上州貨物自動車高崎営業所K所長の組合つぶし提訴を許さない!

24 6月 by gungoroso

上州貨物自動車高崎営業所K所長の組合つぶし提訴を許さない!

 2023年6月23日、群馬合同労組上州貨物自動車分会A分会長に裁判所から書類が届いた。上州貨物自動車高崎営業所K所長が、名誉棄損の損害賠償請求をA分会長に対して提訴した、口頭弁論が8月7日に開かれるので前橋地裁高崎支部に出頭するように、7月31日までに答弁書を提出するように、という。

 いったい何が名誉棄損だというのか?同封されていた訴状には、A組合員が、群馬合同労組がブログに2023年3月7日にアップした「上州貨物自動車分会結成!不利益変更の契約更新拒否を呼びかけ!」の記事(https://gungoroso.org/?p=2840)をほぼそのまま他の従業員にラインで送付した行為が名誉棄損だという。

 この文章の中の、「詐欺の手口」「K所長にだまされてはいけません」「あのウソつきで、ワンマンでやりたい放題のK所長の奴隷にされてしまいます」「A(ブログはC)組合員に対する差別や嫌がらせ」「まずいことはウソと脅しで押さえつけて来たやり方」という表現が「侮辱」にあたり、20名以上にラインで送付したことで「公然性」があり、名誉棄損にあたるというのである。そして「業務に集中できない、自分をまきこまないでほしい等」の従業員の意見が多数寄せられたとする。そして結論として損害賠償として220万円を支払えと提訴したのである。代理人は団体交渉に出てくる新潟の一新総合法律事務所の朝妻太郎弁護士である。

(1)

 まず、問題となっているラインの文章はブログに公然とアップされたものであり、群馬合同労組の組合方針として従業員に送付されたことは明らかである。(https://gungoroso.org/?p=2840)読んでもらえば明らかなように、2022年3月にK所長が詐欺的に従業員の雇用契約を正社員から有期雇用に転換していたこと、これが組合にばれると「説明した」という嘘で逃げようとしたこと、組合が証拠を出して嘘がばれたこと、団体交渉を引きのばし、組合との団体交渉をやる前に、組合員でない従業員に対して今度はきちんと説明して署名なつ印させると会社が考えたことは事実である。事実2023年3月20日付回答書において会社は1年の有期雇用契約は有効と主張しており、従業員に対して有期雇用契約を結ばせようとしていたことは明らかである。

 組合は、従業員の仲間のために、こんな労働契約法違反は許せない、何とかして真相を知ってもらい、理不尽な契約更新に応じないように、そしてひとりで拒否できなければ組合に加入しよう、と呼びかけたのである。

 名誉棄損というのは、言論の自由を制限するものだ。だから、「違法性阻却事由」を全て満たした名誉毀損に対しては、違法性は認められない。

①            公共の利害に関する事実に係ること(公共性)

②            専ら公益を図る目的に出たこと(公益目的)

③            意見・論評の前提としている事実が真実であると証明されること(真実性)

④            人身攻撃に及ぶなど意見論評としての域を逸脱したものでないこと(非逸脱性)

 組合のブログ記事も、A分会長のラインメッセージもこれらの4つの要件をすべて満たしている。よって名誉棄損には当たらない。

(2)

 今回のA分会長に対する提訴は、不当労働行為=組合つぶしの一環をなしている。組合活動に対して個人に損害賠償請求をかける。また、裁判の勝敗の前に相手に苦痛を与えるのが目的のスラップ訴訟だ。

 この提訴の日付は2023年5月19日になっている。上州貨物自動車は、同じラインの送付を就業規則違反(就業時間中の組合活動)として、3月27日から5月25日までの間、A分会長とB副分会長に対して自宅待機命令を出した。まさにこの自宅待機命令期間中、懲戒処分の調査中に、K所長個人による民事の提訴を行っていたのである。

 しかもこの自宅待機命令、当初はA分会長は「無給」となっていた。期間も「2022年」と間違っていた。これを組合の抗議と団体交渉で訂正させた。しかしこの自宅待機命令書をK所長は高崎営業所に見せしめのように貼りだし続けていた。懲戒の嫌疑となった就業規則の条文が実は組合が要求書を出した後に改ざんされたものだった。こんな不法行為を続けていたK所長が、いつから被害者になったのだ?

 ネットで検索すると、「名誉毀損による慰謝料の相場は、個人の場合で10万~50万円」とある。ふつうは弁護士費用で採算割れということも多いらしい。会社が組合つぶしのためにスラップ訴訟に踏み込んだと判断せざるを得ない。絶対に許さない。

(3)

 K所長は、この裁判にあたって、裁判所に自分の住所を秘匿する申立を行い、裁判所が認める決定を出した。K所長は従業員の個人情報はすべて管理している。しかし自分の住所はA分会長や組合に知られたくないらしい。何がこわいのか?

 第3回の団体交渉で、K所長は、残業時間の計算がいい加減であったことを認め、残業代を自分の「職権で手当」していたと認めた。ラインとブログで書いたことは間違っていなかった。

 K所長のやってきたことは許されることではない。群馬合同労組はA分会長と共に絶対に勝利する。

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