群馬バス分会スト先頭にメーデー行動で闘い呼びかけ

11 5月 by gungoroso

群馬バス分会スト先頭にメーデー行動で闘い呼びかけ

 群馬バス分会、賞与の満額支払いを求めてストライキ!

 群馬合同労組群馬バス分会は2022年5月9日(月)24時間ストライキに立ちあがった。たった2人の運転手のストではあるが、賞与の満額支払いを要求するストは、群馬バス従業員全体の思いを代表するストである。早朝からの営業所門前でのスト突入行動に対して、出庫するほとんどの運転手が笑顔で手を振った。

 群馬バスが夏冬それぞれ12万円と決まっていた賞与を、昨年度はそれぞれ5万円しか支給しなかった。しかも表書きは「餅代」である。ふざけるのもいい加減にしろ!と怒りが高まっていた。

 群馬バスが、賞与を夏冬12万円と規定したのは、2015年の8月に賃金の改訂(多くの場合賃下げだった)を行った際の、私鉄総連群馬バス労働組合との労使協定である。群馬バスと私鉄総連群馬バス労働組合はユニオンショップ協定を結んでいて、群馬バスの従業員には例外なくこれが適用される。以来、賞与は夏冬それぞれ12万円が決まって支払われてきた。これは「労働慣行」として成立している。勝手に会社が減額して許されるものではないのだ。それをコロナが始まってから、一方的に引き下げた。業績悪化を理由に。

 群馬バスは、業績が悪化すれば、「会社の存続」や「雇用の確保」を盾にして、労働者の賃金や労働条件を犠牲にしてもかまわないと考えている。そういう経営トップの考えなのだ。

 今回群馬合同労組は2月に春闘要求書を提出して、3月25日までに団体交渉を開催して回答することを要求した。ところが、団体交渉が開催されたのは4月25日である。群馬バス労働組合との交渉は3月で妥結している。明らかな差別である。しかも実権のある経営トップは団体交渉に出てこない。誰も責任をもって、交渉できる人間がいない。

 またそれに先立って会社は、群馬バス労働組合との春闘交渉ではベースアップ2000円を回答して見せた。要求が1500円なのに。これもふざけているし、あきれてしまう。年24000円。賞与を満額支払うのが先だろう。年14万円も削っておいて、これを手土産に群馬バス労働組合に言うことを聞かせようというのだ。

 群馬合同労組群馬バス分会のストライキは、2019年3月以来となった。当時はまだ元分会長の不当解雇を始め、群馬県労働委員会で係争中だった。申し立てた7件中4件を不当労働行為と認めた県労働委員会の救済命令が出たのは、その年の6月だった。全職場に謝罪文の掲示をさせた。元分会長の不当解雇は救済とならなかったが、群馬合同労組脱退後、裁判で解雇撤回させて勝利和解している。基本的に労働委員会で力関係を引っくり返してきた。

 5月9日のストは、2016年の分会結成以来の不屈の勝利の上に、労働委員会救済命令後では初めてのスト、しかもコロナで会社の反労働者的経営方針に労働者の怒りが高まる中でのストとなった。今こそ労働組合が真価を発揮する時だ。群馬バス分会は自らのスト決起で、すべての労働者、とりわけ運輸労働者に団結と闘いの檄をとばしたのだ。実際にバスを止めるストが必要だ。社会を止めるゼネストが必要だ。みなさん、ともに立ち上がろう。

群馬メーデーアクション2022の集会とデモで団結固める!

 5月9日の群馬バス分会ストに先立って、メーデーの5月1日に群馬合同労組主催で「群馬メーデーアクション2022」が高崎市労使会館で開かれ、30人が集まった。群馬バス分会スト突入集会であり、まっとうな、会社・経営と闘える労働組合を作ろう、群馬合同労組に結集しようと呼びかける集会・デモとなった。

希望の家労働組合から100人で労働組合を結成した報告!

 この集会のもうひとつの目玉は、昨年夏に結成された希望の家労働組合からの特別報告だった。若い労働者が、自分たちの力で100人の労働組合を結成した報告に会場は感動に包まれた。以下、報告の要旨を掲載する。

書記長からの報告。

 希望の家は福祉・介護・医療関係の職場で、400人以上の労働者がいる。そのうち100人くらいが組合に入っている。当初僕も孤立させられ、理不尽なことをありったけされてきた一人だった。最初は人事異動。夜勤のある職場から夜勤のない職場へ異動の話が来た。収入が減って生活ができなくなるので、夜勤のできる職場を希望したが、聞き入れられなかった。死ねってことかよ?と闘った。しかし孤立させられた。その時はやられるくらいなら経営者を打倒しようというくらいの気持ちだった。不当処分なんかもあった。その後、縁があって群馬合同労組に入った。懲戒処分も撤回させることができた。一人でやってきた。一人の活動は厳しい。2年前にも、不当なことに対して、闘った。ウソをついて隠していたものを出させて、この通りにやれよと闘ったら、書いてることとやることは違うの当たり前だと法人が開き直った。もうだめだと、心折れた。

 一方、経営不振は深刻さを増した。病棟は冷房も壊れ、雨漏れをし、労働者や利用者は苦しい思いをしていた。労働者の定期昇給もほぼ無くなり、賞与が半分になる状況。ところが法人はと言えば、綺麗な理事長室や大きな会議室を作るなど無駄な増改築を行い、理事長は高級車を乗り回した。ふざけるな!という声が上がり始めた。そこへコロナ。先行きが暗い。僕は正直もうどうせだめだ、ってなってしまっていた。しかし自分が闘ってきたのを見ていてくれた仲間が声をかけてくれた。いっしょに立ち上がろうと。それでがんばってみるかってなった。いろんな人に声をかけて広がった。100人集まったのは大変だったけど、奇跡が起きた。

 活動の内容。団体交渉で、賞与が下がったことについて説明しろ、元に戻せと要求した。最初は、テープレコーダーを繰り返すように同じことしか言わない。不誠実な対応。勤務時間中に組合勧誘をやっていると、証拠もなしに、懲戒処分の脅しの文書が貼りだされた。個別に中心的な役員を呼び出して、自分の悪口とか言って分断してきた。不当労働行為だろうと一つ一つ闘ってきた。労働委員会のあっせんなども申し込んだ。そういう中で、法人の体制が変わってきた。賞与の減額の原因も経営側のずさんな経営にあったということを認めさせた。冬の賞与も、前には戻らなかったが夏の1.7倍まで戻した。掲示板や会議室の使用も勝ち取った。人件費の削減の狙いは続いている。パートの時給を4月から下げるという攻撃。最低賃金以下になるようなことも出てきて、直させた。パートも非正規も仕事にそんなに差がない。人がいなくなればケア・サービスの質が下がる。事故につながる。利用者の命に関わる。だから闘っていく。

 経営不振の責任を取らせたい。今後の闘いの課題。資本主義や戦争の問題もある。現場の闘いが大事。

 群馬バス分会のストライキ。支持したい。勉強もしたい。今後も連帯を強めたい。

委員長から。

 知識はないけども、職場をよくしたいという気持ち。もっともっと組合員を増やしたい。団結を力にすることが大切だと思うので、組合員にもそれを伝えてがんばりたい。

群馬合同労組組合員の自信にあふれた発言

 集会の発言はすべてすばらしく、重要だった。最後の須永副委員長の発言はデモの出発時間となってしまい、デモの解散集会で全体のまとめとして発言してもらった。

 集会は、大塚組合員の司会で開会を宣言。連帯のあいさつで群馬合同労組支援共闘会議共同代表の岡部さんからあいさつをもらう。

 田島組合員からウクライナの戦争と日本の労働者の戦争反対の立場について提起してもらい、清水委員長から基調提起が続く。希望の家労働組合から特別報告(前掲)をもらい、組合員からの報告と決意だ。

群馬バス分会からは、現場の労働者が置かれた過酷な状況が怒りをもって語られ、ストで職場を変える決意が語られると同時に、明るく楽しく闘いましょうと訴えられた。

 読売新聞足利西部店で闘い、不当解雇撤回で労働委員会を闘う組合員が、職場に戻り業界を変えると発言。家族ぐるみで群馬合同労組に結集、団結して当該の闘いを共にしてきた父親と母親の発言も感動的だった。中央タクシーで闘い、現在日本水陸両用車協会解雇撤回闘争を闘う書記長が、不当解雇を弾劾し、知床観光船事故の船長は前職の日本水陸両用車協会で闘うべきだった。そうすればあの事故は起こらなかったと語った。彼の不屈の闘いが群馬合同労組を支えている。スーパーの総菜で非正規で闘う執行委員から、現場で力関係を変え、職場の仲間から送られてメーデーに参加していることが報告された。アジアとの連帯と非正規職としての職場の闘いを一つに闘っているのがすごい。最後の「団結がんばろう」は希望の家労働組合書記長に音頭を取ってもらった。

 デモは雨が降る中だったが、清水委員長を先頭にして、力強いシュプレヒコールで、道行く労働者市民、バスの運転手にともに闘おうと力強く呼びかけられた。

「ともにストで闘おう!」「職場に闘える労働組合を作ろう!」「群馬合同労組に入ろう!」「会社は労働基準法を守れ!」「パワハラ・セクハラを許さないぞ!」「労働者は奴隷じゃないぞ!」「団結して闘おう!」「戦争反対!」「ロシアはウクライナから手を引け!」「アメリカ・EUも手を引け!」「労働者の連帯で戦争をとめよう!」「台湾の鉄道労働者のストに連帯するぞ!」…

 群馬合同労組は小さな労働組合ではあるが、5月1日のメーデーアクションの集会・デモ、そして5月9日の群バス分会スト突入行動と自力で闘い抜いた。地域の仲間との連帯も作ってきた。この時代に労働者の力と団結に依拠して、職場も社会も変えようという、組合員の熱意があった。群馬バス分会のスト突入集会でも組合員の一人一人が闘ってきた自信にあふれた連帯発言が続いた。組織も拡大・強化して、次に進みたい。労働者のみなさん、仲間のみなさん、団結してともに闘いましょう。

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