20回大会、議案を満場一致で採択!
群馬合同労働組合第20回定期大会は2025年7月6日、50人の出席のもと、画期的な成功をおさめた。この成功は一年間の組合員あげた闘いと団結の成果であり、その闘いは議案に盛り込まれた。大会は参加者全員がこの間の闘いを報告して決意を述べて、さらに団結と連帯を強めるものであった。以下、満場一致で採択された議案を掲載する。(一部カット)

- はじめに
6月21日、アメリカ帝国主義・トランプがイランを電撃爆撃を行った。前日にアメリカ中西部の空軍基地を飛び立ったB2戦略爆撃機がイランの核関連施設をバンカーバスターで破壊した。これに先立ち6月13日、イスラエルはイランに対して先制攻撃を行い、イランの制空権を確保、空爆をほしいままにした。イスラエルの諜報機関・モサドによってあらかじめイランの重要攻撃対象の場所や所在が把握され、第一撃で多くが破壊・虐殺された。
イスラエルと米帝の狙いは、パレスチナ民族解放闘争の根絶である。米帝は本命の中国侵略戦争を準備している。いわく「力による現状変更を許さない」である。どの口が言っているのか?トランプは「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン!」(アメリカを再び偉大な国に!)をスローガンに、圧倒的に抜きんでた軍事力と実際の戦争で世界を征服しようとしている。帝国主義としての本性をもはや隠そうともしない。
私たち群馬合同労組は、この現実に向き合わざるをえない。帝国主義の侵略戦争・世界核戦争を許しておいて、職場闘争も労働条件向上もない。
また日本の石破政権がこの米帝と一体となり、再び中国侵略戦争に突入しようとする事態に対して、日本の労働組合として全力で闘うことが何よりも問われている。
6月14日東京・芝公園で改憲・戦争阻止!大行進が闘われた。群馬合同労組は全力で闘った。そして翌15日千葉市で開催された国鉄集会では、国鉄千葉動力車労働組合がまさにこのような情勢の中で、新たな国鉄闘争の決意と反戦闘争・労働運動の再生のために闘う決意を表明した。来日した韓国鉄道労組の委員長が「闘う労働者は一つです」と応えた。私たちもともに闘う決意を表明したい。
- 日本から反戦闘争を作り出す闘い
6月14日の改憲・戦争阻止!大行進には、群馬合同労組はマイクロバスで参加した。11月全国労働者総決起集会並みのデモをやらなければならない、組合として全力で応えようという議論の結果である。デモは米大使館前のコースが許可されず、機動隊が暴力的な弾圧体制を取る中で、全国の学生・青年が先頭でスクラムを組んで実力デモを闘った。群馬合同労組の青年組合員〇人が先頭隊列で体を張って闘い抜いた。女子学生と労働者が機動隊によって暴力的に襲撃・逮捕された。拘留が続いていた女子学生は7月4日、ついに完全黙秘・非転向で不起訴釈放、不当弾圧を打ち砕いた。同じ6月14日、アメリカではトランプの誕生日に合わせてワシントンで軍事パレードが開催され、これに対して全米2100か所で500万人が反トランプデモに立ち上がった。移民税関捜査局(ICE)の移民への暴力的襲撃・拘束と闘い、州兵・海兵隊の出動とも実力対決したロサンゼルス市では20万人が決起した。世界中で米帝トランプに対する怒りの実力闘争が闘われている。日本でこれと連帯してトランプ打倒・中国侵略戦争阻止で体を張ってデモを闘った意義は大きい。
ウクライナとガザ・中東で戦争が始まり、中国侵略戦争・世界戦争に向けて歯車が動き出した。私たちは、「台湾有事」が帝国主義による中国侵略戦争であることを明確にさせる。1840年のアヘン戦争以来、帝国主義の中国侵略は継続している。中国が大国となった現在も本質的にそれは変わらない。日本帝国主義は最大最悪の侵略者である。
米帝トランプ政権は中国を「歴史上最も強力な敵国」と言い、「台湾有事」に対して米帝はインド・太平洋で「断固戦い勝利する」(ヘグセス国防長官)と戦争宣言を行った。トランプの要求の前にNATOが軍事費のGDP5パーセントへの増額を決め、アジアでもアジア版NATOの立ち上げと同様の軍事費増額が要求されている。NATOとはアメリカの司令官の命令のもとに加盟国が一つになって戦争を遂行する軍事協定であり、もはや日本も米軍の指揮下に入ったに等しい。
起こっている事態は帝国主義の戦後世界支配の崩壊である。米帝はソ連・東欧圏の崩壊にも関わらず、政治・経済・軍事のあらゆる面で世界を支えられなくなっている。今やトランプは、国際協調をかなぐり捨て、アメリカファーストと言って、戦争のことばで世界に服従を迫っている。
