第18回定期大会で団結固める!

3 7月 by gungoroso

第18回定期大会で団結固める!

 2023年7月2日、高崎市産業創造館にて、群馬合同労働組合第18回定期大会が開催された。組合員、支援・共闘の仲間、あわせて40人あまりが結集。30余りの事前の委任状と合わせて大会の成立を確認。議案はすべて承認された。執行部に新たに二人を加え、組合費値上げの規約の改定も組合員の過半数の賛成票を得て可決成立した。

 国鉄千葉動力車労働組合の永田OB会長、群馬合同労組支援共闘会議の木村さん、長野・千曲ユニオン、栃木・とちのきユニオン、新潟地域一般労働組合からあいさつを頂いた。動労千葉、労組交流センター、合同一般労働組合全国協議会の仲間たち、地域のユニオンから、心のこもった連帯のメッセージが届いた。

 議案を受けた討論ではすべての出席者が発言。団結して闘いに勝利する決意を固めた。

新たなメンバーを加えた執行部
清水彰二執行委員長

 以下は、採択された総括・情勢・方針の議案。

第1号議案 総括

(1)    はじめに

 この1年は闘いの連続だった。読売新聞〇〇店での解雇撤回の勝利解決から始まり、吉ヶ谷、派遣会社A、SUBARU、上州貨物自動車、派遣会社イング、鈴木治作株式会社、ベイシア、群馬バス春闘スト、B社(流通小売業)など、組合員のすばらしい闘いが次から次へと巻き起こった。外国人労働者の相談や加入・闘争も途切れることなく続き、組織拡大を続けている。

 2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻して戦争が始まった。ウクライナも米・NATOの支援を受け、すぐに反撃。世界は大きく動き出した。アメリカはウクライナを戦場としてロシアを叩きつぶし、ロシアの国際的な影響力を排除した世界体制を構築しようとしている。アメリカの次の狙いは中国である。G7広島サミットは、アメリカのこの世界構想をG7をはじめとする世界主要国に承認させ動員するものだ。日本の岸田政権はこのアメリカの戦略に完全に一体化して、戦争国家として生まれ変わる決意を示した。それを被爆地ヒロシマでやったのである。群馬合同労組は、労働組合として戦争絶対反対の立場を確認して、G7サミット反対のヒロシマ行動を闘った。前段となった昨秋の安倍晋三の銃撃死・国葬に対しても闘ってきた。

群馬合同労組の組合員のひとつひとつの闘いが、大きな力である。この新自由主義の時代、労働者が分断され、資本に使い捨てにされ、つぶされる時代を、労働組合の力で、階級的労働運動の力で変革する可能性と展望を確信させてくれた。

米日韓は2026年「台湾有事」を想定した戦時体制構築に躍起となっている。私たちはこの一年、さらに必死になって闘わなければならない。労働者は団結と連帯こそが生きる力であることを、社会に示していこう。

(2)    上州貨物自動車分会の闘い

 上州貨物自動車分会の闘いは、高崎営業所のK所長のパワハラに対するC分会長のたった一人の闘いから始まった。

 上州貨物自動車高崎営業所K所長は、従業員を期間の定めのない正社員、年480万円の年俸制の条件で雇用しておきながら、2022年3月の個別面談で1年の有期雇用の契約書に署名なつ印させた。ほとんどの従業員が気づいてもいなかった。

昨年11月18日付で、C分会長の組合加入通告を行い、この雇用契約の無効を求めた。するとK所長は「説明した」とウソをつき、組合が当時の録音を示してウソだと断罪すると、じゃあ2023年の3月に再度説明して、1年の有期の雇用契約を結びなおすとした。このことをブログとビラで暴露すると、D副分会長、E分会書記長も組合に結集して立ち上がった。ひとりでは立ち向かえないと皆が思っていた。

組合の追及に対して、会社とK所長は、団体交渉を先延ばしにして、その間に組合員以外の従業員に一年契約の雇用契約を個別にのませようとした。門前ビラまきに対して不当な介入を行い、組合員と他の従業員とを分断しようとした。

