群馬合同労組の歴史1
群馬合同労組の歴史を振り返る。
記念すべき第1号の闘争は、今は組合員ではないですが、金属労働者Bさんの闘いでした。組合結成から3ヵ月の頃(2006年春闘の頃)、高崎のある工場で組合通告と要求書を提出したところ、その場で解雇通告された。春闘の要求書だった。
翌朝緊急で組合員あげて就労闘争。
ものすごい形相で対応した工場長は弁護士事務所に相談に出かけて行った。
昼前に戻ってきた工場長。
工場長は別人のように愛想笑いを浮かべて、「こういう解雇はだめなんですってねぇ。すみません。解雇は撤回します。ま、お茶でも飲みながら話をしませんか?」…
解雇通告から24時間も経たずに解雇撤回の勝利となった。
その後も当該組合員は、ずいぶんがんばって、孤立し苦しい中でも職場でオルグし、ビラをまき、ストもやり、デモもやり…とがんばりましたが、組合ともうまくいかなくなって、いつしか脱退という残念な結果になってしまった。
しかし、この時の闘いと経験は群馬合同労組にとっては重要なものとして今にいきている。
この時の組合通告に対する工場長の解雇通告の記録が残っているので、紹介する。
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A(工場長) どういう話なんだか、教えてくんねぇかい?
B 組合つくったんで…
A あなたが勝手につくったって誰も協力しないと思うし、私はこれ受け取らないから。受け取らないから。いい?
B よくないよ。
A よくないとかじゃなくってさ、…つくるのはあんたの勝手よ、つくるならつくっていいから
B 通知書がなんでいけないんですか?
A 会社は認めません。受け取りません。
B 受け取らないって、関係ないでしょ
A 関係もへったくれもありません。そんなこと言っているなら組合のある会社へ就職して組合活動してください。
B 組合つくるのはこっちの自由でしょう?
A あなたが自由だと言っているなら、昨日付で俺はBさんを解雇するから。予告手当1ヶ月払いますから。
B 不当解雇ですよ。
A そうですよ。不当解雇だろうと何だろうと予告手当払って、社風に合わない人は使いません。
B それは組合差別ですよ
A 組合差別…(?)
B 組合つくったんですから、何で通知受け取らないんですか?
A そういう不徳のある人は使いません。だからこちらから解雇します。
B 何が不徳ですか
A そういう努力する気持ちがあれば仕事に向けてください
B 向けているでしょう
A 向けてません。向けてません。わかった?
B わかってないです。
A いいよ。会社に来なくていいから。昨日付で解雇します。よろしくどうぞ。何なりとしてください。
B わかりました。たたかいます。
A たたかおうとなんだろうとかまわないんだよ。
…
まだユニオンなんて認知もされていなかった。ネットもそれほど普及していなかった。
中小企業専門のようだった群馬合同労組は今やいくつも大企業相手に要求書を出し、団体交渉を行って、組合の組織拡大も前進している。
大事なことは、大企業も中小企業も関係ない。現場労働者の闘う意欲と力に依拠すれば、労働者の闘いはつながるということが大切だ。