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産休申出を理由とした雇止め解雇、撤回へ

 先日ブログに書いた、派遣の若い日系外国人女性がマタニティーハラスメントで雇止め解雇を通告された件(http://gungoroso.org/?p=1876)。

 派遣元の派遣会社との団体交渉が10月31日に開かれた。当事者の若い夫婦と女性執行委員、清水委員長が団交に出席した。会社は東京から労務部長と課員が出席。

 結論は、①雇止め解雇の通知は撤回、②産休は保障する、③妊娠・出産を理由とする契約更新拒否をしない、④就業規則は閲覧してもらう。ほぼ要求は通り、一発勝利回答でした。

 日系ペルー人のAさんは、雇用契約は12月いっぱいだが、この10月31日で「雇止め解雇」だと通告されていた。Aさんはこの日団交出席のために有給休暇を取った。前日の最後の出勤の日には班長が、「今日で最後ですね、ご苦労様でした」と、あいさつに来た。いやな雰囲気だった。事前の打ち合わせで、これは2人だけの問題ではない、法律を守れと、妥協せずにしっかり闘おうと話し合った。

 団体交渉。労務部長が、冒頭回答を口頭で行った。「雇止め解雇の通告については撤回します」!よかった。夫婦は喜びの顔。その上で、労務部長は謝罪した。現場の「コミュニケーション不足」「担当者の知識不足」「理解不足」でこういう事態になってしまったこと、団体交渉がギリギリになってしまったこと、おめでたいことなのにたいへんな心労をかけたこと。

 現場の「理解不足」「知識不足」は、言葉通りに受け止めるわけにはいかない。1年以上継続雇用したものにしか産休は認めない、と現場管理者は当事者に回答したが、これは育児休業の規定をわざと、産休の規定にすり替えた悪質なものだ。さすがに派遣会社としては、こんなことで悪評が立ったり、認可が取り消されては取り返しがつかないということだろう。組合からは、しっかりした管理者教育を行うように申し入れ、会社も了解した。

 男女雇用機会均等法は、派遣労働者であろうと、非正規労働者であろうと、妊娠・出産を理由とする解雇や契約更新拒否を禁じている。また母性保護規定として、妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させるなどの措置を取らなければならない。これは派遣先も同じである。 今回の場合、派遣会社の悪意というより、派遣先の悪意を感じざるをえない。悪意というより、慣例としてこのような対応がずっと続いてきたに違いない。派遣会社は、お客さんである派遣先会社の意向に従うか、忖度(そんたく)する。そうしないと、ほかの派遣会社に派遣の枠を取られてしまう。

 妊娠したら解雇、産休を取りたいと言ったら解雇、こんなことをどんな職場でも、どんな派遣会社でも許さない、そういう力を労働組合が作るしかない。特に外国人の派遣労働者にはあきらめずに必ず相談してもらいたい。

 11月3日(日)正午、日比谷公園野外音楽堂で全国労働者総決起集会が開催される。国籍や民族をこえた国際連帯集会でもある。ぜひ成功させたい。みなさんの参加をお願いします。

中央タクシー残業代裁判が結審

 中央タクシーを相手に固定残業代制度のインチキを暴き、残業代と深夜割増賃金の不払い分を支払えと闘ってきた裁判が、10月9日結審した。判決は来年1月15日に出される。

 これに先だって、7月31日に証人尋問が行われた。原告のTさん、Sさん、被告会社の代表取締役、宇都宮司社長が順番に証人席に座った。

 2015年6月に長時間労働とパワハラに苦しむ労働者の相談から始まった中央タクシーの闘い。長野、群馬、新潟を主な拠点として、成田・羽田両空港への直接送迎の乗合ジャンボタクシー事業を運営してきた会社だ。群馬営業所の3人が群馬合同労組中央タクシー分会を結成し闘いを開始した。組合員に対する乗務外し、固定残業代の8万円減額などの激しい組合つぶしとの闘いだった。ストライキをはじめとする職場での闘い、労働委員会への救済申立、地域を席巻するデモなど組合の全力をあげて闘った。労働委員会闘争に勝利して、すべてを取り戻した。そして職場まるごとの組織化に手をかけたとたんに起こった分会長への襲撃事件。組合は大きな傷を受けながらも負けずに団結を守り抜いてきた。その総括をかけた残業代裁判でもある。

 中央タクシーの賃金体系は、こうだ。基本給16万円、稼働手当114,600円、それに空港実車手当(数千円程度)と通勤費がつく。この稼働手当が固定残業代であると会社は主張する。

