合同一般労働組合全国協議会第10回大会、飛躍をかけて勝ち取られる(月刊労働運動11月号)
合同一般労働組合全国協議会第10回大会、飛躍をかけて勝ち取られる
(月刊労働運動11月号)
合同一般全国協議会幹事(群馬合同労組執行委員長) 清水彰二
10月8日、合同一般労働組合全国協議会第10回大会が大会代議員39名、役員・来賓・傍聴あわせて70名で、歴史的な大会として勝ち取られた。
改憲をめぐる歴史的な階級決戦の到来の中で、全国協は、結成10周年を迎えいまだ組織拡大の壁を突破しきれずにいる。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会のすばらしい非正規職闘争の拠点を打ち立てながら、その後の拠点建設闘争において重要な敗北にも直面している。
このような状況の中で、合同一般全国協として、本当に日本の労働運動に責任をとる組織たり得るのか否か、あいまいさなく突きつけられる中での第10回大会であった。
結論として、そのような歴史的な任務にたじろがず、断固として、労働組合の建設で勝利すること、組織拡大に全力をあげること、その指導機関として責任を取り切るという決意と方向性をうち固めるものとして大会は勝ち取られた。
重要なのは、ひとつは、旭非正規職支会チャ・ホノ支会長を招いて、具体的な支援連帯の道を切り開いたことである。チャ・ホノ支会長を全国協の大会に招くということは、相当な決意が求められた。しかし全国協として、断固この大会にあわせて来てもらうという決断をした。そこから、どうやって旭非正規職支会の闘いに応えていくのか、という土俵の上での議論が始まったのだと考える。
もうひとつは、千曲ユニオン・河野副委員長のセブン-イレブン・ジャパンとの闘いの勝利の地平の上に、コンビニ関連ユニオン結成の呼びかけを全国協として行ったことである。河野副委員長のセブンイレブン入社は2001年。オーナーも含めて、すべての労働者の立場に立ちきって、本部社員として、本部と闘ってきた。団体交渉を重ねて重要な勝利を切り開き、今年3月には不当労働行為救済を求めて長野県労働委員会に申立をした。その記者会見の様子が地元メディアに流されると大きな反響が広がった。オーナーの団結権、団体交渉権を求めて労働委員会で闘ってきたコンビニ加盟店ユニオンもその一つだった。巨大ブラック企業たるコンビニ本部に対して、たったひとりでも勝利している、団結すれば勝利できる、まさに階級的労働運動の真骨頂を示してきたのが河野副委員長の闘いだった。いまや、河野副委員長の闘いを長野の一地方の闘いにしてしまってはいけない。全国協として、河野副委員長とともに、コンビニ関連労働者の「生きさせろ!」の闘いをともに闘い抜くという路線と方針・体制の確立が問われていた。
コンビニ関連ユニオンの闘いはこれからである。しかしとにかくこの日の大会で結成の呼びかけを発して、本格的に始動した。とてもすばらしいリーフレットも制作された。正規VS非正規、本社社員VSオーナー、オーナーVS従業員、日本人VS外国人…すべてをこえた階級的団結の闘いの開始。新自由主義と対決し、労働組合と団結が生きる希望となる、そのような闘いの開始である。
また、労働組合と団結を不抜に打ち立てるためには、執行部が徹底的に議論し討論し責任を取るというあり方が必要だと議論しながら大会が準備されたことが重要である。失敗したら、誰々が悪いとやり玉にあげるのではなく、常日頃、執行部が労働組合と団結に責任を取るという立場と能力が求められている。現場の問題点を洗い出し、討論をし総括する、まさに労働組合の建設と運営に求められる基本的なことを全国協の執行部が実践しなければならないということだ。それはまだまだ不十分で始まったばかりではあるが、決定的な第一歩を踏み出した。この道を進めば我々は日本に民主労総のような闘いを組織することはできる。
大会を成功に導いたのは、準備段階から激しくこのような議論を行ってきたことであると感じている。来賓の旭非正規職支会チャ・ホノ支会長と動労千葉OB会・永田会長のあいさつにも期待と連帯の思いがこもっていた。詳しいことを書く紙面がないが、大会のすべての発言が重要だった。職場でのすばらしい勝利の報告、団結に獲得された我々自身の感動。闘いが思うように進んでいない苦しみも多くの仲間が抱えている。なかなか言えない失敗もみんなある。なかなか発言もできない。それもまた現状である。
しかし我々が挑戦しているのは、行き詰まり、腐臭紛々たる帝国主義の最後の一線たる新自由主義に対して、階級的団結を対置して、労働組合と労働運動でこれをひっくり返すという大事業だ。正規と非正規の間にくさびを打ち込まれ、既存の労働組合が資本の手先として、労働者の決起と団結を踏みにじる中で、「過激派」とレッテル貼られた我々が、労働者と結びついて団結と闘いをつくり出そうというのである。そう簡単にいくわけがない。しかし大事なことは、仲間の苦闘が切り開いてきたひとつひとつの勝利と国際連帯の力で、この大会で、全国協が一歩躍り出ることができたということである。全国協をその指導機関として全体の力でつくり出すことが決定的だ。
韓国に戻った旭非正規職支会チャ・ホノ支会長は、帰国後の最初のテント前集会で日本の闘いについて、こう話した。「日本同志たちは旭同志たちが可哀想だからではなく、旭闘争が自分たちの闘争という観点で連帯している」「労働者はひとつだ」。ここに今大会で全国協が切り開いた地平が凝縮されている。
改憲と戦争をめぐる歴史的な決戦が切迫している。改憲阻止!大行進運動も、全国に闘う労働組合の拠点をつくり出し、労働運動が地域の運動の中心にすわることがカギになる。11・4の1万人結集をかけた、全国協の本気の組織拡大こそが、この情勢を切り開く。大会の成功を引き継ぎ、全力で闘い、今こそ闘う労働組合を甦らせていこう!