組合は、ブログで雇用契約の不利益変更に応じるな、組合に入ろうと呼びかけた。C分会長が、ラインを使って、従業員みんなにこの呼びかけを転送して、アピールした。

会社は、自らの不当で不法な契約更新にほおかむりして、このC分会長のライン転送と、D副分会長が同僚に「不利益変更の雇用契約書に署名なつ印しない方がいい」と話した行為を懲戒処分に該当する行為と決めつけた。

3月24日、C分会長とD副分会長に、3月27日から5月25日まで2カ月間の自宅待機命令書が交付された。命令書にはその間の給料について、C分会長は「無給」、D副分会長は「6割」支給とあった。

組合は即座に闘争に立った。3月25日には高崎営業所K所長に対して、懲戒と自宅待機命令の根拠となる就業規則を出せと抗議の申入れ行動を行った。自宅待機命令開始の3月27日にも組合員十数名で高崎営業所に対する抗議行動を行い、組合員に見守られる中、清水委員長と当該がK所長に申入れを行った。なんと自宅待機命令の期間が「2023年」ではなく「2022年」に間違っていたのだ。組合はK所長に、この自宅待機命令は無効だと抗議・宣言した。K所長が威力業務妨害の脅しをかける中、清水委員長と当該は本社に移動して、佐藤賢一社長に話し合いを求めた。ところが佐藤賢一社長は入り口のカギを閉め、話すことはない、帰れ、警察を呼ぶ、と言うだけだった。

3月31日に開催された第2回団体交渉によって、自宅待機命令期間中の賃金は10割支給すると変更された。しかし変更される前の自宅待機命令書は高崎営業所掲示板に見せしめのように掲示され続けた。自宅待機期間中、当該を先頭に抗議行動が続けられた。労働者市民の驚きと怒り、激励の声が広がった。

自宅待機命令が明けて、5月26日に出勤したC分会長とD副分会長に対して、会社はC分会長を本社に、D副分会長を太田営業所に配置転換するとの命令を行った。理由が「従業員からの陳情」と組合の申入れ行動である。

その後6月12日に開催された第3回団体交渉において、会社は、懲戒処分は出す、その前にこの場で退職勧奨を行うとした。会社が解雇を狙っていることは明らかだった。組合員は断固拒否した。

会社の攻撃はそれで終わらなかった。6月23日C分会長に対して前橋地方裁判所高崎支部から訴状が届き、K所長が「侮辱・名誉棄損」でC分会長に損害賠償請求の民事訴訟を起こして、220万円の支払いを求めたことがわかった。また6月27日には高崎警察署からC分会長に電話があり、会社とK所長がC分会長を同じ件で刑事告訴したので出頭を求めるとの連絡があった。

組合は、6月27日に要求書を送付して、K所長がC分会長に対して損害賠償請求を起こした事案は、会社が組合活動として就業規則違反で自宅待機命令を命じた事案と同じ事案であり、不当労働行為であるからただちに取り下げよと要求した。

組合は昨年11月の要求書で就業規則・賃金規程・36協定書の提出を求めたが会社は提出しなかった。そしてその直後に就業規則を改ざんしていたことがわかった。会社は、すでにC分会長解雇を準備して就業規則を改ざんしたのだ。組合の闘いでその事実が暴かれ、会社は、現在まで懲戒処分を発動できない状態に立ち至っている。会社の凶暴さは決して会社の強さの表れではない。

組合は、群馬県労働委員会への救済申立を行い、あわせて違法な労務管理と未払残業代の支払いを求めて、裁判も準備しながら会社を追いつめている。どのような弾圧もさらなる攻撃も受けて立つ。不法な組合つぶしを許さず、必ず責任を取らせる。

(3)    高齢者介護施設・吉ヶ谷の闘い

 安中市にある高齢者介護施設、小規模多機能の家・吉ヶ谷を経営する株式会社吉ヶ谷との闘いも、現在労働委員会闘争を軸として不屈に闘われている。

 2022年5月に吉ヶ谷に介護職として就職したF組合員は、群馬合同労組G書記長の妻として、中央タクシー分会の闘いをともに闘いぬいてきた組合員である。自身、以前の職場でパワハラと対決して闘ってきた当該でもある。

 2022年9月、職場で利用者の介護中に利用者が暴れてけがをする介護事故が起こった。いっしょに介護にあたったHさんが、この時に暴言・虐待があったとして、解雇を通告された。F組合員がHさんに組合に入っていっしょに闘おうと話した結果、Hさんは組合に加入して闘う決意を固めた。

