社会福祉法人との団体交渉

 12月某日、群馬県内の某社会福祉法人と団体交渉を行った。パワハラ、時間外労働、休日(有給休暇)の問題、などなど、要求書を提出して、誠実な交渉と回答を求めた。

 団体交渉の入り口で、就業規則・賃金規程・36協定のコピーを組合に交付するように要求していたが、必要な個所を必要な場面で提示する、職場で閲覧できるので、コピーを交付することはできないと、法人は言いつのった。

 この問題は、個人加盟ユニオンではよくある話である。しかし、であるがゆえに、組合はこの問題で群馬県労働委員会でも争ってきた経験がある。結論的に言えば、団体交渉誠実応諾義務違反で、労働委員会で決着つけられる問題だ。組合は、労働委員会で、不当労働行為で争う用意があるのかと問いただした。法人は、その場で、コピーを交付してくれた。

 色々問題はあったが、前向きにすべての問題について、合意ができた。法人を代表して団体交渉に出席した管理者からは、感謝の言葉も出た。無理な要求はしていない。風通しをよくして、おかしいことはおかしいと言える職場が、職員にとっても、利用者にとっても、いい職場である。

 新型コロナで医療福祉職場は、どこも大変だと思う。労働者が、ちゃんと言いたいことを言える職場にすることが、現場を支える力になると確信する。いやになって辞める前に群馬合同労組(労働相談ドットコム)に相談してほしい。

群馬バスから賃下げの「お知らせ」が届く

群馬バスから賃下げの「お知らせ」が届く

 群馬バスが10%の賃下げを群馬バス労働組合に提案したことはすでにブログで報告したが、本日12月23日、群馬合同労組にも特定記録にて、「給料の改定について(お知らせ)」という株式会社群馬バス・取締役会長兼CEO大島義一郎名の文書が届いた。

 これについての説明も何もない。交渉したいとも書いておらず、「お知らせ」なのだ。内容を以下に転載する。

令和2年12月22日

群馬合同労働組合

執行委員長清水彰二様

株式会社群馬バス

取締役会長兼CEO 大島義一郎

給料の改定について(お知らせ)

 今般、日本を含め世界中がコロナ禍で多くの会社が、過去に経験したことがないような厳しい経営状況にあります。特に、飲食業や観光業、運輸業は他事業に比べさらに厳しいのが現状です。

 当社は、乗合バス、貸切バス、旅行業が経営の根幹であり、今回の新型コロナウィルスによる被害の直撃を受けてしまっています。会社としては新型コロナウィルス感染防止対策として出来ることはして参りましたし、経費の節減にも努めて参りました。

 更に従業員の皆さんにも色々と特別な作業をして頂いてきたにも関わらず、上半期だけで対前年8億円を超える売上の減となりました。

 下半期においても、雇用調整助成金や政府系の銀行からの多額の借入金により辛うじて事業を継続しておりますが、年間で5億円を超える大きな赤字になると予想しております。今期はこの様な状況で当社は赤字会社に転落してしまいますが、来期においては必ずや黒字を出し、数年間でこの赤字を消さないと当社の継続は難しいと言わざるを得ません。

 今後、当社の事業は来期もコロナの影響が予想されますが、当社としては絶対に黒字を出し、会社の生き残りと事業の継続、そして皆さんの雇用を確保するため、給料の改定を下記のとおりせざるを得ないと判断しました。大変、心苦しいことではありますが、ご理解とご協力をお願いします。

1、変更内容

(1)基本給と役付手当の改定

①40歳以下 5パーセント ダウン

②54歳以下 10パーセント ダウン

③55歳以上 15パーセント ダウン

(2)ハンドル手当の改定

〔〔1〕の改定と同程度の基準による〕

2、変更時期

令和3年3月16日より

以上

 ちょっと待てよ、と言いたい。

 そもそも「給料の改定」を一方的に行うことが許されるの?ということから。

 結論を確認すると、会社が業績不振になったからといって、会社の一存で従業員の賃金を下げる「減給」をすることはできない。

 それを可能にする手っ取り早い方法が、労働組合との労働協約である。組合員の意志を代表して、労働組合が賃下げに同意すれば、賃下げは有効になる。

 群馬バスは、群馬バス労働組合に合意を取り付けて、大勢として、賃下げやむなしという労働者のあきらめをつくろうとした。しかしながら、そうはならなかった。すでに長時間・低賃金。冗談じゃないという声があふれている。「話し合い」は継続になった。明日12月24日に組合役員全員と会社の話し合いがもたれるという。組合員の生活と人生がかかっている。安易な妥協は許されない。今日が意見書の締め切りだ。絶対反対と意見を書いて出してほしい。

 もし群馬バスとの労働協約が成立しても、それで賃下げができるのは群馬バス労働組合の組合員だけである。

 就業規則・賃金規程を会社が勝手に改定した場合、それが有効かどうかは、雇用している全労働者に周知徹底し、変更内容が合理的なものであるかどうかで法的に判断されることになる。「合理的」かどうか、これは具体的に見なければならない。

 その場合のポイントは以下の通り。

  • 個々の労働者がどの程度の不利益変更を被るのか、について

 労働基準法91条は、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」として、制裁の場合の減額率を最大10%としている。従業員に非があって制裁されるようなケースでの減額が最大10%であるという法的な価値観、温度感から、従業員に非がなく会社の事情による減額の場合に、10%以上の減額をするのは問題外だ。55歳以上は15%の賃下げを群馬バスは提案している。

  •  会社が労働条件を変更しなければならない必要性は何か、について

 業績悪化は、新型コロナの感染拡大とオリンピック投資の失敗だ。これは一企業の問題ではない。国と行政にまずは責任を取ってもらわなければならない。群馬バスは「来期においては必ずや黒字を出し、数年間でこの赤字を消さないと当社の継続は難しい」と言っているが、そのような見込みを立てて、労働者の給料をカットするなど、冗談ではない。群馬バスは2015年にも賃金規程の改定による賃下げを行っている。

  • 就業規則の変更後の内容自体は妥当なのか、について

10%、15%の賃下げ幅、2015年に引き続いての賃下げ、妥当性などない。

  • 就業規則の変更に際して労働者側との間で講じた手続きなどの状況

 群馬バス労働組合においても十分な説明や協議を尽くしたとは言えない。労働者には何の説明もなしに、あわよくば群馬バス労働組合の役員の合意を取って決めてしまおうというやり方ではないのか?群馬合同労組に「お知らせ」が届いたのは、群馬バス労働組合に提案があってから一週間以上も経ってからである。しかも55歳以上は15%のダウンだなどと、初めて知らされた。

  • その他の事情

===

 本日12月23日、高崎駅にて、群馬合同労組は、群馬バスの労働者に、賃下げに反対しようと、ビラまきを行った。共感する声がいくつも届いている。群馬バス労働組合の役員のみなさんにお願いしたい。賃下げでローンが払えなくなる労働者も出てくるはずだ。生活が、家庭が破綻するかもしれない。決して、一人もそのような組合員を出してはいけない。労働組合の役員として、組合員にしっかり責任を果たすように、しっかり考えていただきたい。

 群馬合同労働組合と同群馬バス分会は、もうすでに生活も健康もボロボロな状態で事業と会社を支えてきた群馬バス労働者を守るために、全力でともに闘う。

1%だって賃下げはのめません!

 新型コロナウイルス感染拡大で苦境が続くバス業界。群馬バスでは、ついに賃下げの動きが始まりました。群馬合同労働組合群馬バス分会は以下の声明を発しました。

群馬バスで働くみなさん!

1%だって賃下げはのめません!

2020年12月22日 群馬合同労働組合群馬バス分会

 新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中、株式会社群馬バスは、年間5億円の赤字、会社の存続の危機だとして、給料改定案を群馬バス労働組合に提案しました。基本給と役付手当の10パーセント前後の減額、地域加算手当の見直し、です。来年3月16日から実施したいとの提案です。群馬バス労働組合は、組合3役・各支部支部長による組合委員会を開いて協議した結果、「受諾はとうていできない」との結論に至り、12月24日に役員全員で会社との話し合いを行うことを決めたとのことです。

 群馬合同労組は、今こそ、すべてのバス労働者が団結して、生活と雇用を守るために闘うべきだと訴えます。

 賃下げ=給与規程の改定は受け入れられません。10%はもちろん、5%だって、1%だって受け入れられません。2015年8月に正社員化と引き換えに給与規程が改悪され、賃金が下がりました。これに納得がいかず、唯一給与改定に同意せず、一年契約更新の嘱託契約を継続してきたのが群馬合同労組のT組合員です。今年、正社員化する方向で話し合いを持ちましたが、判明したのは正社員の給与規定になると賃金が下がるということでした。T組合員の時給は840円、群馬県の最低賃金は837円です。

 倒産寸前なのは、群馬バスだけではありません。すべてのバス会社が倒産寸前なのです。国鉄分割民営化以来の公共交通切捨てとマイカー社会化、地方と弱者の切捨てによって、公共交通としての路線バス事業はすでに瀕死の状態でした。致命傷を与えたのは、オリンピック景気への過度な期待と投資をあおって、コロナで暗礁に乗り上げた安倍・菅政権です。生活も健康も犠牲にして、低賃金で、バス事業を支えてきた労働者が、なぜそのあおりをくらわなければならないのでしょうか?

 団結してストライキで立ち上がるのが唯一の生きる道です。

 労働者が、働く者が、なめられているのです。政府や経営が引きおこした失敗を、労働者の賃下げや解雇で乗り切ろうとすることを許してはいけません。経営者は、倒産しそうだからといって、燃料費を値切るようなことはしません。しかし賃金は値切ろうとするのです。賃金は絶対に値切ることはできないことをわからせる必要があります。

 新型コロナの感染拡大の中で、船橋市の医療労働者がストライキに立ちあがったことが大きな話題になりました。命を削って働いてきたのに、ボーナスがカットされたのです。絶望して退職する労働者も増えています。ますます人員不足で仕事が回らなくなります。ストライキは、みんなが仕方がないとあきらめてしまう絶望の状況を変えるために闘われました。

 「医療労働者がストライキ!」の報道は全国にとどろきました。仕方がないなんてことはない。みんなが立ち上げれば状況を変える希望が生まれます。実はみんなが同じ状況で苦しんでいたのです。

 今必要なのは、どこかで誰かが、ストライキに立ちあがり、全国のバス労働者に団結を呼びかけることです。ストライキを誰も非難はできません。必ず全国から共感が巻き起こります。会社を救うためにも、流れをつくり、政治を動かさなければなりません。バス会社の倒産など、社会が許してはならないのです。

 群馬バスの労働者のみなさん、とりわけ群馬バス労働組合の役員のみなさん。給料改定=賃下げには、絶対反対で闘いましょう。一歩譲歩すれば、必ず二歩三歩の譲歩につながります。コロナがいつ収束するかわかりません。オリンピックはできません。会社が危機だという度に賃下げされます。整理解雇も出てきます。今は一歩も譲歩してはいけません。合意できなければ、ストライキをやりましょう。労働組合には力があります。労働者には力も誇りもあります。

 私たち群馬合同労働組合は、バス労働者の生活と雇用を守るために、先頭に立って、全力で闘う決意です。団結して、がんばりましょう!

最近の外国人労働者の相談

 最近の外国人労働者からの相談から報告。

 『労災が切れてしまう。手術してもよくならないまま。どうしたらいいのか…』(ボリビアの日系人)

 外国人労働者の相談で労災の率は高い。環境が良好ではない(安全上問題のある)職場が多いこと、言葉が通じないことにより安全が確保されない問題、残業が多く過重労働が続きがちなこと…。労働災害にあってからの苦労という意味でも、外国人は大変だ。労災申請だって読み書きのできる人は少ない。事情にもうとい。

 機械に指を挟まれた、巻き込まれたという相談がこれまでにいくつかあった。指は、使えないと仕事ができなくなる。しかし障害の扱いとしてはとても軽い。日本人ならば違う業種に転職するチャレンジできるかもしれないが、言葉の問題がある外国人はそれが難しい。生きていけないという問題に直結してしまう。

 労働組合としても、労災になってからではやれることはあまりないのだが、それでもちゃんと相談にのれる労働組合の必要性は高い。

 それからやはり解雇。解雇の仕方が、やはり日本人とは違うと感じる。しかし外国人労働者を見くびらないでほしい。

 彼らがものをいうハードルは高い。言葉の壁があるし、簡単に切り捨てられるから、そう簡単に声をあげられない。しかしこんな不当な解雇には我慢ができないという、誇り高い外国人労働者は多い。差別の中で、日々、彼らは闘いながら働き、生活している。日本人の私たちが、彼らとしっかりつながり、ともに闘えるようにならないといけない。そうすれば彼らが誇り高い労働者であることがわかるはずだ。

 『やっぱり労働組合が言うと全然違う!』…無事に早期解決してペルー人の若い夫婦の感想。

岡本工作機械の不当労働行為は明白!

 岡本工作機械の不当労働行為を争う群馬県労働委員会は、3人の証人尋問を終えて、12月14日に結審を迎える。審問計画策定後に岡本工作機械がO総務部長の証人尋問を追加で申請したことで、異例のドタバタ、全く余裕のない審問過程となったが、何とか組合も最後陳述をまとめることができた。あらためて岡本工作機械の不当労働行為は明白になった。最後陳述書を一部省略して掲載する。

令和2年(不)第1号

株式会社岡本工作機械製作所事件

2020年12月7日

群馬県労働委員会

 会 長   清水 敏 様

                 申立人  群馬県高崎市柴崎町60-2

                      群馬合同労働組合

                      執行委員長  清水彰二   

最後陳述書

第1 被申立人が、申立外大黒運輸株式会社に対し、「当社社員に対するセクハラ(ストーカー行為)について」と題する書面を発出したとされることが、労働組合法第7条第1号の不当労働行為に該当するか

  1. Oの言動に処分に該当するような問題はなかったこと

 N氏の被申立人・O2総務部長への相談は、セクハラあるいはストーカー行為と呼べるような内容ではなかった。

 N氏の最初の相談について、O2総務部長は「工場で働いている大黒運輸の社員と思われる人から自分の個人情報を探られたり、待ち伏せをされているようなところがあるので、毎日16時頃、出荷場に郵送物を配する業務について、担当を変えて欲しいという依頼がございました」「やっぱり気持ちが悪いし、凄く恐怖を感じていると申しておりました」と証言している(第2回審問証言速記録第1冊1頁22行目~)。

O2総務部長は、N氏に対して、報告書の提出を指示した。この指示で提出されたN氏の報告書の題名は「ハラスメント行為に関するご報告」であり、セクハラという表現はなく、「ストーカーのような行為」という表現が一か所あるのみであった。

 それが、大黒運輸株式会社に対する交付文書では「当社社員に対するセクハラ(ストーカー行為)について」となったことについて、O2総務部長は証言で「私はセクハラ、ストーカーと書きましたけど、その定義がどうこうっていうよりも、一応こういうことがあって、Nさんが怖がっているので、こういう事実が認められたら、しかるべき処置をとってくださいと。で、一番重要視したのは、もしそういう事実があれば、もう今後二度と近づかないっていう、念書をとってくださいというのをお願いしました。」(第2回審問証言速記録第1冊29頁6行目~)と述べている。

 要するに、セクハラあるいはストーカー行為について、法律的に該当するかという判断抜きに、下請け会社に対して、当該文書を発出したのである。

 しかも「事実確認」と言いながら、事実の特定が極めてあいまいである。2019年7月10日付大黒運輸株式会社「回答書」(甲17)には、「(1)女性社員を、終業後ドラッグストア(ウェルシア)でよく見るという話をしたこと(2)女性社員の自宅が、ドラッグストア近くの〇〇モータース(バイク屋)なのか、どの辺なのか聞いた事実があること(3)周りの目がない所で2人でゆっくり話したいと言っていたこと、等の事実」を認めたことが「セクハラ行為と言われても仕様がない」ことであるとして、「事実を概ね認めた」と被申立人に報告している。

しかしながら、これをもって「“セクシャルハラスメント”に該当しうると推定できる」(乙17 3頁17行目~)などとは言えない。ましてやOは「セクハラ」「ストーカー行為」について認めたことはないし、弁明の機会さえ与えられていない。申立人が、被申立人や大黒運輸株式会社に対して、Oの弁明を提出して説明した通り、セクハラやストーカーに該当する行為・言動は存在せず、事実としてはN氏の誤解が大きかったのである。

後に、被申立人は、大黒運輸株式会社に対して、N氏の状況を“会社に行く事は勿論、日常生活において強い恐怖感を感じる状況”であると説明したが、これはN氏の最初の相談からすると、被申立人によって事態が意図的にデカ写しにされたと言うほかない。N氏は被申立人・O2総務部長に相談した時のことを「私としては、以降、工場内でOさんに会わなくて済むように、宅配便を集荷場に届ける担当業務から外してもらいたいと思っただけで、Oさんに対する処分も、謝罪も求めませんでした」(乙16 5頁13行目~)と陳述している。2019年6月17日付の報告書のタイトルが「ハラスメント行為に関するご報告」であるように、セクハラ・ストーカーとの認識をN氏はしていなかったのである。

また「今回のことを会社に相談してから、半年ぐらいは、怖くてウエルシアに行くことができませんでした」と陳述しているが、これは「会社に相談してから」と言っているように、被申立人の対応によって争議に発展した結果である。第3回団体交渉で、被申立人のY代理人は「警察に行けっていってあります」「もし帰りがけに待ち伏せされたら、すぐに警察に連絡しろって、女性従業員にはいってあります。誓約書も出ないし、いつ本当に待ち伏せされるかわからないので」と発言している。ちなみにN氏が当時実際にウエルシアに行っていたのは「2か月に1回くらい」(乙16 2頁下から12行目~)、生活圏にあるOは「週に2~3回」である。

  1. 被申立人の対応は差別的取扱いであること

 被申立人・O2総務部長は、N氏から相談が寄せられると、行為者がOであることは「多分そうじゃないかなと」(第2回審問証言速記録第1冊30頁3行目~)とわかった。N氏から報告書が出ると「(団交のメンバーだから慎重にしなくちゃいけないなと)そう思いました」と証言する。

 そして被申立人の内部通報規定にしたがって指定法律事務所であるY弁法律事務所の代理人・Y弁護士にその旨を含めて報告した。Y弁護士は被申立人の社外監査役である。二人は、組合通告以来、申立人との団体交渉の責任者である。ちなみに、2020年3月期、被申立人が5人いる社外役員に支払った報酬総額は3700万円である(有価証券取引報告書等による)。

 二人は、関係者全員から詳しい話を聞くことに決めた。

まず、O2総務部長は、N氏に対して、報告書の提出を指示した。

そして、通常であれば行為者であるOから事情を聴くところ、そうはせず、「大黒運輸に事情を聞いてもらうことに」したという。「かなり慎重にやらなければいけないと思」った、「ある意味処分権を持っている大黒運輸、要するに雇い主である大黒運輸の方から事情聴取をしてもらった方が、公正で公平な判断がされると思」った、「大黒運輸の社内のルールに従って、処分してもらった方がいいだろう」と考えたと証言した。

 また、「Oさんも既に団体交渉に参加をされていましたので、そういった面も考えて、当社で行うのはいかがなものかなと考えました」「事情聴取をして何らかの処分なり、そういったところを考えるのは、大黒運輸の規程ですとか、大黒運輸の中のルールに沿ってですね、行われるべきというふうに考えました」という。

大黒運輸株式会社の処分権、社内ルールが強調されているが、O2総務部長は「その処分っていうのが、Oさんに対して処罰を与えるっていうよりも、1回大黒運輸に、さっきもお話したとおりですね、Oさんが組合員であるっていうことを知って、何ら処分もなかったという事実があったので、今回はきちんとした対応をしてくださいという意味です。」(第2回審問証言速記録第1冊16頁11行目~)と証言した。

これは2018年12月16日の申立人が大黒運輸株式会社に対して、Oの組合通告を行った時のことを指している。

O2総務部長は「以前に、Oさんが当社の班長であるT君ともめたときに、大黒運輸はですね、Oさんが合同労組の組合員であるという連絡を受けて、その後、Oさんに対して何ら処分をしなかったという例がございました。」(同7頁13行目~)と証言した。

被申立人は、この時のトラブルについて、大黒運輸株式会社が「何ら処分もなかった」のは不当だったと認識しているのがわかる。そして、「今回はきちんとした対応をしてくださいという意味です」と証言したのである。

しかしながら、これこそ、被申立人が申立人とOに対して、先入観をもって特別な対応を行ったということである。

この時のトラブルについて、被申立人は「T班長がOに対し『機械本体を組立ラインに入れてもらいたい。』と依頼したところ、Oは『二人作業でないとできない。』と答え…翌日以降Oは無断で休み、しばらくして職務に復帰した」(被申立人第1準備書面1頁下から2行目~)と答弁している。

この点に関して、被申立人自身が「工作機械の搬入・搬出作業中に事故が起こると、作業員の生命・身体に危険を及ぼしかねないので、被申立人が大黒運輸の安中班に対して一人作業を禁じていたのである」(被申立人第3準備書4頁4行目~)と書いているように、トラブルの原因は規則と安全原則を逸脱して業務を命じたT班長にあるのである。トラブルに発展したとしても、暴力事件や暴言があったわけでもなく、Oが処分を受ける理由は存在しないのである。ところが、被申立人のクレームを受けて大黒運輸株式会社はOに対して自宅待機を命じた。申立人は具体的な要求は大黒運輸株式会社にしなかったが、大黒運輸株式会社は不当な処分が行われれば申立人が黙っていないことを理解したので、処分を行わなかった。

また無断欠勤については、大黒運輸株式会社からの自宅待機の命令に従ったのであり、それこそOには何の責任もない。たとえ事実であったとしても、請負の大黒運輸株式会社の従業員が休んだことを被申立人が問題にすること自体がおかしい。

このように、被申立人・O2総務部長には、申立人とO、さらには大黒運輸株式会社に対する間違った認識・偏見が存在している。被申立人・O2総務部長は、社外役員であると同時に代理人であり、顧問弁護士・指定弁護士事務所所長であるY氏と対策を話し合う中で、大黒運輸株式会社に対して「今回はきちんとした対応」つまり処分をさせるという対応を決定した。

この時すでに、2019年5月17日の第2回団体交渉以降、Oの証拠と証言を契機として、輸送係の廃止、偽装請負の解消が被申立人上層部で議題となっていた。輸送係の廃止は2019年8月1日付であるが、大黒運輸株式会社とは最初に「全て任せる」「受ける」という話がされていた。Oの現場からの告発が被申立人の組織改編にまで発展していた。そのことをO2総務部長ならびにY代理人が意識していないはずはない。

  1. 決定権をもって「出入り禁止」処分を行ったのは被申立人
  • 大黒運輸株式会社への「依頼」が高圧的なものであること

 被申立人は、申立人が「決定権をもってOを『出入り禁止』にしたのは被申立人である」と主張したことに対して、「事実に反する」(第5準備書面2頁下から3行目~)、「事実が確認された場合には、安中工場への出入りを禁止するよう依頼しただけである」(同3頁1行目~)と主張する。

 大黒運輸株式会社のM総務部長の証人としての出廷が、大黒運輸株式会社側の「紛争にまきこまれたくない」との理由で拒否されたとのO2総務部長の証言があった。乙17号証「報告書」(2020年8月3日付)及び甲16号証「回答書」(2019年7月2日付)から大黒運輸株式会社の対応と認識を明らかにする必要がある。

 まず「2019年6月24日に岡本工作機械総務部長のO2氏より至急面談したい旨の連絡を受け」る。そしてその「口調よりことの重大さを感じ」た。「直近の6月26日に岡本工作機械本社に赴き、O2総務部長と同席されたN氏と面談し、以下の状況説明と対応・依頼を受けた。」とする。ちなみに2019年6月26日は被申立人の第120期定時株主総会(乙13)の前日である。被申立人はこの株主総会にからむ業務での多忙を申立人への回答見送りの理由としている(被申立人第2準備書面3頁下から3行目~)。そのような年間最繁忙期とも言える時期に、至急に、重大さを感じる口調で呼び出されたのである。

 その場で、「O2総務部長よりO氏の行動・言動は全く許されないことであると強いご指摘を受け以下の対応と要請を受けた。(1)至急大黒運輸においてO氏と面談をすること。(2)事実確認後、以後岡本工作機械社内への出人りを禁止。(3)更にN氏への“セクハラ(ストーカー行為)”を行わない旨の念書を提出すること。」

 大事なことは、最初にまるで確定した事実であるかのように、O2総務部長から「O氏の行動・言動は全く許されないことであると強いご指摘を受け」たということである。それを前提にして「事実確認後、以降岡本工作機械社内への出入りを禁止」とされている。それに加えて、「セクハラ(ストーカー行為)」を行わない旨の念書の提出である。すでに「セクハラ(ストーカー行為)」は既定の事実として語られたことをこの報告は裏付けている。

 この「要請」に対して報告書は「弊社としては、O氏が勤務先において得意先女性従業員が『“会社に行く事は勿論、日常生活において強い恐怖感を感じる状況”にまでなってしまった。』と申告するほどの行為を行っていたといわれた事は全く予想外のことであった」と記載した。

さらにOからの事情聴取と対応に関して「話を聞く限り、O氏は前日にM、O3がO2総務部長並びにN氏から指摘を受けた行動・言動については概ね認めたが、岡本工作機械でのコミュニケーションの1つであり、それがセクハラ(ストーカー行為)に該当するとの認識はなく、誤解があるならばN氏に直接謝りたい意向を述べた。これに対して、弊社としては、以下の理由からO氏に対して川崎営業所への配置転換を内示した。

(1)N氏が受けたというセクハラ(ストーカー行為)の事実を近くで把握できない状況であり、ストーカー行為と断定することは難しかったもののセクハラに該当すると思われる行為が散見される為、N氏が”会社に行く事は勿論、日常生活において強い恐怖感を感じる状況”にまでになってしまっている状況であることを重く捉えた。

(2)また、弊社は長年に渡って仕事をいただいている関係にある岡本工作機械からの強い要請がある以上、今回の様な信頼関係を破綻させる行為については見過ごすことはできないと考えた。

(3)更には、同時にO氏本人のN氏への行動認識はなんであれ、O氏をこれ以上岡本工作機械で勤務を継続させる事は今後のO氏本人の為にも良くないと思われ、O氏については(弊社は従業員が入社の際には教育DVDを見せ“ハラスメント系”の教育は行っていたが)必要があれば再教育・指導の必要もあると考えた。」

 ここで「長年に渡って仕事をいただいている関係にある」との記載があるが、すでにこの時には、業務全面委託に向けた委託基本契約の改定の話、月額〇〇万円から〇〇〇万円(※約4倍に)への大幅増額の話がなされていたはずである。

 2019年7月2日の「回答書」(甲16)では、被申立人から「会社として当該社員の保護の為、事情聴取の上で、O氏の会社への出入り及び当該社員への接触を禁止して欲しい」と要請を受け、「当面弊社として取りうる手段として」「神奈川県内の営業所への異動を打診しました」とある。

被申立人は、「行為者に対する事情聴取については、かなり慎重にやらなければいけないと思いました。そこで、実際、私が聞くよりも、ある意味処分権を持っている大黒運輸、要するに雇い主である大黒運輸の方から事情聴取をしてもらった方が、公正で公平な判断がされると思いました」「大黒運輸の方が中立的で公平だから、もう大黒運輸に事実調査を任せようと思った」(第2回審問証言速記録第1冊3頁13行目~)と証言している。しかしながら2019年6月26日の面談の場において被申立人が大黒運輸株式会社に対して「公正で公平な判断」を要請した事実はない。逆に、N氏の状況を誇大に強調し、相談時にはなかった「セクハラ・ストーカー」という根拠のないレッテルを貼りつけたのである。

大黒運輸株式会社は「ストーカー行為と断定することは難しかったもののセクハラに該当すると思われる行為が散見される」「長年に渡って仕事をいただいている関係にある岡本工作機械からの強い要請がある以上、今回の様な信頼関係を破綻させる行為については見過ごすことはできない」と考えて、「川崎営業所への配置転換を内示」したと報告している。

  • 「言動が事実であれば」出入り禁止だと、大黒運輸株式会社の規程を無視して指示したこと。

 重要なことは、当該文書では、「顧問弁護士等を通じて至急事実確認をしていただき、その事実が判明した場合は貴社の規程に則り、厳正な処分をお願い致します」との文言で大黒運輸株式会社に対して処分の要請をしている一方、「こういう言動があったという事実があれば、もうその出入り禁止をしろというのが会社の方針」だと被申立人が明言していることである。

(甲33 19頁10~12行目)

清水  これはじゃあ、こういう言動があったという事実があれば、もうその出入り禁止をしろというのが会社の方針ですね、この件について

Y弁  そうです。

 つまり、大黒運輸株式会社に対して、「規定に則り」「厳正な処分」をするようにと言いながら、N氏の報告書にある文言が「おおむね事実」と確認できれば、「出入り禁止」にせよと伝えていたというのである。

 この点は、2019年8月1日に開催された第3回団体交渉において、申立人が処分に値する「セクハラ」「ストーカー行為」があったのかどうかを問題にしたことに対して、被申立人がN氏の報告書にある文言があったのかどうかを専ら問題として、「平行線」だと、不誠実な対応に終始し、その後の団体交渉拒否の理由としたことと重なる。

 したがって、当該文書の大黒運輸株式会社の「規定に則り」というのは飾りに過ぎず、実際にはN氏の報告書にあるOの言動が「おおむね」確認できたならば、その内容が大黒運輸株式会社の就業規則上どのような処分に該当するのかとは関係なしに、「出入り禁止」にせよとの一方的な指示であった。つまり大黒運輸株式会社の「処分権」を尊重せず、踏みにじって、「出入り禁止」通告を行わせたのである。

実際、Oは大黒運輸株式会社と「転勤の可能性なし」として雇用契約を締結しており、「配置転換」には処分としての正式な手続きが必要であることは言うまでもない。しかしながらOに対して処分の手続きがなされたことも、通知がされた事実もない。

 大黒運輸株式会社は、このような指示を受けて、従わなければ「契約解除」という不安の中で、「長年に渡って仕事をいただいている関係にある岡本工作機械からの強い要請がある以上、今回の様な信頼関係を破綻させる行為については見過ごすことはできない」として、言われるがままに形ばかりの「事情聴取」を行い、「おおむね事実を認めた」として、Oに対して、「誓約書」の署名捺印を求め、配置転換の打診をせざるをえなかった。

 これらの点に関しては、第3回団体交渉での、被申立人との以下のやり取りが裏付けである。

(甲33 27頁下から8行目~)

清水  だけどこれは認めてないからね。だけど、認めたってことで、ね、出入り禁止にしてるのは岡本なんですからね。じゃあその調査の結果が出るまで、出入り禁止を解除してください。

O2  それはできませんよ。

清水  なんで?

O2  なんで解除しなければいけないんですか?

(甲33 31頁下から17行目~)

Y弁  来ないでくださいっていう要求ですよね

清水  要求?じゃあはいってもいいんですか?

Y弁  要求に応じなかったら契約解除するかもしれないですね

清水  要求に従わなかったら契約解除。処分ですよね?それはね?

Y弁  処分って、その人事上の処分とは全然ちがいますからね…

清水  契約解除っていうのは大黒と契約解除するんですか?

Y弁  うちはね、うちはね、こういう懲戒処分をしてくれっていうように大黒にいったんではないんですよ。懲戒は、まぁそれは向こうが考えることでね、うちは女性社員がこれだけ嫌な思いをしているから、もう顔を合わせないようにしてくれっていうことをいっているんですよ

  1. 被申立人は大黒運輸株式会社に対して優越的地位にあること

 このような被申立人の大黒運輸株式会社に対する横暴で一方的な支配がなぜ可能になるのか。被申立人は、大黒運輸株式会社にOの出入り禁止を押しつけることはしていない、両者の関係は対等な関係であると主張する(第2回審問証言速記録第1冊6頁下から8行目~)。しかしそれは事実ではない。

 申立人は、被申立人が大黒運輸株式会社に対して行っている取引は何ら対等ではなく、独占禁止法上の役務の委託取引における優越的地位の濫用ともいえる状態であると指摘したが、あらためてその正しさが明らかになった。

 大黒運輸株式会社が3人目としてOを採用したことについて、被申立人は、大黒運輸株式会社が将来の受注業務の拡大を視野に「ただでよいので研修生として働かせてほしい」との申し出を受け入れたものであり、何ら問題はないという立場に固執している。しかしながら、大黒運輸株式会社・M総務部長は明白に「岡本工作機械の弊社への業務依頼内容に応えるため、岡本工作機械内勤務の従業員を1名増員することが必要となり、群馬県安中市のハローワークを通じ募集したところO氏が応募してき」て、採用したと述べている(乙17 1頁1.O氏の採用)のである。

 この場合、優越的地位の濫用とは、言うまでもなく、「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に」「継続して取引する相手方に対し、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること」である。被申立人は、2年に渡って、大黒運輸株式会社の3人目の従業員にタダ働きをさせ続けてきたのである。

 しかもこれを、大黒運輸株式会社の申し出に従ったまでであり、大黒運輸株式会社からの業務委託基本契約の見直しを提案されなかったからであるとして、放置してきたのである。

 ではなぜ、大黒運輸株式会社は3人のうちの1人がタダ働きで赤字なのに、何も言わなかったのか。あるいは「研修のため」と嘘までつかねばならなかったのか。それは被申立人との関係が対等ではなく、優越的地位の濫用がまかり通る関係だからである。

 両者の関係が対等ではない証拠はいくらでもある。消防検査で危険物が基準を超えて所蔵されているとまずいと、大黒運輸株式会社のトラックに積み込んで「逃がす」、棚卸で不都合があると大黒運輸株式会社のトラックに積み込んで「逃がす」…なぜ、こんなことがまかり通るのか。大黒運輸株式会社に対して、被申立人が優越的地位にあるからである。

 大黒運輸株式会社の女性ドライバーが被申立人社員からセクハラを受けていても問題にもできず、大黒運輸株式会社の従業員が自分たちで守らなければならない。被申立人従業員にちょっかいを出す大黒運輸株式会社の従業員がいれば出入り禁止で、それが問題にもされず、総務部長に報告もない。「一人作業は禁止」と言いながら、現場では一人作業を無理強いする。偽装請負や、道路交通法違反行為も常習的に強制され続けてきた。これらを被申立人に突きつけて、是正させたのが申立人と分会組合員なのである。

大黒運輸株式会社は、2019年8月6日付O宛回答書(甲22号証)にて次のように書いている。「上記令和元年6月27日に、貴殿に署名を求めた誓約書につき、株式会社岡本工作機械製作所より、その提出を強く求められております。貴殿からのご提出がない場合、同社と当社との間の取引関係にも影響を与えかねません。速やかにご提出いただきたいと存じます。」…いったい、どこが対等な関係だというのであろうか。

  1. 差別的取扱いであったこと

 被申立人・O2総務部長は、N氏の相談があると、内部通報規定に従って、Y弁弁護士と協議して対応したという。しかしながら、この2名は、申立人との団体交渉の責任者であり、ここでOが申立人組合員であるからと特別の対応を行ったことに根本的に問題がある。

問題は、Oが被申立人従業員ではなく、請負の大黒運輸株式会社の従業員であったということである。内部通報規定は、被申立人従業員間の問題を想定しており、適当ではない。被申立人・O2総務部長は、被申立人の施設管理権、大黒運輸株式会社との「委託基本契約」の規定に則って適切に対応すべきであったのである。

N氏の相談事由は、被申立人安中工場敷地内での出来事であり、当然に被申立人の施設管理権の問題として、セクハラ・ストーカー対応が求められた。緊急であればなおさらである。当事者からの事情聴取は、被申立人の施設管理権の範囲内で当然になされるべきであった。被申立人・O2総務部長はこの点を証人尋問で申立人から問われたが、答えられなかった。

さらに、大黒運輸株式会社との「委託基本契約書」(乙3)に基づいた対応が必要であった。ここでは、服務として「乙の作業員は、甲の服務規定、安全規則等を準用し、甲に迷惑をかけない様努めなければならない」として、被申立人の服務規定の準用を規定している。そこにはセクハラの禁止も明記している。「入場不許可・退場命令」も明記している。被申立人は、これらの事実を調べもせず、認識もしていなかった(第2回審問証言速記録第1冊12頁)。

被申立人は、被申立人にはOに対する処分権がなく出入り禁止等の対応ができないので、大黒運輸株式会社に事実確認と処分を託したと主張しているが、これは事実ではない。

また、被申立人は、大黒運輸の作業員が業務を遂行するのに適任でないと判断した場合について、大黒運輸に対し、請負契約に基づき、債務の本旨に従った履行を求めるため、作業員の交代を求めることになる(被申立人第2準備書面3頁)と述べている。しかし、被申立人は、このような基本的な対応も取っていない。

このように、規定や契約に従って当然に取られるべき対応が取られなかったのはなぜなのか。それは、Oが申立人組合員であり、特別な配慮が必要であったからである。O2総務部長とY弁代理人は、内部通報規定を利用して、Oと申立人に対して差別的な、でたらめな、特別の対応を行ったのである。

  1. Oが突然に就業を阻害され、生活と健康を破壊される不利益取扱いであったこと

 被申立人が大黒運輸株式会社に対して、当該文書を交付したことによって、Oは大黒運輸株式会社から被申立人安中工場への出入り禁止を通告され、就業ができなくなった。また通勤不可能な川崎営業所への配置転換を打診され、退職を余儀なくされた。これらによって、経済的な損失を被った。

 また、事実でない「セクハラ・ストーカー」犯人のレッテルを貼られ、精神的な苦痛を被り、「自律神経失調症」を発症するに至った。

 被申立人による当該文書の発出は、明白な不利益取扱いである。

  1. 被申立人の不当労働行為意思について

 被申立人は、大黒運輸株式会社との間に業務委託契約を結んだ(乙3)が、実際上は偽装請負であった。この点は、指揮命令者が被申立人・輸送係岡田係長だったこと、大黒運輸株式会社安中班に当初責任者がいなかったことから明らかである。

 この点は、Oら大黒運輸株式会社安中班員の休みの許可を被申立人・岡田係長が出していたこと(第1回審問証言速記録第1冊 2頁下から11行目~)によっても補強された。さらに、労働時間の管理を被申立人が行っていたことも明らかになった。被申立人は、大黒運輸株式会社安中班の日報の存在をもって、大黒運輸株式会社が独自の労働時間管理をしていたと主張したが、日報が大黒運輸株式会社によって管理もされていなければ、所有物でもないことが明らかになった(第1回審問証言速記録第1冊 28頁下から11行目~)。

 しかもこの偽装請負は、被申立人が大黒運輸株式会社に対する優越的地位を濫用して、2人分の料金で3人を2年にわたって使い続ける内容であった。

申立人は、2019年4月11日付要求書において、Oの分会通告を行うと同時に「貴社の責任において、大黒運輸株式会社社員に対して、過積載、道路交通法に違反する業務を行わせないこと。出荷時間が守られず、現場が混乱する状況があり、業務の安全衛生上問題があるので改善策を検討されたい。」(甲5 第2項)との要求を行った。これを受けた第2回団体交渉において、被申立人は、「大黒運輸株式会社社員については、当社が貴組合と協議すべき性質のものではありません。なお、当然のことですが、弊社が大黒運輸株式会社に対して道路交通法違反に該当するような対応を求めることはしておりませんし、今後もすることはありません。」との回答を行った(甲6 第2項)。

しかしながら、第2回団体交渉に出席したOの証言と証拠写真をもって、被申立人は一転して事実を認め、「あってはならないこと」「今後はないようにする」と回答した。

被申立人は、この後、すぐに是正に動いた。

以下は、S製造部長の証言である。

(第1回審問証言速記録第2冊 4頁1行目~)

S  まず、この団体交渉が始まる中で、道路交通法に違反した、あとは出荷時のシュッカジカク(※ママ、「出荷時刻」が正しい)を守れない安全衛生法、そういうことを指摘されまして、上場会社である私どもは、その違法行為を継続すると非常にリスクが高いこともあり、違法したことについては、速やかに対応するということで、やはり、道路交通法にあまり知識もない私どもがやるよりも、大黒運輸に全てお任せしたいということで、輸送係を廃止しました。

Y弁 Oさんの団体交渉での指摘がきっかけになって、専門業者である大黒運輸に全部任したほうがいいと、そういうふうに判断したということですね。

S  はい、そうです。

 つまり、被申立人は「大黒運輸株式会社社員については、当社が貴組合と協議すべき性質のものではありません」と回答しながら、申立人とOからの指摘を受けて、偽装請負の是正に動いたのである。業務委託が正しく行われていれば、被申立人から大黒運輸株式会社社員に対して道路交通法違反などの違法業務指示などは行われる余地はないのである。

Oに関わる申立人の要求は、根本的にこの被申立人の偽装請負ゆえに発生する問題であった。被申立人は、道路交通法違反という違法行為については、すぐに是正の議論を行い、輸送係の廃止に動いたというが、申立人が指摘する偽装請負という違法行為・コンプライアンス違反については議論も行われなかった。(第1回審問証言速記録第2冊 14頁下から2行目~)

これは、被申立人が、上場企業として、コンプライアンスは守ると言いながら、偽装請負の問題にはふたをする、請負会社に対する優越的地位の濫用についてもふたをするという対応であったと言わざるをえない。

Oに関する要求は、上場企業としての被申立人の地位にもかかわる重要な問題であることは事実をもって確認されたのである。であるならば、被申立人はOの問題に関して、誠実に団体交渉に応じる義務がある。雇用関係がない、使用者性がないと、団体交渉には応じないとする被申立人の態度はすでに不当労働行為意思の表れである。

被申立人・O2総務部長は、輸送係の廃止と大黒運輸株式会社との業務委託契約の条件変更は取締役会に提案しながら、これが申立人からの要求・指摘・告発の結果であることを、取締役会には報告・共有していない。偽装請負や業務委託会社に対する優越的地位の濫用の問題が、取締役会や株主に公になれば責任問題に発展しかねないのである。

したがって、Oに関わる要求事項が必ずこの偽装請負問題に発展することを意識して、被申立人・O2総務部長ならびにY弁社外監査役・代理人は、雇用関係にないことを理由として団体交渉には何としても応じないという不当労働行為意思の下に対応したのである。

  1. まとめ

 以上の通り、被申立人が当該文書を大黒運輸株式会社に発出して、大黒運輸株式会社にOに対する出入り禁止を通告させたことは、Oが申立人組合員であることを理由とした差別的な不利益取扱いであり、労働組合法第7条第1号の不利益取扱いである。

第2 申立人が2019628日付け要求書、同年72日付け要求書、同年818日付け要求書及び同月28日付け要求書でそれぞれ申し入れた団体交渉の開催要求に対する被申立人の対応が、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当するか

  1. 偽装請負であったこと

 第1で述べたように、被申立人が大黒運輸株式会社との間に結んだ業務委託契約(乙3)は、実際上は偽装請負であった。指揮命令、出勤管理や休みの許可、労働時間管理などすべてが被申立人によって行われていたのである。賃金が大黒運輸株式会社から支払われていたのは事実であるが、その元となる業務委託料金は、基本的に人数と労働時間によって被申立人と大黒運輸株式会社の間で決められていた。これは派遣会社との派遣契約と基本的に変わらない。Oの労働条件、職場環境の問題、安全配慮義務など、すべてに渡って、被申立人に使用者性があることは明らかである。

 被申立人は2019年5月17日付回答書(甲6)以降、一貫して「大黒運輸株式会社社員については、当社が貴組合と協議すべき性質のものではありません」と回答しながら、実際には申立人とOからの指摘を受けて、偽装請負の是正に動いた。被申立人は明らかにこの問題の深刻さを理解していたのである。

 Oに関わる問題は基本的にこの偽装請負に関わる問題であった。そのことを自覚した被申立人は、団体交渉に誠実に応じる義務がある。

  1. 団体交渉拒否の「正当な理由」について

 2019年8月1日の第3回団体交渉以降の要求に関して、被申立人は、第1準備書面8頁(4)において「8月1日の団体交渉においては、Oが女性社員に対して発言した事実を被申立人が問題としたのに対し、実際にOが女性社員を薬局で待ち伏せるなどして付きまとった事実があるか否かなどを申立人が問題としたため、両者の主張は平行線で、双方が譲歩して妥協点を見出すことが不可能であることは明らかであったからである」として、団体交渉拒否の「正当な理由」としている。

 申立人は、そもそも被申立人がOの言動を「セクハラ(ストーカー行為)」と決めつけて、「出入り禁止」処分を押し付けたことを問題として、事態の回復と、謝罪と補償を求めたものであり、被申立人が問題を「(Oの)発言した事実」だけに限定すること自体が不誠実である。

 さらに申立人は、第3回団体交渉後に被申立人が「賞罰規程」の写しを交付したものを検討し、さらにOの2019年8月12日付「弁明書」の提出に踏まえて、2019年8月18日付要求書にて団体交渉の開催を要求したのであって、「両者の主張は平行線で、双方が譲歩して妥協点を見出すことが不可能である」との被申立人の主張は何ら理由がなく、団体交渉誠実応諾義務をないがしろにし、不当労働行為意思を明白にするものである。

  1. 各要求項目に関して(省略)

和解は決裂。とことん闘う。(中央タクシー地労委)

 2020年12月4日、中央タクシーの不当労働行為救済を求めた群馬県労働委員会で和解の協議が開かれた。委員のみなさんの和解に向けた熱意を受けて、いったんは群馬合同労組も和解を受け入れる表明をしたものの、最後に中央タクシーが無理難題を吹っかけてきたので和解は決裂した。それは「中央タクシーに関わる一切のネット記事の削除」「今後一切会社に関わる記事掲載や書込みをしない」という条件だ。組合はいったんは了承した。ところが、最後になって、書いたら解決金を返納すること、さらに一件につき〇十万円の損害賠償を支払うことを約束しろというのだ。「本件に関して」というのならまだわかる。これまで中央タクシーの悪事に関しては労働委員会でも救済命令が出されたし、裁判でも支払の判決が出ている。これを含めて一切合切、会社のことを書くな、書いたら〇十万円支払えというのだから、あきれてものも言えない。当該のT組合員には、申し訳ないが、わずかばかりの解決金のために譲れるものではなかった。何様だと思っているのか?

 ということで、この間の経緯をまとめて報告しておく。

 (これまでの経緯はこちらを参照のこと→ https://gungoroso.org/?p=2002 )

 現在群馬県労働委員会で救済を求めて争っているのは、T組合員が60歳の定年の誕生日を迎えた2020年1月、T組合員の嘱託再雇用を時給1000円のパートに切り替えたこと。T組合員以外に、正社員から定年で嘱託に移行する時に、労働条件を変更されたドライバーはいなかった。明白な組合差別である。

 さらに、その後新型コロナ感染拡大で休業が始まる中で団体交渉を拒否したことである。まだ非常事態宣言が出る前で、会社が営業を続けている中で団交拒否した。

 新型コロナ感染拡大が始まって、中央タクシーは雇用調整助成金の申請をして休業の労使協定を結びながら、その途中で営業所ドライバー全員の解雇を通告した。整理解雇4要件をかえりみない違法な解雇だった。

 当初、解雇撤回・地位確認も救済として申し立てたが、営業所がなくなってしまっては、長野への通勤か単身赴任しか期待できない。家庭の事情もあり、それはあきらめた。それで2~4月の給与を、減額されなかったものとして全額払えとの救済申し立てを行った。これは失業保険の給付額にも影響するのだから当然の話だ。大した額ではないが、解雇されたT組合員にしては大きな金額になる。

 営業所ドライバー全員解雇を通告したのと同じ4月13日に、割増賃金請求裁判の判決が前橋地方裁判所であった。判決は固定残業代の評価に関して非常に問題があるのだが、悪質な違法行為に対するペナルティーである付加金を合わせて100万円ほどの支払を命じるものであった。中央タクシーは控訴をした。仮執行宣言がついているにもかかわらず、会社は賃金分の支払をせず、T組合員は中央タクシーのメインバンクの差し押さえをして支払わせた。

 中央タクシーが控訴をしたことについて、組合は、解雇した労働者が続々と割増賃金を請求してくると恐れたのではないかとみている。案の定、落ち着いたころになって、中央タクシーは控訴を取り下げた。解雇された労働者は、未払残業代(割増賃金)がないか調べた方がいいと思う。ある程度の労働時間が証明できる材料があれば、労基署に相談に行ってみてほしい。

 この先、中央タクシーがどこまで持ちこたえることができるのか、危うい。しかし、どんな形になっても、会社が生き残り、労働者がその犠牲になるのは許せない。中央タクシーのような会社が数知れずあるに違いないのだ。だから、最後まで闘い抜いて、労働者の勝利の希望を握りしめたい。

 労働者は黙っていては生きていけない時代だ。一人では闘えない。群馬合同労組は一人でも加入できる個人加盟ユニオンだ。ぜひ気軽に相談してほしい。全国に仲間がいる。詳しくは、労働相談ドットコム( https://rodo931.com/ )へ。

県労働委員会で審問、岡本工作機械製作所の不当労働行為は明らか!

 岡本工作機械製作所が、群馬合同労組岡本工作機械製作所分会組合員で、大黒運輸に雇用された請負労働者・Oさんに「セクハラ・ストーカー」のレッテルを貼って、「出入り禁止」として追い出したのは2019年6月の終わりだった。Oさんはメンタルをやられ、退職を余儀なくされた。しかし、名誉のためにも絶対に許せないと労働委員会で闘っている。10月29日、11月30日の2回にわたって審問が開かれ、O組合員、S製造部長、O総務部長の証人尋問が行われた。

 この事件、岡本工作機械の総務部長が部下の女子社員から、ちょっと怖いことがあったので、大黒運輸の請負労働者と顔を合わせる可能性がある業務の担当を変えてほしいと相談を受けたことから始まった。「怖いこと」というのは、明らかに誤解であり、ちゃんと当事者のO組合員から話を聞けばすぐに誤解は解けたはずのものであった。

 ところが、相談を受けたO総務部長は、群馬合同労組との団体交渉の責任者であり、相手がO組合員だとわかると、「慎重な対応」として、事実調査と処分を下請けの大黒運輸にさせるという卑劣なやり方を行った。

 岡本工作機械製作所は調査と処分を要請しただけであり、「出入り禁止」を決め、通告したのは下請けの大黒運輸、だから岡本工作機械製作所には責任がないというわけである。

 その理屈で団体交渉も拒否した。

 それで長期化し、O組合員はメンタルをやられて、退職せざるを得なくなった。名誉棄損でもある。

 驚いたのは、女子社員が「ハラスメント行為」としていたものを、岡本工作機械は「セクハラ(ストーカー行為)」と規定して、請負会社に「厳正な処分」を要求していながら、担当者は「セクハラ」「ストーカー」の法律上の定義も調べていないというのだ。

 請負会社は、親会社から、「セクハラだ」「ストーカーだ」「事実を調査して厳正に処分せよ」「出入り禁止にせよ」と文書での通知を受けて、ランチ時でごった返すファミリーレストランでO組合員から30分ほど話を聞いて、「概ね認めた」などと言って、岡本工作機械がこういうのだからもう安中工場では働けない、川崎に異動してくれと対応せざるをえなかった。

 ここでポイントになるのは、親会社の下請け会社に対する横暴だ。この事件のポイントは、親会社が下請け会社にデタラメや横暴を押し付けておいて、対等な契約だとして、すべて責任を請負会社に押し付けようとしたということだ。そもそもが偽装請負。大黒運輸の従業員は実質的には派遣労働者で、業務の指示は岡本の社員が行っていた。最初から大黒運輸の人員不足で仕方がなかったと平然と言う。2人分の委託料金で大黒運輸は3人雇って仕事を回していた。完全な赤字。適切な契約料金でなかったのは、請負料金の改定を申し出なかった大黒の問題だとして平然としている岡本。岡本の社員から下請けの社員がセクハラを受けていても問題にすらならない。訴え出ることもできずに仲間が必死に守るしかなかった。下請けの社員が問題をおこそうものなら「出入り禁止」。そんなことがあっても報告もされず、なかったこと扱い。岡本工作機械はそういう現実には目をつむって、業務委託は「対等な契約」と繰り返す。

 岡本工作機械がO組合員を工場から追い出したい「理由」は存在している。岡本工作機械が大黒運輸や運送会社に押し付けた道路交通法違反の数々。最初は団交でしらを切ったが、O組合員が証拠写真を示すと逃げられなかった。岡本工作機械は取締役会で、偽装請負の是正を決めざるをえなくなった。証人尋問で、岡本は上場企業、コンプライアンス違反をなくすのは当然というが、証人尋問でO組合員からさらにコンプライアンス違反行為を次々と暴露されて、認めざるをえない。O組合員がいたら上場企業の地位すらおぼつかないことが明らかになった。

 また営業職の分会長は、組合通告と同時に残業代の請求を行い、残業代を支払わせた。ところが、その後、分会長には仕事上の差別が継続され、2年近くにわたって、一切残業の指示がされなかった。要するに会社に、上司に文句を言うな、という会社であり、文句を言うような奴はいられなくなる、という空気が会社を支配していると言わざるをえないのだ。

 群馬合同労組は岡本工作機械製作所分会の組合員、O組合員と団結して、O組合員に対するセクハラ・ストーカーの汚名を晴らす。組合つぶしの「出入り禁止」指示文書を撤回させる。

 岡本工作機械製作所の労働者のみなさん、すべての労働者のみなさん。群馬合同労組・合同一般労働組合全国協議会に結集してともに闘いましょう。

読売新聞東京本社からの団交拒否の回答書

 読売新聞東京本社の代理人から、「回答書」が配達証明の郵便で届いた。N組合員に対する不当解雇をめぐる、読売新聞足利西部店との団体交渉が来週に決まり、群馬合同労組はあらためて読売新聞東京本社の出席を求めたが、それに対する拒否回答である。

回答書
前略 当職は株式会社読売新聞東京本社(以下「当社」といいます。)の依頼を受け、貴組合作成の2020年9月20日付要求書及び10月6日付通告書について次のとおり回答します。
当社は、貴組合の組合員であるN氏と労働契約を締結しておらず、また、基本的な労働条件等について、雇用主である株式会社辰巳と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にはなく、労働組合法上の使用者には該当しません。それゆえ、団体交渉には応じかねます。ご理解ならびにご了承ください。
草々

 「雇用契約を締結していない」「基本的な労働条件等について、雇用主である株式会社辰巳と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にはなく、労働組合法上の使用者には該当」しない…

 これは現在、岡本工作機械製作所の不当労働行為救済申立をめぐる労働委員会闘争でも問題になっている、同じ文言である。

 労働者の雇用・権利をめぐるめぐる問題、そしてその責任の所在をめぐる問題であるにもかかわらず、最大の責任者が、同じようなことを言って、逃げる。

 この新自由主義の時代にあって、この問題をめぐる闘いは、労働運動にとって、重要な位置を持っている。

 しかし、読売新聞東京本社さん。遅いよ。回答が。

 無視、逃亡はできない、そこまで読売新聞東京本社を追い込んだということで、さらに群馬合同労組は切り込みます!来週の辰巳との団体交渉を闘い、絶対にしっぽを握ります。

 

無断欠勤1回で解雇?ありえません!

 読売新聞(読売センター)足利西部店=株式会社辰巳は、群馬合同労組のN組合員の解雇撤回の要求書に対して、拒否の回答書を送付してきました。

 組合は10月6日付で追加要求書を提出し、あわせて回答と団体交渉を拒否している読売新聞東京本社にも抗議の通告書を送付しました。

 この間明らかになった事実は、株式会社辰巳の就業規則では、無断欠勤は「けん責」と明確に規定しているという事実です。

 新聞配達業界を知っている人ならば誰でも、アルバイトの無断欠勤1回で解雇など聞いたこともないというはずです。組合員として、ストライキで闘い、団体交渉を繰り返して、労働条件を改善させてきたことに対する明らかな組合つぶしの不当解雇です。

 追加要求書では、就業規則の提出と、どの規定に基づいた解雇なのか説明せよと求めています。そして、団交を主導した「春日」なる人物の素性を明らかにするように求めました。人を不当に解雇してどうなるか、しっかりとわからせてやらなければなりません。

 読売新聞東京本社に対しても、団交拒否に関しては、不当労働行為救済申立はもちろん、本社に対する抗議行動も検討すると通告しました。

 読売センター足利西部店と読売新聞東京本社は、N組合員の解雇を撤回せよ!

 新聞配達労働者は、新聞配達ユニオンに結集しよう!

□□新聞店からの回答書

 先日、新たに加入した□□新聞店で働くXさんの要求書に対して、群馬県内の□□新聞店から回答書が届いた。退職条件、有給休暇取得、集金業務に関わる問題、未払い賃金の支払、就業規則と賃金規程のコピーを組合に交付することなどを要求した。すべての項目に関して、前向きに協議に応じるというもの。回答書といっしょに就業規則・賃金規程、出勤簿・タイムカードのコピーが送られてきた。

 話を聞いて驚いたのは、集金業務だ。月末に、一週間かけて、自分の担当区域の集金を行う。会えない、集金出来ないお客さんが、当然出る。その未集金分について、担当者が「証券を買わされる」、つまり賃金から差し引かれ、その後自分で回収して給料にあてるというのだ。回答書では、「立て替えてもらう」「過去にも、従業員が回収不能分を自分で支払ったことはありません」となっている。実際はどうなんだろうか?

 いずれにしても、こういうことが、新聞業界でまかり通っている可能性がある。新聞業界が厳しいのはわかる。しかし、労働基準法もあってないに等しい現実、これは声をあげ、団結して闘って、権利を勝ち取る必要がある。

 新聞配達労働者は団結しよう!N組合員の解雇撤回!新聞配達ユニオンに結集を!