 しかしこの「稼働手当」には大きな問題があった。

 ひとつは、そもそも労働時間管理がなされていなかったこと。運輸労働者には、実際に運転をしていない待機時間をどのように扱うかという大きな問題がある。休憩時間なのか、労働時間なのか、これで賃金に大きな差が出る。労働時間管理とは、運転時間がどれだけで、労働時間としての待機時間がどれだけで、賃金の発生しない休憩時間がどれだけか、ということを個々の労働者ごとに把握しなければいけない。ところが中央タクシーの「稼働手当」は114,600円払ってるから細かいことは言うな、という形で、実際には残業代や深夜割増をごまかしてきた。

 もうひとつは、群馬合同労組の分会が闘いを開始するまで、賃金規定に「稼働手当」の規定が存在せず、「調整手当」と記載されていたこと。

 もうひとつは、この「稼働手当」は、2013年6月まで固定額ではなく毎月違う金額で、これとは別に「時間外手当」と「深夜手当」が支払われていたこと。添付の当時のAさんの給与の表を見てほしい。一見、「時間外手当」も「深夜手当」もちゃんと支払われているように見える。しかしこの表の作成を通して、これがインチキだということが判明する。エクセルの自動計算で「時間外手当」と「深夜手当」と「稼働手当」の合計を計算したら、なんと毎月114,600円の固定額だったのだ。つまり、「時間外手当」も「深夜手当」もきちんと計算して支払っているかのように装い、その実は、労働時間管理など行わず、114,600円を固定残業代としてジャンボタクシー部門の全員に同額を支払っていた。賃金規定に「調整手当」とあったのはそのからくりから付けられた名称だったのである。そして労働者は誰もその事実に気がつかなかった。分会長でさえ、以前は「残業手当」が支払われていたのに、支払われなくなった、と思っていた。

 これらにふまえて裁判では原告は、「稼働手当」は残業代・深夜手当ではなく、時間外割増賃金の算定にあたって算定基礎額に算入される手当であると結論付けている。

 この「稼働手当」と名付けられた固定残業代制度は、「定額働かせ放題」の制度だ。たちが悪いのは、このように中央タクシーは、きちんと残業代・深夜割増を支払っているかのように偽装することから始まった詐欺的な制度だということである。

 そして偽装は、それだけではなかったのだ。長時間労働に関する国土交通省基準の違反を隠すためにタコグラフの改ざんをも行っていたのだ。そのやり方は、乗務開始から乗務終了までの合計時間が15時間を越える場合には、タコグラフを途中で抜き取って、2枚目に入れ直す、というやり方である。15時間以上のタコグラフを勤務終了後に運行管理者に提出すると、「不可」と赤字で書いて返される。そしてそれを手書きで書き直せという指導が行われていた。

 こうした偽装はもちろん会社ぐるみ、社長の指示で行われたことは間違いないのだが、社長は証人尋問でしらを切った。こういう指導がされていることを、知らなかった、と。組合に指摘されてから、やめるように言った、と。

 しかし原告代理人の弁護士から「運行管理として、労働時間の管理がきちんとされてなかったという実情があったんじゃないですか?」と聞かれて、宇都宮社長はこう答えるしかなかった。「そうです。」

 裁判では、Tさんが毎日記録していたノートの労働時間の記録としての証拠価値や、休憩時間の実態と扱いについての問題など、重要な争点について、完全に勝利したと思う。

 このとんでもない人でなし企業によって、実際に、業務中の運転手の死亡など、過労死と疑われる事態も起こった。健康を破壊された労働者がたくさんいる。運輸労働者の置かれている現実は、どの会社でも同じだと思う。労働者が団結して闘うことが現実を変える道だ。生きるために、闘う労働組合に結集して、ともに闘おう!群馬合同労組・合同一般労働組合全国協議会にぜひ相談を!

産休取りたいと言ったら雇止め?外国人労働者への仕打ち

 この夏から外国人労働者の相談と加入が続いている。法律がないがしろにされる、現場のでたらめがまかり通る…驚くばかりだ。

 その中でも、先日の若い日系外国人夫婦の話は、ゆるしがたい。夫婦ともに日系の派遣労働者で、名前も日本名、日本で暮らして十数年で漢字もかなり読み書きできる。

 奥さんが妊娠をして、予定日は来年の早い時期。妊娠の話は派遣先に早くから伝えた。雇用=派遣契約は3ヶ月ごとの更新。10月1日から更新された雇用=派遣契約は12月いっぱいまで。更新されると同時に、彼女は派遣会社の担当社員に産休を取りたいと話した。すると担当者は、上に相談してみますと答えた。

