吉ケ谷は不当解雇通告・パワハラを謝れ!県労働委員会棄却命令取消を提訴吉ケ谷は不当解雇通告・パワハラを謝れ!
県労働委員会命令取消訴訟口頭弁論
9月20日(金)14時 前橋地裁21号法廷
群馬県労働委員会の救済棄却命令を許さない!
老人介護施設・吉ケ谷(株式会社吉ケ谷、安中市)の不当労働行為救済を申し立てた群馬県労働委員会で、5月不当な棄却命令が出ました。群馬合同労組は7月12日付で群馬県(山本一太知事)と群馬県労働委員会を相手に命令取消と再審査を求めて前橋地裁に提訴しました。今回の命令はとんでもない偏った判断、間違った判断です。
配置転換は組合通告が原因
まず県労働委員会は吉ケ谷がA組合員に配置転換等を命じたのは、業務上の必要性があった、合理性があったと判断しました。
しかしそもそもことの発端は、利用者の介護中のケガを吉ケ谷が虐待・事件だとして問題にしてA組合員に30日後の解雇を通告したことから始まりました。これについて相談を受けた組合は解雇通告は不当なので撤回せよと2022年9月20日に電話で専務に要求しました。
A組合員が利用者に暴言を行ったのは事実であり、問題でしたが、その時点で吉ケ谷が行った解雇通告は明らかに不当であり、パワハラに該当するものでした。組合としては、30日後の解雇の前に早急に団体交渉を開催して解雇を撤回させなければなりませんでした。
吉ケ谷は、労働委員会の中で、組合から連絡が来る前にA組合員の解雇を撤回して磯部から秋間に配置転換すると決定した、それは9月19日つまり組合から連絡があった前日であると主張しました。これはまったくのウソです。しかし県労働委員会はこのウソを認めてしまったのです。
事実は9月20日の電話での解雇撤回の要求を伝えると、専務は解雇のことも配置転換のことも、前日の決定のことも、一言もふれず、「事件にいたします」と言ったのです。事件とは暴行事件であること、それで解雇にするという意味であることは証拠から明らかです。
ところが、県労働委員会は組合からの解雇撤回要求前の、「これ事件なんですけど」「もしかしたら事件化するかもしれない」との田村智専務のA組合員への発言と比較して、「会社の対応が大きく変わったとは認められない」としました。「事件にする」とは暴行事件にすると言ったとは考えにくい、暴行事件となれば吉ケ谷の社会的評価が殿損されるのだから組合通告を受けて暴行事件にすると言ったとは考えにくい、などと言って、吉ケ谷が組合通告を受けて不当労働行為に走った事実を否定しました。
とんでもないことです。「30数名のスタッフの生
活を守らなくちゃならない。」「こういう形でしてきたってことは、私たちにとって耐えがたいことなんだいね。」(田村和子社長)などと、組合が入ると会社がつぶれる、会社を辞めないなら仕方ない、会社を守るためには監視がつく、厳しくなるなどとのやり取りがいくつも証拠で出されています。残業代を出さない、有休も取れない、休憩も取れない、冷暖房代をケチる…そんなやり方で成り立ってきた吉ケ谷が組合員の登場であわてふためいて組合つぶしに走ったことは明らかです。
団体交渉の引きのばしと不誠実な対応
吉ケ谷は、団体交渉を引きのばしました。組合はA組合員の解雇通告の撤回を要求していたので、30日以内、10月のシフトが決まる前の9月中に団体交渉を開催するように要求しました。解雇通告の撤回表明があれば、柔軟に対応することも伝えています。ところが会社は解雇について一言も説明せず、団体交渉をウェブで開催したのは10月30日でした。ウェブ開催についても吉ケ谷はコロナ感染予防を口実にしましたが、社長会長は温泉旅行したり、利用者のリクエーションで外出を行ったり、施設の感染対策の状況からも口実に過ぎないことは明らかでした。しかもウェブ開催をいいことに、団体交渉の場に誰だかわからない人物が出席していました。これを察知した組合が追及すると吉ケ谷はウソをついて逃げました。これを不当労働行為と認めない県労働委員会は許せません。
組合員へのいじめと差別
吉ケ谷は、団体交渉を引きのばし、A組合員の暴言と利用者の受傷を「暴行事件」と決めつけて対応しました。A組合員の配転先では暴行事件が事実だと吹聴され、嫌がらせや差別が行われました。安中市は暴行事件・身体的虐待には当たらないが、暴言は心理的虐待にあたるとの調査結果を11月29日に吉ケ谷に伝えました。同じ日に利用者家族説明会が開かれましたが、吉ケ谷はそこでも暴行事件が事実であるかのような報告を行い、解雇せよ、処分せよの声が家族から出されました。結果としてA組合員はメンタル発症を起こして退職をよぎなくされました。
また同じこの11月29日には、A組合員に対して、施設内を「走った」として前代未聞の「指導書」が出され、翌日にも同じ内容で「指導書」が出されました。翌11月30日には吉ケ谷の従業員連絡用SNSにA組合員を「元職員」と記載しました。
またB組合員に対しても、田村佳孝会長が差別的に「おまえ」呼ばわりするなどの対応を行いました。
A組合員が耐えきれずメンタル発症を起こして休職すると、田村和子社長は職員会議で診断書と休職願を従業員に回覧させました。
これら一切を不当労働行為と認めないとする県労働委員会の棄却命令は、労働組合の団結権を守るという労働委員会の存在意義を否定するような不当な命令です。
労働委員会の棄却命令を知って、驚いた当時の職員から会社の組合差別についての証言がメールで送られて来ました。ここには組合員のいない場で会社がどのような組合差別発言を行っていたかが記載されていました。組合員がメンタル発症して退職するのも無理もないほどの差別であったとしています。
組合は証拠も補充して、県労働委員会の棄却命令を必ず裁判で取り消させます。吉ケ谷のように労働者の声もあげさせずに、違法不当な処遇やパワハラがまかり通ってきた職場は数知れません。吉ケ谷で声をあげた組合員の闘いを決してむだにすることはできません。引き続き、みなさんのご理解とご支援をお願いいたします。
2024年7月31日、群馬合同労組は安中市役所と吉ケ谷、地域でビラまきを行った。