 9月20日、組合が田村智専務に電話をかけて、2人の組合加入通告を行い、H組合員の解雇通告の撤回を求めた。すると田村智専務は、「ならば事件にします」と宣言した。まだ安中市による調査が始まってもいないのに(11月29日に「身体的虐待までの認定」とはならない、「心理的虐待」に該当、との決定)、翌日からH組合員を専務のいる本所に配置転換、職員や利用者家族に、Hが「身体的虐待」「暴行」してけがをさせたと報告して、H組合員に対する怒り・反感・非難を組織した。そして職場でいじめと不当労働行為を組織して、ついにH組合員を適応障害で休職・退職に追いやった。F組合員に対しても不当労働行為、いじめ・差別が組織されている。

 群馬県労働委員会に救済申立を行い、安中市役所と施設での抗議宣伝行動を繰り返しながら、不屈に闘いを継続している。吉ヶ谷経営陣に必ず責任を取らせる。

(4)    春闘めぐる賃上げ闘争

 この一年の闘いで春闘をはじめとする賃上げ闘争を闘った意義は大きい。

 群馬合同労組群馬バス分会は、物価高が生活を直撃する状況に対して、大幅賃上げを求めてストライキで闘った。会社は、そもそも経営が厳しい中、コロナで打撃を受け、さらに燃料も上がり、賃上げは難しいという。これに対して、燃料が上がれば払うのに、労働者の生活費が上がっても我慢しろというのはおかしい。労働者をなんだと思っているのかと弾劾して闘った。新たな組合員の加入を得て、闘いへの共感が広がっている。

 ベイシアでもこの状況下で、I組合員がはじめて要求書を出して、すべての従業員への大幅賃上げを求めた。I組合員は、ベイシア吾妻店開店以来20年ロングパートとして店の惣菜部を支えてきた女性労働者だ。賃上げしなければ生きていけない、退職・転職せざるを得ない労働者が続出して職場が回らない、残った労働者にさらなる労働強化と労働環境の悪化が不可避だった。たった一人の闘いだったが、労働者代表選出の不正など、労働者を対等に扱おうとしないベイシアに怒りを突きつけ、大きな共感と団結が職場に生まれた。惣菜部でストをやろうという議論が本気で組織された。労働者代表選挙は正社員のマネージャー相手に66対50の惜敗だった。賃上げは平均5.44%。ささやかではあるが大きな成果である。職場改善が進み、職場の仲間の団結が強化されている。本部を相手にベイシア全体の職場改善も前進している。ネットで記事を見たベイシアの他店舗の労働者から応援のエールも届いている。

 他にも鈴木治作株式会社での非正規のJ組合員が時給の賃上げを求めて30円の賃上げを実現した。J組合員は60歳を過ぎてからパート従業員として就職した。パート従業員といっても仕事は正社員と同じである。最初は契約更新さえ不安だったが、所長のパワハラに怒って声をあげた。結果、パワハラはなくなり、これも会社全体の労働条件改善を実現するに至っている。

(5)    日系外国人労働者の闘いの組織化の前進

 この間、日系外国人労働者の闘いと組織化が前進した。

 派遣や請負で働く日系外国人労働者が簡単に雇い止め・解雇、パワハラや不当な扱いを受けるという事例は以前から広範にあった。組合でも多くの闘いをやってきた。この一年、SUBARUの子会社で派遣で働く労働者の闘争化に成功したこと、これを契機に外国人労働者の横の連帯につながったことが重要である。

 群馬には太田・大泉を中心にSUBARU(富士重工業)やパナソニック(旧三洋電機)の大工場がある。いずれも元は戦前の中島飛行機の工場である。広範な部品工場、下請け工場、関連産業が広がる。本体工場や部品・下請け工場を支える多くの派遣・請負労働者がいて、その多くを日系外国人労働者が占める。

 1990年に出入国管理および難民認定法が改定され、日系人に入国と就労が認められるようになった。現在県内に6万人の外国人がいる。日本での生活が長くなった日系外国人の多くはこのまま日本で生活していこうと考えている。

