中央タクシーに組合員の証人尋問で断をくだす!

24 1月 by gungoroso

中央タクシーに組合員の証人尋問で断をくだす!

 2021年1月12日、中央タクシーの不当労働行為救済を求める群馬県労働委員会で2人の組合員の証人尋問が、群馬県庁26階審問室で開かれた。

 あいにくの新型コロナウイルスの感染拡大で、申立人席は4席、傍聴席は3席という制限だったが、営業所従業員全員解雇という厳しい状況でも、中央タクシー分会の闘争が何であったのかを、感動的に突き出す証人尋問として勝ち取られた。群馬県労働委員会事務局から証言速記録が届いたので、ぜひ多くの皆さんに読んでほしい。

B組合員の証人尋問

小暮審査委員長 では、申立人側から主尋問を始めてください。

清水申立人 はい。申立人 、委員長の清水彰二から尋問を行います。まず、甲32号証を開いてください。Aさん。甲32。

A    はい。

申立人 これ、この陳述書はAさんが書いたものに間違いありませんか。

A    はい。間違いありません。

申立人 内容にも間違いはないでしょうか。

A    はい。間違いありません。

申立人 2014年、平成26年11月1日から、中央タクシーで働き出しましたね。

A    はい、そうです。

申立人 群馬合同労働組合に加入したのは2015年7月26日でよろしいでしょうか。

A    はい、そうです。

申立人 Aさんは、入社してからこの頃までの割増賃金について裁判で争いましたね。

A    はい、争いました。

申立人 乙1号証68ページを見てください。

A    はい。

申立人 いいですか。「A割増賃金計算書(認定)」とありますね。

A    はい。

申立人 前橋地方裁判所が認定した残業時間などがそこに記載されていますね。見えますか。表になっていて。

A    はい。

申立人 例えば2015年7月を見ると拘束時間が312時間36分、残業時間が148時間16分となっていますね。

A    はい。

申立人 Aさんは片道の通勤に会社までどのくらい、片道どのぐらいかかりますか。

A    約1時間ぐらいかかります。

申立人 そうすると、これは1労働日について考えると、休憩の1時間、それから通勤時間を入れると、家にいる時間は、平均6時間ぐらいしかなかったんではないでしょうか。

A    はい、そうです。

申立人 しかも不規則でしたよね。

A    はい、そうです。

申立人 とても恐ろしい労働状況ではなかったでしょうか。

A    はい、とても恐ろしい状況でした。私が、家まであと1キロのところで、居眠りが始まり、仮眠しなければ、家まで帰れないような、まともな状況じゃありませんでした。

申立人 判決では付加金も認められましたね。

A    はい、そうです。

申立人 なぜでしょうか。

A    それは、会社の労務管理が、タコグラフを偽装しろ、タコグラフを抜いたり、非常に悪質性が高いということを裁判所は認定したからです。

申立人 はい。A  さんが群馬合同労働組合に加入した動機はこのような劣悪な労働環境を変えたいという思いでしたか。

A    はい、そうです。

申立人 裁判については控訴はしなかったんですね。

A    はい、しませんでした。

申立人 それはなぜですか。

A    それは、会社がいつまで持つか、非常に不安だったからです。

申立人 群馬の営業所がなくなったということもありますか。

A    はい、それもあります。

申立人 はい。2015年の夏に組合で36協定について無効だと主張したことがありましたか。

A    はい、ありました。

申立人 それはなぜでしょうか。

A    それは、労働者代表の、選出過程において、その過程を踏んでなく、おかしな状況に、労働者代表を選んだからです。

申立人 会社、K総務部長が、会社が指名しましたっていう、回答を団交でしませんでしたか。

A    はい、しました。

申立人 それができるまでは違法な残業は行わないと、きちんとした36協定の手続きが行われるまでは、違法な残業なので行わないという申入れを会社に組合がしたことがありますか。

A    あります。

申立人 それは誰が申入れを行ったんでしょうか。A  さんが直接に申入れをしましたか。

A    いえ、私は直接申入れはしておりません。

申立人 分会の、当時分会長のBさんとCさんが申入れをしたということでよろしいですか。

A    そうです。

申立人 はい。甲26号証を開いてくれますか。23ページ。

A    …。

申立人 23ページ。甲の26。

A    はい。

申立人 これは群馬県労働委員会の不当労働行為救済命令の命令文ですけども、ちょっと長いですけども、読みますね。

A    はい。

申立人 (ウ)のところです。「8,12団交で、組合は会社に対し、長時間労働に見合った時間外手当が支払われていないことを指摘し就労時間の正しい管理を求めたが、会社からは十分な回答はなされなかった。また、8.12団交の後、BとCはD副所長に面会し、8.12団交において、36協定が無効ではないかとの組合の主張に回答がなかったと問題を指摘し、そうした状況が改善されなければ、9時間しか働かないなどと述べた。」(エ)のちょっと、2段落目。「しかし、BとCのこの発言の主な目的は、就労時間の正常な管理とそれに見合った時間外手当の支払を求めることであり、併せて36協定の成立過程の問題を指摘したのである。」「会社にあってはジャンボ部門乗務員の就労時間の管理が十分にされていたとは認められず、時間外手当の支払も法律に従っているとは思えない状況にあり、更には7.16団交においてK部長が36協定の労働者代表は同人が指名した旨述べていることから両名の指摘には相当の理由がある。」、こういうふうに認定された事実がありますか。

A    はい、そのとおりです。

申立人 はい。申立人の組合員が9時間しか働かないといった経緯が詳しく書かれていますが、この点も間違いないですね。

A    はい。

申立人 それ以外にAさんが9時間以上働かないと、会社に対して言ったことがありますか。

A    私が言ったことは、1回もありません。

申立人 はい。会社は2015年の8月分以降、Aさんの稼動手当を約8万円減額しましたね。

A    はい、そうです。

申立人 群馬県労働委員会の不当労働行為救済命令が出て、支払わせたんですね。

A    そのとおりです。

申立人 被申立人会社は、組合員が言っても理解しないので、組合員のわがままな主張につき合ってきたと主張していますが、事実ですか。

A    それは会社側の一方的な見方で、客観的な事実はそういうものではありません。

申立人 事実としては一方的に減額したものの、群馬県労働委員会の救済命令でやむなく支払ったということでよろしいですか。

A    はい、そのとおりです。

申立人 その後会社は稼動手当の減額ができず、残業の業務命令もできなかったということで間違いないですか。

A    …。

申立人 その後ね、救済命令が出た後、救済命令を受けて、これからね、残業をこれからどうするかだとか、Aさん残業やってくださいだとか、会社としてね、こういうふうに残業と賃金をしますよっていう話が会社からあったことはありますか。相談を受けたことがありますか。

A    相談はもう一切ありません。

申立人 相談もなく、減額もされず、業務命令も出されなかったということでよろしいですか。

A    はい、そのとおりです。

申立人 はい。宇都宮社長が陳述書で稼動手当を付与する給与体系での就労はA  氏自身が拒否している状態と書いていますが事実ですか。

A    事実ではありません。

申立人 え一、稼働手当が割増賃金であることを前提とした給与体系での勤務を拒否したという事実がありますか。

A    それも事実ではありません。拒否したことはありません。

申立人 8時間以上の稼働はしないと言い続けてきた。これは事実ですか。

A    そんなこと私は1回も言ったことありません。

申立人 他の従業員と同じ稼動手当を受け取っているのは、会社は、不当利得だというふうに表現していますが、おかしいと思いますか。

A    おかしいことです。

申立人 会社は団体交渉でも裁判でも、待機時間を休憩時間だと主張しましたね。

A    はい、そうです。

申立人 団体交渉で合意ができなかったんでしょうか。

A    合意は全くできませんでした。

申立人 裁判の判決は、待機時間はAさんの主張どおり拘束時間であると認定しましたね。

A    はい。

申立人 その中身はどのような中身であったか、簡単に言っていただけますか。

A    それは次の準備をしたり、いつも私は仕事のことを考えて、そんな休めるような状況ではなかったです。実際休んでもいませんでした。

申立人 普通のタクシーとは違って、空港便の待機時間は拘束性が高いという判決でしたね。

A    はい、そうです。

申立人 判決の言い渡しがあったのはいつでしたか、覚えていますか。

A    去年の4月13日です。

申立人 それは、Aさんが定年になった前ですか後ですか。

A    定年になった後です。

申立人 定年後のAさんの賃金では、嘱託雇用なんて稼働手当は一切支払われなくなりましたか。

A    はい、そうです。

申立人 会社は、稼動手当の問題については裁判の判決を待つと主張しているようですが、事実ではないですよね。

A    そうです。

申立人 すでに判決の前から定年を機に稼動手当は支払われなくなりましたね。

A    はい、そうです。

申立人 定年の問題についてですけども、甲の28号証見てください。

A    はい。

申立人 継続雇用制度における選定基準等に関する協定書、ですね、書いてありますね。

A    はい。

申立人 これは、申立人が団体交渉で要求して、会社に写しを交付させたものですね。

A    そうです。

申立人 はい。それまで、こういう協定書があったことを、A  さんは知っていましたか。

A    全く知りませんでした。

申立人 営業所に閲覧できるように、張り出されていたということはないですか。

A    そういうこともありませんでした。

申立人 はい。そういう協定書があるんだという説明を受けたことがありますか。

A    それもありませんでした。

申立人 A  さんは既に定年で嘱託雇用になった同僚から定年後の条件、契約の仕方などを聞いていましたか。

A    はい、聞いていました。

申立人 既に定年になった方から聞いたと、陳述書にありますが、1人はEさんですね。

A    はい、そうです。

申立人 あともう1人の名前が分かりますか。

A    はい。Fさんです。

“申立人 はい。Fさんからいつごろ聞いたかっつうのは覚えてますか。

A    去年のうちです。

申立人 去年。

A    はい。

申立人 と、一昨年じゃなくて。

A    はい。

申立人 じゃ、1月、定年になる。1月。

A    あ、失礼しました。定年になる前なんで、一昨年になるのか。定年になる前の年です。

申立人 はい、まあ、分かりました。甲22号証を見てください。

A    はい。

申立人 2018年12月25日、Aさんがつけているノートの写しですね。

A    はい。

申立人 「9時45分から9時55分、会社奥の机、Mさんがいて、一言も発せず。H所長がAさんに対して、『このクソ会社、Aさん、定年でやめるでしょう』と聞いてきた」とありますが、事実に間違いないですね。

A    はい、事実に間違いありません。

申立人 Aさんは、「いや続けます。組合を通じて連絡します。」と答えたとありますね。

A    はい、そうです。

申立人 間違いありませんか.

A    はい、間違いありません。

申立人 このクソ会社と言ったのはAさんではなくてHさんですね。

A    そうです。

申立人 Iさん、Nさんに対して、クソみたいな会社頼まれても残らないといったことがありますか。

A    ありません。

申立人 同じノートの中にH狂ってる、冷静さを失っていると書いてありますが、それほど異常な感じだったのでしょうか。

A    はい、そうです。

申立人 被申立人はAさんの評価について準備書面3で書いていますが、評価について聞いたことがありましたか。

A    いいえ、ありません。

申立人 評価が低いよと、こういうことを直してくださいよと言われたことがありますか。

A    ありません。

申立人 評価が低いことで何か処分や、賞与が他の人より下がったということがありますか。

A    ありません。

申立人 U社長の陳述書に、これは、乙、乙13号証を開いてもらっていいですか。

A    はい。

申立人 これは宇都宮社長の陳述書です。9ページ。上2行目のところに、「A氏は、他の従業員の前で、大きな声で『こんなクソみたいな会社辞めてやる。定年になっても頼まれても嫌だ』などと吐き捨て、事ある毎に周りの従業員に聞こえるように大声で当社を中傷する態度を示し続け、他の従業員に大変不快な思いをさせ続けた」とありますが、そういう事実はありますか。

A    そういう事実は一切ありません。これは多分、私と、もう1人の人、間違えているんじゃないでしょうか。今は大きな声出しても、普段はほとんどそういうことは私は言いません。

申立人 Cさんと間違えているということですか。

A    そうです。

申立人 今にこの会社にとんでもないことが起きるぞ、潰れるぞなどと暴言を吐き続けたことがありますか。

A    ありません。

申立人 その同じページの2のところですけども、「A氏は、業務でミスがあっても全く謝らず、事ある毎に組合の名前を出し団体交渉だとわめきちらし、当社の業務指示に従いませんでした。A氏は、日々の業務命令と組合の団体交渉とを混同しており、日々の業務命令においてすら支障が生じていました。」、思い当たることがありますか。

A    ありません。

申立人 「A氏は、当社が点呼時間を指示しても守らず、混むからと言って早く営業所を出発するのですが、結局現地で長く待つことになり、当社がそのことを何度注意しても全く聞く耳を持ちませんでした。」、このようなことがありましたか。

A    ありません。一言加えると、営業所では、営業所からお客様への到着時間をパソコンで時間を出していました。実際のかかる時間ではありません。実際は渋滞すると、そうするとお客様に着く時間が、遅れることになります。あるいは1時間ぐらい走るとトイレに行きたい時間もあります。だからその時間では、行けません。実際に行く時間とパソコンの時間は違うので、そのことを会社側は混同していました。

申立人 Aさんは、運行管理者の資格をお持ちですね。

A    はい、私は貨物も旅客も両方の運航管理者の資格を持っております。

申立人 点呼を行えば、出発してもいいんですよね。

A    そうです。

申立人 点呼時間を指示しても守らずっていうのは意味が分かりますか。

A    分かりません。

申立人 逆にAさんは、勤務時間外にコースを下見したりしていたというふうに聞いていますが、事実ですか。

A    はい、事実です。

申立人 会社の乗合タクシーにはですね、カーナビが付いていますか。

A    付いていません。

申立人 会社でカーナビは付けてないんですね

A    はい、付けてないです。

申立人 そうすると、カーナビは使わない、原則使わないということでしょうかね。

A    私は、カーナビはバックの中に入れておきました。運行中は、普通は原則使いません。

申立人 不安だから、下見をしてたわけですか。

A    安全を確実にするためです。

申立人 はい。それは業務時間外に見に行っていたということですよね。

A    はい、そうです。

申立人 同じ宇都宮社長の陳述書10ページ、5のところで、「当社は『お客様が先で利益が後』との運営方針により経営しておりますが、A氏は会社において『利益が先でお客様が後』などと何度も大声で話」したとありますけど、これは事実ですか。

A    事実では全くありません。

申立人 思い当たることがありますか。それはない、ないということ。

A    確か、当時のI営業所長が、お客様が先で利益が後などということは、違うよと私は言われたことを、覚えております。

申立人 あと、これらの会社の話は、嘘だということでよろしいでしょうか。宇都宮社長のこの陳述書でAさんの問題点として挙げたことは、事実ではありませんね。

A    はい、事実ではありません。さっきも申し上げたとおり、私どもう1人の組合員を混同して、書かれています。

申立人 はい。私から以上なんですが、最後に言いたいことがあれば、お願いします。

A    はい。労働組合というものは、日本国憲法によって、認められています。よって、労働組合員に対して、差別したり、排除したりする行動は認めることはできません。よって、私は組合が要求している37万円、それと、失業給付金の不足分17万円、計54万円を当労働委員会で認めてくださるよう、強く強く要望いたします。それと、こういう現下の国の状況を鑑みる時に、できるだけ速やかに判決を出していただきたいと、結論を出していただきたいと強く思います。以上です。

申立人 あと、Bさんなんかある。いい。

B補佐人 はい。

審査委員長 よろしいですか。では、被申立人側から反対尋問の方お願いたします。

宇都宮司被申立人   はい。乙1号証を示します。これは、あなた方組合員3名が、平成28年10月28日に前橋地方裁判所に提起した割増賃金等を請求する訴訟の判決ですね。

