高齢者介護施設・吉ヶ谷はパワハラの責任を取れ!すぐに団体交渉を行え!
群馬県安中市の下秋間と磯部に事業所をおく高齢者介護施設「小規模多機能の家 吉ヶ谷」((株)吉ヶ谷)に対して群馬合同労組は、組合員の解雇の撤回と謝罪などを求めて2022年9月22日付で要求書を提出して団体交渉を求めてきました(既報)。団体交渉を引きのばしている吉ヶ谷に対して、10月19日にあらためて、A組合員の解雇通告の撤回と謝罪、団体交渉の早期対面での開催等を求めて、申入書を提出しました。
A組合員に対する解雇通告は2022年9月19日、田村智専務取締役との面談の場で行われました。この時の録音を文字起こしして、証拠として、申入書に添付して提出しました。「今日から30日後に解雇」、田村和子社長とも確認しているとはっきり通告しています。田村佳孝会長も同席していました。
解雇通告の面談は、穏やかにA組合員の弁明を聞いて事実を調査するようなものではありませんでした。専務が元警察官であることは、従業員の誰もが知っている事実ですが、とても雇用主の従業員に対する面談ではなく、さながら警察の被疑者に対する取り調べです。
「抗弁してごらん」「ほんとだな!?」「そんなおだやかにやったんかい!?」「(判断が)できねぇんじゃだめだよ、そんなん」「あんまりいい加減なこと言うなよ!」「なんか私に文句あるの?」「間違いないな?」「言ってないのか?」「冗談じゃないよ!」「そんな人いっしょに働きたくないね」…口調も途中で臨席していた会長から「静かにやれ」とたしなめられるような口調でした。
解雇の理由とされたのは、①8月23日と9月13日に、認知症があり、処置を嫌がって暴れる同じ利用者さんに続けてけがをさせたこと(8月23日は、興奮して鼻血を出しただけ。9月13日は手の皮が破け出血、顔も少し擦りむいて出血した。)、②報告書をあげなかったこと、③職員間の会話で、けがをした利用者さんを侮辱するような呼び方をしたことがあったこと、④ほかの利用者さんを「ちゃん」付けで呼んでいたこと、です。
しかし①に関しては、いずれも利用者さんが暴れて職員のめがねが飛ばされたり、つばを吐かれたり、大変な状況で必死に利用者さんを押さえる中で起こった事故です。専務は興奮しているときは処置をしなくていいと、この面談で言明しましたが、そのように指導したのはこの時が初めてです。しかも以前には専務自身も同じ利用者さんにけがをさせています。
②に関しては、けがをした事実は、事故当日に他の職員から専務にも口頭で報告はされていました。専務が報告書をあげるように指示をすればよかった話です。専務はこれを最初、戒告・出勤停止の懲戒事由「業務上のミスを隠し、または虚偽の報告をしたとき」に当たるとしましたが、事実を指摘されて撤回しました。
③の侮辱するような呼び方に関しては、A組合員は利用者さんに向かって直接言ったことはなく、それでも反省して、二度としないと誓約しています。専務は「1回でも2回でも同じだ」として聞き入れませんでした。
④に関しては、多くの職員がちゃん付けで利用者さんを呼んでいる実態があります。社長自ら率先していることです。面談の最中に廊下で他の職員がちゃん付けで利用者さんを呼ぶ声が聞こえました。すると専務は、ちゃん付けは今後戒告処分にすると一昨日みんなに伝えたと言い出す始末です。
さらに、A組合員の家族の面倒を見てやった、介護休暇の取り方が悪い、給料が高い、などと一方的にA組合員を攻め立てました。
結論的に、懲戒に当たるような事実は一つもありません。専務自ら「懲戒解雇ではない」と言明しています。
また「就業規則にのっとり」と専務は繰り返しましたが、就業規則57条の「就業状況が著しく不良で就業に適さないと認められる場合」=普通解雇にも当たらないことは明らかです。こうした規定は、使用者による再三の注意・指導にもかかわらず、労働者が一向に態度を改めないような場合に限られることは判例でも確定しています。吉ヶ谷はこれまでに同様の指導をしたことはありません。問題についてA組合員は深く反省して、二度と繰り返さないと何度も誓約しています。それなのに、専務は、「帰ってください」「早く荷物抱えて今日はお帰りになってください」「無理」「よそであらためて」「もう起っちゃったんだから」「こえちゃあいけない一線」などと繰り返しました。しまいには「これ事件」「場合によってはおまわりさんだとか、被害者という形になりかねない」「事件化するかもしれない」「ご家族が激怒して…私に処分を受ける形(になる)」などと脅して解雇を受け入れさせようとしました。そして群馬合同労組から解雇撤回と謝罪の要求が届いたら、解雇はしていない、書類を送らなかったからしていないと、しらを切って、居直っています。
こうした理不尽な解雇通告は、明らかなパワハラです。あらためて群馬合同労組は解雇通告の撤回と謝罪、パワハラに対する謝罪を求めます。
問題の利用者さんの処置にいっしょにたずさわったB組合員に対しても、田村智専務取締役は、同じように警察の取り調べのような面談を行い、処分を狙って脅しました。この面談でショックを受けたB組合員は、家族に「死にたい」とメッセージを残して一日行方不明になってしまいました。群馬合同労組は、吉ヶ谷の田村智専務・田村和子社長・田村佳孝会長が一体となって行ったパワハラを許しません。