 しかし、彼らの多くは日本での永住が保証されているわけではなく、常にいつでも解雇できる労働力として扱われている。最初から永住するつもりではなかったので、年金もない。ちょっとしたトラブルで日本から追い出される不安定な身分だ。日本語も十分ではなく、常に差別され、不当に扱われる。

 

 派遣会社イングに雇用され、SUBARUの部品会社で働いてきたペルー人女性LさんとMさんは、工場で別の外国人とけんかをしたとしてイングから解雇された。組合が派遣先に確認すると解雇の理由は生産調整で、けんかが原因ではないことがわかった。派遣先は派遣契約途中の解雇なので残りの休業補償をイングに支払っているという。イングは二人にはけんかが原因、お前たちが悪いと、何の補償もせずに解雇した。休業補償金も着服しようとしたのだ。イングは、組合加入通告をして要求書を提出するとあわてて2人に解雇予告手当1カ月を振り込んできた。団体交渉で追及すると、イングはわずかばかりの解決金を提示して、納得できないなら裁判でもやれと言った。裁判やっても元も取れない金額だと高をくくっているのだ。組合は和解案を拒否した。そして当該を先頭に、SUBARUの群馬製作所本工場前で、「INGは謝れ!嘘でクビ切るな!」と街宣行動に立ち上がった。絶対にイングのような派遣会社を許さないと闘った。

 彼女たちは言った。お金ではない。外国人だからと、ずっと理不尽な扱いを受けてきた。それが許せないと。この闘いは、すべての外国人労働者の怒りを代弁した。そして群馬合同労組に結集して闘おう、闘えば勝てる、と訴えが広がっている。

 SUBARU本工場での抗議行動には、職場丸ごと結集した某派遣会社の組合員も応援に顔を見せた。画期的な闘いである。

 この闘いを契機にして、外国人の組合員が次々と仲間を組合に紹介して、組合員が通訳などでサポートしながら、連帯して、一つ一つの闘いを勝利してきた。外国人を差別して違法な扱いを続けてきた派遣会社や派遣先企業に負けることはない。今年の4月1日には大泉でお花見交流会を開催して、日本人と外国人組合員約20人が集まった。子供たちが走り回り、それぞれの国の料理やお菓子がふるまわれ、今後の連帯と交流を深めることができた。

 また昨年11月にはパワハラが原因で休職していたSUBARUの正社員が、ユニオンショップのSUBARU労働組合を弾劾して群馬合同労組に加入した。2回の団体交渉を闘い、4月から職場復帰して群馬合同労組の分会の旗を立てた。

 さらにSUBARUの部品会社の輸送を担う運輸労働者が群馬合同労組に結集した。会社の不当な扱いを弾劾して、未払い残業代も支払わせた。SUBARUを頂点として、関連する労働者が団結して闘う陣形がこの一年で形成された。

(6)    戦争絶対反対の立場で政治的課題・社会的課題で闘う

 労働組合にとって、戦争反対の闘いを闘うことはとても重要である。その立場でこの一年闘ってきた。

8・6ヒロシマ大行動、11月全国労働者総決起集会、3・11反原発福島行動、安倍晋三の国葬反対闘争、三里塚農民の市東孝雄さんの農地取り上げに反対する闘い、G7広島サミット反対のデモ、杉並区議選ほらぐちとも子候補の応援など組合として取り組んだ。いずれも国家権力や右翼との闘いとなった。高崎金曜日行動も戦争反対の行動として毎週闘った。高崎金曜日行動にも2月に右翼が破壊と妨害に来て、身体をはった闘いとなった。すべて組合員もひるまずにともに闘った。

4・29G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合反対行動を呼びかけ、埼玉や長野の仲間と共にデモと街宣で闘った。長野・新潟のG7会合にも反対行動に合流した。

 旭非正規職支援共闘会議の月1回の東京丸の内のAGC本社抗議行動や株主総会闘争、韓国サンケン労組を支援する会・尾澤孝司さんへの弾圧を許さない支援行動にも組合員が全力で参加してきた。

 入管法改悪反対闘争、軍事クーデターに抗議して立ち上がるミャンマー労働者市民との連帯行動などにも参加してきた。

 高崎金曜日行動、群馬さよなら原発アクションなど継続して取り組んだ。

 差別や排外主義に反対する取り組みも積極的に取り組んだ。中国人慰安婦問題を記録した中国人・班忠義監督の「太陽がほしい」上映会、ハンセン病患者差別・朝鮮人差別と闘うファン・グァンナムさん講演会、群馬の森・朝鮮人追悼碑撤去を許さない行動、など全力で取り組んだ。心ある仲間たちと共闘と連帯を作り出した。

