セブン-イレブン・ジャパンがコンビニ関連ユニオンに春闘回答書。低額回答に怒り!
2023年5月4日付でセブン-イレブン・ジャパンから永松文彦代表取締役社長名でコンビニ関連ユニオンに賃上げ春闘回答書が届いた。群馬合同労組の組合員もコンビニ関連ユニオンの組合員として、ともに闘ってきた。群馬合同労組清水委員長はコンビニ関連ユニオンの書記次長でもある。
回答は「平均7%アップの改定」である。
例えば非正規労働者の比率が圧倒的に高いスーパーのベイシアの回答は平均5.44%であった。日本の流通小売業界のリーディングカンパニーを自任するセブン-イレブン・ジャパンとしてはあまりにお粗末、物価上昇さえカバーできないのが現実ではないだろうか?
セブン-イレブン・ジャパンは本部社員にも同内容の通知を行ったが、本部社員からも「物価上昇金額に追いついていない」「優秀な人材からやめていきます」などと不満と怒りの声が上がっている。
コンビニ関連ユニオンは、この間、長野県労働委員会の不当労働行為救済命令をも武器にして、セブン-イレブン・ジャパンに対して、要求の受入れを迫ってきた。
長野県労働委員会の救済命令のポイントの一つは、コンビニ関連ユニオンが、店舗の24時間営業問題について、時短を認めるように要求して団体交渉の申し入れを行ったことに対して、セブン-イレブン・ジャパンが、団体交渉の協議事項には当たらないとして団体交渉を拒否した対応を不当労働行為として認定した。店舗の24時間営業問題は本部社員の労働条件に大きくかかわる問題であるという判断であった。
セブンイレブン東大阪南上小阪店の松本実敏オーナーの「24時間営業」見直し=時短の権利を認めろという闘いは、たった一人の反乱から始まったが、365日24時間営業のフランチャイズオーナーの置かれた奴隷的状態に対して大きな告発となって、日本社会に衝撃を与えた。セブンイレブンは、松本実敏オーナーの契約解除の弾圧を行うとともに、ともに闘うコンビニ関連ユニオンに対して団交拒否の不当労働行為を行った。これが断罪されたのである。
またセブン-イレブン・ジャパン本部社員である、コンビニ関連ユニオンの河野正史委員長に対しては、不当な処分を連発して、降格と賃下げを強制した。これについても救済命令が出された。当初、命令が出ても「確定していない」として、差額の支払いを拒否したセブンイレブンは、前回の団交で態度を改め、差額の支払いを約束した。この闘いは、2023年の春闘要求と人事制度の一方的な改定を許さない闘いと一体であった。
また物価上昇の中で、賃上げを要求したコンビニ関連ユニオンに対して、会社は、過去最高益の業績を達成したとして、「努力賞」なる一時金を支給すると回答した。これは物価上昇手当の意味もあるとの説明だった。
コンビニ関連ユニオンは、物価上昇で苦しんでいるのは、店舗も同じではないか?コンビニ関連ユニオンの組合員には店舗で働く組合員もいる。オーナーや店舗従業員は「努力」していないというのか?「努力賞」というならば店舗のオーナーにもそれに相当する助成を検討すべきではないかと団体交渉で訴えた。オーナーが苦しければ店舗従業員だって、物価上昇に対応した労働条件の改善はおぼつかない。
しかしセブン-イレブン・ジャパンは、これについて、真摯な回答と対応を行っていない。
5月25日のセブン&アイ・ホールディングスの株主総会を前に事態は緊迫している。アメリカの「ファンド株主」から井阪社長ら経営陣の退陣要求が突きつけられている。
過去最高益の業績を上げたとは言え、日本国内のコンビニ事業は頭打ちである。店舗数は減少に転じ、ドラッグストアなどが新業態も競合して参入して、競争は厳しさを増す。業績好調は2021年5月に買収したアメリカのガソリンスタンド併設型コンビニチェーンのスピードウェイの貢献で急拡大したことが大きいと言われている。しかも戦争による石油価格の上昇が利益率を押し上げた。セブン-イレブン・ジャパンもコンビニ業界も先行き不透明である。
問題は労働者が団結して、賃上げと生活・労働条件の改善のために団結することである。この間の闘いを通じてコンビニ関連ユニオンは、大きな可能性と展望をつかんでいる。すべての本社社員、コンビニ関連労働者はコンビニ関連ユニオンに結集しよう。群馬のコンビニ労働者、オーナー、関連労働者は、まずは群馬合同労組へ相談を。