(株)スマイル(社長=福島たかひろ渋川市議)の拒否回答に怒り!

2025年3月13日、株式会社スマイル(代表取締役 福島たかひろ渋川市会議員)との第2回団体交渉を行った。
スマイルが運営するリハビリ特化型のデイサービス・スマイル前橋では残業代を支払わない違法残業が横行していた。昨年秋管理者が出勤を早めろと従業員にさらなる違法残業を強制しようとしたことから、従業員から、ならば残業代を支払えとの声が上がった。そもそも賃金は処遇改善加算を加えてやっと最低賃金を上回る金額なのだから当然である。会社は残業代を支払い、今後は是正するとした。ところが残業代を支払えと声を上げた中心人物であるAさんに会社から攻撃が始まった。代わりはいくらでもいると社長が言っているとも伝わってきた。管理者によるパワハラ、懲戒処分、賞与の不支給、定年を65歳とする変更などとたたみかけた。一番大きいのがフルタイムの勤務日をそれまでの週5日から週4日に一方的に変更する攻撃だ。2割の減給になる。
Aさんは群馬合同労組に加入して闘いを決意した。
組合の闘いでパワハラはなくなり、懲戒処分もいったん撤回するとなったが、会社は勤務日を減らしたこと、賞与の不支給、定年などの雇用契約に関しては、譲らない。「雇用契約書」には週5日との記載はなく、就業日はシフトにより会社が決めるとなっていると主張する。また懲戒処分もやり直すという。冗談ではない。
第2回団体交渉の冒頭で当該のA組合員が発言した。
「団体交渉中に大きな声を出すとか声をあらげるなどの行為は…みたいな記載が(会社の書類に)あったんですけれども、…なんでそうやって大きな声を出さなければいけないようなことが起きたのか?ってことをよく考えていただきたいなと思っています。…大きな声、とかいうこと以上に、もっと最悪なことだと思うのは、長年にわたる残業代未払い、今回やっと残業代は払われることになりましたけれど、長年にわたって職員が残業代を受け取ることがなく来たこと。それから、今回、私に対する日数を減らすっていうこと、労働者に対して残業代を払わないことはもちろんですけれども、日数を減らすとか、今回は解雇ではありませんけれども、解雇されるってことがどういう意味を持つのか、っていうことをよく考えていただいたら、それがどれだけパワハラ行為なのかっていうことをご理解していただいたら、こちらの、声を上げてしまうっていうことは、もう全然目くそ鼻くそのレベルの話なのかな?って思っています。しかもそれを、渋川の市議会議員である社長が長年行ってきた、っていうことを、ほんとに驚くべきことであって、それを渋川市民の皆さん、他の皆さんがご存じなのかな?って思って、ほんとに驚くばかりです。そのようなパワハラ行為を今すぐやめてほしいなと思っています。」
第2回団体交渉では雇用契約について、ハローワークの求人票が正しいのか、会社が証拠で出してきた「パート雇用契約書兼労働条件通知書」が正しいのかという点で議論になった。
第1回団体交渉では福島代表取締役が、A組合員のようにネットの求人募集をみて応募してきた人にはハローワークで求人票を確認して紹介状を持参するように指示していたと明言した。組合が補助金の申請のためだろうと勘繰ると、以前ネットで応募した職員と労働条件でもめたので、求人票を持参させるように担当者に自ら指示をしたとはっきり言った。
第2回団体交渉で組合がその点を指摘してハローワークの求人票の労働条件が合意した労働条件だろうと追及して、社長が第1回団体交渉で合意内容でもめないように求人票と紹介状を持参するように指示したと言ったではないかと追及すると、福島社長は答えない。
以下は、そのやり取りである。
(31:25)
清水:まあちょっと「話し合いをしてから」っていう正式回答はそれでいいけれども、この間、だって社長が言ったじゃないですか?「労働条件もめるからね、ハローワークに行って、で、確認してもらう」と。もめないようにね。それはいいですよね?そういう話、しましたよね?
(31:45)
松野弁:そこがちょっと。
田島弁:なので、こうやってね、録音で、お互いで言った言わないの話にならないようにしているわけですから。
清水:だから。いやいや、社長に聞いているんですよ。言った本人に聞いているんですよ。
田島弁:この間言ったっていって、私共…
清水:いや、ちょっと待って。だから、社長に喋らしてくださいって。
(31:57)
田島:…わかったんですけど、清水さんがおっしゃっていることがね、「こう言ったでしょ?」っていうのが、実は言ってなかったりとか、結構こう「就業規則を変更したでしょ?」とか言うから、変更したのかなと思って見たら変更してなかったりとか、そういう前提が間違っている時があるんで。
(32:10)
清水:いやいや、だから「社長がどういう意図で言ったのか?」って聞いているだけ。
田島弁:言ったか言わないかは確認できないじゃないですか。
清水:だって本人じゃないですか。本人に「どういう意図で言ったんですか?」って聞いているわけ!