A    …。

被   乙1号証。これは、組合員3名で、前橋地裁に提起した割増賃金等請求訴訟の判決ですね。

A    はい、そうです。

被   この訴訟において、稼動手当が固定残業代に当たるか否かと労働時間が主な争点でしたね。

A    …。

被   稼動手当が固定残業代に当たるのか、それと労働時間が主な争点でしたね。

被   あなたが、起こしたものですけど。

A    それも一つの取り方だと思います。

被   はい。主文3項において、訴訟費用の判断がなされています。訴訟費用を6等分して、そのうちの1を会社の負担、それ以外を組合員3名の負担としていますが、よろしいでしょうか。1ページ目の、下から2行目の3番。訴訟費用を6等分して、そのうちの1を会社負担、それ以外を組合員3名で負担されている。よろしいですか。

A    …。

被   判決の内容ですけど。

A    もう一度言っていただけますか。

被   乙1号証の1ページ目、下から2行目に3って書いてある。

A    うん。

被   読めると思いますけども。訴訟費用は原告Aと被告との間に生じたものはこれを6分し、その1を被告の負担とし、その余は原告Aの負担とし、原告Cと被告との間に生じたものは原告Cの負担とする」って書いてありますよね。

A    はい、あります。

被   それを聞いてるんですが、よろしいですね。

A    はい、よろしいです。

被   これは会社の主張が6分の5認められ、あなたの主張が6分の1だけ認められたということだと思いますが、それは理解していますか。

A    それは私には分かりません。

被   分からない。理解していないんですか、この内容。

A    費用の負担については、私は…

被   見解じゃなくて、6分の5が会社の言い分が認められて、6分の1があなたが認められたっていうその事実は理解していますか。

A    理解しておりません。

被   理解していない。

A    はい。

被   その理由は、理解されていないんですか。これ理解していないっていう、裁判の結果を理解してないっていうことですか。

A    訴訟費用については、私は詳しい知識を持っておりませんので、理解できません。

被   じゃ、裁判の結果は理解しないで今ここにいらっしゃるということですか。

A    結果ではなくて訴訟費用について理解してないと言ってるんです。

被   費用の額のことですか。

A    訴訟費用です。

被   6分の5が会社が認められて、6分の1があなたが認められたという事実を理解してないっていうことなんでしょうか。

A    訴訟費用と…

被   訴訟費用というか、ここに書いてある6分の5、6分の1と書いてあるわけですけども。

A    だから、その金額を負担すると、そういう事実だと思っています。

被   うん。そういう事実ですね。主張の6分の5、会社が認められて、6分の1があなたが認められたという事実が分かっているということでいいですね。

A    いえ、この訴訟費用の負担と言い分がどのくらい認められたかっていうのは、私は今まで考えたことはなくて、今初めて質問を受けました。

被   6分の5認められているんですけども、事実としてここに書いてありますが、それはつまり、稼動手当が固定残業代に当たると判断されているということでよろしいですか。

A    いや、これは何度も私は繰り返してるとおり、訴訟費用とどのくらい認められたことの関連性にっいては、今初めて聞くんで、そういう知識もありませんしそれは分かりません。

被   乙1号証の10ページをお開きください。一番最後に稼動手当と書いてあります。よろしいですか。

A    はい。

被   12ページをお開きてください。下から6行目。途中から、「そうすると」とありますね。「そうすると、稼動手当の支払をもって、原告らの時間外労働等に対する賃金の支払と見ることができる」とこう書いてありますが、これはお読みになってますか。

A    もちろん読んでおります。

被   もう1回言います。「稼動手当の支払をもって、原告らの時間外労働等に対する賃金の支払と見ることができる」と書いてあります。もう一度聞きますが、会社の主張が6分の5認められ、あなたの主張が6分の1だけ認められているということですが、その理由が、稼動手当が固定残業代に当たると判断されたからということでよろしいですか。

A    その辺の細かいところは、この一文だけを見て判断するんじゃなくて、全文を見て判断しないと、私にはそうだ、違うとか言うことできません。

被   あなたはこの判決に納得していますか。

A    …。判決に納得していると言えば納得している、納得していないとしたらしていないということです。

被   どっちかでお答えください。していますか。

A    している部分もありますし、していない部分もあります。

被   分からないということですね、内容を。

A    分からないじゃありません。

被   じゃ、どちらですか。

A    はい。

被   イエスかノーでお答えください。

A    判決について納得している、あるいは…。

B  イエスかノーかっていう判断を一方的にするのはおかしいですよ。

被   いやそういう場所ですから。

B  判決の内容についてね、一部認める・一部認めないっていうのはあるから。

被   じゃあ、稼動手当が固定残業代に当たるということに納得していますか、していませんか。稼動手当が固定残業代に当たるということを裁判所は言っていますが、これに納得していますか、していませんか。

A    失礼ですけど質問がよくないと思います。やっぱり全体を見て、判断しないと。

被   いや、お伝えしています。稼動手当が固定残業代に当たると12ページに書いてあると申し上げましたが、それを受けて、このことに対してあなたは納得していますか、してませんか。このことだけに関して。

A    それは納得していません。

被   はい。今でも納得していないんですね。

A    もちろん納得していません。

被   はい。あなたはこの裁判で稼動手当を割増賃金として控除せずに請求していますね。

A    …。

被   あなたはこの裁判で稼動手当を割増賃金として控除、抜かないで請求していますね。時間外の手当から、稼動手当を抜かずに、稼動手当プラス時間外手当を請求してますね。

A    …。

被   あなたが請求したことについてお聞きしていますが。

A    細かいところは、弁護士に任せていましたんで。

被   そうですか。あなたは固定残業代足す時間外を請求しているのか、それとも時間外から固定残業代を引いて請求してるか知らずに、今いらっしゃるということですか。

A    だから、その固定残業制っていうのは、僕らの主張は、労働時間の何時から何時まで働いたと。それもきちんとできていないで、固定残業制の成立する余地はないと、そういう主張です。

被   時間の測り方を聞いてるんじゃなくて、あなたがこの裁判で請求したんですよね、お金を、あなたが。

A    そうです。

被   はい。そこには固定残業代を、時間外と認めて請求してるんですか。それとも、いや、じゃ、稼動手当は固定残業代なんですか。イエスかノーでお答えください。

A    それもさっき申したとおり、固定残業制もいろんなものがあるし、あるいは…

被   はい、結構…です。

A    はい。

被   稼動手当が固定残業代として、認めているのか認めてないか、答えられない状態で今いるということですね。

A    この稼動手当で固定残業代で、普通は認めることはできないんじゃないでしようか。

被   イエスかノーで答えてください。

A    じゃあ、認めないってことはノーってことですか。

被   ノーですね。聞かれても困るんですが。あなたは稼働手当を固定残業代として認めていないということですね。

A    だから、中央タクシー株式会社の固定残業制は…。

被   すいません。

A    何時間分と含まれてるとかそういうの全然なく、何時から何時まで始まったってことも示してなく、残業代何時間も分からず、これが固定残業制として認めることができるでしょうか。

被   それは、そういう評価を聞いてるんじゃなくて、あなたが、稼動手当というものを固定残業代と認識しているかいないかという質問に答えられない状態で、今あなたはそこに座っているということでよろしいですか。

A    ちょっとこの細かい質問なんですけども、その固定残業制っていうのは、普通認められる固定残業制もありますし、これは認められない固定残業制です。中央タクシーの固定残業制については。

被   中央タクシーの話じゃ…。あなたが今、ああ、いいです。分かりました。結構です。あなたは、何度も言いますが、稼動手当が固定残業代だと認めているかいないか、答えられないということでいいんですかね。

