外国人労働者の雇止め解雇を許さない!

9 2月 by gungoroso

外国人労働者の雇止め解雇を許さない!

外国人のAさん、Bさんが、雇用先のCから昨年末で紙切れ一枚、問答無用で雇止め解雇された、納得がいかない、ということで、日本人のBさんの奥さんから、群馬合同労組に相談の電話があった。すぐに会って話を聞いた。

Aさんは日系2世、雇止め解雇されるまで、大手の工場の請負職場で4年以上も働いていた。Bさんも1年数ヶ月。

Aさんは職場では仕事上なくてはならない存在だった。問答無用の雇止め解雇など思いもよらなかったという。どうも職場の労働者の現場責任者に対する反感が強く、さまざまな形でボイコットがおこり、Aさん、Bさんがリーダーだと見られたようだ。完全なでっちあげだ。見せしめでもあっただろう。

 

どうも誤解されているようだが、有期雇用の労働者だからといって、契約終了だからといって、簡単にクビを切っていいわけではない。労働契約法の「5年ルール」(今年の4月から有期雇用をくり返して5年以上になる労働者には「無期転換申込権」が生じて、雇用主はこれを拒否できなくなる)でも、これを回避するためにこれが発生する今年の4月の前に長い労働者を解雇・雇止めする企業・法人が増えているが、これも誤解だ。

 

「雇止め法理」というものがある。民法上の原則では、有期労働契約は定められた期間が満了すれば、契約を更新しない限り契約関係が終了し、使用者は更新しないことについて特段の理由を必要としていない。しかし、裁判では、有期労働契約であっても、一定の場合には解雇権濫用法理が類推適用され、合理的理由のない雇止めが無効と判断されてきた。この判例法理を「雇止め法理」という。実は5年前の労働契約法の改正で、「5年ルール」とともに、この「雇止め法理」が労働契約法19条として条文化されたのである。

 

ついでに、ここでいう「解雇権濫用(らんよう)法理」というのは、”合理的な理由の存在”と”解雇にすることが社会一般的に見てしょうがない状況”という2つから成り立つ。「合理的な理由」というのは、業務成績の著しい不良・病気やけが治癒後の労働能力の喪失、業務命令に背いた・職場規律の違反行為・重大な経歴を偽った・会社の業務を妨害した・無断欠勤などの職務懈怠、職種の消滅による解雇・経営不振による解雇、などである。

 

要するに、こういった具体的な理由がなければ、雇止めだって違法な解雇であるということだ。

 

今回のAさん、Bさんのことで、外国人労働者がいかに簡単にクビにされ、使い捨てにされているか、が身にしみた。そして、こういう外国人労働者を日本の労働組合が守らないこと、群馬合同労組のような国籍や民族に関係なく、いっしょに闘う労働組合をさがすことがいかにむずかしいことか、もよくわかった。怒りをもち、ともに闘う気持ちをもった外国人労働者がたくさんいることも確信した。

 

群馬合同労組は、Aさん、Bさんの雇止め解雇を必ず撤回させる。

C社は、群馬合同労組の要求書に対して、団体交渉の期限前日に「回答書」を送付して、“Aさん・Bさんは他の職場を紹介したのに、雇用保険をもらいたいと言って、解雇をのぞんだ”“会社はその希望に添っただけで、本当は解雇ではなく「自己都合退職」だ”“「解雇」を「自己都合」に変更して、雇用保険ももらえないように手続きする”“Aさん・Bさんがみんなを扇動して生産が止まった、損害賠償請求も検討している”“団体交渉はやる理由がない”と回答してきた。

 

おもしろいじゃないか。みなさん、またしてもブラック企業との闘いが始まりました。応援をよろしくお願いします。

One Comments “外国人労働者の雇止め解雇を許さない!

  1. なんと言う暴挙
    国籍は違えど 共に苦楽を共にしてきた仲間によくこんな事が出来るもんだ!

    ホント日本は、差別国家なんだと 改めて思う
    会社の一方的な都合で、解雇され

    解雇された労働者は、どうなる?
    生活していけないだろ!

    仕事は出来ない、好き勝手にやってるのならまだしも
    彼等は、仕事ができ職場に必要な存在と
    分かっているのに

    解雇するって事は、死刑と同じだ!

    こんな悪徳企業叩きのめしましょう!!

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