日系外国人の組合員が勝利的解決

19 12月 by gungoroso

日系外国人の組合員が勝利的解決

 太田市のA社と群馬合同労組の団体交渉が開かれ、A社で働いていた日系外国人のB組合員の問題で要求受入れで、勝利的に和解解決が成立した。

 かつてやはり日系外国人のB組合員の妻のCさんが、妊娠したので、産休と育休の申請をしたいと派遣先に話したら、雇止めを通告された。同じように団体交渉を開いて謝罪と撤回を勝ち取った。Bさんはその時からの組合員である。団体交渉の場に仲よく手をつないで現れたのが忘れられない。

 Cさんが無事に出産して、その子もしっかりしてきた頃、新型コロナが襲った。

 工場が稼働しない日が続き、色々あって、悩んでいた時、A社が正社員を募集しているのをハローワークで見て、思い切って転職、A社に就職したのだ。

 ところがどうも話が違う。試用期間が終わっても嘱託社員での契約だった。残業代も出ない。そして重大な労災事故が起こってしまった。

 労災の休業が終わって痛みを抱えながら数日すると、もう来なくていい、と言われたというのである。ひどい話だ。

 団体交渉では、社長は、解雇だと言ったわけではない、危険な仕事で、言葉の問題もあるので、転職した方がいいのじゃないかと言ったのだと釈明した。

 しかし他の管理職からは「迷惑をかけたのだからやめてもらう」などと言われている。そもそも労災中と労災復職後30日間は解雇は違法だ。

 幸い、次の仕事がすぐに決まった。それで失業保険をもらわずに済みそうなので、解雇理由をめぐって争う現実的な理由はなかった。Bさん家族の生活が大事だった。

 残業代とわずかばかりの解決金で和解解決した。本人がそれ以上望まないというのだった。しかし、きちんと要求して、要求を認めさせたことは、B組合員にとってとても重要なことだっただろう。

 A社は、すぐに退職の合意に署名をすれば、30日分の解雇予告手当をすぐにでも払う準備をしていた。当座の給料が入らなければ、労災給付でしのいできたAさんは生活に困る状況だった。組合は、当座の生活資金として賃金を、なけなしの組合基金で貸し付けた。これで団体交渉をきちんと行って、要求を勝ち取って解決することができた。

 その後、Aさんは、連れ合いと組合の集まりにはじめて出てきてくれた。言葉の壁は厚い。仕事でもコミュニケーションがうまく取れないことで労災の危険は大きいし、日常的にも困ることばかりだ。日本人の仲間がいることは大事なことだ。集まりがとても楽しかったとメールが届いた。他の外国人労働者のために組合の通訳をやってもいいと申し出てくれた。力を合わせて、外国人労働者の組織化の前進を勝ち取りたい。

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