食肉請負会社との第1回団体交渉報告
2021年7月28日、A社との第1回団体交渉が埼玉県で開かれた。伊勢崎市の新しい工業団地の中にある食肉加工工場で働いてきた若い日本人と外国人の夫婦の残業代未払いの問題だ。
相談のきっかけは、奥さんの妊娠・出産にともなう会社の産休・育休に関する取扱いに対する不信・不満だった。当てにしていた産休・育休の休業補償が受けられず、借金をして、途方に暮れていた。だんなは愛想をつかして会社を辞めてしまっていた。たまたまお姉さんが群馬合同労組の組合員で、お姉さんから相談がきた。
産休は何とかなったが、残業代が出ていないのだ。遅くまで仕事をしても。
工場で働いているのはほとんどが外国人。技能実習生も多い。しかし雇用契約を結んでいるのは請負会社。それも複数の請負会社があってよくわからない。いかにも怪しい。
団体交渉は、組合からはコロナの問題もあって参加制限をして5名が参加。当該は奥さんは出産間もないのでだんなさんが代表参加。他に若手B組合員が初めて応援で団交に参加してくれた。会社は、C社長と社会保険労務士事務所から2名。社労士には代理権がないので発言にくぎを刺す。
事前にタイムカード・明細の写しの交付を受け、計算書を取り交わして、交渉に臨んだ。一年働いた。日本人のだんなの方は日給が9000円から11000円に上がっていた。辞めると言ったら、日給を上げるからと慰留された。しかし残業代が支給されないなら、割に合わない。
辞めると腹を決めて、残業代はどうなっているのかと聞いたら、固定残業代が日給に含まれていると言われた。納得がいかない。就業規則も賃金規定もなかった。雇用契約書には「職能給」が1000円含まれるとなっているが、これが固定残業代だという。話にならない。レンタルされる「白衣」のクリーニング代が毎月8000円天引きされている。
組合から会社の処遇は問題にならないとして、残業代と天引きされたクリーニング代の支払を求めた。会社は、回答まで1週間の猶予を求めた。
外国人を使って利潤をあげる会社はこんなものなのかと愕然とする。どうやって声をひろうか。闘いを組織するか…