「セクハラ・ストーカー行為」でっち上げ!岡本工作機械製作所は不当労働行為をやめろ!
(株)岡本工作機械製作所は、今年6月、同社安中工場で働いていた請負会社・大黒運輸株式会社社員のA組合員に対して、岡本工作機械の女性社員Bに対するセクハラとストーカー行為の嫌疑をかけ、「出入り禁止」を指示した。表向きは、調査の上で処分せよ、というものであるが、元請け・下請けの上下関係を背景とした一方的なものである。
A組合員は、大黒運輸社員として岡本工作機械製作所安中工場で働き出して2年半ほどになる。その前から群馬合同労組の組合員であった。2018年末に大黒運輸に対して組合通告、2019年春には岡本工作機械製作所に対しても岡本工作機械製作所分会組合員として組合通告を行った。過積載や道路交通法違反事実の指摘を行って、岡本工作機械製作所に対して団体交渉を行い、安全配慮義務の履行と偽装請負の是正を申し入れてきた。
そうした中で、6月27日、A組合員は大黒運輸の取締役に呼び出され、そこで突然、岡本工作機械製作所から女性社員Bからセクハラ・ストーカーの報告が出ているとして、聞き取りが行われた。内容は、名前を聞いたか、家を聞いたか、食事に誘ったか、ドラッグストアC店で買い物するのを待ち伏せしたか…など。そして誤解される発言をしたならば仕方がない、大事なお客さんである岡本工作機械製作所から指示されているので、「誓約書」(今後Bさんに近づかない誓約書)を提出の上、配属先を変更してもらう、群馬県近辺には他にないので横浜まで出勤してもらいたい、というものだった。A組合員は、名前や家を聞いたり、食事に誘ったのは事実だが、セクハラやストーカーと言われるのは明らかな誤解、「誓約書」もこの場では出せない、横浜に通勤するのも転居するのも無理、群馬合同労組と相談すると回答した。
報告を受けた群馬合同労組は、翌6月28日付で岡本工作機械製作所に対して、団体交渉の開催を要求する要求書を提出した。しかしながら岡本工作機械製作所は、7月1日付回答書で、A組合員とは雇用関係にないという理由で団体交渉を拒否。一方でB社員の「報告書」を組合に提出した。A組合員は精神的に追いつめられて自律神経失調症を発症してしまった。
組合は7月2日付でA組合員の弁明を聴取した「弁明書」とともに、「セクハラ・ストーカー」はえん罪だとして再度要求書を提出、団交拒否と岡本工作機械製作所の不当な対応を弾劾した。そもそもB社員の報告書自体が「終始笑顔で対応してしまった」「相手は私が嫌がっているとは思っていないと思う」というものであり、誤解にもとづいて「ストーカーのような行為」を受けていると岡本工作機械製作所に相談したものである。またA組合員が誤解される背景にあったのは、A組合員が労働組合の問題をも念頭に昨年からはじめた7月のバーベキュー大会への誘いだった。そもそも岡本工作機械製作所が雇用関係にないとはいえ、A組合員に対して、施設管理権と安全配慮義務にもとづいてA組合員から事情聴取をすれば解決した話である。
しかしながら岡本工作機械製作所はかたくなに団体交渉を拒否した。
組合は、不当労働行為で労働委員会への救済申立を行うという通告を盾にして、7月23日付で再度要求書を提出した。すると8月1日にやっと団体交渉が開催された。ここで群馬合同労組は、A組合員はセクハラもストーカー行為も行っていないとあらためて通告をすると同時に、岡本工作機械製作所の社内でのこれまでのセクハラの解決事案などを説明させ、懲戒規定を提出するように要求した。そして8月12日付で、A組合員本人がB社員の報告書に対する「弁明書」を作成して会社に提出。さらに提出された岡本工作機械製作所の社内懲戒規定では、セクハラは「譴責」にとどまることも判明する中で、8月18日付であらためて処分の撤回と謝罪、団体交渉を求めて要求書を提出した。しかし岡本工作機械製作所は再び団交拒否。
8月28日、最後的に群馬県労働委員会への救済申立を通告するが、やはり団交拒否。
A組合員は、この間、収入も途絶え、「セクハラ・ストーカー」の烙印を押されたまま職場に行くこともできず、体調も悪化するばかり。
一方で岡本工作機械製作所は、8月1日の団体交渉で、この間、A組合員の証拠を元に改善を迫ってきた道路交通法違反事案と偽装請負事案について、「輸送係」の廃止を7月24日の取締役会において決定し、8月1日付で実施したと回答している。実際には偽装請負は何ら解消されていないが、岡本工作機械製作所がA組合員の告発で追いつめられて対応していたことが明らかになっている。
この期に及んで、岡本工作機械製作所の団体交渉拒否と組合員に対する不当労働行為は許すことはできない。岡本工作機械製作所は労働組合つぶしのためならば、労働者の健康も人生も破壊して恥じないブラック企業である。A組合員も群馬合同労組も早期職場復帰を優先して考えて、公表は控えてきた。しかしもう当該も組合も限界をこえた。もう許さない。これから群馬県労働委員会を舞台に闘いが始まる。絶対に岡本工作機械製作所を許さない。必ず責任を取らせる決意だ。