吉ヶ谷では、これまでも多くの職員が同様な理不尽な扱いを受け、脅されて、退職を余儀なくされたことは想像に難くありません。
吉ヶ谷は株式会社であり、株主はほぼ一族です。国鉄分割民営化に始まる新自由主義によって、社会福祉が「規制緩和」=規制撤廃で、営利事業化しました。職員の「コストカット」と「経費節減」がそのまま経営者の「もうけ」と株主の配当になります。株式会社にしておけば経営者が働けなくなってもうまい汁が吸えるのです。
私たち群馬合同労組は、このような仕組みの中で、労働者が不当に解雇され、賃金を下げられ、使い捨てにされ、泣き寝入りさせられることを許しません。
群馬合同労組は、吉ヶ谷に対して、休憩時間も取れない現実、始業10分前の出勤指示、食品用の手袋を介護に使用させている現実などを指摘して、未払い残業代の支払い、休憩の確保、有給休暇、就業規則・賃金規程・36協定書の提出、退職金についての説明、食品用ではなく介護用の手袋を使用させること、パワハラと組合員差別の不当労働行為をやめることなどを要求しています。労働組合に団結して闘えば職場を変えることができることを示したいと思います。
吉ヶ谷は不当に団体交渉を引きのばして未だに日時を指定せず、コロナを理由として対面での団体交渉を拒否する姿勢を続けています。群馬合同労組はこのような労働組合法違反の不当労働行為を絶対に許しません。群馬県労働委員会への救済申立てなど、あらゆる手を尽くして闘います。
10月12日には磯部支所で出勤したB組合員対して、田村和子社長・田村佳孝会長・社長の実妹の従業員Tが、取り囲み、職員や利用者の面前でパワハラを行いました。組合員をあくまでイジメて叩き出そうとしています。このような暴挙は群馬合同労組は許せません。以下は、10月21日付で吉ヶ谷に送付した要求書の一部です。
『2022年10月12日、貴社・田村和子代表取締役社長は、磯部支所において、B組合員を、田村佳孝会長、実妹である従業員・T氏らとともに他の従業員や利用者の面前で取り囲み、残業した時間の記録をすぐに提出するように迫った。他の従業員は残業はないと言っている、あるのはB組合員とA組合員だけである。Bが当労働組合を通して、執行委員長に相談したいと要請したのにかかわらず、組合は関係ない、なんで組合が出てくるんだ、会社とあなたとの雇用契約に関することである、すぐに出すべき、未払いと言われるのは気持ち悪い、すぐに払いたい、組合を通してというのはおかしい、組合員だってこと雇う時に知らなかった、なんで未払いを委員長に私が怒られなくちゃなんないのか、組合から派遣されているのか、などと言いなして、すぐに出せ、出すまで待っている、約束を破った、嘘を言った、信頼関係がまったくなくなる、会社の命令に従わないと理屈にあわない、仕事中だから(組合への電話はさせない)、こそこそみんなも嫌がっている、トイレに入ったら出てこない、電話をしている、みんなに警戒してくださいっていわなくちゃなんない、労働組合から請求されて特別扱いというわけにはいかない、会社に対する嫌がらせ、雇用関係ではなくなる、あたたかい気持ちが残っているのか、組合の人間だからっていうのであれば私たちも考えなくてはいけない、組合から圧力をかけるように持っていくなら信じられない、同じ女として、子育てをしたものとして信じられない、だんだんいずらくなっちゃう、等々と言いつのった。Bは、この日に提出するとは約束していない、組合委員長に任せている、組合を通して提出する、組合委員長に連絡をさせてほしい、残業の申請方法について聞いていない、などと答えているにも関わらずである。この一連の言動は重大なパワハラであり、不当労働行為である。この時のやり取りを録音したものを別紙として添付する。
そしてまたその後も、当組合の要求に従って、タイムカードを設置したものの、適正な労働時間管理がなされていない。
そもそも当労働組合は、就業規則・賃金規程・36協定書の提出を、早急に行うように要求したにも関わらず、現在に至るも提出がされていない。時間外労働を行わせる36協定書が締結されているのかどうかも確認できない。36協定なしの時間外労働は労働基準法違反行為である。
また残業の申請方法も明らかではないが、残業時間の管理は一分単位で行わなければならない。貴社はこれに関しても労働基準法違反を行っている可能性が高い。
田村和子社長はBに対して「正々堂々と」残業代を支払いたいと言って、Bと当労働組合が「こそこそと」やっているかのように言明したが、正々堂々と、労働基準法と労働組合法に従って公明正大に、すぐに団体交渉を開催して「正々堂々と」問題を解決すべきである。
当労働組合は、下記の通り、追加で要求するので、直ちに団体交渉を対面にて開催の上、文書にて回答されたい。』
すべての労働者・市民の皆さんに、ご支援・ご理解と、ともに立ち上がることを訴えます。
1割負担に耐えられず、介護保険を申請しないて、飲まず食わずで3日目に救護された人がいます。
徴収収奪あって介護なし、です。負担廃止若しくは介護保険を廃止し、公的責任の元の福祉に戻すべきです。
福祉、医療を法人企業の金儲け手段にしてはなりません。保険制度の名前による大衆収奪を許してはなりません。