 それからしばらくして、その担当者から回答があった。なんと、産休は社員か、1年以上継続した派遣社員しか使えない、あなたは10月いっぱいで雇止めだと告げたのだ。とんでもないマタニティー・ハラスメントだ。

 納得がいかず、相談した人から群馬合同労組を紹介されたと、組合に相談の電話が入った。

 群馬合同労組は、すぐに会って、夫婦に加入してもらい、派遣会社の東京の本社に要求書を提出。雇止め解雇の撤回、産休の保障、妊娠・出産を理由とする契約更新拒否をしないこと、就業規則の提出を要求した。

 近く団体交渉が開催される。絶対に雇止め解雇を撤回させて、産休を保障させたい。

 別の日系外国人の青年組合員に、その話をしたらこう答えた。 「あぁ、よくあるんだよね。」

「セクハラ・ストーカー行為」でっち上げ!岡本工作機械製作所は不当労働行為をやめろ!

 (株)岡本工作機械製作所は、今年6月、同社安中工場で働いていた請負会社・大黒運輸株式会社社員のA組合員に対して、岡本工作機械の女性社員Bに対するセクハラとストーカー行為の嫌疑をかけ、「出入り禁止」を指示した。表向きは、調査の上で処分せよ、というものであるが、元請け・下請けの上下関係を背景とした一方的なものである。

 A組合員は、大黒運輸社員として岡本工作機械製作所安中工場で働き出して2年半ほどになる。その前から群馬合同労組の組合員であった。2018年末に大黒運輸に対して組合通告、2019年春には岡本工作機械製作所に対しても岡本工作機械製作所分会組合員として組合通告を行った。過積載や道路交通法違反事実の指摘を行って、岡本工作機械製作所に対して団体交渉を行い、安全配慮義務の履行と偽装請負の是正を申し入れてきた。

 そうした中で、6月27日、A組合員は大黒運輸の取締役に呼び出され、そこで突然、岡本工作機械製作所から女性社員Bからセクハラ・ストーカーの報告が出ているとして、聞き取りが行われた。内容は、名前を聞いたか、家を聞いたか、食事に誘ったか、ドラッグストアC店で買い物するのを待ち伏せしたか…など。そして誤解される発言をしたならば仕方がない、大事なお客さんである岡本工作機械製作所から指示されているので、「誓約書」(今後Bさんに近づかない誓約書)を提出の上、配属先を変更してもらう、群馬県近辺には他にないので横浜まで出勤してもらいたい、というものだった。A組合員は、名前や家を聞いたり、食事に誘ったのは事実だが、セクハラやストーカーと言われるのは明らかな誤解、「誓約書」もこの場では出せない、横浜に通勤するのも転居するのも無理、群馬合同労組と相談すると回答した。

 報告を受けた群馬合同労組は、翌6月28日付で岡本工作機械製作所に対して、団体交渉の開催を要求する要求書を提出した。しかしながら岡本工作機械製作所は、7月1日付回答書で、A組合員とは雇用関係にないという理由で団体交渉を拒否。一方でB社員の「報告書」を組合に提出した。A組合員は精神的に追いつめられて自律神経失調症を発症してしまった。

組合は7月2日付でA組合員の弁明を聴取した「弁明書」とともに、「セクハラ・ストーカー」はえん罪だとして再度要求書を提出、団交拒否と岡本工作機械製作所の不当な対応を弾劾した。そもそもB社員の報告書自体が「終始笑顔で対応してしまった」「相手は私が嫌がっているとは思っていないと思う」というものであり、誤解にもとづいて「ストーカーのような行為」を受けていると岡本工作機械製作所に相談したものである。またA組合員が誤解される背景にあったのは、A組合員が労働組合の問題をも念頭に昨年からはじめた7月のバーベキュー大会への誘いだった。そもそも岡本工作機械製作所が雇用関係にないとはいえ、A組合員に対して、施設管理権と安全配慮義務にもとづいてA組合員から事情聴取をすれば解決した話である。

 しかしながら岡本工作機械製作所はかたくなに団体交渉を拒否した。

 組合は、不当労働行為で労働委員会への救済申立を行うという通告を盾にして、7月23日付で再度要求書を提出した。すると8月1日にやっと団体交渉が開催された。ここで群馬合同労組は、A組合員はセクハラもストーカー行為も行っていないとあらためて通告をすると同時に、岡本工作機械製作所の社内でのこれまでのセクハラの解決事案などを説明させ、懲戒規定を提出するように要求した。そして8月12日付で、A組合員本人がB社員の報告書に対する「弁明書」を作成して会社に提出。さらに提出された岡本工作機械製作所の社内懲戒規定では、セクハラは「譴責」にとどまることも判明する中で、8月18日付であらためて処分の撤回と謝罪、団体交渉を求めて要求書を提出した。しかし岡本工作機械製作所は再び団交拒否。