そしてその柱は、「歴史上最も強力な敵国」中国に対する侵略戦争である。米帝は世界中を中国侵略戦争体制の中に組み込み、自らの意志に従わせ、対抗勢力として台頭する中国を戦争で粉砕しようとしている。
とりわけ、最前線の戦場となる日本に対して、日米安保のグレードアップを行い、沖縄・南西諸島、日本全土を最前線基地(戦場)として、中国との核戦争をやろうとしているのである。米日の対中国の戦争作戦EABOは沖縄・南西諸島全体を戦場にする作戦だ。もはや憲法9条も非核3原則もないに等しい。
「平和と民主主義を守れ」では戦争は止められない。闘うアジア人民と連帯して、戦争の元凶である帝国主義を打倒する立場が問われる。世界核戦争を前に、日米安保粉砕の立場、沖縄闘争の立場、実力闘争の立場が必要である。石破政権といっしょになって「中国の脅威」「国難」を叫ぶ者は必ず戦争協力に行き着く。私たちはそれを拒否して立ち上がる。6・14反戦闘争はその大事な一歩であった。
この1年間、群馬合同労組は、戦争反対を第一の柱にすえて闘おうと熱い議論を繰り返し、改憲・戦争阻止!大行進運動を群馬で作り出そうと闘ってきた。昨年8月6日ヒロシマ大行動、イスラエル大使館抗議行動、11月全国労働者総決起集会、今年の5月沖縄闘争、6・14をはじめとする反戦デモ…。戦争を止めるために、青年先頭に、逮捕も辞さず、実力で闘ってきたこと、日本の労働組合として反戦闘争を第一の柱として闘うというあり方への転換を勝ち取ってきたことを、この1年の最大の総括として確認したい。
- 女性差別を許さない労働運動を
ともに闘ってきた全国労働組合交流センターの中で、深刻な女性差別・性暴力事件が明らかになった。関西の代表だった会員が自らの指導的立場を利用して複数の女性会員に性的関係を迫る女性差別事件を繰り返していた。そして告発に立ち上がった女性に対して、関西労組交流センターの指導部がこれを抑圧・隠ぺいした。全国労組交流センターは、告発に立ち上がった女性たちとともにこれら指導部を解任した。
そしてこれを関西の問題として終わらせるのではなく、労組交流センターの路線的・思想的・運動的問題として深刻に自己批判し、女性差別撤廃=女性解放闘争を闘う組織と運動に生まれ変わる決意を新たにした。
群馬合同労組も自らの問題として向き合い、学び、連帯して、女性差別撤廃=女性解放闘争をともに闘える労働組合として生まれ変わる決意を固めたい。
そもそも群馬合同労組は女性組合員のすばらしい自己解放的闘いを力にして団結して闘ってきた。その自己犠牲的闘いは職場闘争をこえて、反戦政治闘争、国際連帯闘争を豊かに発展させる闘い、差別と実力で闘う決起であり、組合員の尊敬のまとであった。
またこの間、群馬合同労組には多くの女性労働者からセクハラ・パワハラの相談があり、ともに闘ってきた。誰にもどこにも相談できず、命と生活のぎりぎりの状態での相談が多かった。群馬合同労組は女性組合員先頭にともに闘い勝利してきた。組合として女性労働者が置かれた現実に驚き学びながら、ともに闘ってきたと言える。
しかし今必要なのは労働組合として、女性解放をともに闘い抜くという立場である。そこがなければ、「弱い女性を助けてあげる」という救済主義に転落してしまいかねない。それは、女性の自己解放の力に学び連帯する立場を拒否するものだ。
帝国主義の危機の時代の中で、女性に対する差別と抑圧の現実は、激しく激化している。それは単に職場の問題ということではなく、歴史的・社会的に女性が支配・差別の対象とされてきた結果である。沖縄における米兵の女性への性暴力事件の激化など、戦争と軍事支配の中で女性に対する差別・抑圧は性暴力という形で襲いかかる。天皇制、芸能界、メディア…あらゆる世界で権力者が性暴力をほしいままにし、女性の人間的存在を貶めている。性暴力に対する態度に女性解放の立場が問われる。それは闘う私たちも例外ではないことが突きつけられている。
女性差別の現実、性暴力が横行する現実に根底的に立ち上がる女性たちに学び団結して、この帝国主義・資本主義を打ち倒す闘いにともに立ち上がることが問われている。女性解放闘争を共に闘える内実を作り出すことが戦争をとめ、帝国主義を打ち倒す力だ。
今年の3・8国際婦人デー集会(東京)は、告発に立ち上がった仲間を支え、ともに女性解放を闘える運動と組織への変革を勝ち取るための出発点を形成した。この闘いを群馬合同労組はともに闘うことを決意する。
(4)2025年反戦春闘スト
2025年春闘を群馬合同労組は反戦春闘統一ストとして闘う方針を決定した。3月31日に群馬バス分会・日本中央バス分会・鈴木治作分会の運輸3分会の第一波統一スト、4月30日にベイシア分会・ワールドステイ分会の第二波統一ストを闘った。