第2号議案 情勢

(1)    世界は戦争と恐慌の時代

 2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻して戦争が始まった。5月G7広島サミットでは日本はゼレンスキー大統領を招き、米・NATOと一体となって対ロシアにあたることを表明した。

 労働者が階級的なものの見方・考え方を奪われ、自国政府の戦争を推進・翼賛する時に、戦争は現実のものとなり、後戻りができない破滅へと向かう。

 私たちは始まった戦争の性格と今後の展開について、労働者階級の視点でしっかりと見定め、戦争絶対反対の立場をはっきりさせなければならない。

 まずウクライナの戦争は、ロシアが軍事的に侵攻して始まった。軍事的にも政治的にも経済的にも、1989年に崩壊した東欧体制の残存物に依拠してきたロシアは、30年のわたる攻防でNATO・EUの東欧圏への浸食に甘んじてきた。隣国ウクライナのNATO加盟は軍事的に容認できないものであった。ロシアの軍事侵攻はそれに対抗してウクライナ東部とクリミアをロシアの軍事的支配下に確保しようとするものだ。ロシアの軍事的大国的利害での侵略を許すことはできない。

 一方のウクライナはソ連東欧崩壊後、経済の崩壊によって、苦しい状況に置かれてきた。ソ連邦・東欧崩壊=市場経済化により国有資産の急速な民営化が行われ、利権と結びついた「オリガルヒ(富裕層)」が生まれた。2008年時点で、ウクライナで最も裕福なオリガルヒ50人の総資産は、ウクライナのGDPの85%に相当していた。通貨も経済圏もエネルギーもロシアに依存していたが、常にロシアの犠牲にされ、危機を繰り返した。そこにグローバリズムと新自由主義で勢いを得た西側資本がオリガルヒと結びついて、利権と市場と経済圏を求めて入り込んだ。

 アメリカはソ連崩壊以降、東欧の政治的・経済的・軍事的取り込みに深くコミットしてきた。EU・NATOと一体となり、ウクライナをロシアから切り離し、ロシアの影響力を切り落とすアメリカの戦略が今日のウクライナ戦争を決定づけていることをはっきり見なければならない。今やウクライナを戦場として、激しい武器見本市が展開され、それは米軍事産業の経済戦略にさえなっている。武器輸出国であったロシアから決定的に市場を奪い、世界軍事支配を強化するのである。軍事的な世界支配は、政治的・経済的世界支配につながる。

 大事なことはウクライナで始まっていることは、2026年と言われている「台湾有事」=対中国戦争につながっていることだ。

 

 アメリカのこのような軍事的世界戦略は、決してアメリカが強いからではない。2008年リーマンショックが世界を揺るがしたが、バブル崩壊の恐慌はいつ繰り返されてもおかしくない。事実、アメリカの債務不履行・デフォルトの危機がG7広島サミット渦中で引き起こされた。問題は先延ばしされたが、再燃は時間の問題である。アメリカの国債は信頼性が高い安全な資産とされている。デフォルトは米銀行の経営破綻から世界金融恐慌に間違いなく広がる。戦費の調達どころではなくなるのだ。逆に、だからこそ、米バイデンは戦争をやらなければならないのである。

(2)    自国の戦争を許すな

 私たちはこのような世界情勢の中にある。重要なことは、岸田政権が、米バイデンとどこまでも運命をともにしようとしていることである。それは、中国に対して、「台湾有事」を口実として、米日韓を軸として全面的な対中国侵略戦争に突入するという道である。それは、核戦争になるだろう。戦場は台湾、中国、沖縄、朝鮮半島、そして日本全土である。

 私たちは、このような戦争の切迫という状況に対して、戦争絶対反対の立場を明確にしなければならない。そしてそれは、日本=自国の戦争・参戦に対して、はっきりと反対して、実力で闘うという立場が求められる。今、ロシアでもウクライナでも戦争に反対して闘う労働者がいる。世界中に戦争協力を拒否してストライキで闘う労働者がいる。逮捕や弾圧をおそれず闘うことができるのが労働者階級である。

