知床観光船事故を繰り返すな!日本水陸両用車協会はK組合員の解雇撤回しろ!謝罪しろ!

24 6月 by gungoroso

知床観光船事故を繰り返すな!日本水陸両用車協会はK組合員の解雇撤回しろ!謝罪しろ!

 2022年6月21日、群馬合同労働組合とNPO法人日本水陸両用車協会との第1回団体交渉が開催された。群馬合同労組のK組合員が就職して11日目の今年4月5日に突然解雇された。解雇を通告した須知裕曠(すち やすひろ)理事長は「2週間以内なら解雇できると社労士は言っていた」と抗議するK組合員に対して言ったそうだ。とんでもない。労働者をなんだと思っているのか。

 K組合員は、ハローワークの求人募集でこの法人の求人を見つけて応募した。八ッ場あがつま湖(八ッ場ダムによってできた貯水湖)で観光用に運行する水陸両用車の「ドライバー・船長」「地域限定正社員」の募集だ。この間就職で外れくじばかりで落ち込んでいたK組合員だったが、条件的には悪くないと喜んでいたところだった。

 NPO法人日本水陸両用車協会は居酒屋を経営していた須知裕曠(すち やすひろ)理事長が大阪で水陸両用車の観光事業としての運行を思いつき、大阪、日光・湯西川、霞ケ浦、びわ湖、宮城、長崎ハウステンボス、諏訪湖などで、水陸両用車の運行を行ってきた。2020年7月から八ッ場あがつま湖の観光事業のめだまの一つとして長野原町から業務を委託され、「八ッ場ダックツアー」と称して運行を開始した。須知氏は、日本水陸観光株式会社、ジャパンダック株式会社などの社長、他にもいくつものNPO法人の理事長を兼務する。そもそも陸上のバスと水上の船は、所管部署も法律も運行上の規定も違う。そうした難点をあの手この手でクリアして営業の実績を上げ、拠点を増やし、海外への進出も計画している。

 今年4月23日、知床観光船「KAZU1」号が沈没、死亡14人、行方不明12人の痛ましい惨事となった。この時の豊田船長は、2018年までまさにこの「日本水陸両用車協会」で働いていたと報じられた。K組合員は、この報道を聞いて、日本水陸両用車協会で何があったかわからないが、豊田船長が辞めずにこの協会で闘っていればこの事故はなかったのではないか、と語った。

 K組合員が、初出勤が3月26日、解雇通告が4月5日である。解雇に抗議して、自分が合同労組の組合員であること、解雇は無効であると通告したが、須知裕曠理事長は通告を撤回しなかった。翌4月6日は休業日であったので、4月7日に群馬合同労組はK組合員先頭に解雇撤回の要求書を事務所に提出し、職場と長野原町役場でビラを配布し、事業主の長野原町に申入れを行った。効果があって、4月7日8日と「八ッ場ダックツアー」は運休となった。

 要求書に対して、協会は、12日にファクスで回答し、多忙とコロナを理由として、団体交渉の延期と文書によるやり取りを申し入れた。要求書と回答書のやり取りは7回に及んだ。団体交渉が開かれたのが、解雇から2カ月半たった6月21日である。組合は、解雇は須知裕曠理事長の一存であり、要求は解雇撤回なのだから須知裕曠理事長の出席は譲れないと再三申し入れたが、須知理事長は出席しなかった。また協会は団交のルールとして、録音の禁止、人数の制限などを申し入れてきたが、当然組合は応じなかった。組合はK組合員先頭に8名、協会は5名で、八ッ場ダックツアー事務所のある「八ッ場湖の駅丸岩」の2階で開かれた。協会からは、総務担当の佐藤康祐理事、K組合員を指導していた運行管理者・ガイドなどの職員が出席した。

 事前に要求して、就業規則・賃金規定・36協定書の写しの提出を受けた。就業規則には、「安全は全ての基本」「社会的コンプライアンスを重視」を冒頭にうたい、パワハラやセクハラの禁止規定もしっかり書かれている。行政から事業を請け負うNPO法人としては当然ではある。

 団体交渉の冒頭で、この就業規則は「常時閲覧可能」な状態であったのかと組合は確認した。回答は、理事長の管理する鍵のかかった戸棚に保管されているとのこと。それでは誰も見れない。

 就業規則の問題は重要である。そもそも協会の就業規則には、第13条として労働条件の明示(書面を交付)、就業規則の周知をうたっている。しかし、雇用契約書もなく、労働条件明示書もない。就業規則の周知どころかあるのかどうかもわからない。就業規則を見ているのは、NPO法人を認定して、税制上の優遇措置を認可する行政機関だけではないのかと思われる。そしてこのインチキのしりぬぐいをするのが総務担当理事の仕事である。

 K組合員の解雇理由について、協会は、運転(操縦)技量が足りないこと、K組合員の運転に「危険と感じる」ことがあった、船舶免許試験での不合格などを回答した。確かにK組合員は試用期間中の身分であり、試用期間終了後に本採用を拒否されるということはありうるだろう。しかし、協会は、試用期間の途中11日目で突然解雇したのである。「お互いの利益になる」として。

 試用期間について、協会は3か月である、それは他の従業員も同じでハローワークの求人票にも明記しているという。ところが、就業規則には、試用期間は「2か月」と明記されているのだ。つまり、日本水陸両用車協会は外向けの顔とは反対で、就業規則通りの運営をしていない。採用も解雇も須知裕曠理事長の独断で決める。書類も作らない。気に入らなければ「今日で解雇」なのだ。これでこの協会の本当の姿は一目瞭然。

 運転技量が足りない、危険と感じることがあった、それは運行管理者たちから正直にそう思ったという話が団交であった。しかしそれはだからこそ試用期間で訓練を行い、技量をあげるということに尽きる。須知裕曠理事長と佐藤康祐理事は、それを勝手にダメだと決めつけて解雇しておいて、運行管理者が「運転不可の判断」が出たとでっち上げて回答していた。

 あるいは危険と感じることに「手が震える」ことがあるとあげた。これを採用面接時に申告すべき「既往症」だ、申告しなかったから就業規則違反であるなどと回答書で解雇の合理性を主張したのである。就業規則を持ち出すことが冗談のような話だが、確かに就業規則には「試用期間中または試用期間満了の際」、「採用選考時および採用時に提出した書類の記載事項または採用選考時に本人が述べた内容が、事実と著しく異なると判明したとき、もしくは業務遂行に支障をきたすおそれのある既往症を隠していたことが発覚したとき」には「本採用しない」という規定がある。「手が震えることがある」というのは病気ではないし、ましてやこの規定は試用期間中に解雇していいというものではない。

 解雇の違法性、解雇権の濫用について、言い逃れができないのは明らかだが、佐藤康祐理事は、「解雇撤回もやぶさかではない」「復職には条件がある。この場で組合にもK組合員の運転技能を見てもらって、これで解雇が適正か、解雇が不適当かを、判定したい」などと言い出す。それを見て大丈夫であれば、復職させる権限を須知裕曠理事長から委任されているのだという。

 冗談ではない。これはスキルの問題などではない。須知裕曠理事長が解雇権を濫用して、違法不当にK組合員を解雇したという問題だ。復職するかしないかも含めて、理事長が違法解雇に「土下座して」謝り、どうしたら許してもらえるのかとお伺いを立てるのが先だ。

 試用期間中は自由に解雇ができるのか?できない。採用時には十分に判断できない労働者の適格性を判断するために、雇用主に契約を解除する権利が留保されているにすぎない。この試用期間における留保解約権は、通常の解雇の場合よりも広い範囲における解雇の自由が認められるとはいえ、雇用する側が指導をしたにもかかわらず改善が見られなかったなどという場合でなければ、「引き続き雇用しておくのが適当でないと判断することが客観的に相当」とはいえないのだ。面接の時の運転スキルの見立てが違ったと言って、途中で即日解雇。その間は訓練や教育の記録も残していない。形勢がまずいとなったら団体交渉にも出てこない。そもそも須知裕曠理事長もNPO法人も人を雇用するということの社会的責任をわかっていない。こんなのがコンプライアンスをうたい、社会貢献を口にするのだ。

 こんな法人、こんな理事長、こんな理事を相手にこれ以上、団交を続けても何の意味もない。組合は、最後に通告した。

『違法解雇、不当解雇は絶対に許さないし、糾弾行動を続けるしかない。知床観光船の船長がなぜ日本水陸両用車協会をやめたのかはわからないが、そこで働く労働者が長く働ける職場でなければならないし、そうであればあの事故は起こっていなかった。安全の問題とコンプライアンスの問題が結びついている。いくら安全安全と言っても、コンプライアンスなければ通用しない。K組合員の解雇の問題もそういう問題。理事長が面談採用しておいて、これはダメだと思ったら即日解雇、就業規則も法律も守ってない、回答書も事実と違う、代表出て来いと言っても出てこないで、権限を委任されたという理事は何の権限もない。人の命を預かる旅客輸送、法令順守しろ、不当解雇撤回しろと要求しても、開き直るNPO法人。金は関係ない、こういう法人は許さない、容赦なくやる。』

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