A    だから、私の方も何度も何度も言うように、認められる固定残業制、認められない固定残業制もあります。

被   質問を変えます。もう一度。あなたは裁判で、時間外請求をされましたよね。

A    はい。

被   その時間外請求した額は、稼動手当を、時間外手当から稼動手当を抜いて請求したんですか。それとも、稼動手当プラス時間外で請求されてるんですか。とても大事な話なんですよ。イエスかノーで答えてください。

A    いや、それもさっき言ったように、細かいところは、弁護士先生にお任せいたしました。

被   分かりました。ではあなたが、今回のこの判決において、判決の評価、固定残業代があなたは含まれて請求しているかしていないかということを知らないで、あなたはこの裁判を評価しているということなんですね。弁護士先生にお任せですか。

A    だから、何度も言うように、固定残業制って言っても、いろいろあるわけです。

被   はい。

A    例えば…。

被   結構です。

G補佐人 話させてくださいよ。

被   では、乙6の2を示します。乙6号証の2、本件において、会社は雇用継続を前提に対応したということでよいですね。あなたが定年されて、いった時にですね、会社は雇用継続を前提として対応したということでいいですか。

A    いいえ、違います。

被   会社はあなたを雇用継続しないと言ったんですか。

A    そうです。

被   いっ言ったんでしょうか。

A    それは私の陳述書にあるとおりです。

被   あなたは、会社が、あなたの陳述書ですか。陳述書の内容を簡単に言ってもらえますか。会社があなたを雇用しないと言ったのは、いつ、誰がどのように言ったんでしょうか。

A    だから陳述書を詳しくは見てください。

被   いや、今お答えください。

A    それは、もう会社を辞めるでしょうと。最初から隣に座っているH群馬営業所長は私に言いました。すごい辞めるでしょうと。最初から言いました。

被   あなたはなんて答えたんですか。

A    いえ、陳情書にあるとおり、継続しますよと答えました。

被   それに対して会社は、じゃあ、あなたの答えに対して、じゃあ辞めなさいとは言いましたか。それともやることを前提に話をしましたか。

A    継続審議になりました。

被   つまり辞めろとは言ってないということですね。辞めてくださいとは言ってないということでいいですか。その後、そのようなことがありましたか。いいえ続けますと言った後に会社が、いや辞めてくださいというようなことを言ったことがありましたか。

A    それも強く言われました。

被   いつ誰に言われましたか。

A    陳述書に書いてあるとおりです、詳しくは。

被   今お答えください。

A    陳述書に書いてあるとおりです。読んでください。

被   お答えできないということですね。陳述書がないと。

A    その前に陳情書を読んでください。

被   いや、私が聞く質問ですので。記憶がないということでよろしいですか。曖昧ということでよろしいですか。

A    最初からその日に、隣に座っているH営業所長が、群馬営業所長が、もう辞めるんだろうと。

被   それは先ほどの話です。その後の話を聞いてます。それから会社があなたの返事を聞いて以降、会社があなたを辞めるんですね、辞めてくださいといったようなことがありましたか。イエスかノーでお答えください。

A    それはなかったと思います。

被   はい。これまで会社が、あなたを定年後、雇用を継続しないと主張したことはないということですね。同じことを聞いてます。

A    最初はありましたけど、次回から継続審議と、そういうふうになりました。

被   はい。そこは争いがないということでいいですね。あなたは辞めろ辞めろと言ってたわけじゃないですね。先ほどの事実かどうかは別にして、ですから、どうかは別にしてというか、Hさんがそういうことをお尋ねして、あなたが答えた。それ以降、辞めろ、やる、そういう話はしてないということでよろしいですよね。

A    それはしておりません。

被   はい。こちらの第2条。

申立人 委員長。あれ、スマホとかいじってていいんですか。

審査委員長 はい。

申立人 Hさんがスマホを。

被   これ共有できないんで、写真を。文書の共有ができないんで写真を。

審査委員長 録音とかっていう意味でおっしゃったんですか。

申立人 いや、あの。

審査委員長 スマホ自体で同じものですか。

申立人 はい、そうです。

審査委員長 スマホ自体で同じものであれば、録音とかそういうことをされているんでないんあれば、あまり一緒に見ていただくっていうのも。

申立人 何やってるか分かんないですよね、だけど。

審査委員長 まあ、そう。

被   じゃあ、やめても結構ですよ。

審査委員長 じゃあ、なるべく一緒にその記録を見るようにしてください。

被   はい、コロナなんでちょっと気をつけるようにしました。

審査委員長 そうですね。はい。

被   乙6号証の2の続きですが、第2条第1項、雇用契約対象者の選定基準が記載されていて、会社はあなたの勤務態度は同条の要件を満たさないとは主張していますが、本件では、継続雇用は前提としているので、その点で争いがないということでよろしいですね。

A    …。

被   すいません、時間何時まででしたっけ。

審査委員長 35分から始まりましたか、そうすると3時5分までを。

被   第2条第1項、下から1、2、3、4、5、6行目ですね。(6)っていう下です。大丈夫ですか。雇用を、契約対象者の選定基準ですね、記載されていますが、会社は、あなたの勤務態度は、同条のここに書いてある要件を満たさないとは私たち主張していますけれども、この労働委員会の件では、継続雇用、先ほど、ね、継続するかしないかっていう継続雇用に関しては、継続するんだということを前提で話していますので、ここを争ってるわけじゃないっていうことでよろしいですか。

A   はい。

被   はい。第2条第2項ですが、「前号各号に選定基準を満たしている場合であっても、定年退職日の前日までに、会社の提示する労働条件等に正当な理由なく同意しない者は継続雇用しないことがある」と記載されていますが、いいですかね。書いてありますね。大丈夫ですか。あ、ごめんなさい。これ、ここは(6)の下ですけども。書いてある。分かりますね。そこに、この条文を素直に見れば、労働条件について、定年前と定年後では異なることもあるということを前提として書いてあると思いますが、そう読めますか。

A    よく分かりません。

被   はい、分かりました。続いて第5条、「労働条件等の提示」って書いてあります。「会社は、前条に基づき従業員から継続雇用を希望する旨の申出を受けたときは、定年退職日後の労働条件等について具体的な内容を検討し、その結果を定年退職日の1ヶ月前までに本人に提示する」と書いてあります。この条文を素直に見れば、労働条件については定年前と定年後では異なることもあるということを前提として書いてあると思いますが、よろしいですか。そのように読めますか。

A    いやこの文章を、見たことがありませんでした。

被   はい、分かりました。この証拠が出た後もお読みになってないということですね。これ団体交渉でも提出を求められて出しておりますが、あなたは、その以降もこれについて理解してないということでよろしいですか。

A    ちよっと難しくてざっと読みましたけども、あまりよくは分かりません。

被   結構です。乙2号証を示します。乙2号証、これはあなたが作成したものでよろしいですか。乙2号証。

A    はい、そうです。

被   当然事実を記載していますね。

A    そうです。

被   はい。内容は間違いないですね。

A    内容、突然言われても間違えないかどうかって、それは。

被   嘘は書いていないということでよろしいですね。

A    はい。

被   はい。定年前の勤務は、他の従業員の労働時間よりも極端に少ないということは認識していますか。

A    私は、言われた指示命令を、そのとおり忠実に安全に配慮して運行していました。自分のことでやるので、命がかかってるので精一杯でした。

被   その運行が他の入と比べて極端に少ないという認識はされていますか。

A    いや別にしていなかったです。

被   はい。甲30、していないんですか。

A    はい。

被   この記録を見ますと、例えば、最初5時間、次のページは大体6時間。6時間ですね。1月7日は大体4時間ぐらい、1月9日なんかは2.5時間ですが、こういった時間をあなたは他の人と比べて少ないとは感じていないということでよろしいんですか。

A    他の人がどのくらい労働してるかっていうのは、私は関心がありませんでした。

被   はい。じゃあ、甲31を示します。これは2020年の団体交渉の反訳したものですよね。よろしいですか。

A    はい。

被   甲31号証は、組合側から提出された証拠であるので、ここに記載されたあなたが発言したことは、発言したということで間違いないですね。嘘が書いてあるわけじゃないですね。あなたの発言はあなたの発言として書いてあるということで、よろしいですか。

