新組合員と共に第3回団体交渉勝ち取る~日本中央バス
2024年12月17日、日本中央バスとの第3回団体交渉が開かれた。新しく群馬合同労組日本中央バス分会に加入した路線バスの運転手が初めて参加した。この会社に入って十数年になるが、当たり前のことが当たり前でないこの会社に対して不信と疑念が強かった。
組合は今回、これまでダイヤ単価表を開示させ、賃金計算方法を説明させた地平に立って、給料支払と同時にその月の乗務日報を各路線バス運転手に交付するように求めた。乗務日報はその月の一日一日の就業の有無、担当したダイヤなどの記録表である。高速バス運転手には交付されていて、路線バス運転手にも賃金計算のために作成はされているという情報があった。
この間給料明細に、休日出勤数や有休取得日数、有休残日数などを記載するように要求したが、欄はできても一向に数字が書き込まれない。そもそも自分の月の所定休日数がわからない。所定休日数がわからなければ当然休日出勤数もわからない。それで乗務日報を出させるのが一番合理的だという結論になった。月の休日数はダイヤの流れで毎月変わる。それも乗務日報があれば自分で数えて確認することができる。
会社は、これについて理解して、交付する方向でやると回答した。
新加入の組合員は、これまで休日出勤に応じて出勤しても、代わりにその月の有休が消されてしまったのではないかと疑念に思うことがあった。それから休日出勤を断ることもあったという。そういう路線運転手は他にも多くいるというのだ。
そうした「わからないこと」がこの乗務日報でわかるようになるだろう。
しかしまだまだ「わからないこと」は多い。今回の団体交渉で、今の「ダイヤ給」(ダイヤごとの単価表に則り、賃金を計算する方法。基本給〈出勤日数×所定労働時間×時給〉は変動する)の前は月給制(固定した基本給)だったこと。変わったのが5~6年前だったこと。そうしたことが説明もされないので賃金が変わっても謎だったと新組合員が言う。2024年の残業規制に伴う「精勤手当」の新設にしても説明がなかった。群馬合同労組分会が要求して団交を開かせなかったら「永遠に謎のまま」だったのだ。
組合は、今回組合掲示板の設置を要求した。当たり前のことが当たり前でない職場を変えるためには、労働組合の活動を知らせることは重要である。そのために組合掲示板は必要だ。しかし会社は今回これを拒否した。これから慎重に見極めるという。
日本中央バスにはユニオンショップの交通労連の日本中央労働組合がある。この組合の掲示板があれば、組合差別は労働組合法で禁止されているので、群馬合同労組への掲示板設置は認めざるをえない。当然そちらの組合掲示板があるものだと思っていたが、それはないという。驚いた。定期大会の告知や大会決定事項や活動報告・収支報告など組合掲示板がなければ組合活動は不可能だと思うのだが…
その他安全対策や点呼の問題など、是正を求めた。安全は会社にとっても絶対の前提、しっかりやるとの回答であった。労働条件の問題も放置できない問題がいくつかある。これについてもしっかりやると会社は回答した。
会社も路線バスは継続が厳しいと弱音を吐く。地方切り捨て、地方公共交通の崩壊は、国鉄分割民営化以来の新自由主義の行きついた先だ。こうした状況で生きるためには労働者の団結と闘いこそが必要だ。藤岡、富岡、高崎の公営バスを運行する上信ハイヤー労組が12月27日からストライキに入るとマスコミが報じている。連帯して闘おう。