バス労働者の時給を1500円に!春闘統一ストと行政申入れ・記者会見に反響!
群馬合同労組の群馬バス分会と日本中央バス分会は、時給1500円をすぐに実現せよと求めて、会社に要求書を提出、団体交渉を行いましたが、納得のいく回答を得られず、3月31日に24時間のストライキを行いました。
団体交渉の中で、群馬バスも、日本中央バスも、この間の新型コロナ感染症による経営危機で借金の重荷を背負っているうえに、路線バス事業が赤字で利益を得られず、要求に応えるような状況ではないという趣旨の回答を行いました。
これについて、群馬合同労組は根本的な疑念を抱かざるをえません。乗客の命を預かり、睡眠時間を削って長時間労働を担い、地域公共交通を支えている運転手。大型2種免許を取得して経験豊富な正社員の労働者が時給1500円を要求しても相手にされない。こんなことが許されていいのでしょうか?組合員の中には絶望して離職を余儀なくされた労働者もいます。絶対に許せません。
群馬合同労組はこの問題は一企業の問題ではない。社会的な問題である。だから労働者が企業や雇用形態の違いをのりこえて、団結した闘いを大きくする以外に希望はないのだと結論に至りました。
昨2024年に群馬バス分会の闘いに触発されて日本中央バス分会が結成され、職場の労働環境の大きな改善を勝ち取ってきました。これにふまえて、群馬バス分会と日本中央バス分会は、2025年春闘をバス労働者の時給1500円実現をかかげた統一ストとして闘う決定をしました。
3月31日のこのストライキはバスを止めることはできませんでしたが、群馬合同労組の訴えは多くのバス労働者、利用者、市民の共感をえるものとなりました。バス労働者の怒りは爆発寸前であり、市民はバス労働者の苦境を知って共に怒っています。
そうした中で群馬合同労組は、はたして地方公共交通を守るべき立場である行政はこのような状況を理解しているのだろうか?時給1500円に遠く及ばないバス労働者の苦境をどう考えているのだろうか?補助金で労働者を支える気はないのだろうか?などと考えました。
そして今回初めて前橋市と高崎市、群馬県への申入れを行いました。申入れ行動にはストを闘った群馬バスと日本中央バスの分会の組合員がこぞって参加して訴えました。
前橋市・高崎市・群馬県の担当者たちは初めて聞くバス現場労働者の訴えに驚き、心を痛めました。そして地方公共交通と地方の維持のために状況を変えなければならないとの訴えに聞き入りました。
そして次の回答を得たことが重要でした。行政は委託バスの赤字に関しては全額バス会社に補償している、赤字の中には人件費も含まれる、その際にバス労働者の賃金が高いとか安いとかの判断をすることは一切ない、ということです。バス労働者の時給が1500円で高すぎるなどという行政は存在しないし、バス労働者の時給1500円への賃上げは会社が決断すれば可能だということが明らかになったのです。
群馬合同労組はこれらの結果にふまえ、4月28日には県庁の記者クラブで記者会見を行いました。大手マスメディアの記者たちも現場バス労働者の訴えに、同様に驚き心を痛めていました。会見は活発な質問と回答が行われ、2時間近くの会見となりました。すでに読売新聞と東京新聞が群馬版で取り上げ、他社もあらためての取材を申し込んでくれました。
一連の群馬合同労組群馬バス分会と日本中央バス分会の闘いは組合員の積極的な行動で大きな展望を切り開きました。自家用車所有率でも地方バスの衰退状況でも全国一と言われる群馬県。労働者の団結と闘いの拡大にすべてがかかっています。
群馬合同労組は、群馬のすべてのバス会社・事業所に分会を組織してさらに大きな闘いを組織したいと考えています。自分たちの未来のために、バス労働者の皆さんの群馬合同労組への加入を訴えます!






申 入 書
2025年4月11日
高崎市長 富岡 賢治 様
高崎市 市民部 地域交通課 課長 様
〒370-0035 群馬県高崎市柴崎町60-2
群馬合同労働組合
執行委員長 清水彰二
群馬合同労働組合は群馬県を中心とした一人でも加入できる地域合同一般労働組合です。私たちの日本中央バス分会と群馬バス分会の組合員は、賃上げと労働条件の改善を求めて活動してきました。今年3月にはそれぞれの分会が日本中央バス株式会社ならびに株式会社群馬バスに対して、時給1500円(相当)への賃上げを要求して団体交渉を開催しましたが妥結せず、3月31日に24時間のストライキを行いました。
石破首相は、首相就任にあたり、最低賃金(全国平均)を2020年代に1500円に引き上げることを公約に掲げました。物価高騰は労働者の生活を直撃しています。時給を早期に1500円以上に引き上げることはもはや社会的に広く認められた目標であるといえます。
しかしながら、群馬のバス運転手の賃金は、正社員でも時給1500円にはまだまだ手が届きません。日本中央バスの組合員の賃金は基本給で時給1100円、月の支給総額を拘束時間で除した実質的な時給も1300円前後という状況です。年2回の一時金は規程にも雇用契約書にも記載はなく、この間の支給実績は1回数万円~8万円という金額です。群馬バスでも賃金形態の違いや年功による違いはありますが、年間所得にするとおおよそ同様な状況と言えます。折り返しの待機時間(中休時間)は数割~半分の時給とされ、長時間の拘束で、年間所得がやっと400万円前後というのが私たちの知る状況です。
日本中央バスも群馬バスも労働者の賃上げが必要であることは理解していると言います。しかし、2019年以来の新型コロナ禍の影響がいまだに経営を圧迫している、根本的には路線バス事業が事業として利益を上げられず、賃上げが難しいと言います。賃上げしないと人手不足で会社も困る、しかし現状では路線バス事業を維持継続するのも困難な状況であるとして、組合に理解を求めたいと言うばかりです。
しかし、労働者は生活していかなければなりません。ガソリンや米が値上がりするのと同じように労働者の生活費たる賃金も上げてもらわないと生活ができません。労働者だけが会社の利益のために我慢を求められることに、私たち群馬合同労働組合は納得することはできません。労働組合として、生活と労働条件を守るために、引き続き、団結して闘うことを決意します。
その立場から、高崎市に対しても、地方公共交通のバス労働者の賃上げを実現するために、ご理解とご協力を要請するものです。下記の通り、申し入れますので、ご検討と回答をお願いします。
記
- 高崎市内を運行する委託バス、赤字路線バスに対する補助金について、バス労働者の賃上げ・労働条件改善を視野にいれた扱いを求めます。最低時給1500円のバス運転手の労働条件について高崎市の見解を求めます。
- 地方公共交通の維持・充実のためにさらなる財政措置を求めます。
- 地方公共交通を担う労働者の賃金を上げることで高崎市内で働く労働者全体の賃上げを推進してください。
以上
※4月7日に前橋市未来創造課交通政策課と群馬県知事戦略部交通イノベーション推進課に対しても同じ趣旨の申し入れを行いました。
以下は資料。2023年3月17日付のビラ。