 8月28日、最後的に群馬県労働委員会への救済申立を通告するが、やはり団交拒否。

 A組合員は、この間、収入も途絶え、「セクハラ・ストーカー」の烙印を押されたまま職場に行くこともできず、体調も悪化するばかり。

 一方で岡本工作機械製作所は、8月1日の団体交渉で、この間、A組合員の証拠を元に改善を迫ってきた道路交通法違反事案と偽装請負事案について、「輸送係」の廃止を7月24日の取締役会において決定し、8月1日付で実施したと回答している。実際には偽装請負は何ら解消されていないが、岡本工作機械製作所がA組合員の告発で追いつめられて対応していたことが明らかになっている。

 この期に及んで、岡本工作機械製作所の団体交渉拒否と組合員に対する不当労働行為は許すことはできない。岡本工作機械製作所は労働組合つぶしのためならば、労働者の健康も人生も破壊して恥じないブラック企業である。A組合員も群馬合同労組も早期職場復帰を優先して考えて、公表は控えてきた。しかしもう当該も組合も限界をこえた。もう許さない。これから群馬県労働委員会を舞台に闘いが始まる。絶対に岡本工作機械製作所を許さない。必ず責任を取らせる決意だ。

群馬バスとの第6回団体交渉勝ち取る!

 群馬合同労組は、9月19日、群馬バスとの第6回団体交渉を行いました。組合からはT新分会長先頭に7名、会社側は管理職6名・代理人4名の10名が出席。

 6月に群馬県労働委員会の命令が出されてから最初の団体交渉となりました。

 県労働委員会の命令については、既報の通り、M元分会長のアルコール解雇他の2つの懲戒処分について、不当労働行為を認めさせることはできませんでした。組合員であろうと、組合員でなかろうと、懲戒処分の内容について差別があったとは言えない、という県労働委員会の判断が示されました。これについて、群馬合同労組は、不当労働行為というのは法律や客観的事実だけで証明できるものではない、棄却は許せないという立場を表明してきました。一方、他の4件の救済申立については群馬バスの不当労働行為意思を認定して、画期的とも言える勝利命令を出しました。

 この県労働委員会命令をどう総括し、今後どのように闘うのかをめぐって、群馬バス分会は分裂しました。M元分会長は、あくまで解雇撤回を求めて、不服申し立てないしは裁判闘争を主張しました。しかしその一方でT分会員に対する理不尽な攻撃を続け、要求を組合がのまなければ分会をつぶすとまで言いました。群馬合同労組としては、M元分会長が、組合と分会の団結のために不服申し立てを主張するならばともかく、自らの金銭的利害で組合民主主義も団結も破壊して何とも思わない態度を許すことはできませんでした。

 結果として、M元分会長は、O元副分会長をも引き連れて組合を脱退。他労組に加入して、裁判闘争を始めようとしています。群馬合同労組群馬バス分会は、労働委員会闘争に重要な勝利を勝ち取りながらも、T新分会長一人で再スタートしなければなりませんでした。

 そういう意味で、今回の団体交渉は、分会の新たなスタートという重要な意味を持ちました。

 結論的に言って、団体交渉は大勝利でした。

 まず、群馬県労働委員会における不当労働行為の認定という地平のうえに、新たな力関係の上での団体交渉として勝ち取ることができました。県労働委員会で命令されたとおり、団体交渉は、組合員に対する正当な賃金支給が行われているのか否か検証する場でもあり、就業規則や賃金規程、36協定書や、賃金計算に必要なダイヤやダイヤのハンドル時間・中休時間の一覧表、群馬バス労働組合と会社の協定書などの書類の写しを、群馬合同労組に交付しなければなりません。3年闘って、ついにこれらを組合に出させることができました。

 また、要求項目に関して、これまでは木で鼻をくくった回答で拒絶してきたような要求について、具体的な解決に向けた交渉ができるようになりました。もちろん簡単な話ではありません。しかし、大きな力関係の転換をしっかり確認できる団体交渉となりました。  労働者は、一人では大変です。しかし労働者の武器である団結というのは、しっかりとした、みんなに開かれた内容と路線で初めて実現できるものです。自分だけよければいい、それでは労働組合は腐敗します。群馬合同労組は、そういう道を踏み外さずに、一歩前進しました。群馬バス分会は、あくまで組織拡大で勝利します。群馬バスの労働者のみなさん、運輸労働者のみなさん。群馬合同労組に加入してともに闘いましょう。