パワハラに負けずに、高崎環境保全社でT組合員が職場復帰!
高崎環境保全社は、高崎市の委託を受けて、ゴミの収集を中心業務とする、従業員40人ほどの会社。高崎市が過半の株式を保有し、役員に高崎市の職員を出向で派遣している会社。社長も高崎市からの天下り。
2017年12月、職員間のいざこざに端を発して、Tさんが佐藤社長に苦言を呈したことに対して、佐藤社長は「おれにそんな口聞いて後でどうなるかわかってんだろうな?」「覚悟しとけ」「覚えておけよ」と恫喝した。この社長の暴言によって、Tさんは心身に変調をきたし、昨年末から休職を余儀なくされていた。
そもそも高崎環境保全社では、社長の身内や言うことをきく人間で役員で固め、あからさまな差別的な扱いが目についた。T組合員は、6年前に腰痛を発症して当時の負担の多いコースの担当替えを頼んだが、朝岡業務課長はそれを拒否した。結果、腰痛を悪化させ休職を余儀なくされた。
思い詰めたTさんは群馬合同労組に相談をよせた。群馬合同労組は、Tさんに組合に加入してもらい、会社に謝罪と補償を求めて、2回の団体交渉を重ねた。第1回の団体交渉には10人の組合員が出席したが、社長は出席を拒否。小林優公代理人弁護士は、社長に代わって、証人もいるのに、事実をねじ曲げ、開きなおる。第2回団体交渉では会社はわざわざ狭い会場に場所を変えて人数を制限したうえ、組合に追及された矛盾を取り繕って新たなストーリーをでっち上げた。しかも肝心な社長発言は「社長は覚えていない」と逃げたのだ。
しかし高崎市と会社は、さすがにこれまでの状況、体質を放置もできなかったとみえ、職場は人事もふくめて、大きく状況は動いた。朝岡業務課長も職場を去った。団体交渉の話を聞いた同僚からも、こんなウソは許せないと怒りが高まった。こうした中でT組合員は、負けるわけにはいかないと4月からの復職を決意。
3月30日には、群馬合同労組の清水委員長とT組合員が職場に乗り込み、佐藤社長に復職の「あいさつ」。事務室で対応した佐藤社長は、「今日は団体交渉ではない」「事務員もいるので」と逃げる。T組合員はじっと社長をにらみすえる。組合からは、T組合員がちゃんと安心して働けるように、と強く申し入れる。収集の業務課の部屋にあいさつに行くと、職場の同僚が集まってきてT組合員の復職を歓迎、「あの社長のウソはひどい」と団体交渉の報告を聞いている仲間が口々に訴える。みんな、社長と会社のやりたい放題をはらにすえかねていたのだ。
こうした中で、T組合員は、4月からついに職場復帰をはたした。職場をかえる大きな第一歩だ。労働者は一人では弱いものだ。しかし、闘いはたった一人から始まる。群馬合同労組は、その「たった一人」と、労働者としての団結で固く結びついて、地域から闘いの芽をつくり出す力と経験をつくり出してきた。心配することはない。ともに闘おう。