田島弁:いや、…
清水:いやいや、そのぐらい喋らせてくださいよ、だって。
D組合員:録音しているんだから、言ってくださいよ!
田島弁:いや、「録音しているから言ってください」じゃなくて、前…1ヵ月以上前に
(32:26)
清水:いやいやいや、(田島弁に)ちょっと黙って待って。社長にちょっと一言。
田島弁:いや、私からしゃべらせて
清水:だめだって。
田島弁:1ヶ月以上も前にお話したことを、今あれ言ったでしょ?っていうのは、社長に失礼ではないかと思います。
(32:35)
清水:なんでさ、社長。
D組合員:社長に聞いているんです!
清水:いや、この間の団体交渉での発言があったから、ね。
田島弁:あったかどうかが、覚えているかどうかを確認して、
清水:覚えている、だから、だから聞いているんでしょ?だから。
田島弁:覚えているかどうか、…
清水:(社長に)じゃあ、覚えていますか?覚えていますよね?
田島弁:なんとも言えないところ…、
(32:53)
E組合員:私たちは、ありありと記憶していますよ。
D組合員:うん。
E組合員:ありありと記憶しています。
(32:56)
清水:(社長に)覚えていますよね?ハローワークに行ってもらうように自分が指示したんだって。それ、発言、覚えていますよね。
福島社長:(無回答)
清水:覚えているか覚えていないか
(33:12)
福島社長:確認して、回答でいいですか。
清水:ん?
福島社長:確認して回答でいいですか?
清水:覚えているか覚えてないか。
福島社長:いや、確認して回答…
清水:確認じゃない!覚えているか覚えていないか、って言っているの!
(33:21)
D組合員:今言えばいいでしょう?覚えているか?って、あなたが…
福島社長:いえ、確認してから回答します。
清水:覚えてないんですか?
福島社長:いえいえ、間違って回答すると、確認してから回答します。
(33:33)
清水:こういう団体交渉って、ある?
松野弁:言った言わないで、録音した上で、言ったことについて、こうやって「言ったじゃないか!」と責め立てる。
清水:いやだから「覚えているか覚えていないか?」って言っているんですよ!「確認してから」ってどういうことですか!
松野弁:…これがすべて
(33:46)
F組合員:覚えているって言ったら、それだけは、
田島弁:(社長に)はっきり覚えているか覚えてないかだけ回答すれば、とりあえずいいですよ。
G組合員:…それで済むんですよ。
F組合員:覚えてないだったら覚えてない。覚えているなら覚えている。
田島弁:はっきり覚えている、はっきり覚えていないっていう、そのぐらいでいいですよ。
(34:01)
福島社長:ちょっと確認しないと…。
組合側:えーっ!
田島弁:はっきり覚えてないってことです。「確認して」ってことは、はっきり覚えてないから確認するってことです。
(34:09)
清水:じゃあ、じゃあいいです。じゃあ、ちゃんと確認してください。録音もあるでしょ?双方録音しているんだから。自分の声かどうかちゃんと聞いて。人が言っているのか自分が言っているのか、聞いて確認して。確認してそれで回答を用意してください。いいですか?
