが、Dと私(私は本社勤務に転勤になりました)は、群馬合同労働組合員であった為、交渉の結果、今までと同じ給与に落ち着くことになって、何とか救われていますが、K所長は、自分の気に人らない運転手に対しては、このように安い給与になる転勤の話しを持ち出して、脅かすという話しを聞いたこともあります。振り返ってみると、退職していった者の中には、K所長から転勤を命じられ、給与の安い職種に配属されたことで、生計が立ち行かず、退職に追い込まれた人もいたのです。
(5)Gさんに対するK所長の対応も、K所長がその権力を濫用的に使っていたことを示す、一つの事実だと思います。
それは、本件で問題になっているLINEより以前の出来事ですが、社員休憩室に置かれている日報作成用の鉛筆1本をGさんが担当車両に持って出たことがあったようですが、それだけの理由で、K所長から「横領」と指摘され、始末書を書かされたという出来事です。この出来事は、始末書を取るような出来事ではないと思います。些細なことであっても、それをした従業員が誰なのかによって、K所長の対応が違うことになります。K所長が気に人らない社員であれば、すぐに始末書を提出させるような対応をとっていたことの現れです。
3 名誉毀損訴訟の不当性
労働組合活動を嫌悪する会社に対して不当労働行為の救済を求める手続きをとっていますが、それと並行するように、K所長からこの名誉毀損訴訟が私個人に提起されました。労働組合活動では、組合活動に伴う言論・表現活動が欠かせないことだと思います。私がLINEを送ったことは、労働組合活動の一環であるので、私に対する個人責任を追及する訴訟は不当な訴訟だと思っています。K所長とすれば、嫌がらせを複数畳みかけても辞めていかない私が気に入らなかったのかもしれませんが、私も、そんなことに負けてはいられません。不当な裁判は速やかに棄却されるべきだと思っています。
以上