組織拡大の力で闘いが前進!群馬バスとの第11回団体交渉開かれる!

18 12月 by gungoroso

組織拡大の力で闘いが前進!群馬バスとの第11回団体交渉開かれる!

 群馬合同労組と群馬バス株式会社との第11回団体交渉が2022年12月16日、本社研修センターにて開催された。組合は、団体交渉の期限を賞与支給前の11月30日までとしたが、会社はこれを引きのばし、賞与支給後のこの日に団交を指定した。このような不誠実な対応が続き、群馬合同労組は群馬県労働委員会への救済申立も検討せざるをえないと通告をした。

 それもあってか、今回は久しぶりに御園生社長が出席した。2019年6月に群馬県労働委員会が群馬バスの不当労働行為を認める一部救済命令を出してからは初めてだ。この命令で群馬県労働委員会は、群馬バスの不誠実交渉を認定した。ポストノーティスで全事業所への文書の掲示と組合への文書の交付を命じて、群馬バスはこれに従った。それ以降、以前のようにあからさまな不誠実対応はなくなったが、御園生社長はぱったり出てこなくなった。団体交渉が形骸化した感は否めない。今回御園生社長が出席したこと自体がこの間の組合の闘いの成果でもある。

 出席者は会社が代理人弁護士2名含め合計7名。群馬合同労組は8名が出席。今回加入通告をした下芝貸切バスセンターの組合員が、やる気満々だったが、休みを取れなかった。コロナ感染の影響で最終的に配車係に任せるしかなかったのだ。大事な問題だが、会社はこのことを知らなかった。それでは困ると、今後はあらためるように申し入れた。

 最初の要求項目は賞与の支給。これに関して、群馬合同労組は、夏冬各12万円、年24万円は群馬バス労働組合との労使協定でも明記されたものであり、労使慣行でもある、だから各12万円支給の義務を果たすようにあらためて要求した。すでに団体交渉の前に、群馬バスは今期はこれを上回る金額の支給を行った。しかしこれは約束ではなく、努力義務であるとの主張を繰り返した。

 これについて、会社はその前に、会社の経営状態を示すので理解してもらいたいと、去年おととしの損益計算書を開示して説明した。コロナでどれだけ収益が落ち込んだか、数字を示したわけである。本当は賞与を支給できる状況ではないにも関わらず、支給してきたことを理解してもらいたいという。また管理職の役職手当も1年間カットしてきたので理解してほしいという。

 これに対して、組合は、状況が厳しいことがわからないわけではない。しかし、物価が上がって、ガソリンが上がっても、厳しいからガソリン代は払わないよということはない。会社は労働者の賃金だけは厳しいから値切ろうとする。労働者だって物価が上がって生活費が上がるのだから、同じ生活を維持するために賃上げしなくてはいけない。燃料費や原材料が上がって、その分も労働者にがまんしてもらおう、泣いてもらおうというのは、労働者を会社がなめているということなのだ。

 賞与は、生活賃金である。2015年の群馬バス労働組合との労働協約にも夏冬各12万円と書かれたものである。会社はこれは努力義務だと書いてあると主張する。組合はこれは認められないと主張する。なぜならば、2015年というのは従業員の正社員化(それまで運転手は一年契約だった)と引き換えに基本給を引き下げる賃金改定を労使協定で組合員に強制した時である。ユニオンショップ協定で自分の自由意思で加入したわけでもない群馬バス労働組合が、組合員の一票投票も大会承認も取らずに、この不利益変更を飲んで労使協定を結んだのである。それとセットで記載された賞与の金額「夏冬各12万円」は努力義務ではすまないのである。労使慣行としても成立している。

 役員の役職手当のカットも、賞与のカットといっしょにすべきではない。だいたい役職手当のカットは全員の同意を得ての話である(本意ではない同意であろうが)。融資を受けるためには仕方がないという話でもある。

 また2022年夏の賞与は11万円の支給があった。群馬合同労組は昨年の夏も冬も「餅代」でごまかされたことに抗議して2022年5月9日にストライキで闘った。この闘いで勝ち取った賞与であると認識している。しかしこれだってなぜ12万円でなく、11万円なのかということである。この金額の支給を決めた会議の場で、11万円出すのであれば12万円出そうと言った人がいないのかと質問したが、いなかったのである。今冬に関して、群馬バス労働組合から要求はあったが、団体交渉は開催していないというのもあきれた話だ。

 労働者と会社はパートナーである、なんてのんきに言っているご時世ではないのだ。労働者と労働組合は団結して闘わないと、いいようにしわ寄せされるのである。ガソリンと同じように労働者の賃金を上げろ!と闘わなければ、労働組合など存在意義がない。

 労働条件を改善しなければ、人員不足はさらに深刻になる一方である。現在、運転手をはじめ人員不足で、長時間残業・長時間拘束、休日が取れないなど、深刻な状況がある。若い労働者が入らず、高齢化も進む。皆、健康問題を抱え、不安を抱え、睡眠不足なままにハンドルを握っている。どこかでバスの事故が起こるとドキリとするのである。これに対する抜本的な解決策が必要である。団体交渉の中で群馬バス分会の組合員が、ダイヤがくっつけられて長くなっている、ダイヤの改定は組合に相談してからにしてくれ、事故が起こってからでは遅いと、現状を会社に訴えた。また人員不足が解消されない場合は、一部路線の休止やダイヤの整理等の措置が必要になるとの回答があったが、具体的な案があるわけではないとのことである。労働者が団結して闘わないと、何も変わらない状況である。闘う労働組合が必要だ。

 今回の団体交渉で、これまで組合員がいなかった東京営業所と下芝貸切バスセンターで組合員が加入したので、組合掲示板の設置を要求した。会社はこれを認めて、労使協定を結んで設置を決めた。

 また東京営業所で、組合員が不当な処遇を受けているので是正を求めた。これについても御園生社長から是正する・見直すと前向きな回答を得た。まだまだ十分とは言えないが、やはり勇気をもって立ち上がることが職場を変え、状況を変えるのである。

 群馬バスの労働者のみなさん。群馬のバス労働者のみなさん。群馬合同労組に結集していっしょに闘おう!

関東・甲信越の相談窓口 群馬合同労働組合

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