松野弁:まあ確認して回答されるとおっしゃっています。
清水:うん。
第1回団体交渉で福島社長は以下のようにはっきり言っている。他ではほとんどしゃべらなかったので組合員はみんなよく覚えている。
「おそらくネットからの人って、情報が多分しっかりと、ネットって書いてないと思うんです。だから、 取り違いがあっちゃ困るから、そういう方にはハローワークのやつを見てもらった方がいいんじゃないかっていうことが、以前話したことはあります。」
「…それが今回の件じゃなくて、もう前からネットの求人だった場合にはその方が、まず会う前に話をするのにずれが出ないだろうから。ネットの求人って、多分、 私も全部見てるわけじゃないですけど、細かく書いてないと思うんですよ。そうするとそこで思い違いがあっても困るって部分もあるんじゃないかなっていうことで、」
「ハローワークの方は、ハローワークの見てこられると思うんですけども、もちろん、担当の方の聞き取りもしていますから、と思うんですね。」
「けど、ネットの人って上しか見ないで、書いてある…しかみないで、っていう人が、わりと過去にあったと私は思っていたんで、そういうことで、食い違いがないように、ここだけで判断してきましたというよりその方がいいんじゃないのかなっていうことは、今回の件ではなくて、だいぶ前に、ネットの広告を出す時に、そういうことがあったという気がして、記憶しているから、管理者会議でそういうふうに話したことがあったんじゃないかなというふうに思っていますけど。」
第2回団体交渉の後、3月31日に会社からあらためての回答書が届き、会社は従来の立場を繰り返した。許せない。組合は4月11日付で以下の通り、再度要求書を送付した。徹底的に闘う。
2025年4月11日
〒377-0027 群馬県渋川市金井443-3
株式会社スマイル
代表取締役 福島 丘泰 様
〒370-0067 群馬県高崎市請地町11-6
たかさき法律事務所
代理人 弁護士 田島 慎太郎 様
弁護士 松野 弘輝 様
〒370-0035 群馬県高崎市柴崎町60‐2
群馬合同労働組合
執行委員長 清水 彰二
要求書
2025年3月31日付回答書を受領しました。これにふまえて下記の通り要求します。2025年4月25日までに団体交渉を開催して、文書にて回答してください。なお、団体交渉はAが勤務を外されている金曜日とされたい。
記
1 未払残業代に関して
提示された未払残業代の条件、金額について同意する。
2 雇用契約について
当労働組合の主張は、第2回団体交渉で言明した通り、ハローワークの求人票が雇用契約の内容であるというものである。
これに対して、貴社は、「令和6年3月8日に、B氏及びC氏にて、A氏との面接を実施しています。この面談の際に、A氏からは、週5日を勤務の条件としなければ入社しない、という趣旨の発言は一切なされませんでした。同年3月29日に、A氏が、スマイルに、入社に必要な各種書類を取りに来ており、同年4月20日に契約書のひな形をA氏に渡し、その後、同月25日に、A氏が、本件契約書をスマイルに持参しています。この間、A氏が本件契約書を確認する時間は十分ありましたが、A氏から、何らの問い合わせや、要望もありませんでした。したがいまして、スマイルとしましては、本件契約書及び就業規則記載のとおりの内容にて雇用契約が成立したと認識しております」と主張する。
この点に関して、当労働組合は2025年1月19日付要求書では以下のように主張した。
『① 第1回団体交渉で福島丘泰代表取締役が言明した通り、貴社は過去にネットの求人広告の応募者と労働条件に関してトラブルが発生したことがあり、ネットの求人広告応募者に対してハローワークの求人票を確認の上、紹介状の交付を受けて面接に来るように要請している。Aも同様にネットの求人広告を見てスマイル前橋に電話をしたところ、対応したB氏からハローワークの紹介状を持参するように言われて、その指示に従い、面接を受けて、雇用契約を結んでいる。したがって求人票の労働条件が雇用契約の提示であることに間違いはなく、事実基本的にそのような条件で就労したものである。
※参考判例
金員支払地位保全仮処分申請事件 千代田工業事件 1983年10月19日大阪地 昭和58年(ヨ)1580(出典:労働判例419号23頁/労経速報1174号3頁)
求人者が公共職業安定所に求人申込をするには求人票に労働条件を明示してなすものとされているところ、求人申込は職業紹介の要求であって法律上申込の誘引にすぎないが、職業安定法第一八条が求人者に対し労働条件明示義務を公法上の義務として定めている趣旨は戦前のようにありもしない好条件をちらつかせて労働者を勧誘し、実際には劣悪な労働条件を労働者に強いるというような弊害を除去するためと解されること、又求人者が求人票に労働条件を明示する際、それが契約内容となることを当然の前提としているし、求職者も右求人票の記載がそのまま労働契約の内容となることを前提にしてそれを最も重要な資料としてどの企業に応募するか決定していることを考慮すると、公共職業安定所の紹介により成立した労働契約の内容は、当事者間において求人票記載の労働条件を明確に変更し、これと異なる合意をする等特段の事情のない限り、求人票記載の労働条件のとおり定められたものと解すべきである。
※同趣旨の判例 福祉事業団A苑事件(H29.03.30京都地判)など』