昨年2024年春闘は3つの分会が初めて反戦闘争として春闘ストを闘った。今年は2つの分会が新たにストに加わった。
初めてストを闘った介護職場のワールドステイ分会のN組合員は、孤立し、ストは厳しかったが、反戦ストとしてやるということで組合とひとつになって貫徹できたと総括した。介護職場でも、ベイシアでも、女性労働者が中国侵略戦争を止めるために春闘ストに立ち上がった。そしてストで闘った自信と誇りをもって新たな職場闘争を切り開いている。
2025年反戦春闘ストは、最低時給1500円の実現を掲げて統一スト方針で闘った。単に自分の賃金をあげろというストではなく、最低賃金時給1500円の実現を求めて企業や職種をこえて団結して賃上げを勝ち取ろうとの呼びかけだった。
とりわけ第一波は群馬バス、日本中央バス、鈴木治作の運輸3分会の統一ストとして闘ったことが重要だった。特にバスの2分会のストは大きな反響を作り出した。群馬県・前橋市・高崎市に対してバス労働者の時給1500円実現を申し入れ、記者会見も開いて訴えた。二種免許を取り、乗客の命を預かって、睡眠不足と闘いながら地方公共交通を支える正社員の運転手が時給1500円にはるかに届かない、このことが多くの労働者の怒りを引き出している。ストは職場における仲間の共感と支持を大きく作り出した。職場における組織拡大を実現し、すべての会社・事業所に闘いを広げる決意で闘おう。
- 上州貨物自動車:地労委勝利命令で会社を追いつめる
2022年11月に始まった上州貨物自動車との闘いは、今年5月に群馬県労働委員会の勝利命令を勝ち取り、大きく前進した。
2人の組合員に対する配置転換命令を取り消し、高崎営業所の原職に復帰させること、B組合員に対する懲戒処分をなかったものとして取り扱うことのほか、他にも以下の4件を不当労働行為と認め、誓約文を組合に交付することを命じた。すなわち①A分会長の車両点検作業のビデオ撮影を行ったこと、②ビラ配布に対して従業員への事情聴取を行ったこと、③2人の組合員に2カ月の自宅待機を命じたこと、④A分会長に対して、高崎営業所長Kがを侮辱・名誉毀損を原因とする損害賠償請求を提起したこと、並びに会社とKが侮辱罪・名誉棄損罪等で刑事告訴をしたこと、である。
またKによる損害賠償請求民事訴訟は、すでに今年3月17日に棄却判決が出た(Kが控訴)。
会社は5月22日付で中労委に対して不服申し立てを行った。
Kのパワハラとの闘いから始まった分会の闘いは、あらゆる組合つぶしの攻撃を打ち破って、前進してきた。これまで会社の代理人を務め、一体で不当労働行為を行ってきた朝妻弁護士がこの過程でついに代理人を辞任した。Kの職場支配は弱体化しつつある。中央労働委員会闘争に勝利し、2人の配転撤回を勝ち取ろう。組合の組織拡大で、運輸労働者の総決起を作り出そう。
- 職場からの闘いの前進
様々な職場で闘いが前進している。
この間、残業代を払え、ただ働きさせるな、という労働者の決起が続いている。
2019年4月1日「働き方改革法」が施行されたが、労働基準法制定以来初めて、罰則付き(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の労働時間規制(原則月45時間・年360時間)を導入した。これに関連して36協定における労働者代表の選出が適格かどうかや労働時間管理が適切かどうか、が労基署のチェック項目となった。適用を猶予されていた運輸業・建設業等も2024年に適用された。
しかし、労働者が告発し要求しないと、資本は労基法すら守らない。労働者が告発し要求すると、今度はこの労働者をパワハラで追いだそうとする。多くの労働者がこうして資本の犯罪行為を自覚せず、沈黙を強いられている。
介護施設スマイル前橋がまさにそうだった。残業代を出さず、もっと早く出勤しろという。フルタイムでパートで働くD組合員がならば残業代をちゃんと出せと闘いを始めると、一方的に勤務を減らして賃金を2割カット、管理者がパワハラを行い、日報の字が読みにくいとでっち上げて懲戒処分してきた。組合として、こんなことは絶対に許せないと闘っている。
介護職場の簗瀬の郷、すてっぷでも深夜ワンオペで深夜に3時間の休憩を設定して賃金を払わない現状に対して賃金を支払えと闘いが始まった。
そもそもこうした介護事業者の多くがパート労働者の最低賃金さえ負担していない。行政の「処遇改善加算」を加えてやっと最低賃金をこえているのだ。いまだにタイムカードも設置せず、残業代を払わない事業主は数知れない。
労働組合なくして、当たり前の権利も要求できず、生きていけない現実があふれている。闘いの開始は、職場や会社、業界・地域に広がる大きな展望がある。現場の勇気ある闘いとひとつになって、闘いを広げよう。
群馬合同労組は中国侵略戦争・世界戦争を止める闘いを第一の柱として闘いつつ、職場における資本との闘いを徹底的に闘う。動労千葉の故中野洋さんは「誰よりも真剣に労働者と向き合い、誰よりも徹底して職場における資本との闘いをやりぬき、真正面から『俺たちは天下国家とけんかしているんだ』『労働者は戦争を止める力をもっている』と訴え」た。また「労働者と労働組合のもつ力と可能性を絶対に低めてはならない」と訴えたという(田中康宏『階級的労働運動とは何か?』)。
なぜ労働者が労働基準法も守られない職場で奴隷のように黙らなければならないのか?パワハラやセクハラで痛めつけられ殺されなければならないのか?これは労働組合を解体し、労働者の団結を奪って、帝国主義が戦争で生き延びようとしていることと一体だ。
職場で声をあげ闘いを開始した労働者が6・14反戦デモに実力で立ち上がっている。職場で闘う労働者の怒りと決起を結集して、戦争を止める。そのために立ち上がり団結する。個人加盟の合同労組であっても、労働者の全体のために、階級的労働運動の復権のために闘うことは可能だ。全力で闘おう。
- 差別・排外主義との闘い
戦争を阻止し、階級的労働運動を前進させるために、外国人に対する差別・排外主義との闘いは重要である。
日本で働く外国人労働者数は増加の一途をたどり、2023年末時点で約205万人(全雇用者の約3.4%)に達している。ベトナム、中国を筆頭にアジアが半数を占め、群馬ではブラジルやペルーなどの日系人が多い。深刻な日本の労働力不足を補うために政策的に外国人労働者の導入が進められてきたのだ。
今夏の参議院選挙で自民党は「違法外国人ゼロ」を公約に掲げている。一方で外国人労働者に頼りながら、他方で外国人を見たら「違法外国人」と思えと差別・排外主義を扇動している。これは天皇制のもとに、民族主義・国家主義をあおり、アジア人民を差別・虐殺した歴史を繰り返すものだ。アメリカでトランプが軍をも使って「不法移民」を襲撃・逮捕・強制送還しているのにつながる。絶対に許してはならない。
この間、日系外国人労働者の相談・加入が多数あり、ともに闘い勝利してきた。とりわけ〇〇の通訳をしていたIさんの加入で、Iさんの闘いの勝利をはじめ、Iさんのサポートで多くの勝利を重ねてきた。
Iさんの闘いは、派遣会社の雇止め・不当解雇との闘いだが、派遣先の〇〇の責任追及を闘った。非正規労働者を長期に派遣で入れながら、派遣会社のパワハラと不当解雇の責任を取らないなど許さないと闘った。解雇の撤回は実現できなかったが、要求を認めさせて勝利した。
Iさんは反戦闘争や三里塚闘争にも決起、国際連帯の架け橋にもなってくれた。彼のサポートで助けられた外国人労働者は数知れない。
言葉の問題や不安定な雇用で、多くの外国人労働者が詐欺のような扱いをされ、簡単に解雇されたり、労災に泣き寝入りさせられている現実は深刻だ。またトランプの自動車高関税と大不況時代到来の中で外国人労働者の大量解雇も避けられない情勢だ。
外国人労働者と連帯して、命と生活のためにともに闘い、差別・排外主義を許さない闘いをともに闘おう。群馬の森・朝鮮人追悼碑の撤去を弾劾し、新たな侵略戦争を絶対に許さない決意で闘おう。
- 組織化の前進
この一年、組合の組織建設という点で重要な前進を作り出してきた。
新たにサンデン、日本中央バス、スマイル、簗瀬の郷、すてっぷ、〇〇、△△など職場に根差した闘いが開始された。それぞれが重要で教訓に満ちた闘いだ。
個人加盟の合同労組ゆえに、個別事案の解決をこえて、闘いを押し上げることは簡単ではない。しかし戦争の時代、意識性をもって、これをこえる闘いに引き上げることが必要だ。上州貨物自動車で直面している問題は、悪いのはK所長だけれど、会社や親会社がそれを支えている、もっと言えば日本帝国主義がKを生み出しているということである。労働者階級の団結でK所長もろとも日本帝国主義=資本家階級そのものを打倒する闘いが必要である。そこに向けて、反戦闘争を闘い、階級的労働運動を作り出すという意識性が重要である。
職場を変わることになった労働者も、闘いで目覚めた労働者は新たな職場で決して黙ってはいないだろう。戦争に対しても必ず立ち上がる。地域合同労組の可能性はとても大きい。問題は、私たちが何を語り、どのように闘うか、である。
青年・女性が反戦闘争に決起し、その中で職場闘争を闘うことが全体を引き上げたことは特に重要だ。階級的労働運動に人生をかけようという青年の登場は、大きな希望を作り出している。そしてそのような闘いを世代を超えて組合の団結で支えてきたことも重要である。
執行委員体制の強化と組合員に開かれた拡大執行委員会の継続的開催、会議での徹底的な議論を心掛けてきた。時には激しい議論になったが、労働組合として、議論して決定して行動するというあり方を貫いてきた。新たな執行体制のもと、さらに闘おう。

第2号議案 情勢
6月21日、アメリカによるイラン核施設3か所への爆撃が行われた。トランプ大統領は数か月にわたってこの大作戦を準備してきた。「ミッドナイトハンマー」と名付けられたこの作戦では潜水艦から巡航ミサイル「トマホーク」を24発以上発射し、これに続いて7機のB2ステルス戦略爆撃機が「バンカーバスター」GBU57を計14発投下した。作戦にはB2のほか空中給油機、戦闘機、偵察機など合計125機が動員され約75発の精密誘導兵器が使用された。
米軍の圧倒的軍事力を中国やロシア、北朝鮮に見せつけ、同時にEUや日本の帝国主義国に対しアメリカ帝国主義だけがこのような戦争ができる唯一の帝国主義であることを思い知らせることによって軍事的、経済的要求に従わせる争闘戦を行っています。
放射能汚染の被害をも一顧だにせず、むしろ広島と長崎への原爆投下になぞらえ「戦争を終結させた」と言い放っています。しかし世界戦争・核戦争への留め金をはずしたのはトランプ自身ではないでしょうか。
私たちは毎日毎日、中国脅威論を洪水のようにあび、ロシアのプーチン、中国の習近平、北朝鮮のキムジョンウン、イラン、パレスチナのハマスなどに戦争の原因があると帝国主義支配階級は言っています。しかしイラン侵略戦争にもはっきり表れているようにアメリカ帝国主義を盟主としてきた日本を含めEUなどの帝国主義こそが戦争放火者であるのです。今日の戦争の最大の原因は、圧倒的な軍事力・経済力をもって第2次世界大戦後の世界を支配し続けてきたアメリカ帝国主義の歴史的没落が決定的段階までいきつき、米帝がこの没落の危機からの脱出をかけて、中国スターリン主義に対する侵略戦争-世界戦争を開始しているということにあります。
直近の日本でのニュースとして、米日帝国主義の中国侵略戦争への突進は沖縄と南西諸島全体の最前線基地化とその実体をバックに海自「たかなみ」の「台湾海峡」通過挑発と激化しています。陸上自衛隊も6月から、日米豪実動訓練(サザンジャッカルー)、日米比実動訓練(カマンダグ)、中国の隣国モンゴル軍との共同訓練、地対艦ミサイル射撃訓練に入り、8月からは日米豪共同指揮所演習(ヤマサクラ)、米尼(インドネシア)軍と実動訓練(スーパー・ガルーダ・シールド)、9月に米豪との実動訓練(オリエント・シールド)、米海兵隊との実動訓練(レゾリュート・ドラゴン)、フランス軍との実動訓練(ブリュネ・タカモリ)、イギリス軍との実動訓練(ヴィジラント・アイルズ)と、その後にはそれらの軍との共同空挺訓練が発表されています。前述の海自艦台湾海峡通過も、フィリピン海軍との共同訓練に向かう過程。「たかなみ」はイージス艦以上に「優れた」対潜・対艦攻撃用軍艦。昨年まで「女性艦長」として有名だった軍艦。この艦の海峡通過は中国からすれば中国本土を射程距離に入れた自衛隊ミサイル艦の軍事挑発そのもの。米日帝の中国侵略戦争は開始されているといえます。
日帝の中国侵略の端緒となった台湾植民地化(1895年)は、当時の陸軍の3分の1以上が動員され、海軍は日清戦争での連合艦隊の大半を投入して行われました。これに対し台湾住民は女性も含めて武器らしい武器もない中ですさまじい抵抗闘争、ゲリラ戦を行い、1万4千人が戦死し虐殺された。日本軍兵士1人につき台湾住民50人が殺されるという、まさにイスラエルによるパレスチナ侵略と同じようなことをやって台湾を略奪したのです。
現在、台湾は先端半導体生産の拠点となっています。それは帝国主義軍事力の死命を制する分野です。台湾積体電路製造(TSMC)が中国軍に占領された場合に米軍はどこを爆撃するかなどと具体的にシミュレーションしています。台湾有事というのはそういう死活のかかったところをぶんどるために戦争をしかけるということであり、中国習近平政権を打倒するための侵略戦争にほかなりません。
帝国主義のあくどさは、「新興国、グローバルサウスのめざましい経済成長・発展」をもちあげ、賛美して、帝国主義と植民地支配、民族抑圧など世界からなくなり、資本主義が生命力をもって永遠に発展していくかのように宣伝しながら、新植民地主義体制諸国への金融的・経済的従属関係、軍事帝・政治的支配を貫いていることにあります。アメリカは台湾をますます自らの半植民地・従属国にし、軍事基地国家として徹底的に武装させ、中国スターリン主義を挑発し、侵略戦争をしかけて体制転覆をはかる梃子(てこ)としています。日本もまた自らの戦争として担わなければ帝国主義として存立できない。日本はその最前列・最前面で戦うことを選択の余地がないものとしてやろうとしている。天皇の「慰霊の旅」も侵略戦争と植民地支配を居直り戦争犠牲者を英霊化し再び労働者人民に天皇と国家のために死ぬことを強制するためのものです。
すべての野党はトランプ関税に対して「国難」「国益を守れ」と叫び、挙国一致での対応をと石破政権を尻押ししています。トランプ関税は帝国主義が延命するために一切の虚飾をはがして帝国主義国家がお互いに非和解の利害をむき出しにする以外なくなったことを示しています。2度の世界戦争に向かった流れが今回は対中国の侵略戦争というかたちであらわれているわけです。国家が戦争へと向かっているときに「国益」を掲げて、あるいは何らかの経済政策で労働者の生活が向上するかのように言うのは労働者を戦争に動員していくことにしかつながりません。労働者が生活苦からストライキで賃上げを求める闘いを呼びかけることとは全く違います。
一方、中国ですが、中国は民族解放闘争の偉大な勝利としてありながら、革命を裏切るスターリン主義であるために帝国主義の包囲・重圧のなかであがくのですが、全世界の人民に対して反戦闘争をよびかけるのではなく、反人民的な軍事的対抗をもって対応します。それはますます帝国主義に戦争の口実を与えるものとなっています。中国が大国として登場し「最大・最強の敵」とアメリカが言うまでになったことは帝国主義にとって「予想外」のことでした。帝国主義は自らの新自由主義的延命のために市場と資本の投下先として中国に殺到したのです。ソ連が崩壊したように崩壊することを期待しながら、そうならなかった。そしていまや中国を完全に打倒する以外に帝国主義としては生き残れないということを帝国主義は決断するに至ったということです。
わたしたちにとっては資本主義国、帝国主義国が貧困と社会的崩壊のなかに労働者人民を突き落としながら戦争と差別と排外主義に突き進んで、そこに動員しようとしていることに絶対反対し、資本主義・帝国主義の打倒のために団結した力を解き放っていくことが求められる情勢が来たということではないでしょうか。
戦後の労働運動はまず最初に在日の朝鮮人や中国人が労働組合をつくって闘ったところから始まりました。そして反戦闘争を軸にして展開されてきました。その伝統を受け継ぐことこそが労働組合再生の道です。イランの労働組合が連名で出した声明では「イスラエルと米国の両政府は、ガザで進行中のジェノサイド、そして地域と世界各地で続く数えきれないほどの残虐行為の主導的下手人だ」とし、イランでこの数年来「女性・生命・自由」を掲げて抑圧と闘ってきた民衆蜂起を引き継ぎ、戦争や虐殺を終わらせるために闘うと宣言しました。パレスチナでも2023年10・7蜂起以後、大虐殺に対する不屈の抵抗闘争の中心にあるのは、全世界の労働者に具体的反戦行動を呼びかけた労働組合の存在です。アメリカでの移民拘束・強制送還に軍隊と対峙しているのも労働組合です。
ガザのジェノサイドもウクライナ戦争もイラン侵略戦争もアメリカ帝国主義が中国スターリン主義政権を転覆させる侵略戦争を決断したことの大きさから引き起こされています。
日本の労働者に投げかけられた課題に対してここでわたしたちが動き出すなら真に世界を変革できる、そういうチャンスとしてとらえることもできます。ガザの人々と連帯する道もそこにあります。戦争を止めるのは国家権力との実力対決ですが労働者の団結した力で必ず勝つことができます。時代の転換点です。ともに闘いましょう。

- 米日帝国主義の中国侵略戦争を阻止しよう
米日帝国主義は2027年に「台湾有事」が起こるとして、中国と戦争して勝利する侵略戦争体制に入っている。米帝トランプ政権は中国を「歴史上最も強力な敵国」と言い、「台湾有事」で「断固戦い勝利する」(ヘグセス国防長官)と戦争宣言を行っている。核兵器保有国であり、あらゆる領域で米帝に伍する中国。この2大強国の全面戦争は核戦争であり、人類が破滅する世界戦争になる。トランプはイランへのバンカーバスター爆弾での攻撃を自賛して、ヒロシマ・ナガサキを引き合いに出した。戦争を終わらせた正義で偉大な攻撃だったというのだ。トランプが核兵器の使用になんの躊躇もないということだ。
中国侵略戦争をどんなことがあっても止めなければならない。それは日本の労働者階級として、命をかけてもやらなければならない闘いである。
群馬合同労組は中国侵略戦争阻止を第一の闘いの柱にすえて闘おう。
- 動労千葉のように闘おう!8・6ヒロシマ大行動から11月全国労働者総決起集会へ!
中国侵略戦争阻止の反戦闘争を基軸にすえて闘う労働組合…、それは動労千葉から学び、動労千葉のように闘うということである。この一年、合同一般労働組合全国協議会における組織問題などをめぐって、群馬合同労組は労働組合としてどのように闘うのかについて、激しい議論も行ってきた。「階級的労働運動」ということについて、動労千葉が血を流しながら闘い取ってきた地平から本当に学び、一歩でも近づく闘いを闘いたい。
動労千葉の闘いについて、田中康宏顧問のパンフレット『階級的労働運動とは何か?』から学ぶことが必要だ。
このパンフレットの「発刊にあたって」(2024年6月)で田中顧問は「政治の腐敗は極まり、裏金集めと脱税にしか関心がないような政治家たちが、それを開き直って労働者を戦争に駆り立てようとしています。我慢の限界はもうとうに過ぎ、怒りの声は地に満ちています。…日本でも、労働組合が力を取り戻す時がもうそこまで来ています。」と書いている。
まさにこのような時に、日本の労働運動、階級闘争の継承者であり、宝物である動労千葉の存在と闘いから学び、同じような闘いを職場・地域に組織して、新たな労働運動の爆発を切り開くこと、それがまた戦争を止める力にもなるということだ。
群馬合同労組は個人加盟労組であり、たった一人から職場で立ち上がるところから闘いが始まるのが常である。新自由主義で民営化・外注化・非正規化が進行し、資本と連合が共同して階級的なものを破壊し摘み取る状態が35年続いた。職場には無権利化・差別・分断・パワハラ・セクハラ・いじめが蔓延して隣の労働者も信用できなかったりする。しかしだからこそ労働組合を取り戻さなければならない。
実際そうした状況から労働者の生きるための渾身の決起が続いている。この中に労働者全体を組織する力があるし、階級的労働運動を復権する力もあるはずである。闘いを組織する私たちがどのような立場で、どのように闘いを発展させられるのか、問題はそこにある。だから動労千葉から真剣に学ぶ必要がある。
パンフレットで田中顧問が紹介している故中野洋さんの言葉をいくつか紹介したい。
「労働運動というのは、やっぱり価値観なんだよ。…(動労千葉の組合員は)組合運動を通してみんな成長してきた。カネなんかには換えられない貴重なものをみんな獲得してきた」「人間としての高みみたいなものを獲得してきた」「資本主義は人間を悪くしちゃう。…労働運動を闘うことを通してはじめて、資本主義の中でつくられた悪い傾向を克服して、本当の連帯や団結を獲得していくものなんだよ」
「労働組合運動には、確かに賃金とか雇用とかいろいろあるが、一番重要なことは『どういう時代に生きているのか』という時代認識をしっかり持つことだ。どんな小さな労働組合であっても、世界で起きている情勢、日本で起きている情勢、政治・経済の情勢と無関係な存在ではない。そこをきちんと押さえないと、労働組合の方針は出ない。」
動労千葉が道を開いてきた反戦闘争をしっかりと闘おう。改憲・戦争阻止!大行進の旗のもとに全力で闘いを進めよう。沖縄と連帯し、反基地闘争を闘い、ヒロシマ・ナガサキ・フクシマと連帯して闘う。三里塚・芝山連合空港反対同盟と連帯して労農連帯の旗のもと、軍事空港粉砕のために闘う。無実の大坂正明さんを奪還し、星野文明さんの闘いに続く。
改憲・戦争阻止!大行進運動を真に巨大な反戦闘争にするために、全国の仲間と団結して、中央闘争、全国闘争をひとつひとつ全力で闘うことが必要だ。
青年・女性を先頭にして実力で戦争を止めるような闘いをさらに発展させよう。
当面、8・6ヒロシマ大行動を全力で取り組もう。トランプ・石破の核戦争攻撃と対決しよう。昨年は前夜からの徹夜実力座込みで原爆ドーム前集会を勝ち取った。その闘いをさらに前進させなければならない。
そして11月2日(日)に予定されている全国労働者総決起集会を去年を倍する結集で必ず成功させよう。労働者階級の結集軸がここにあるということを全国・全世界に示さなければならない。
また来年の3・8国際婦人デー闘争を女性解放闘争・反戦闘争として全力で闘おう。
- 国鉄闘争勝利を
中国侵略戦争情勢の深まりの中で、国鉄闘争が決定的に重要である。国鉄闘争の旗のもと、階級的労働運動の前進のために闘おう。動労千葉の闘いに学び連帯しよう。動労千葉がよびかけた全国労働組合交流センターを階級的な巨大な潮流にしなければならない。
1987年に中曽根政権が強行した国鉄分割民営化攻撃は、国鉄の階級的な労働運動を解体して、日本を再び戦争国家として転換する攻撃だった。動労千葉はこの攻撃を許せば再び戦争への道を許すことになるとはっきりと見定め、2波にわたるストライキで渾身の闘いを闘い抜いた。28名の解雇、12名のJR不採用=解雇、合わせて40名の解雇者を出しながら闘った。しかし動労千葉は闘うことで組合と団結を守り抜き、国鉄闘争をその後の階級的労働運動の結集軸として作り出した。
この国家総力をあげた攻撃に対して、犠牲をいとわず階級決戦として闘い抜けたのは動労千葉だけだった。大量解雇と組織破壊に対して、他のナショナルセンターも労働組合もスト一つ打てなかった。動労本部は組織防衛のために、分割民営化の手先となってJR総連を作った挙句、資本に使い捨てられた。総評は解散し、代わった連合は労使のパートナーシップ路線のもと、御用組合、右翼帝国主義労働運動として純化している。中国侵略戦争に向けて積極的に加担する連合を許してはいけない。
国鉄闘争は、労組交流センターを作り出し、3労組陣形、韓国民主労総ソウル本部をはじめとする国際連帯闘争を発展させてきた。そして改憲・戦争阻止!大行進運動を作り出した。
国鉄闘争は1047名解雇が国家的不当労働行為であることを確定させる大きな勝利を勝ち取った。JRの団交拒否との闘いは国家権力との闘い・裁判闘争として継続している。9月19日国鉄1047名解雇撤回裁判闘争に結集しよう。高裁署名運動をしっかり取り組もう。動労千葉物販を武器に闘う労働運動の潮流を広げよう。
- 職場闘争の勝利を
一つ一つの職場闘争に勝利しよう。一つ一つの闘いが重要な意義を持っている。一つの勝利が必ず次の闘いと団結に発展する。そのような闘いを目指して、一つ一つの闘いを全体の力で勝利しよう。
戦争の時代に突入したという認識が必要だ。戦争で未来を奪われる青年・女性労働者が自己解放的に闘える労働組合を建設しよう。そのために青年·女性はどんどん前に立って闘おう。そして世代を超えて団結して闘おう。徹底的に議論して団結を固めよう。批判を恐れず議論しよう。
- 弾圧との闘い
反戦運動弾圧・労働組合弾圧と対決して闘おう。国家権力が米帝と一緒になって中国侵略戦争を決断し動き出している。すでに反戦デモ・反戦闘争で弾圧による逮捕者が続出している。また上州貨物自動車闘争でも刑事告訴攻撃との闘いが現実になっている。弾圧に対しては、自らと仲間を守るために完全黙秘・非転向で闘うことを確認したい。逮捕されたら救援連絡センターの指定する弁護士を選任して闘おう。弾圧との闘い、獄中闘争は、反戦闘争、労働運動とひとつである。完全黙秘・非転向で闘うことで、弾圧の狙いを打ち砕き、弾圧を闘争の拡大に転化することができる。完全黙秘・非転向の闘いはその土台となる重要な闘いである。
- 財政強化の闘い
労働組合として、財政基盤強化のために闘おう。闘いの勝利と組織の拡大のためにはお金が必要だ。専従活動家をどんどん作り出すような財政基盤の強化のために議論と協力をお願いしたい。
- 学習活動の強化を
労働組合として勝利し前進するために、学習活動を強化しなければならない。労働者階級の解放のためにマルクス主義を学習しよう。労働運動について、日本帝国主義のアジア侵略の歴史について、等々、学習すべき課題は多い。学習活動を強化し、様々な学習会を企画し取り組もう。
最後にマルクスのこの精神で闘おう。
万国のプロレタリア、団結せよ!