日本保利化成(株)は謝罪せよ!解雇を撤回し、賃金を払え!

10 1月 by gungoroso

日本保利化成(株)は謝罪せよ!解雇を撤回し、賃金を払え!

 年末に群馬県太田市にある日本保利化成(株)群馬工場で働いていた青年Aさんから労働相談があった。

 日本保利化成は、現在東京に本社を置き、廃プラスチックや廃袋などを原料とした再生材料の製造・販売などの事業を行っている。昨年11月に同僚が製品を勝手に持ち出して売り飛ばし、代金を着服して逮捕されるという事件が起こった。日本保利化成は全く関係がないAさんにも「出てこなくていい」と通告した。解雇通告と受け取らざるをえない。まったく許せない話だ。

 Aさんから相談を受けて、組合に加入してもらい、謝罪と賃金の支払い、社会保険の未加入、残業代の不払い、有給休暇について要求書を提出した。

 ところが日本保利化成から、ファクスで返ってきた「返答」には、Aさんは「業務委託」関係であり、「従業員ではない」、よって「団体交渉は成立しない」というものだった。

 まったくふざけている。

 最初Aさんは派遣労働者として、日本保利化成で働くことになった。まじめに働くAさんに対して、日本保利化成は2020年10月頃に、直接雇用するから派遣会社を辞めてくれ、と持ち掛けた。一般的には同じ部署への派遣は3年を超えてはならないという「3年ルール」があるので直接雇用にはメリットもある。しかし、日本保利化成は残業代と社会保険料負担(その他派遣のコスト)の削減が狙いだった。

 この頃Aさんが署名した「雇用契約書」がある。それは「期間の定めあり」の開始日だけが記載され、「給料」には「基本給319,000円」「40時間の残業を含む」となっている。派遣で働いていたAさんの時給が1,350円。1日8時間、月23日で計算すると248,400円。319,000円というのはこれを元に計算すると、確かに約40時間分の残業代を加えた額に近い。

 しかし当時のAさんの残業時間は月100時間を超えることがざらだったというのだ。月100時間とすると60時間、10万円を超える残業代不払いだ。

 日本保利化成は、この大きな不利益変更と賃下げを、「あとで会社の役員にする」「男と男の約束」などと言い、「群馬太田工場 運輸部 課長」という肩書のAさんの名刺まで作って、だまして押しつけたのだ。解雇に対するAさんの怒りは激しい。

 しかもである。雇用契約書にサインさせておいて、「業務委託」の形にすると申し渡された。もちろん業務委託契約書などは作っていない。しかし、これからは給与明細は出さない。毎月何日何時間働いたかの請求書をAさんが日本保利化成に出すようにと指示される。最初から残業代の未払いを請求されても逃げられるように仕組んだのである。

 Aさんが、請求書なんて作り方もわからないし作れないというと、同席した管理職B氏が「代わりに作る」ということになった。会社の業務としてだ。だいたい請求書に「基本給」の項目があるし、「群馬太田工場 運輸部 課長」の名刺で仕事している。このことによって、Aさんは社会保険料を確定申告して自分で払うことにされてしまう。本当にクソ企業である。

 団体交渉を拒否した日本保利化成に対して、労働基準監督署・県労働局への違反申告、群馬県労働委員会への申立てなどを行うことを通告した。しかし、何らの回答も反応もない。最初から手を打ってあるし、労働者に何ができるかと高をくくっているのだろう。しかし、甘く見てもらっては困る。

 確かに労基署も労働局も、これは難しいと、及び腰だ。雇用契約書に会社印が押していないのである。さらに給与明細ではなく、請求書に対する支払いという形を続けていたこと…まんまと会社の仕組んだ通りの展開である。

 しかし、繰り返すが、甘く見ないでほしい。こんな詐欺企業、クソ企業を群馬合同労組は許さない。絶対に後悔させて見せる。

 「実は何度か首を吊ろうかと考えたんです」…。要求書を出して闘うことを決めて、別れるときにAさんが初めて教えてくれた。群馬合同労組はこの言葉を絶対に忘れない。

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