 このことを声を大にして訴える闘う労働組合と労働運動を、大きく復権・再建し、社会の流れを変える力を作り出さなければならない。

今現実に、戦争準備、沖縄南西諸島の軍事基地化・ミサイル基地化、改憲準備、中国や北朝鮮、韓国に対するヘイト・排外主義の煽動、労働運動への弾圧、反戦闘争への弾圧などが進行している。

 国会をめぐる政治状況をみても、マスメディアの報道をみても、このような状況に警鐘を鳴らす動きは極めて少ない。労働者階級の立場でものごとをみることが、野党もマスメディアもできないのだ。私たちは、しっかりとこの恐るべき状況について警鐘を乱打し、行動し、アピールしていかなければならない。運動の先頭に労働組合の旗を立てることが重要だ。群馬合同労組は小さいけれど、そのために闘おう。

(3)    階級的労働運動の再生を

 国鉄闘争と関西生コン弾圧粉砕の闘いを軸に、日本の闘う労働運動の結集と拡大を勝ち取ろう。11月19日の全国労働者総決起集会をそのために全力で成功させよう。

 国鉄分割民営化は、日本の戦後の階級的な労働組合運動を一掃する攻撃だった。総評が解散して、連合が発足した。労働者の生活向上のためには、資本が利益を上げることが重要、労使は「パートナー」だ、企業と社員労働者の運命はひとつだとして、労働者の階級意識を解体するものだった。それから35年、もう一方で「規制緩和」・民営化・外注化などが進み、労働者の非正規職化、請負化、女性労働者の徹底的な搾取と収奪が進み、職場にはパワハラと競争・分断が大手を振るようになった。

 しかし1985年、国鉄千葉動力車労働組合は、この分割民営化を許せば、労働組合も団結も存在できなくなると、分割民営化反対のストライキを闘った。40名の解雇者を出しながら、動労千葉は闘う組織と、労働運動の未来を守った。国鉄闘争勝利こそ労働運動再生の旗頭だ。

 国鉄分割民営化に始まる新自由主義の現実に対して、群馬合同労組はじめ個人加盟ユニオン・合同労組が地域・職場で果敢に闘いを開始した。既存の労働組合内部からも非正規の問題やパワハラの問題を闘い労働組合の団結を取り戻そうという粘り強い実践が繰り広げられている。群馬合同労組が加入する合同一般労働組合全国協議会の仲間や、全国労働組合交流センターの仲間たちが奮闘している。ひとりの闘いが全体を獲得する情勢が始まっている。

 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は、産業別組合として大きな運動と組織を作り出し、日本の労働運動と反戦平和運動・社会運動に貢献してきた。戦争体制構築のために闘う労働組合をつぶしたいと考えた安倍晋三政権のもとで大規模な弾圧事件が起こった。組合員が労働条件の是正を求めて行う交渉やビラ配り、ストライキを恐喝未遂や威力業務妨害とみなし、逮捕し始めたのだ。2018年からの逮捕者数は、延べ89人に上る。湯川裕司委員長に対して実刑4年の判決が下った。一連の弾圧により、組織は痛手を受けた。しかし関西地区生コン支部の未来は群馬合同労組の未来である。関生弾圧を許さない。関生を支援し、関生のような闘い、労働組合をどんどん作り出すのが私たちの任務である。11・19全国労働者総決起集会に全力で結集しよう。 

第3号議案 方針

(1)    職場闘争を闘い、仲間を守り、組合の旗を立てる

 何よりも、開始された組合員の職場闘争を、組合全体の力で支え、仲間を守ろう。上州貨物自動車、吉ヶ谷の仲間たちを絶対に守り、勝利しよう。

 上州貨物自動車も吉ヶ谷も、パワハラから闘いが始まった。しかし、パワハラに対して立ち上がる労働者の中に、労働者としての尊厳と労働者の団結を奪還する力がある。だから群馬合同労組は、立ち上がった労働者と団結して必ず勝利する。確かに簡単ではない。しかし、その困難な過程こそが、必ずや連帯と団結を生み出すことを信じよう。

