コンビニオーナーも労働者!24時間営業の強制をやめよ!

23 2月 by gungoroso

コンビニオーナーも労働者!24時間営業の強制をやめよ!

 「もう無理!」24時間営業を打ち切るコンビニオーナーの登場が話題になっている。

 そんな中で東京新聞の「こちら特報部」が2/23付ですばらしい特集をした。

 コンビニ加盟店ユニオンが労働委員会で勝利した根拠の一つが、二十四時間営業の義務付け。事業主ならば自分で営業時間を決められないといけない。「団体交渉が認められれば、労働協約を結ぶことができる。フランチャイズ契約よりも効力が強く、二十四時間営業に歯止めを掛ける道筋が開ける」

 転載させてもらいたい。

つらすぎるコンビニ店主

バイト不足 業務増える一方

24時間営業「もう無理」

コンビニの24時間営業に注目が集まっている。大阪では、オーナーが時間を短縮して営業し、本部と対立している。背景にあるのは、人手不足と忙しさ。現場の、とりわけオーナーには、ブラック企業も真っ青の長時間労働を強いられている人がいる。実態はどうなのか。このままでいいのか。

(石井紀代美、榊原崇仁)

「ゴールのないマラソンをやっているような感じ。人手が足りず、ここ三年、全然休めない状態が続いているんです」中部地方でコンビニ店を経営する五十代の男性は二十二日、「こちら特報部」の取材にこぼした。声に疲労がにじんでいた。

男性は毎日、午後九時半から翌朝九時ごろまで働く。無理なく勤務を回すためにはアルバイトが二十人ほど必要。しかし、家族を含め、今は十二人しかいない。足りない分を男性と妻の二人で補う。単純計算でアルバイト四人分の仕事をしなくてはならない。とりわけ、人手が足りなくなるのが深夜帯だ。だから、こんな働き方になる。

年間二十万円かけて求人情報誌などでアルバイトを募集しても反応は少ない。

「業務の大変さのわりに、コンビ一一各社のコーヒーカップ。マシンの手入れも店員の負担になっている

低賃金にプラスアルファぐらいしか出せない。若者や主婦がお金を稼ぐための仕事選びから、コンビニ店は対象外になっている」時給を上げようにも、おいそれとはいかない。コンビニ本部との契約で、店の粗利の六割を納める。残り四割で、人件費など経費の大半をまかなわねばならないからだ。

昔と比べ、仕事も複雑で大変になっている。例えば、紙コップで入れたてのドリップコーヒーが飲める機械。豆の補充や機械の洗浄が必要になった。宅配便を受け付けるようになり、伝票や宅配物の管理などの手間が増えた。

買い物でたまるポイントも仕事を難しくしている。レジの仕組み上、決済する前にポイントカードを通す必要がある。「支払いの後でカードを出す人もいる。その場合はいったん取り消して、もう一度最初からやり直さないといけない」その決済方法も、現金、クレジヅトカード、電子マネーと多岐にわたる。「従業員にきちんと教えるのは結構大変。お金のやりとりという一番大事なところ24時間営業「もう無理」で、絶対ミスが起きないように気を付けないといけない」。心労は尽きない。

店で売る揚げ物は、油の酸化度合いをチェックして基準値を超えれば交換する。処理を間違えば、火災が起きる気を使う作業。ほかにも、ごみの分別やトイレ掃除…。

男性は新天皇即位に伴う十連休を恐れる。「絶対に休めない。アルバイトが休みを取るだろうから。話題の『働き方改革も、コンビニ店は蚊帳の外。このままでは、どんな人でも体が持たなくなる」。実際、男性の妻も以前、疲労で体調を崩して休んだ。

二十四時間、三百六十五日営業してます。本部はコンビニ店を「社会インフラ」とアピールする。男性は痛烈に批判する。

「人手の確保は現場任せで、本部からは何もサポートがない。『社会インフラ』の現実は、コンビニオーナーと家族の犠牲で成り立っている。営業が継続できなくなっても、本部にとっては違うオーナーを探すだけ。私たちは本当にコンビニエンス(便利)なものとして扱われている」

権限ないのに事業主

労組結成 団体交渉求め闘争

「本部も意識改革を」

都心のコンビニも訪ね歩いてみた。

「人手が足りないのはどこの店も変わらない」。ファミリーマートの男性店長はそう語る。十人のアルバイトはすべて外国人。「お金を稼ぎたいから、たくさん働きたいという人ばかり。こちらから『長時間は引っ掛かっちゃうから』と止めないといけないぐらい、働く意欲が旺盛。外国人がいなければ、もうやっていけないよ」と断言する。

ローソンでは、オーナーが多数の店を経営しているという。「他の店から人を出してやりくりしている。うちは、しっかり休みが取れていますよ」

セブンーイレブンの男性店長は週六日で働くほど忙しい。時短営業に踏み切った大阪の店について聞くと、「気持ちは分からなくない。本部が二十四時間営業の姿勢を崩せば、確実に、全国各地で山ほど、後に続くオーナーが出てくる」と推測した。

オーナー、店員が身を粉にして働かなければいけないのは本部側と結ぶフランチャイズ契約のためだ。「コンビニビジネスの根幹に据えられてきたのが二十四時間営業。本部側は、経営ノウハウの提供などとともに、統一的な契約内容として盛り込んできた」。学習院大の橋本陽子教授(労働法)はそう語る。

いつでも立ち寄ることができる二十四時間営業は、コンビニの信頼感を高めてきた側面はあるだろう。今は深夜の防犯、さらに災害時の物資供給も期待される。それに何より、深夜でも店を開け続けることで売り上げは伸びる。

日本労働弁護団の棗一郎弁護士は「本部には、売り上げに応じた額が懐に入る仕組み。一方、オーナー側からすれば、深夜は人件費がかさんで、利益が出にくい。何かと接客トラブルも起きやすい。やりたくないのが本音」と指摘する。

こんな状況に異を唱え続ける人たちがいる。二〇〇九年八月以降、首都圏や関西のオーナーらによって「コンビニ加盟店ユニオン」「ファミリーマート加盟店ユニオン」といった労働組合ができた。彼らは本部側に団体交渉を繰り返し求め、拒否されると、労働委員会に救済を申し立てた。争いは今も続く。

代理人の棗弁護士は「本部側は『ノウハウと商品を提供するだけ』『店舗経営はオーナーが独立してやっている』と言う。しかし、オーナーが最も裁量を働かせたい営業時間は、フランチャイズ契約で縛られている。『独立した事業主』とは到底言えない」と語る。

事業主なら、労働管理は自分の責任。どんなに長時間働こうが違法ではない、

しかし、使われる労働者なら、労働時間の制限や休日など法律上の保護がある。両者を区別する条件の一つが、自分の労働時間にどれほどの裁量があるかだ。地方レベルの労働委では一四年、「加盟店主は労働組合法上の労働者」「本部側の団交拒否は不当労働行為に当たる」という判断が出た。根拠の一つが、二十四時間営業の義務付け。しかし、本部側が受け入れず、結論は先送りに。「団体交渉が認められれば、労働協約を結ぶことができる。フランチャイズ契約よりも効力が強く、二十四時間営業に歯止めを掛ける道筋が開ける」(棗弁護士)

ユニオンに加わるオーナーたちは多忙なのに、月に一~二回ある労働委の聞き取りや打ち合わせをする。時間を取られるので、費用をかけて人を雇い、留守を任せるケースもある。

「やっぱり、おかしいことはおかしいと言わなきゃまずい」。東京都江東区でコンビニを営む吉村英二さん(六二)は、そんなオーナーの一人だ、、「働き方改革と言うけど、今のコンビニ業界は配送業者も巻き添えにしている、世間の意識も変わっていると本部の人たちには分たってもらいたい」と二十四時間営業を見直すよう求める。

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