群馬県労働委員会の被告準備書面は許せない(介護労働者組合員からの投稿)
安中市の介護施設・吉ケ谷(よしがたに)の不当労働行為救済を求めた群馬県労働委員会で不当な棄却命令が出た件は、現在命令取消裁判が前橋地裁で開かれている。次回の第3回口頭弁論は2025年1月24日(金)16時から前橋地裁で開かれる。前回出された群馬県労働委員会からの準備書面に対して組合の反論と証拠を提出することになる。前回の口頭弁論には組合員が当該組合員を先頭に10名が傍聴に結集して団結して闘っている。同じ介護労働者である組合員から群馬県労働委員会の準備書面に対する怒りの投稿があったので掲載する。介護労働者は職場から団結して声をあげよう!
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吉ケ谷事件はそもそも会社の解雇通告から始まったが、労働者にとって解雇は死ねというに等しい。労働委員会はそれを軽視し、それゆえに組合が不当労働行為だと訴えていることの意味がわかっていない。Tさんは解雇通告を受けて組合に加入した。それが原点である。
準備書面の2頁「そもそも会社は正式な解雇はしていないとの認識であったことがうかがわれる」 3頁「会社が解雇撤回という解雇を前提とする対応をとらなかったとしても不自然とまではいえない」
これらの文言だけでも労働委員会が解雇にさらされた労働者の立場を意に介していないことが示されていて、それは配置転換からTさんが不調におちいり会社を辞めざるを得なくなる過程全体に関して一貫した労委の姿勢となっている。
解雇にさらされた労働者が組合に結集した。解雇撤回と労働者の地位保全を求めることは労働組合の当然の任務である。組合が団交を求め、配転の是非を糺している状況は一刻を争う状況であった。配転が組合弱体化という意図でなかったとしても組合通告した直後の配転は不当労働行為を前提として判断すべき義務が労働委員会にはあるのではないか。ところが準備書面9頁「決定時期の特定は、会社が業務上の必要性から本件配置転換等を行ったとの判断に影響しない」「まず職員と当該入所者を接触させないといった再発防止策は会社に求められる対応の一つ」と会社側にたった予断をもって述べている。
虐待事案が発生してからの会社の対応は決して手続きを踏んだものではなく解雇ありきで突き進んだ。組合通告するやいなや、解雇をいったん中断し組合員であるTをやめさせるために配転したのだ。それは不当労働行為である。労働委員会としてはそういう立場にまず立つべきではないだろうか。
団交についても10月30日にリモート方式で開催されたからいいではないかというのでは事態の切迫性についてあえて無視しているとしかいいようがない。
介護保険制度のもとで社会保障としての介護・福祉が解体され、営利優先の事業者がはびこっている現状のなか、介護労働者は身も心もすり減らしながら毎日必死に職責を果たそうとしている。「顔をみるだけで殴りてえんだよ」「死ね死ね」という言動だけを見てその苦闘をすべて見落とし、会社の維持や会社の言う建前に労働委員会が立つとしたらもはや存在意義を失うというべきである。