 JR、運輸、生産現場、流通小売、医療介護、コンビニ、建設、そして公務員労働者の中にも、あらゆる産業・業種・職域に労働組合の旗を立て、闘おう。

 正規・非正規・請負など雇用形態の壁を越えた団結を作り出そう。

(2)    賃金闘争を闘う

 ウクライナ戦争を契機として急激な物価高が世界中の労働者民衆の生活を直撃している。30年以上賃金も物価も上がらずに来た日本社会はとりわけ大きな衝撃を受けている。大手企業では、政府の鳴り物入りで大幅賃上げと春闘の成果が報道されたが、最も生活の厳しい中小零細企業・未組織・非正規労働者は取り残されている。

 賃金は、労働者が団結して闘わないと、資本による労働者分断の武器になる。これを労働者の団結の武器に転化するために賃上げ闘争は必要不可欠である。賃金と生活のために、労働組合の必要性をすべての労働者にアピールしなければならない。あらゆる機をとらえて賃上げ闘争を闘える組合を作り出そう。

(3)    11・19全国労働者総決起集会に全力で結集しよう

 11月19日に日比谷野外音楽堂で開催される全国労働者総決起集会は重要だ。国鉄闘争勝利、関西生コン支部弾圧粉砕の旗のもと、労働運動の復権を勝ち取ろう。国際連帯闘争の勝利を勝ち取ろう。労働組合の力で戦争を止めよう。

(4)    国際連帯闘争を闘い、外国人労働者と団結して闘う

 国際連帯闘争を闘うことは重要だ。労働者階級は民族や国境をこえて団結できるし、その力で戦争もとめることができる。労働者はひとつであるとの確信は、具体的に国際連帯闘争を闘うことで生まれてくる。群馬合同労組は、旭非正規職支会支援共闘会議の闘いを全力で担ってきた。11月全国労働者総決起集会の大結集を勝ち取り、11月12日の訪韓闘争で亀尾(クミ)にある旭非正規職支会のろう城場に行こう。

 また日系外国人をはじめとした外国人労働者の組織化をさらにおしすすめ、団結した闘いを広げよう。

 関東大震災・朝鮮人虐殺100周年を胸に刻み、あらゆる差別・排外主義を許さず闘おう。

 性差別(ジェンダー差別)、民族差別、部落差別、障害者差別…あらゆる社会的差別に反対して、労働者階級の団結のために闘おう。

(5)    戦争絶対反対の闘いを強めよう。改憲と戦争を絶対に許さない。

 今こそ、戦争絶対反対の立場で、反戦闘争を闘おう。ヒロシマ・ナガサキ、沖縄の闘いと連帯して闘おう。

 反戦の砦、三里塚闘争を闘おう。市東孝雄さんの農地強奪を弾劾し、これ以上の営農破壊を許さない。実力で闘おう。

 戦争責任を追及し、新たな戦争を許さない闘いを。

 関東大震災・朝鮮人虐殺から100周年、差別と排外主義を許さず闘おう。群馬の森・朝鮮人追悼碑の撤去を許さない。

(6)    原発再稼働反対!フクシマと連帯して汚染水海洋放出を阻止しよう!

 3・11を忘れるな。核と人類は共存できない。すべての核兵器と原発を廃棄せよ。

 福島の汚染水海洋放出に対して、世界中で反対の声が上がっている。絶対に阻止しよう。

 福島子ども甲状腺がん裁判を支援しよう。国は原発被害と健康被害の責任を取れ。3・11反原発福島行動に結集しよう。

 すべての原発いますぐなくそう。再稼働反対。新たな原発建設を許さない。

 高崎金曜日行動を継続して声をあげよう。13年目の群馬さよなら原発アクションの成功を。

(7)    群馬合同労組の組織体制の強化拡大を勝ち取ろう

 すべての課題を果敢に闘いぬける組合体制強化を実現しよう。まず執行体制の強化拡大を実現しよう。委員長がいなくなっても闘える体制が必要だ。

 そのために財政基盤の強化をはかろう。執行機関としての会議の強化と、自立した専門部活動の創出をはかろう。

 各分会の自立した組織・運動の確立を。

 組合機関紙発行体制を年4回目指して発足しよう。

 財政部の強化を。

 レクリエーションでの組合員の交流の活発化を。

 みんなはひとりのために!ひとりはみんなのために!団結して勝利しよう!

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください