組合員への自宅待機命令を許さない!

27 3月 by gungoroso

組合員への自宅待機命令を許さない!

K所長は詐欺的な契約更新を中止しろ!

事実上の出勤停止の自宅待機命令

 (株)上州貨物自動車は3月24日、群馬合同労組上州貨物自動車分会・N副分会長に対して「自宅待機命令書」を交付して自宅待機を命じた。翌日にはM分会長に対しても自宅待機命令書が郵送で送付された。自宅待機の期間は60日以内、その間M分会長は無給、N副分会長は60%の賃金支給とするというのである。

 いわく「他の従業員に対して『雇用契約をするな。』と述べた事実」(N)、「他の従業員に対し」「LINEにより文書を送付し」「侮辱的な言動を形に残るメールという形式で発信した事実」(M)が就業規則違反の嫌疑があるので、調査のための期間を自宅待機にするとの通告であった。

 上州貨物自動車の就業規則には、懲戒の規定として「出勤停止」の項目があるが、これは「始末書を提出させ、労働日数60日以内の出勤を停止し、その間の賃金は支給しない」とある。何のことはない。「自宅待機命令」と称して、「出勤停止」の懲戒と同じ懲罰を「命令」したのである。合理性のかけらもなければ民法の規定にも反するでたらめなものだ。

回答拒否とウソで非正規雇用に

 上州貨物自動車は正社員として運転手を募集し、年俸480万円ないし520万円で正社員契約してきた。しかし就業規則にちゃんとした規定のない「年俸制」を口実に、年度末に査定評価に準じた減額を行い、この際に従業員と個別に「雇用契約書」を取交すというやり方を続けてきた。そして減額された前年度を基準として次はさらに減額するという、下がる一方の「年俸制」になった。さらに昨年2022年度には、「期間の定めなし」の契約期間が説明もなしに1年の有期雇用に変更されていた。これに気付いた人はわずかで、ほとんどの従業員は気づかぬうちに非正規雇用にされていた。組合が団体交渉をこれを指摘すると、K所長は「説明した」と答えたが、組合がそれが嘘だと、録音の証拠を提出すると、会社は署名なつ印してあるんだから有効だと居直っている。冗談じゃない。こんなものは労働契約法違反の詐欺行為に等しい。会社は、団体交渉も延期を繰り返して、団体交渉で事態が明らかになる前に、他の従業員に有期雇用=非正規雇用の雇用契約書に個別に署名なつ印させようとした。分会は、署名なつ印を拒否しよう、組合に加入しようと、あらゆる手を使って仲間に呼びかけたのである。追いつめられたK所長が行ったのが、今回の2名に対する「自宅待機命令」である。絶対に許せない。

撤回を申入れ

 組合つぶしのでたらめな自宅待機命令書の交付を受けて、群馬合同労組は、3月25日に清水委員長とM分会長で、高崎営業所・K所長に対して要求書を持参して提出、3月27日までに団体交渉を開催しろと申し入れた。要求項目は以下の4項目である。

①自宅待機命令、懲戒処分に関係する就業規則の写しを直ちに交付されたい。就業規則等の交付の要求に対して貴社はこれを拒否して現在群馬県労働委員会にて救済申立て中であるが、貴社は「どの部分が必要であるか明らかに」すれば「適切に対応する」(群労委令和5年(不)第3号答弁書6頁)と言明しているところである。就業規則の交付もしないで、組合活動を理由に懲戒規定にかけるなどもってのほかである。直ちに交付されたい。

②NならびにMに対する、本件自宅待機命令を直ちに撤回されたい。嫌疑とされる事項は、2023年3月に貴社が従業員との間で行う契約書の締結について、当労働組合が従業員に事実を知らせ、組合への加入を求める行為である。当労働組合が第1回団体交渉で回答を求め、2023年1月14日に要求書を提出して、2023年1月31日までに団体交渉を開催して回答するように要求したことに対して、貴社は拒否して、回答も十分行っていない。交渉を引きのばし、組合への説明をしないままに、他の従業員への契約書の署名なつ印を求める貴社の行為は詐欺的であり、許されない。当労働組合の方針のもとで行われた組合活動、従業員への説明や説得活動は正当な組合活動である。よって、組合活動を理由とした自宅待機命令を即刻撤回されたい。

③貴社が主張する嫌疑は、「他の従業員に対して『雇用契約をするな。』と述べた事実」(N)、「他の従業員に対し」「LINEにより文書を送付し」「侮辱的な言動を形に残るメールという形式で発信した事実」(M)である。これらはすでに証拠が確保されているものであり、それを調査するとしても両名を自宅待機命令に処する理由は存在しない。よって自宅待機命令を直ちに撤回されたい。

④自宅待機命令を強行するのであれば、賃金を100%補償されたい。調査の段階での自宅待機命令は使用者側の都合による労務の提供拒否にあたり、賃金は100%補償する必要がある(民法536条2項)。当労組組合員が原因となる、就労を拒否せざるを得ない緊急かつ合理的な理由は存在せず、法にのっとり、賃金を100%補償されたい。

即座に団体交渉に応じろ!

 組合の第1項目の申し入れに対して、K所長は、自分では決められないと逃げる。しかし就業規則の交付も拒否しておきながら、組合活動を理由に懲戒処分にかけるなど通用しない。せめて根拠規定の内容を示しながら、懲戒手続きを説明するのが筋である。組合の「今すぐ出せ」との追及に、追いつめられたK所長は代理人の朝妻太郎弁護士(一新総合法律事務所)と連絡を取るとして、その後すぐに関係部分を組合にファクスで送付してきた。他の申し入れに対しても、業務がある、自分では判断できないと逃げようとするが、許さない。3月27日までに必ず団体交渉を行うことを強く申し入れた。

 申入れ行動の中で、事務所の掲示板に二人の自宅待機命令書が並んで貼りだされているのを発見した。やはり会社は他の従業員の組合加入を食い止めるために、見せしめに自宅待機命令書を出したのだ。

 K所長の情報統制と分断差別による支配は、群馬合同労組上州貨物自動車分会の闘いによって崩壊しようとしている。苦し紛れの組合弾圧を絶対に許さない。必ず粉砕する。上州貨物自動車の労働者のみなさん。ともに立ち上がろう!

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