まず貴社は、第2回団体交渉で、第1回団体交渉の場で福島代表取締役が、過去にネット求人募集の応募者と雇用契約内容についてトラブルになったためAを含めてハローワークの求人票を持参するように指示していたとの発言内容について、「記憶があいまい」「後日確認し回答する」と言明しておきながら、今回の回答書でそれについての言及がないのはどういうことなのだろうか。あまりに対応が不誠実ではなかろうか。
その上で上に判例で示した通り「公共職業安定所の紹介により成立した労働契約の内容は、当事者間において求人票記載の労働条件を明確に変更し、これと異なる合意をする等特段の事情のない限り、求人票記載の労働条件のとおり定められたものと解すべき」である。「休日数」「定年」「賞与」に関する不利益変更には、自由意思に基づいた合意が必要である。つまり前提として、使用者からの十分な説明・情報提供が必要である(労働契約法4条1項)。
貴社は、「令和6年3月8日に、B氏及びC氏にて、A氏との面接を実施…この面談の際に、A氏からは、…趣旨の発言は一切なされませんでした。同年3月29日に、A氏が、スマイルに、入社に必要な各種書類を取りに来ており、同年4月20日に契約書のひな形をA氏に渡し、その後、同月25日に、A氏が、本件契約書をスマイルに持参しています。…A氏から、何らの問い合わせや、要望もありませんでした。」と回答したが、この断定の根拠となる資料をすべて開示されたい。また「求人票記載の労働条件を明確に変更し、これと異なる合意をする等特段の事情」が存在する証拠を示されたい。
3 懲戒処分について
貴社は、以下の通り回答しました。
「B氏は、A氏に対し、運転日報の字のことを含め、都度口頭にて注意を行っていたことから、口頭注意を行った日時等については客観的な記録が残っておりません。なお、同年9月4日には、B氏から、スタッフ全員に対し、運転日報の字が雑で読めないことを注意しています。スマイル代表者福島氏は、毎月1回開催される管理者会議にて、A氏に関する報告をB氏から受けており、同年11月5日実施の管理者会議での報告後、A氏に始末書の提出を求める処分を実施することを決定しました。その上で、令和6年11月22日に、B氏が、A氏に対し、始末書の提出を求めております。」
これに関して以下の点について再度回答されたい。
文字が読みにくいという注意を、どのように「口頭で」注意したのか、回答されたい。
なぜ口頭注意の客観的な記録が残っていないのか、回答されたい。
9月4日にスタッフ全員に対して注意したのに、なぜAだけに始末書の提出を求めたのか、回答されたい。
11月5日に福島氏はB氏からどのような報告を受けて始末書の提出を指示したのか、回答されたい。
福島氏が、A一人に始末書を提出させる決定を行った根拠について回答されたい。
また、B氏が始末書の提出を「懲戒」ではないと言明したことについて、「懲戒解雇」ではない、との意味で使用したとの回答だが、およそ理解ができない。懲戒処分として適切な発令ではないと疑わざるをえない。就業規則を示さなかった(閲覧させなかった)ことと合わせ、懲戒処分を発令する事業主体としての適格性に疑義が生じている。それ以前の貴社の「懲戒」の処分発令について、時期と処分内容をすべて明らかにされたい。
4 昇給について
定期昇給の対象は在籍半年以上の者との回答であるが、根拠規定を示されたい。
5 労働者代表の選出について
貴社回答では「日常業務の間に簡単に決定されていました」とされ、さらに令和6年の労働者代表選出経緯についてB氏の「明確な記憶がない」とのことである。B氏は施設管理者であり、労働者代表として36協定に署名している当事者である。
これについて当労働組合は、たった5人の従業員の職場であること、Aが選出過程も選出結果も知らなかったことから、違法で無効な選出であったと断じざるをえない。しかも協定の締結は同年10月のことである。10月冒頭からAや他の職員から残業代を支払ってほしいとの要望が出されており、今回の組合加入と要求書提出の出発点となっている。時間外労働の協定である36協定に係る労働者代表の選出を知らない、覚えていないなどありえない。貴社は違法な手続きで違法な労働者代表「選出」を行ったと断定せざるをえない。
36協定の労働者代表選出違反で実施した場合、協定自体が無効とされ、労働基準法第32条違反により、6カ月以下の懲役または30万円以の罰金(労基法第119条)と定められている。立派な犯罪行為である。
当労働組合はこの間の貴社の不誠実極まりない対応を許すことはできない。労働基準監督署への違反申告・告発を通告する。
6 処遇改善加算に関する資料の件
団体交渉の場にて開示を要求する。墨塗り等の上、資料の写しも交付されたい。
7 賞与支給の件について
貴社回答では「処遇改善加算金は、毎年支給額全額を従業員に支給する必要があるところ、各月の支給では支払切れなかった残額を、特別賞与という名目で、それぞれの従業員に対し支払ったとことがありました。」「従業員の生活保障の観点から、前年度に特別賞与を受け取った従業員に対し、2024年末にも2023年末と同程度の金銭を渡したという事実はございます。」「いずれにせよ、これらの金銭は、雇用契約上の賞与ではなく、パートタイマーであるA氏に対する支給の予定はございません」、とのことである。
当労働組合は、Aに支給をしなかったことに関して、不当労働行為だと判断せざるをえない。
ついては、スマイル前橋における支給実態について、文書にて説明されたい。納得のいく回答のない場合は群馬県労働委員会に不当労働行為救済の申立てを行うことを通告する。
8 スマイルの経営状態に関する資料について
決算書の開示を求める。
以上