群馬バスに春闘要求書提出へ!
時給810円!?
2月7日、群馬合同労組は、群馬バスに対して春闘要求書を提出した。
要求項目は①基本給一律5万円の賃上げ、②嘱託雇用の運転手の時給810円を1400円に上げること、③現在半分に計算される待機時間(中休・ちゅうきゅう)の取扱を改め、全額支払うこと、④通勤手当を「各人の必要額を基に」支給すること、⑤有給休暇の残日数を給与明細に明記すること、などの8項目。
いまだにバスの運転手は高い給料をもらっているという誤解をする人がいる。だいたいの人が「時給800円」と聞いてビックリする。ウソではない。写真を見てほしい。群馬バスの嘱託運転手の時給が810円に上がったのは去年の9月。これは去年の秋から群馬県の最低賃金が809円に改定されたことにともなう。
時給1400円に賃上げを!
今回春闘要求として、群馬合同労組は、この時給を1400円に値上げしろと要求した。1400円というのは群馬県内のある工場での非正規労働者の時給を参考にした。決してムチャな要求ではない。
待機時間も労働時間だ!
さらに驚くのが、待機時間の扱い。これは群馬バスだけではないが、バス会社は、乗務と乗務の間の待機時間を原則休憩時間だとして、労働時間として扱わない。しかしこれは無理があるので、二分の一として計算して支払う扱いを行っている。時給405円ということ。これがバス運転手、いや運輸労働者の長時間拘束の大きな原因になっている。長時間拘束、低賃金、労働者の健康破壊の諸悪の根源だ。この待機時間を労働時間として扱え、全額支払え、というのは重要な、当然の要求である。
交通費くらい払え!
通勤手当。払うのは当然ですね?ところが群馬バスでは「生活関連手当」として扶養家族のいる従業員に一律1万円が支給されていて、これに「交通費を含む」とされている。これはおかしいでしょ?ちゃんと実費をもとに各人に払いなさい、という当たり前の要求。
正規職化と引きかえに賃下げ!
基本給5万円アップの要求は、一見、とっぴょうしもないように聞こえる。しかし、今や社会問題となっているバス労働者の長時間・低賃金の労働条件を抜本的に改善するためには、全然おかしくない要求だ。
しかも群馬バスは、2015年夏に一年の有期契約を無期の正社員にする条件として賃金の引き下げを行った。この額は群馬合同労組分会組合員の平均賃金としてはおよそ25,000円。これを群馬バス労働組合との合意をてこに、全労働者に賃下げを容認させた。その分を返せ、ということでもある。
賃金計算の透明化を!
運輸労働者は、長時間・低賃金の長年の労働で、健康上の問題を抱えざるをえなくなっている。賃金と労働時間・拘束時間の、公明正大な管理が欠かせない。ところが、群馬バスでは群馬合同労組の、賃金計算の元になるダイヤごとの賃金単価表の開示・写しの交付を拒否している。これでは中休の計算方法も含めて自分の賃金の計算が不可能になる。
また就業規則では週休2日をうたいながら、実際には法定外休日は勤務しないと生活できないので、ほぼ例外なく週休1日。たまに休みを取るときに振り替えなのか、有休なのか、はっきりしなくなる。このどんぶり勘定も自分の労働条件が見えなくなる原因のひとつだ。だからいったい有休があと何日残っているのか、ちゃんと給与明細に記載しろ、というのがもうひとつの要求。とてもささいな要求だが。
組合つぶしを打ち破ろう!
群馬合同労組群馬バス分会が職場で声をあげて闘いはじめて、2年半。今回の春闘要求は、最初に要求したことに基本的に重なる。しかし群馬バスは、それ以降、組合つぶしにやっきになった。分会長の不当解雇、組合員への処分と兵糧攻め、不誠実団体交渉、雇用契約書にあらたな文言を付け加えて群馬合同労組への加入をけん制することまでやった。これらはすべて、群馬県労働委員会に不当労働行為救済申立を行い、闘ってきた。県労働委員会はこの2月に結審して、5月までには命令が出る。群馬合同労組群馬バス分会はこれまでの勝利的地平にたって、再度攻勢に出たい。
バス労働者の怒りはいまや爆発寸前だと思う。絶望して辞める労働者、人員不足でますます過酷になる労働条件、一方で自動運転の試験走行をやってみたり、資本の合理化と人員削減の狙いも明らかだ。労働者の団結と闘いがすべての答えだ。闘わない御用組合をぶっとばして、労働組合を取り戻そう。ストライキ、ゼネラルストライキが労働条件を変える唯一の力だ。国鉄分割民営化と総評解散・連合結成から始まった新自由主義の30年を、闘う労働組合・群馬合同労組への結集でぶっとばそう!春闘をともに闘おう!