株式会社イングはウソをあやまれ!賃金を支払え!
太田市にある自動車関連工場〇で派遣で働いていたペルー人のSさんから相談が寄せられた。Sさんは同じペルー人の組合員の親戚だ。
Sさんは11月から12月いっぱいの2カ月、派遣会社イングとの派遣雇用契約で、〇社で働くことになっていた。11月初旬に、Sさんは同じ職場に他社から派遣されていた別の外国人労働者とけんかになってしまった。向こうからののしられて、押されたが、Sさんは一切手出ししていないという。
しかし、これをきっかけにして、Sさんはイングの担当者F氏(日系外国人)から「けんかをしたので、もう〇社では働けない」、と通告されてしまった。F氏はSさんの話を聞こうともせず、代わりの仕事についてもきちんと対応しようとさえしなかった。日本語もあまりわからないSさんは困って、群馬合同労組に相談することになった。
Sさんに群馬合同労組に加入してもらって、すぐにF氏に電話をかけた。F氏は契約が守られなかったことについて「けんかしちゃったからしようがない」「相手がけがをしちゃったんだからしょうがない」「どこでも当たり前の話」などと言った。解雇はしていない、働きたければ他の派遣先の仕事はたくさんある、働かないのは本人の都合、などとも言った。仕事中だからと、電話は終わった。
後で話を聞いて調べてみると、けんかの相手は今も〇社で働いているというのである。どうにも納得がいかない。派遣先の責任者に電話で話を聞くことにした。派遣先の責任者は休暇中であったのに折り返しで連絡をくれて、こう話してくれた。Sさんにやめてもらったのは、〇社の事業縮小に伴って人員削減の必要性が生じた、それで担当者に本人にもきちんと説明をするように話して、やめてもらった、休業補償金もちゃんと支払っている、けんかがあったことは承知しているが、双方の話を聞いても平行線で、〇社としてどちらが悪いということも言ったことはないし、やめてもらった理由では決してない、…
〇社の事情は仕方ないし、対応としても問題はない。派遣会社イングの対応はウソの理由で、Sさんが悪いことにして、休業補償もSさんに支払わずにごまかそうとするものだ。
イングという会社は、実は初めてではない。ちょうど新型コロナで仕事がなくなり、派遣労働者が窮地に立たされた頃、休業補償が6割しか出なくて、生活できないという、やはり日系外国人の相談があった。組合説明会を開き、何人かに組合加入してもらって、要求書を出した。
会社役員と話をすると、雇用調整助成金についての理解が不足していた。それで群馬合同労組から、きちんと労働者代表を選出して、雇用調整助成金の申請をして、十分な補償を行えと申し入れた。会社は、組合の申し入れを受けて、労働者代表選挙を行った。いろんな国の派遣労働者、いろんな派遣先があった、労働者代表選挙は十数人が立候補する乱立状態になり、組合員は当選できなかった。当選したのは、結局本社の日本人従業員、そして休業補償の労使協定は6割支給というふざけた結論で終わったのだった。
そんなこともあったので、今回群馬合同労組はイングを許さない。担当者も外国人だが、外国人を使って、外国人を使い捨てにする、こんなことは放置してはいけない。しかも今回は使い捨てではすまない。しっかり責任を取ってもらおう。
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