A    だと思います。

被   21ページ5行目。「U 周りの社員さんからの評価はあまりよくない。A    うん。あんまり働いていないからでしょ?それはいいんだけど。」、書いてありますが、そう記載されていますね。これ間違いないですね。言ったかどうがじゃなくて、これ記載されているかどうかお答えください。

A    もう一度、何行目か言っていただけますか。

被   はい。21ページ、大丈夫ですか。

A    はい。

被   1、2、3、4、5行目。

A    はい。

被   「周りの社員さんから評価あんまり良くない。A    うん。あまり働いてないからでしょ?それはいいんだけど」と書いてある。よろしいですか。

A    はい。

被   はい。空港便の運転業務は運行をどれだけ行ったかが、会社への貢献に直結することは理解できますね。

A    それも一つの要因だと思います。

被   はい、あなたは今でも定年前会社への貢献は高かったと考えているんですか。

A    というよりも、安全第一なんで…。

被   イエスかノーでお答えください。

A    そのとおりできたんで、自分なりにはよく働いたなと思っております。

被   はい。今もその考えは変わらないということで。

A    はい、変わりません。

被   会社や同僚からのあなたの評価は必ずしも高くありませんが、その高くない評価をあなたは理解できますか。

申立人 異議あります。事実じゃないですよ。評価が低いっていうのは事実じゃないですよね。

被   なんですか。判定の中での部分も出てますので、雇用継続に関する評価等でも出ています。

申立人 従業員…。

被   それは従業員の方の言っていることも基づいてやってますので、もう一度聞きます。会社や同僚からのあなたの評価は必ずしも高くありませんが、この評価を、その高くない評価あなた、理解することができますか、できませんか。

A    それについてはよく分かりません。

被   どうして分からないんですか。

A    評価というのを文字で見たこと、客観的なデータを見たことはありませんから。

被   客観的なデータ以外で、あなたは客観的なデータか客観的なデータ、あなたが、同僚や、会社からの評価は高くないんですね。会社からの評価は高くないという判定が出てるわけですけども、それに対してあなたは理解できますか、できませんか。

A    おかしいことはおかしいというふうな反対意見を言ってそうすれば、低く見ると、それはちょっと違うんじゃないでしょうか。

被   理解できるかできないか。

A    いや、私はそれは理解できません。

被   はい。

A    一言申し上げてよろしいですか。

被   いや、結構です。

A    委員長、よろしいですか。それについて。

審査委員長 質問事項に答えていただく時間なんで。

被   話は変わりますが、組合が令和1年12月28日付の要求書で求めた団体交渉は、令和2年1月9日に実際に行われていますね。令和元年12月28日付の要求書で求めた団体交渉を、令和2年1月9日に開催してますよね。

A    細かいことについては今、分かりません。

被   はい。開催されていますよね。令和2年1月9日。去年のね、1月の新年になったばっかり開催しましたよね。覚えてないんですね、記憶ないんですね。

A    その日付がいつかというのを、今、はっきりと分からないということです。

被   じゃあ、その程度の記憶ということで。その際に、組合が要求した協定書について、会社側から交付を受けていますよね。その際に、組合が先ほどの協定書を出しなさいと言ったんで、会社から出してますよね。先ほどの文章、ちょっと覚えてないようです。読んでないっておっしゃってましたが、平成25年3月25日付の継続雇用制度における選定基準に関する協定書、私はこんなの見たことがないと、先ほど言ってましたけど、それを会社が出したんですけども、覚えてますか。

A    覚えております。

被   はい。つまり会社は組合の希望どおりに団体交渉を開催しましたね。開催してと言ったんで開催しました。

A    それは私が担当してなかったんで、詳しいことはよく分かりません。

被   協定書をもらったのは、覚えてるんですよね。

A    あ、それは覚えております。

被   つまり団体交渉が開催されたということでよろしいですか。そのもらった時の団体交渉、開催されているわけですよね。

A    開催はされました。

被   令和2年4月1日要求書における団体交渉の開催が、今回問題となっていますよね。今回の労働委員会で問題になっているのは、令和2年4月1日の要求書、甲8号証です。

A    …。

被   それが問題になってますよね、今回。

A    …。

被   甲8号証ですね。当時、甲8号証のこれが問題になってるんですよね。分からないですか。当時、社会において、コロナウイルスの感染問題がこのとき問題になっていましたよね。いかがですか。去年の…

A    問題が始まった当時ですかね。

被   はい。あなたはフェイスシールドして、会社にも来てましたけど、問題になってましたよね。ちょっとあの頃ですけども。

A    いや、私はフェイスシールドをして、会社に出勤したことは1度もない、と思います。

被   写真がありますが、まあ、結構です。会社は、組合からの団体交渉の開催要求の要求書に対して、書面ですべて返答していましたね。

A    いや、それは私にはよく分かりません。

被   甲8号証の要求に対して、甲9号証でお答えしてます。甲10号証の要求に対して、甲11号証でお答えしています。これはよろしいですか。

A    そんなに早く言われても、見ることはまだできていません。

被   この文書をあまり見たことはないということでよろしいですね。会社は、団体交渉開催の要求の返答として、書面で質問して欲しいとお願いしましたよね。

A    私が、そういう担当してなかったんで、具体的にはよく分かりません。

被   会社が書面でお願いしますつていうことに対して、分からないんですね。それをあなたから、不当だというふうに言われてるんですがそれが分からないということなんですね。分かりました。それに対して、組合側としては、会社側へ質問したかどうかってのも分からないってことですかね。これ今回の不当労働行為だと言われてる問題に対して御質問してるんですが、それは組合のことなので、Aさんには分からないということを、今、あなたはお答えしてると思うんですがそれでよろしいですね。

A    その辺については、私はしっかり、学習しておりません。

被   はい。では、その質問しなかった理由もわからないということでよろしいですか。

A    …。さっき答えたとおりです。

被   組合側が、会社側へ質問のね、文書でしなかった理由も当然分からないですよね。

G  すいません、ちょっと時間が。

審査委員長 あとどのくらいですか。

被   あと1、2問です。申し訳ございません。

審査委員長 手短にお願いします。

被   その後、緊急事態宣言が解除された後の令和2年4月16日付けの要求書、甲13号証ですが、に対して、会社は6月5日に団体交渉をしていますよね。緊急事態宣言終わった後に、団体交渉しましたよね、覚えてますか。

A    よく覚えておりません。

被   あなたが何回も要求した団体交渉を開催したことを覚えてないということなんですね、分かりました。6月5日の団体交渉において、組合側は当然交渉したい内容をテーブルに上げて、交渉していますよね。ていうか、団体交渉した記憶がないんですから、この質問もわからないですかね。

A    よく分かりません。

被   あなたは団体交渉をしましょうと言ったんだけど、私たちもさせていただいたんですが、それが記憶にないということは、その団体交渉で、組合側が当然交渉したい内容をテーブルに全部上げて交渉したと思うんですけど、それもよくわからないということですかね。

A    多分、その当時私はすでに解雇されて、いたと思います。

被   あなたは、じゃあ、その団体交渉にいなかったんですか、いたんですか。

A    もう大分昔のことなので記憶にありません。

被   なるほど。よく分かりました。その後、組合から会社に対して、団体交渉の申し込みはしていませんね。

A    私にはよく分かりません。

被   分かりました。以上です。

審査委員長 はい、再主尋問ございますか

申立人 はい、申立人の清水から再主尋問ですが、乙1号証の裁判の判決文についてですけれども、控訴しなかったのは納得したからではないですよね。

A    納得したからではありません。

申立人 本当はやりたいという意向でしたね。

A    はいそうです。

申立人 しかし、会社から解雇された経済状況、それから、経済状況をね、解雇されて、生活していくね、先行き、長年にわたって控訴で裁判を続けていく自信がない、ということがありましたよね。

A    はい、それもありまして先ほど申し上げたとおり、一番の理由は中央タクシー株式会社という会社が、そんなにもたないんじゃないかと、途中で終わりになってしまうと。そしたらその場で終わりでそういうことを考えた時にはもう、手堅くやったほうがいいんじゃないかなと私は思ったからです。

申立人 はい。その裁判を続けるっていうことと、解雇撤回を求めるっていうことは関係がありましたか。

A    …。

申立人 質問を変えますけれども。本件の救済申立ての中でも、最初は地位の確認を最初は求めると、解雇撤回を求めるという中身でしたよね。

A    はい。

申立人 被申立人の経営状況、あるいは、群馬営業所がね、もうなくなったということ、それから長期間のね、裁判含め労働委員会を続けるっていうことも、ちょっと不安があるということでしたよね。

A    そうです。

申立人 はい。裁判の方も、それも含めてやりたいけどもちょっと難しいということでしたよね。

A    はい、そうです。

申立人 はい。決して内容的に納得をしたということではなかったですね。

A    はい、そうです。

申立人 はい。それで、判決では、稼働手当は固定残業代であるという内容になっていますけれども、その前提としてね、採用の際に、固定残業代、稼動手当は固定残業代であるという説明をしたというふうに認定されているようですが、そういう説明をされたという記憶がありますか。

A    それはありません。

申立人 はい。そういう稼動手当が固定残業代であるという説明をどこかで受けたということがありますか。

A    それはありません。

申立人 はい。その点でも不満が残っているということでよろしいですね。

A    はい、そうです。

申立人 それから、裁判費用の問題ですけれども、それは、請求した額が大きかったということで、実際にね、判決の額が少なかったっていうことという理解でよろしいんですかね。請求した額が大きかったっつうことで、その差が出たということかなと思うんですけど、どうですかね。

A    その辺は先ほどもちょっとよく分からないんですよ。

申立人 いいです、分かりました。はい。何かありますか。

審査委員長 よろしいですか。

申立人 はい、じやあ、以上で。いい。

審査委員長 ありますか、いい。

B  いいです。

審査委員長 よろしいですか。再反対尋問、ありますか。

被   今のお話で、裁判の内容には、納得してないということですよね。そして、稼動手当が固定残業代であるということを、判決の中で認められてるということを前提に立ってるということでいいということですよね。今、お話、そうですとおっしゃいましたけど。

申立人 私、いいですか。

被   清水さんの質問に対してAさんがそうですと答えましたので確認してますが、稼動手当が固定残業代に当たるという判決であったということを、理解しているということですよね。先ほど質問、私、ただ繰り返しているだけですけど。それでその質問されましたよね。

A    まあ、そういう理解も一つの理解だと思います。

審査委員長 よろしいですか。

被   先ほど言ってたことを繰り返しただけです。

審査委員長 では、私の方から、少しお聞きします。主尋問でも出てたんですけれども、証人の書かれた陳述書、甲32号証に、定年を迎えた被申立人従業員2名から、被申立人では、定年前と定年後とで給料は同じである旨を聞いたということを書かれてますけど、ということですね。

A    はい、そうです。

審査委員長 はい。1名が、先ほど出たEさん。

A    はい。

審査委員長 もう1名はFさん、ていう方。

A    はい、そうです。

審査委員長 「〇」は、字は普通の「〇」。普通の「〇」って言ったら変ですけど。この。

A    これ、なにかんむりだ。

審査委員長 これね、普通の「〇」ですね。に、「×」ですか。

A    はい。

審査委員長 Fさんという方で、どういうふうに何て聞きましたか、何てっていうか、どういう表現で言われました。

A    もう60歳になったんだけど、給料とか条件とかいろいろ変わりましたかと聞きましたところ、2人とも異口同音に同じだ同じだと、何も変わんないよと。そういうことを言われましたんで、私は安心していました。

審査委員長 はい。で、もし分かればですけども、FさんとEさんっていう方たちは、時間外労働はされてたんですか。

A    していたと思います。

審査委員長 そうすると、Aさんは、1日、乙2号証見ても概ね1日、休憩時間1時間入れて、9時間以内で働いていらしたということで、時間外労働はされてはいなかった、ということになりますか。

A    それは会社の指示命令で働いてたとおりで、結果として私はそうなったんですかね

審査委員長 結果として、はい。そうですか。他に、従業員、Aさんの他には、このジャンボの運転される方は何名ぐらいいらしたんですか。

A    多い時には、群馬営業所、所員全員で、約30名ぐらいいました。

審査委員長 そうなんですか、はい。Aさんとすると、他の人より自分の労働時間が少ない?ていうかどうかっていうのはあまり認識はしていなかった。

A    そうです。

審査委員長 はい。で、Aさんの方からもっと配車して欲しいとかそういうことを言ったこともない。

A    何もありません。

審査委員長 ないんですね。

A    はい。

審査委員長 はい。他にどなたか御質問よろしいでしょうか。よろしいですか。では、よろしいでしょうか。では、席にお戻りください。

B元分会長の証人尋問

小暮審査委員長 では、尋問される方は最初に氏名を名乗ってから尋問を始めてください。また新型コロナウイルス感染防止のため、尋問は原則として証人席に近づかないようにし、御自分の席でされるようにお願いいたします。では始めてください。

清水彰二申立人 申立人、執行委員長の清水から、主尋問を行います。甲33号証を見てください。

B   証人はい。

申   これはあなたが書いた陳述書で間違いないでしょうか。

B   はい。間違いありません。

申   ここに書かれてある内容にも間違いはありませんか。

B   はい。間違いありません。

申   2015年の6月に、あなたは群馬合同労働組合に、加入したので間違いないでしょうか。

B   はい。間違いありません。

申   その頃、国土交通省が出していた旅客運送事業者の拘束時間に関する改善基準告示に、違反する事例が中央タクシーにはあったのでしょうか。

B   はい。ありました。、

申   え一と、どのような。基準告示では…

B   一日13時間の拘束時間と、それから15時間以上週2日まで。最大16時間までという、拘束時間に関すること。それから運転時間が、二日合わせて9時間とか、二日平均9時間とか、前後の9時間とかそういう拘束時間に関連することが特に、守られていなかったと記憶しています.

申   はい。その基準違反をごまかすために、会社はどのような指示を出していましたか。

B   まず、タコグラフ、運行記録計を14時間程度で抜くようにという指示と、提出しても、赤ペンで不可という形で返されて、こんなの提出するな、というようなことは行われてました。

申   はい。改ざんを指示されたわけですね。

B   そうですね。はい。

申   スピード違反をしなければ間に合わないような業務状況だったというふうに聞いていましたが、事実ですか。

B   はい。2014年に、今の群馬営業所に転勤してきまして、新潟から。当時はですね、人数が10名ほどしかおりませんで、上里サービスエリアとの乗り継ぎ便、これだけでも間に合わなかったと。とにかくもうお客さんが迫ってるということで、スピードを出せと。そうするともう、130、140出さなきゃいけない。運行管理者にこんなことやってられないよと言えば、俺はスピード違反守ったことないと、140出して行けというようなことを、言われたということがございます。

申   そもそも人手不足が日常化していたということですか。

B   はい。そうです。

申   休みが、休日が休日ではないという話もありましたね。

B   はい。休日が一応暦上割り振られているんですけども、24時間深夜も勤務しますんで、朝、早朝の5時、6時に戻ってきて、その日は休日なんですけども、翌日の23時出勤、という形になってました。というのが結構ありまして、確実に24時間休日が取れるのは、月2回程度ある連休の2日間のみです、はい。

申   当然、従業員からの不満の声があったと思いますが、いかがですか。

B   はい。ありました。

申   不満の声を抑え込むために、会社が行っていたことはどういうことでしょうか。

B   時計型のですね、SDカードで保存できるですね、録音機をですね、事務所内に設置しておりまして、それを仕掛けておいて、ピンポイントで、パワハラ行為に準じるようなことを行っていたということです。

申   車両の整備や点検修理がおざなりだった、危険だったという指摘もされていましたね。

B   そうですね。例えば組合員の方にも提出したように、スリップサインの出たスタッドレスの履き古しをずっと履いていたということ、あるいは、群馬来てから見たのでは、後ろのサスペンション、板バネがですね、中で折れてるような状態、非常に振動もあるんですけどもそういう状態であったり、あるいは新潟の車両なんですけども、そういう状態で傾いたまま走行して途中でバーストしたり、あるいは、あれは313号車で黄色っぽい車が長野から来たんですけども、ボンネットめくるとですね左側のタイヤのホイールハウスがさびて穴が空いているんですね。そういう状況。あと、燃料の噴射ポンプから燃料が漏れる危険な状態で走行してたとか、そういう事例がかなり顕著に見られました。

申   はい。

B   あと、すいません。あと定期点検にも出してないと。3ヶ月の定期点検にも出してないっていう事例もありました。

申   はい。何とかしたい。運転手や乗客の命に関わる状況である、という思いから群馬合同労働組合に加入したということでよろしいですか。

B   はい。間違いありません。

申   あなたが加入したのに続いてAさんが加入しましたね。

B   はい。

申   Aさんの置かれた状況はどのようなものだと思っていましたか。

B   え一とですね、Aさんと元組合員の人、それからちょっとこう、口うるさいような人もいるんですけども、そういうような人に対しては、配車がきつかったように、印象がございます。時間が長い、ということですね。

申   人によつて、配車が恣意的で、差があるという状況でしたか。

B   そうですね。

申   宇都宮恒久会長について聞きます。

B   はい。

申   お会いしたことはありますか。

B   はい。

申   何回ぐらいありますか。

B   入社して、だいたい社員としては9年くらいですけど、4、5回いって。はい。

申   何か強い印象がありますか。

B   2013年にカンブリア宮殿という番組が出たんですけども、顧客サービスを優先するような、話を研修会の中でしていたという印象があります。

申   はい。宇都宮会長が書いた幸せのサービスという本がありますね。

B   はい。

申   読んだことがありますか。

B   はい。

申   どういう経緯で読んだんですか。,

B   2013年頃だったと思うんですけども、10月か11月だったと思うんですけども、全社員に配布されました。当時の。

申   はい。読んでみようかなと思って読んだということでよろしいですか。

B   はい。

申   甲35号証を見てください。2ページ。

B   はい。

申   下の方の段で、未経験者採用で純粋培養っていうところに、2行目ですかね。読みます。「当時の社内は労使紛争が絶えず、朝礼では、挨拶どころか、この『馬鹿野郎』と怒号が飛び交っていた。新入社員が入ってきてもすぐにヤル気を失ってしまう。『腐ったりんごは周りのりんごまで腐らせる』という状態だった。」というふうに書いてありますね。

B   はい。

申   それから、甲34号証。2枚目ですかね。本のページで言うと61ページ。真ん中ぐらいですけども、「その父の誘いで長野タクシーに行って、私は愕然とします。そこはとても会社の体をなしていませんでした。労働争議がこじれにこじれ、人の心が荒れ果てていました。」というふうに書いてありますね。

B   はい。

申   これを読んで何か感想が、思ったことがありますか。

B   労働組合に対する嫌悪感を持っていると、会社設立当初から持っていたと、思っているであろうというのは思いました。

申   甲26号証。19ページ。

B   はい。

申   いいですか。これは群馬県労働委員会の救済命令書ですが、(オ)のところですね、4行目。「確かに、I所長はBに連絡し、27年6月9日には『組合に加入したのは何か腹づもりがあってのことなのか』、『俺にすれば裏切られたみたいな』などと、同月11日には『既に弁護士も付けている』と発言し、また、宇都宮社長もBに対し、同月12日に『いきなりガシャーンとやったら会社は倒産』、『中で喧嘩している場合ではない』などと発言している。これらはいずれもBの組合活動を牽制しようとしたものと判断することができ、会社は組合の活動を快く思っていなかったことを窺わせる事実である。」こういう記載がありますね。

B   はい。

申   これ、こういう扱いを、Bさんが受けたときに、先ほどの会長の話と繋がりましたと。

B   はい。彼の言葉で言うと腐ったりんごの一人、一つだろうと思いました。

申   あなたが中央タクシーに入社した頃は、時間外割増賃金の記載がありましたね。

B   はい。ありました。

申   時間外、深夜、休日の手当が明細に記入されていたんですよね。

B   はい。

申   しかし調整給稼動手当という名称の手当と、割増賃金を合計すると、11万4600円の固定額になるっていうことが、後に分かりましたよね。

B   はい。

申   そういう説明を、あなたは会社から受けたことがあったでしょうか。

B   ありません。

申   群馬合同労働組合が、表計算ソフトのエクセルで入力してみて、初めて分かったことですね。

B   そうです。

申   会社はそういう賃金体系であることを、1度も説明したことはなかったですね。

B   はい。

申   従業員には分からないように偽装されてきたと思いますか。

B   はい。

申   あなた自身も、それまでは、割増賃金が支払われているというふうに、思っていましたね。

B   はい。

申   それが、一定額だという計算結果が分かるまでは。

B   そうですね、一定額ということが分かりました。

申   それが後に稼動手当という名前で一本化されて、同じ金額。11万4600円の固定額になりましたね。

B   はい。

申   この時に、なぜそうなったのかっていうことについての説明があったでしょうか。

B   ありません。

申   この頃会社は、どういう説明をしていたか覚えていますか。

B   当時の説明ですと、年俸制だということで、説明がありました。

申   年俸制。

B   はい。

申   固定残業代だということではなかったわけですね。

B   はい。

申   その後新入社員には稼動手当の11万4600円は固定残業代だと説明されるようになったんでしょうか。

B   新入社員に対して会社説明会をしたのは、Aさんが入社した当時からで、おそらく説明したとされるJさんっていう方も理解してなかったんではないかと。雑談の中でも、これどういうことっていう質問にも答えられていなかった。疑念が残ります。

申   それまで、Aさん達の前は、新入社員に説明会もしてなかったんですか。

B   ありません。

申   この時に、固定額になぜ変更になったか分かりますか。

B   はっきりとしたことは分からないんですけども、団体交渉の中で、労基署のアドバイスを受けたという返答をされておりましたので、何らかの指導なり、是正勧告なり、あったのではないかなと。まあこれ推測ですけども。

申   はい。固定残業代が、そもそも固定残業代だという認識を、どれだけの方がされていたか分からないんですけれども、その固定残業代が何時間分の残業代になるか分かる人がいたでしょうか。

B   それがいないんですね。

申   はい。それから36協定も問題がありましたね。

B   はい。

申   点呼もきちんとされていなかった。

B   そうですね。当時は、夜間は運行管理者一人もいませんでした。

申   はい。休憩時間も明確ではなかったですね。

B   はい。

申   そもそも、取れていましたか。

B   ほとんど取れていないです。

申   団体交渉の中で、待機時間が休憩時間だと会社は主張しましたか。

B   はい。

申   この点については会社と組合で合意はできたでしょうか。

B   できておりません。

申   団体交渉では合意はできると思いましたか。

B   思いません。

申   結局裁判で時間外労働について争うしかないと思ったということでしょうか。

B   はい。

申   Aさんが原告となった裁判にあなたも当初、原告として加わっていましたね。

B   はい。

申   待機時間については原告の主張どおり全て労働時間だという判決でしたね。

B   はい。

申   2018年9月30日に全中央タグシー労働組合の結成大会が開かれましたね。

B   はい。

申   何名が加入手続きをしたのでしょうか。’

B   22名だったと思います。

申   はい。あなたはこの大会で、結成大会で書記長に就任しましたね。

B   はい。

申   当時のあなたの住まいが組合の住所になっていたんですね。

B   はい、そうです。

申   団体交渉で宇都宮社長は、この議案書を見たと言っていましたよね。

B   はい。

申   あなたの住所が組合の住所になっていることを、宇都宮社長は認識していたのではありませんか。

B   はい、そうです。

申   あなたは全中央タクシー労働組合の結成大会から2ヶ月足らずの2018年11月22日に何者かに襲撃されましたね。

B   はい。

申   これは出勤途上だったんですね。

B   そうです。

申   出勤途上のけがということで労災申請をしましたか。

B   はい。しました。

申   労災の認定がされなかった理由は何でしたか。

B   まず一つは会社が認めなかったということ、それから、労基署の方が警察に届けることを条件…事実認定をされてません。

申   はい。会社は団体交渉で、執ように警察に被害届を出すように言いましたか。

B   はい。

申   Bさんは被害届は出しませんでしたね。

B   出してません。

申   この時に被害届を出していたら、容疑者として誰が、誰かが逮捕されたと思いますか。

B   元組合員のCさんが、逮捕されたと思います。

申   なぜそう思いますか。

B   後で分かったことなんですけども、H所長が報告したという書面ですか、社長名かちょっとあれなんですけども。襲撃当時の状況が書かれておりまして、Bを殺してやるという発言を、メモをとって、懲戒処分の警告という書面を見ました。

申   それは、被申立人が、元組合員のCさんに対して、懲戒の警告書を出したと、その書面でよろしいですか。

B   そうです。はい。

申   はい。その書面の中に、Bさんが襲撃された日に、Cさんが、Hさんに、電話で、Bさんを殺してやるというふうに、騒いでいたと、いう記載があったということでよろしいですか。

B   はい。

申   その会社が、Cさんに、懲戒の警告書を出した。その書面について、なぜ、組合が知ることになったんでしょうか。

B   当人が、組合員に相談をして、提出したということです。

申   はい。あなたは、Cさんが、襲撃の犯人、又はそれに関わっていたというふうに思いますか。

B   思いません。

申   それはなぜですか。

B   彼の、性格的なものですとか、常に行動を何年もしておりましたし、この状況から考えて、あり得ないだろうということを感じてました。

申   はい。関わっていたんだったら、そのような会社からの、証拠になるような警告書を、組合に見せたりしないですよね。

B   はい。そう思います。

申   はい。襲撃された事件のその日に、夕方に、私と一緒に、被申立人の群馬営業所に、報告に行きましたね。

B   はい。

申   その時誰がいましたか。

B   え一とですね、H所長が、おられてですね、2階の部屋に案内されました。

申   H所長と話をしたんですね。

B   そうです。

申   その時に、申立人は、これは会社内部の犯行ではないかというふうに話をしませんでしたか。

B   はい。そういう話をしました。

申   その時にH所長はどういうふうに反応しましたか。

B   まあそうですね、と。こちら側の話に同意しておりました。

申   その可能性が高いですねっていう発言をしましたよね。

B   そうですね、はい。

申   そのCさんの、組合に提出した会社の警告書に記載された日付が、まさにその日に電話があったということだったわけですね。

B   そうですね。記載の事実がそうでした。

申   そうするとHさんはその電話を受けて、Cさんが、Bさんを殺してやると、言ってきたことを承知していたわけですよね。

B   と思いますね。

申   被害届を出せば、第1の容疑者が、Cさんになると思いますか。

B   そのように考えます。

申   おそらく、それだけのね、証言、証拠がそろっていれば、逮捕されると思うんですがいかがですか。

B   そう思います。

申   で逮捕されると、解雇される可能性が高いですね。

B   そうですね。

申   …、え一っと、申立人としては、こういう形で、Cさんから情報が提供されたの大分後のことでしたけれども、これを見て、証人はどういうふうに考えましたか。

B   …内ゲバでっち上げて、組織破壊を企てたということで怒り心頭でした。

申   はい。Cさんは組合を辞めたけれども、残業代や労働時間に関してAさんと同じ扱いを受けていましたね。

B   はい。

申   それから、被申立人がAさんが、利益が先でお客様が後っていうね、会社の悪口を、大声で言っていたというふうに主張していますけども、この点について何か思い当たることがありますか。

B   おそらくですね、大分前です。会社に是正勧告が下りた頃だと思うんですけども。当時Cさんとよく相談聞きに食事に行ったんですね、その時に、私が…お客…

申   利益が…

B   利益が先、お客様が後、従業員もっと後っていうことを冗談で言ったことはあるので、それを職場でどっかで言ったんじゃないかなとそう思います。

申   では最後に言いたいことがあればお願いします。

B   そうですね。今Aさんの定年制の問題で話してて、聞いていたんですけども。この会社の定年制っていうのは、非常にいい加減です。前任のI所長は69まで働いてましたし、L工場長っで本社の整備の人は80近くまで働いてました。で、定年があってないような状況なんですよ。で、定年再雇用の規定が就業規則上に書かれたのは、我々が組合に入った後なんですよ。そういう、後で付け足して昔からそうだったっていうような論法で時系列が無茶苦茶な状況でやられていると。それが結構ありますね。で、稼動手当については、明らかに時間外出してたんですよ、2万数千円なり。で、深夜も出してたんですね。で、差し引きゼロにするんですわ。はみ出した分っていうのは、一切払われてない。陳述書に書いてありますけども、繁忙期もですね、閑散期もですね、一定額なんです。そういうようなビジネスモデルが、存在していたということ。それから今回の判決見ても、待機時間が全部労働時間で労働時間だ、タクシーの業務よりも労働密度が濃いよっていうことはこれ休憩時間与えられてないってことですよ。で、彼の時間外150時間近くなんです。150時間の長時間労働させて、休憩時間も認められてない。そんな状況で我々は働かせていたんですよ。で、彼の請求期間は実質上7ヶ月なんですね、年換算で70万。請求権のある人は100人以上いるんですよ、年間7000万ですよ。当時公表されていた、売上げの14億8000万に、業界平均の利益率掛ければ一致するんです。彼らのビジネスモデルっていうのは、未払によって生じてた。これ断罪しなきゃいけない。私は、労働組合に入ったのは、そういう不当なビジネスモデルを粉砕する、という思いがありました。以上です。

申   ありがとうございます。主尋問何かある。追加で。では主尋問以上です。

審査委員長 それでは、反対尋問15分お願いします。

宇都宮司被申立人   宇都宮恒久会長に対しての、組合に対する嫌悪感というような形をあなたが感じているのは、本の中身の中で全てということでよろしいでしょうか。

B   いえ。何回か研修とかっていう話で、一方的っていえば一方的なんですけども、ステージでしゃべってるお話とか、そういうのを聞きました。大体同じような内容ですね。

被   つまり本の内容と一緒ということでよろしいですか。

B   ほぼですね。

被   それから、あなたが群馬営業所に異動したのは、平成26年、2014年の9月でよろしいですか。

B   正式な辞令が交付されてないんですけども。実際仕事を開始したのが9月5日からです。

被   Aさんが入社したのは、その3ヶ月後の平成26年11月でよろしいですか。

B   はい。

被   以上です。

審査委員長 もうよろしいですか。

申   はい。

審査委員長 では私から一点だけ確認ですけれども、証人が被申立人会社を退職した日は、陳述書にあるように2019年、平成31年4月30日。

B   だと思います。すいません。

審査委員長 はい。それから甲26号証を見てください。4ページの第3、1、(3)に、〇ってありますけども、これはB証人と同一人物っていうことで間違いないですか。

B   え一と、当事者っていうとこですかね。

審査委員長 はい。(3)に〇ってあるんですけども。

B   (3)。あ、はい、そうですね。はい。

審査委員長 これはBさんのこと…

B   これは私。個人の名前変わりました。

審査委員長 同一人物ですね。

B   はい。

審査委員長 一応その確認です。

B   はい。

審査委員長 はい。他にございますか。よろしいですか。では、終わります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください