元ウベハウス東日本従業員・T組合員が残業代裁判で勝利的和解

 本日12月20日、T組合員が本人裁判で闘ってきた残業代請求裁判が前橋地方裁判所高崎支部で開かれ、原告T組合員とウベハウス東日本のIさんの証人尋問が開かれた。組合からも多数が傍聴にかけつけた。その後、裁判所の職権で和解協議が行われ、T組合員の勝利的和解で落着した。少額訴訟で勝てると思ったが本訴に移行。反訴もされて大変だったが、弁護士もつけず、がんばって、ついに勝利的な和解決着。最後は金の問題ではないと、意地でがんばった。闘えば勝てる。またひとつ重要な前進だ。

勝利の要因
★当初群馬合同労組に相談・加入して、団交、抗議闘争をやり抜いたこと。これが重要な証拠となった。
★群馬合同労組の組合員として、T組合員が仲間の支援や東京の集会などにも参加して、労働者としての団結を固めてきたこと。
★T組合員の根性

法律上の決め手になった判決はこちら
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/08697.html


一般的に労働時間とは使用者の作業上の指揮監督下にある時間または使用者の明示または黙示の指示によりその業務に従事する時間と定義されるところ、前記認定事実(2)、(3)のように、原告らを含む従業員は一旦は皆で事務所から徒歩5分ほどの駐車場兼資材置き場にバイクなり車で来て、そこで被告の会社の車両に資材等を積み込んで事務所に午前6時50分ころに来ていること、その後手元である原告らと組む親方と訴外丙川との間で当日入る現場や番割りさらには留意事項等の業務の打ち合わせが行われており、その間、手元である原告らも事務所隣の倉庫から資材を車両に積み込んだり、入る現場や作業につき親方の指示を待つ状態にあること、証人丙川及び原告らの各供述によれば、被告が従業員を当日どこの現場へ差し向けるかは天候にも左右され、当日休む者が出た場合に変更となることもあったり、前日までの各現場の作業の進捗状況に応じて訴外丙川が采配している実態が見受けられること、原告甲野は自宅の近くの現場に直行することがある場合以外、原告乙山は全勤務期間中妻のお産のときなどの2回を除いては現場への直行はしていないことが認められる。
 このような原告らの出勤状況及び被告における作業の指示状況からすると、原告らはそれぞれ朝に事務所へ午前6時50分には来ることを訴外丙川から実質的に指導されていたものと評価することができ、直行の場合を除いて少なくとも午前6時50分以降は原告らは被告である使用者の作業上の指揮監督下にあるか使用者の明示又は黙示の指示によりその業務に従事しているものと考えるのが相当である。〔中略〕
原告らが日々午前6時50分までに事務所に出勤するのは正しく被告である使用者の指示を待つ指揮監督下にあるものといえるのであり、その後の車両による移動時間も親方と組になって訴外丙川との打ち合わせなり指示に基づき現場に赴いているものであることからすると、拘束時間のうちの自由時間とは言えず実働時間に含めて考えられるべき筋合いのものというべきである。〔中略〕

ウベハウス東日本はT組合員に残業代を支払え!(裁判報告)

5月10日、高崎簡易裁判所にて、T組合員が原告となり、退職した(株)ウベハウス東日本を被告とする給料(残業代)支払請求訴訟の3回目の裁判が開かれた。平日の昼間ではあったが、原告含めて9人の組合員が結集して傍聴した。前日の中央タクシーの労働委員会に続いて連日の闘い。仲間のために闘い、仲間とともに闘う、群馬合同労組は日々団結を強化して前に進む。

T組合員は他の若い同僚二人とともに、2014年11月に賃金が払われないと組合に相談。ブラック企業ウベハウス東日本に対して、数度の抗議行動と、団体交渉で闘った。会社は不誠実な対応に終始したが、結局労働基準監督署を動かし、是正勧告を出させて不払い賃金を支払わせた。

しかしながら、残業代に関しては、早朝に出勤を命じ、タイムカードにも記録が残っていながら、代理人・反町大弁護士は、千葉や茨城の現場に行くまでの移動時間は労働していない、「指揮命令下にない」と言い張って支払う姿勢を見せなかった。そしてこの裁判となった。当初少額訴訟(60万円を上限として、原則1回の裁判で判決を出す)として提訴したが、被告ウベハウス東日本が通常訴訟への移行を主張したことによって、3回目の裁判となっている。

群馬合同労組は、組合員の問題であるというだけではなく、中央タクシー分会でも大きな争点になっている「手待ち時間」(拘束されてはいるが実際には労働していない時間)を労働時間と見なすか否か、という大事な争点であるので、T組合員とともに労働組合の闘いとしてこの裁判を闘っている。以下、原告の準備書面を転載する。

 

準備書面(1)
第1 被告の主張の認否について

1 「残業時間」について

① 被告第1準備書面2頁7行目「原告は、原告のタイムカード(甲7ないし18)に打刻された出退勤の時刻から1日の法定労働時間である8時間と休憩時間1時間を控除した残余の時間を「残業時間」とした上、残業代を請求しているものと考えられる。」は、認める。
② 2頁10行目以降の被告の主張については争う。第2「原告の主張」にて述べる。
2 (3頁6~8行目)「なお、原告が従事していた建設現場は千葉県や埼玉県など群馬県外が多く、本来であれば建設現場付近に宿泊すべきところを、原告の希望により、群馬県まで戻ることが何度となくあった。」について

否認する
第2 原告の主張

1 被告は「割増賃金の対象となるのは労働時間であり、労働時間とは『労働者が使用者の指揮監督命令下に置かれている時間』をいう」として、「原告が『残業時間』としている時間は、被告の指揮監督命令下に置かれておらず労働時間に該当しない」と主張する。同様に「原告は、通常、原告の事務所に出勤した後、タイムカードを打刻する。同所でミーティングに参加し、また準備作業を行うが、その後、直ちに建設作業に従事するものではなく、建設現場まで自動車で移動した上、建設現場で建設作業に従事していたものである。そして、夕刻、当日の建設作業が終了すると、自動車で被告の事務所まで戻り、被告の事務所でタイムカードに打刻してから帰宅していたものである。」「原告が『残業時間』とするものは、建設現場まで向かい、または建設現場から戻る移動時間のことである。原告は自動車運転免許を持っていないため、原告が自動車を運転することはなく、原告は被告の他の従業員が運転する自動車に同乗しているだけであり、移動の間、自由に時間を過ごすことができ、事実、原告は睡眠を取ったり、携帯電話を使いゲームをするなどして移動時間を過ごしていたものであり、被告の指揮監督下に置かれてなどいない。」以上から「原告が主張する『残業時間』は、労働時間には該当しない。したがって、原告に残業代は発生していない。」と主張する。

① 原告が早朝に出社し、タイムカードを押し、建設現場から原告事務所まで往復の移動をする時間について、被告は「被告の指揮監督命令下に置かれていない」と主張するが、指定した時刻に出社し、その日の建設現場に作業開始時間に間に合うように被告の車両に乗車し、移動することは、被告の業務命令にもとづいている。また運転免許があれば運転を交代もするし、途中で積み荷のチェックをしたり、問題があれば作業もする。したがって、移動時間は明らかに「被告の指揮監督命令下」にある。

② 被告が移動時間を「指揮監督命令下」にないとする理由は「他の従業員が運転する自動車に同乗しているだけであり、移動の間、自由に時間を過ごすことができ、事実、原告は睡眠を取ったり、携帯電話を使いゲームをするなどして移動時間を過ごしていた」ということであるが、いわゆる「手待ち時間」に関しても「出勤を命ぜられ、一定の場所に拘束されている以上、労働時間と解すべきである」。

労働時間に関する定義については、法律に定めはないが、つぎの通達があり、判例(平11.3.9最高裁第一小判決 三菱重工業長崎造船所事件)においても、同じ解釈がされている。
昭33.10.11 基収6286号
「労働とは、一般的に、使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実に精神又は肉体を活動させていることを要件とはせず、したがって、例えば、貨物取扱いの事業場において、貨物の積込係が、貨物自動車の到着を待機して身体を休めている場合とか、運転手が二名乗り込んで交替で運転に当たる場合において運転しない者が助手席で休息し、又は仮眠しているときであってもそれは『労働』であり、その状態にある時間(これを一般に『手待時間』という。)は、労働時間である。」
2 被告は原告に対して、入社時もその後も、労働条件の通知を行っていない。また就業規則も、原告が平成26年(2014年)11月1日に加入した群馬合同労働組合が要求書を提出して開示をさせるまで、事業所に閲覧できる状態に置いてこなかった(甲21号証)。就業規則には、移動時間に関する規定は存在しない(甲20号証)。したがって、移動時間を休憩時間とみなすことは出来ない。
第3 被告における「時間外手当」、支払日の定めについて

1  時間外手当の定め

被告の「賃金規程」(甲20号証)の第14条1項として「法定労働時間を超えて、または休日に労務せしめた場合には通常支払う賃金の25%割増の賃金を、深夜(22時から5時までの間)において勤務せしめた場合には通常支払う賃金の25%割増の賃金を支払う」との定めがある。

2  支払日の定め

被告の「賃金規程」(甲20号証)の第3条として「賃金は前月21日から起算し当月20日に締め切って計算し、当月末日(支払日が休日の場合はその前日)に支払う。」との定めがある。
第4 付加金

被告は、原告を含む従業員に対して、労働協定もなく労働基準法第32条及び第36条に違反して法定外の時間外労働を日常的に行わせていたにも係わらず、同法第24条及び第37条に違反して、その時間外労働に対して故意に割増手当を支払わないという扱いを続けていた。
被告は、労働基準法その他、労働に関する法令の遵守を十分に教育、指導していない。取締役を含む役員及び直接に従業員の指導に当たる役職者もこれらを十分に理解しておらず、労働基準法第15条の労働条件明示義務も果たしていない。就業規則・賃金規程も原告が加入した群馬合同労働組合が団体交渉で開示をさせるまで、一切従業員に開示されてこなかった。
被告は、これら労働者の無知につけ込んだ行為を長期に渡り故意に行っていた。原告が加入する群馬合同労働組合による残業代の支払い要求に対しても、不誠実な対応で不払いを居直り、極めて悪質といえる。
このように被告は労働基準法第37条違反が明白であるので、労働基準法第114条に基づき、上記未払賃金の元本と同額の付加金の支払いを求めるものである。
第5 結語

よって、原告は、被告に対し、
1 賃金請求権に基づき、平成25年12月21日から平成26年8月31日までの未払賃金合計 金601,475円

及び
① 各月の給与支払いの日の翌日である、
うち金66,875円に対する平成26年2月1日から
うち金64,632円に対する平成26年3月1日から
うち金105,914円に対する平成26年4月1日から
うち金99,803円に対する平成26年5月1日から
うち金71,841円に対する平成26年6月1日から
うち金85,313円に対する平成26年7月1日から
うち金30,999円に対する平成26年8月1日から
うち金76,098円に対する平成26年9月1日から
いずれも退職日である平成26年9月30日まで法定利率年6パーセントの割合による遅延損害金

② 各未払賃金に対して、退職日の翌日である平成26年10月1日から支払済みまで「賃金の支払いの確保等に関する法律」6条1項の年14.6パーセントの割合による遅延損害金

を支払うこと。

2 労働基準法第114条に基づき未払賃金合計金601,475円と同額の付加金
及び本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5パーセントの割合による遅延損害金

を支払うこと。

3 訴訟費用は被告の負担とする。

との判決、及び1項・2項について仮執行の宣言を求める。

以上

 

Hisilicon K3

2014年11月15日の抗議行動

http://blogs.yahoo.co.jp/gungoroso/69421428.html