関西生コン支部武建一委員長を釈放せよ!

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部・武建一執行委員長が2018年8月28日不当逮捕されました。武委員長がなぜ逮捕されたのか、雑誌『序局』第18号(2018年5月号)に武委員長のインタビュー記事が掲載されています。現在とらわれの身ですが、ご本人に語っていただくのが、一番と思い、転載させていただきます。

世の中をひっくり返すいいチャンス

関生支部つぶしには負けない

全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部武建一委員長に聞く

(『序局』第18号より)

 

毎年の11月労働者集会で、動労千葉、全国金属機械港合同とともに主催3団体に名を連ねている全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部。「関生」あるいは「連帯」という呼称で知られている。その関生支部を、1965年以来50年以上率いてこられた武建一委員長に、お話を伺った。中小企業の経営者も巻き込んで、大企業に対する階級的闘いを挑み、重要な時点ではストライキをもって闘い、国家権力の弾圧や、差別排外主義者を動員した資本の攻撃にも不屈に闘いぬいている関生の闘いの真実を大いに語っていただいた。なお、本誌は2011年11月発行の創刊号でも武委員長に登場していただいている(聞き手は本誌連載「獄中記」の十亀弘史編集委員)。「労働運動は今何をなすべきか」と題して縦横に語られている。(3月6日聞き手本誌・長尾悠)

 

-今日の闘いについていろいろお聞きしたいと思うのですが、その前に、今の世界と日本の情勢、安倍の改憲とか朝鮮の戦争の策動を含めてどう考えられるか、簡単にお話しいただきたいと思います。

 

アメリ力帝国主義の衰退

 

私の認識では、世界はアメリカ帝国主義の力が衰退していって、基本的に帝国主義同士の対立・矛盾が非常に先鋭化し激化しているという状況です。これは結果的に資本主義そのものが構造的に立ち行かなくなっているような時代状況じゃないか。その具体的な表れがトランプの誕生です。トランプにしてみたら、他の国のことなんか構っている余裕がなくなって、「アメリカファースト」ということを言いだしているわけで、この「アメリカファースト」は、また自らの国の民衆への収奪と搾取という方向に帰ってくるわけです。これは別にアメリカだけでなく、イギリスあるいはEU全体がアメリカとの関係で言えば、たぶん今度トランプが関税を課すということで、それに報復をするという動きなどに象徴されますように、それぞれが宿命的な、この社会の対立・矛盾が避けられないという状況がどんどん表に出てきている、そういう時代に立ち至っているのではないかという認識ですね。

ただ、社会主義勢力がこれまた崩壊したので、闘う側の主体が非常に後れているような現状ですが、日本ではあまり報道されないけど、少なくてもアメリカ国内においても、民衆の闘いは結構高まってきているし、あるいはヨーロッパにおいても、日本では右派が台頭しているという報道ばかりなんですけど、しかし労働者を申心とする闘いは根強く発展している。

特にアジアにおける朝鮮半島の問題ですね。私の感じでは、朝鮮民主主義人民共和国の政権を転覆するのがアメリカなり日本の思惑ですよね。もう30年近く、「やがて転覆するだろう」と、いろいろな圧力をかけてきたんですが、これはすべて不発に終わっているわけです。核ミサイル問題が最大の焦点と言われているんですが、結局、民族の自立権というのはそれぞれの国に応じてその国の民衆が決めることであって、その国の制度が一方の側から見て都合が悪いからそれをひっくり返す、外部勢力の侵略、攻撃によって変えようということ自体が民主主義を言いながら民主主義を自ら否定することだと思うんです。

アメリカにとって見たら、アメリカの国益から考えると、核を認めて、アメリカに届かない範囲のものにしてしまうということだって、考えざるをえなくなっている。ただ日本が「北から攻められる」ということをすごくあおっているものですから、日本の方がいろいろ安全保障と称して核ミサイルの放棄を強く求めてくると思うんですね。

ところが、このところ南北の朝鮮半島の人たちは、同じ民族同士の話し合いの中で解決すべきだという意見が韓国の申で非常に強く、また共和国もそういう方向に流れていますね。今日のニュースを見ても、ムン大統領の特使で行った人が、実質的な話をして帰ってくるような方向を見出すと思われるような行動をされているわけです。結局、アメリカが先ほど言ったようなことを選択するとなったら日本が経済的な支援をして、36年間の植民地支配に対して、反省、謝罪、償いをして、日朝国交回復という形で落ち着かせていくのが本当の平和の方向ですが、なかなかそうはならないと思います。

安倍総理の経済政策、社会政策は行き詰まっているものですから、結局は戦争政策という方向に持って行きますわね。「制裁と圧力」だけを強めていって、国民をうまくあおり立てて、戦争政策の方向にリードしようという動きではなかろうか。ところが共和国と韓国の側から見ると、それが戦前の帝国主義、軍国主義の復活だと映るわけですからね、日本は北と韓国との共通の敵という色彩が非常に強くなってきて、北、南の一種の統一戦線によって日本と闘うという共通項が拡大するのではないかと思います。

そういう意味では、安倍さんがやっているやり方は、天に向かって唾をしているようなものですから、闘う主体さえしっかりすれば、われわれにとってチャンス到来の時期ではないか。これは帝国主義どもが行き詰まってくると、民衆への搾取・収奪、他国への戦争は従来からやっている彼らの常套手段ですから、この路線は彼らにとってやめることができない。しかしそのことによって、他国の民衆の怒り、憎しみを買い、反撃の大きなうねりが出てくる、また、わが国においても、今のところは連合みたいな御用組合化されたものが数の上では多数ですけれども、しかし、田中委員長のところの動労千葉とか、われわれのところは、それほど力はないんですが、しかし敵からは、大変恐怖感で見られているわけですね。ですから、われわれに対する弾圧とか、あるいは動労千葉に対する弾圧、あるいは農地を権力の思うままにさせない成田の闘いとか、そういう闘う側に対する一方の弾圧と、一方のそれは新しい闘いを生んでしまうような、そういう力を敵が与えてくれている。そういう問題意識ですね。

-軍隊慰安婦問題なんかでも、日本政府は韓国に対してかなりひどいことを言って、韓国をも敵にするような言動がありますよね。

慰安婦問題では、慰安婦そのものがなかったかのような、そういうことを平気で言う人たち、ある程度インテリと言われている連中の中でも御用学者みたいのがいるでしょ。そしてまた今の安倍政権は、歴史を修正するという認識で政権を運営しているものですから、ヘイトスピーチなどの連中を増長させるんですね。

慰安婦の問題で、加害者である日本の側から、「もういいだろう、10億円払ったから」と言うんですが、韓国のムン大統領は、「加害者がそういうことを言うべきじゃない」とおっしゃっていますよね。

-そうですね。「最終的かつ不可逆的解決」というのを日本の側から言っているのはおかしいですね。

まったくの開き直りです。しかも、あの当時の大統領は、今懲役20年行くかどうか、めちゃくちゃな大統領ですからね。日本のやり方は、それ以外に新しい政権ができたら日本の言うとおりにならない。2015年12月に「日韓合意」を決めた時は、千歳一遇のチャンスというので強引に決めたんでしょうね。

 

安倍の本性丸出しの改憲攻撃

-安倍の改憲の動きと、それから今の「働き方改革」について、お考えをお聞かせください。

まず安倍の本質は、森友・加計問題にすごく分かりやすく出ていますね。自分の側を付度してくれる、自分の思い通りに政権を支えてくれている連中にはわれわれ国民の資産を勝手に提供するようなことをやって、それに証拠があるのにないと言ってみたり、法とか規律とかいうものを自分の都合のいいように解釈して政権を私物化しでいくのが、彼の本性丸出しですよね。これはもう一つは、国全体をきわめて深刻に後戻りできない方向にリードしようということです。従来からやっている特定秘密保護法の問題にしろ、共謀罪です。

今回、さらに憲法9条、公明党が飛びつきやすいと思って、「加憲」と称して3項を付けようとしています。ただ自民党の中では、「3項は2項と整合性がないから、はっきりともっと露骨に、戦争をできる軍隊にしよう」という意見もあるんですが、しかも安倍も、これだけでたらめな選挙制度によって大多数の議席を獲得したわけですが、このチャンスを逃したらうまくいかないだろうということで、2項を削除するかどうか関係なく、自衛隊を軍隊として公認できるようなその法律をがむしゃらにでも通す危険性が非常に強まっていると思います。

その背後の事情は、結局経済政策はうまくいかないわけですよね。アベノミクスの三つは、金融緩和とか財政出動はうまくいっていません。特に財政出動は限りなくわれわれの子どもや孫に付けを残すようなやり方で、地域の疲弊とか、中小企業、労働者への抑圧・搾取を基本にしながら、大企業に資産を移転するようなやり方ですから、株が上がったからと言って、国民の暮らしなんか一向に良くならないわけです。

 

労働法制改悪反対のゼネストが必要

 

そしてさらにそれに輪をかけたやり方が今度の労働法制度の改悪です。裁量労働というのは、労働者が裁量するような言い方をするんですが、あれは経営者にとって都合のいいように労働者を使うというものです。現に野村不動産で、裁量労働をやって自殺者が出ているわけですね。最近にわかに報道されるようになったんですが、一昨年9月に自殺者が出て、昨年12月には、労災として認定されたんです。認定されたのだから本来はもっと早く報道の方も、裁量労働の行き着くところはこういう悲惨な結果をつくるんだということを報道しとけば、目玉商品の一つである労働法制の一角が思うようにいかなかったと思うんです。しかもあれは、厚労省の方がでたらめな資料を出して、資料がないと言ってきたわけでしょ。それがだんだん暴露されてきた。その中で世論の方も高まってくると、最近ようやく報道されるようになって、裁量労働制度については、一応出さないという経過がある。

高度プロフェッショナルについては、1075万円以上の収入のある人は、残業代ゼロですね。経団連はすでにこう言っているんですよ。「年収400万円以上の人に残業代なんか出さんでいい」という感覚ですよ。1075万なんてもらっているサラリーマン、労働者はほとんどいないですから。高プロというのは何かよそ事みたいに思われているんですが。いったんあれが導入されると、残業しても全部タダ働き、しかも資本が残業強要できるような仕組みですからね。ああいうものは絶対に認めるわけにいかんわけですよ。

普通であれば連合がゼネストをやるべきですが、連合はまったく取り込まれておりますから、国会で追及しても、「いや、連合の会長の了解を得ている」と安倍が平気で答弁したりするわけですね。ですけど、この間内閣支持率が落ちた、不支持率が高まってきているということもあって、世論が非常に高まってきているので、労働法制の問題については野党がしっかりと頑張っていけば、今の財界と安倍政権がやっていることが必ずしも通るわけではない。また、通すわけにはいかないと思いますよね。

また、これがつまずいてくると、憲法改悪にも大きな影響を及ぼしてくると思うんですね。これは、基本的には、国民的な大運動、大衆行動ですね。動労千葉とわれわれの11月集会というのを毎年やっているんですが、このような闘う労働組合の決起、そしてそれに賛同する人たち、安倍のこのようなやり方に反対する人たちが大きく輪になって高まっていけば、戦争法もつぶすことは可能だということですね。それは沖縄の基地撤去闘争、新基地建設を辺野古に認めない闘いは、日米両国政府が思うようにいかない、両政権ののど元に刺さったとげのようなものになると思うんですね。やはりああいう闘いが必要です。労働運動の場合にも、少数だから大きく変えることはできないという敗北主義に陥るんじゃなくて、少数がまとまった闘いをすれば、必ず多数に転化するんです。

これは世界の、例えばキューバ革命はわずか16人ぐらいの仲間たちが中心になり、やがて独裁政権バチスタを倒して、すぐ近くにあるアメリカ帝国主義と対等に闘ってきて、依然としてキューバの自立権を確保して、健全化しているわけですからね。やはり少数ですよ。その政権がいい悪いにかかわらず、だいたい多数というのは既得権にしがみつくわけですよ。少数は、その既得権によって多数が犠牲になっているという現挺して闘う、そういう英雄主義というのか、自己犠牲をいとわず闘う人たちはいきなり多数にはならないんですよ。少数の者がその気になって闘っていけば、キューバの例のように、それが世の中を革命、変えていくということになるんだという確信が、今のところ少数であるわれわれに求められている。そういう階級的視点が大事じゃないかと思うんですけどね。

 

「韓国の闘いへの感動を実践に生かせ」

 

-韓国の民主労総がゼネストをやって、それが今度のろうそく革命につながっていったという経過を見たら希望が湧きますね。労働者の闘いが核になって全人民的な闘いを実現し、パククネを打倒しました。

韓国の場合、民主労総とわれわれは交流を続けているんですが、日本流のやり方をやってきたんですね。ですから、雇用関係についても、トラックの場合で言えば、個人持ち制にするわけです。要するに「事業主」にして労働者性をなくす。そうすると、荷主とか大手が君臨していて、大手からすると、「雇用関係ではないんだ」「だからお前らは自分で持っている事業主だから、個別に、お前ら自身の自己責任だ」「賃金が低いとか、労働条件が悪いとかは、自己責任だ」と、こうきたんですけどね。

しかし韓国の仲聞は、「違うんだ、重層的な支配構造の中で、一番生産に従事している側の方、この生産に従事している方がなかったら大企業は存立しない。だから、この個別分断政策に対して、それを組織し横のつながりを強め、連帯して、大手に雇用責任を求めて闘っていくという運動が建設、生コン、トラックという分野で未組織をずーっと組織していった。そしてしかも組織するだけではなくて、弾圧されても、差別されても徹底的に闘うんですね。時には焼身自殺という、日本の労働者からすると、それだけ勇気をもってやる人たちがいるというのは、「すごい、韓国の人たちは、言葉で言うだけでなく、行動で表すな」と。高い塔に上って行って、そこを占拠して闘う、ああいう人たちが、潜在的な民衆の力を引き出すんですな。そして民衆がまた、そういう仲間の犠牲を自分の血肉にして、それであきらめないですね、粘り強いですね。それは今の沖縄の仲間に共通しているんですが、韓国の仲間たちは、ものすごい。戦闘的に闘い、しかも国際連帯という旗を掲げて、動労千葉の仲間と共闘したり、11月集会に参加してみたり、そういう階級性が強いですね。

しかも、日本では共和国がいつ攻めるか分からないと慌てているんですが、韓国の闘う労働者は、同じ民族同士が対立して戦うんじゃなくて、共通項を見出そうという立場ですからね、労働者にとって国境はない、労働者階級は国境を越えて団結し闘わにゃいかんという国際主義的な観点が非常に強いですね。そこが韓国の労働者の強いところではないですかね。われわれ学ばなきゃならないところがいっぱいある。

われわれの仲間2人が1年半ほど留学に行ったんです。今でも韓国に代表団を派遣するんですが、行くたびに感動して帰るんですね。「感動して帰るだけではだめだ、その感動を実践に生かせ」(笑)と言うんですけどね。

 

労働組合主導で生コン価格を上げる

 

-その実践ということですけど、支部は4カ月半の大ストライキを闘われて、にもストライキをやられたわけですね。この闘いはどういう闘いだったのか、何を求めてどのように闘われたのか、ということをお話しいただけませんか。

2010年の4カ月半のストライキは、大阪駅前の開発の工事を完全にストップしたんです。この時の要求は、生コンクリート製品が安く買いたたかれて、生コン産業はもともと95%以上が中小企業なので、中小企業がそれによって立ち行かなくなって、賃金引き上げができにくい、あるいは雇用確保、労働条件の維持向上が困難になるということから、生コン価格の引き上げを目的にした4ヵ月半のストライキだったんです。これは、大手ゼネコンの大林とか大成とか清水とか鹿島、大手が価格の引き上げをOKした。売り価格が現実に1立米(立方メートル当たり)1万6800円ですから、当時の売り価格より5000円以上上がったんです。それで終結したんです。

ところが、当時セメントメーカーは、労働組合主導型で生コンの値段を上げていくと、労働組合の影響力が生コン関連のみならず、日本の中小企業が圧倒的多数(事業者数で言えば中小企業が99・7%)ですから、関生型運動が他の中小企業に一気に広がる、という危険性を感じているわけですね。それで今度は、「値上いいんだ」ということで、合意している内容を全部ひっくり返したんです。それで、そういうことに対して労働者は抗議します、それを口実にして、「威力業務妨害」と称して警察を導入し、われわれの仲間を20人近く逮捕したんです。今問題になっている宇部興産の関連会社の関西宇部という会社です。もともと宇部興産は90年代から不正をやっていたことを最近暴露された、とんでもない会社なんです。

集団的労使関係として、春闘で交渉する時は、労使関係のある所は全社が寄ってきて、歴史の古い新しいは関係なく、集団で交渉し、そこで集団で決めた労働協約に拘束されるというやり方をするんです。それをつぶすためにその関西宇部が弾圧を加え、一方セメントメーカーとしては、大阪兵庫生コン経営者会(生コン企業が結集する対労窓口、集団交渉の当事者)をつぶすために、セメントの直営工場12工場を経営者会から集団離脱させるわけです。経営者会をつぶして集団交渉をつぶすためにそれを実行したんです。ところが、われわれは集団交渉を成功させるために、近畿2府4県の申小企業に呼び掛けて、経営者会を守り、集団交渉を守るために、それでセメントメーカーの策動はその点では失敗したんですが、しかしいったん値上げしているのが、ゼロになったんです。4カ月間の成果を奴らはつぶしてしまったんです。その結果何が起きたかというと、また生コンの値段が下落したものですから、中小企業が倒産の危機に直面したんですね。

そこで2015年に、生コン産業として大阪の場合は成り立たないところまで追い込まれたんです。セメントメーカーは分断支配をやるわけです。大阪広域協組という協同組合があって、それに対抗する阪神地区生コンクリート協同組合があって、もう一つはレディーミクスという協同組合、三つ協同組合があった。それに、どこにも入らない員外社「アウト」と、四つのグループがあったんです。一番影響力のある大阪広域協組というのがセメントメーカーが主導権を持っているところで、後は中小企業です。われわれ労働組合は、その中小企業と、協力連携していたわけです。それでセメントメーカーの主導的なやり方を変えよう、という主張をしていたんです。

それが2015年-月になると、セメント主導のところも立ち行かなくなったものですから、今度は労働組合に「ぜひわれわれに協力してください」と言ってきた。「労働組合と協力して、業界の大同団結をする、労働組合との従来の約束についてもそれはちゃんと履行します」と。従来の約束の中の大きな問題は、「雇用福祉基金を1立米あたり100円出す」、これは80年に約束し、94年に約束しながら実行されていなかったんです。ところが2015年は「実行します」と言った。「値戻しした段階では従来の約束を実行します」と。100円と言っても、大阪府下でも530万立米ほど入れますから、100円で年間5億3000万円ほどになるんです。「だから協力してください」ということだったので、「そういうことであれば協力しましょう」ということを2015年1月から、三つの中の阪神協組、レディー協組(中小企業関係)のところとわれわれと一緒になって、もともとセメントメーカーの広域協組と合流させるわけです。もう一つ、アウトのところについても説得し、合流させる。そして大阪府下の生コン工場の99%を組織した。組織率がそれだけ高まってくると、ゼネコンという大手との取引が対等にできるようになりますね。大手商社、住友とかとも対等に取引できる。それで値戻しをし、値上げが2016年からレ年にかけて成功するんです。売り価格が1万5800円、標準価格がそれですから、実質上は1万7000円くらいまで値が上がるんです。

 

輸送運賃も上げなければ

 

これは中小企業主導型の闘いとして非常に良かったなと考えていたんですが、振り返ってみると、製造業は良くなったんですが、そこに出入りしているダンプとか、コンクリートミキサー、バラセメントを輸送する会社の運賃は全く上がっていないんですよ。「製造業だけがそういうことをするのはおかしいんちゃうか、やっぱり出入りしている中小企業も等しく良くなる必要があるんじゃないか」。だいたい労働者が多く働いているところは製造業よりも輸送業のところです。ですから輸送運賃が上がらないということは、輸送労働者の賃上げも難しくなるわけですよね。要するに個別の会社に要求するだけではなくて、なぜ賃上げができないかという原因をたどっていくと、今の韓国の仲間が闘っているように、親会社、荷主、力を持っているところから財源をとってこなければ、中小企業だけ突いたんでは成果は得られないわけですね。

そういうこともあって、われわれは昨年の12月12日から5日間、具体的な、例えばミキサーで言えば、大型車1日あたり4万円いってなかったんです。これを5万5000円にしなさい、バラ輸送の場合は、トン当たり510円値上げしなさい、これを要求してストライキに入ったんです。ストライキに入ったら、滋賀と京都と奈良と和歌山、大阪でも大阪兵庫生コン経営者会の加盟社は、「分かりました。来年(18年)4月から値上げしましょう」と合意したんです。それで、5日間のストライキはそれで終結したんです。

終結して、いよいよ新年に向けて合意した内容の実行態勢に入ろうとした時に、何が起きたかというと、大阪広域協組は従来約束している「100」円を11月末で完全に止めてしまったんですね。それに加えて、約束したことを反故にしようとして彼らはキャンペーンを張りだしたんです。つまり、「関生の行ったストライキは威力業務妨害、組織犯罪対策法違反だ」と言って、協同組合の人たちから署名を集める運動をする。

そして、「ヤメ検」、検事を辞めて弁護士をやっている人たちをずらっと連ね、そして他の法律事務所の弁護士も含めて33人の弁護士を入れて、その弁護士をヤメ検がリードする。そしてこのヤメ検だけでは無理だと見たのでしょう。在特会(「在日特権を許さない市民の会」と称する差別排外主義集団)系の瀬戸弘幸という者を引き込んで、その在特会と共闘して関生つぶしをやる、在特会に宣伝力1を送るわ、移動する車を送るわ、それから在特会の活動全部を協同組合の資金を通じて保障するということで、在特会を取り入れたんですね。それで在特会と広域協組が一緒になって、今度はセメントメーカーがなし得なかった経営者会をつぶす、佃々に呼んで「もし連帯(関生支部)と交渉したり、連帯と話し合いをするということであれば、生コンの割り付けをストップする」と。99%の占有率を持っているものですから、割り付けをストップされたらその会社は仕事がなくなるわけです。会社は手形を出しているから、会社は回らなくなるわけです。独占的地位を利用した。優越的地位の濫用ですけど、これをやってしまったんです。そうしたら、会社を維持するために、不当なことをやられているんだけど、どうにもできない、ということで経営者会から脱退者が出てきたわけです。

もう一つはバラセメント輸送協同組合の脱退社。増長して今度は、法律違反であろうが何であろうが、何でもいいから手段を選ばずに、この機会に関生をつぶすんだ、ということで在特・広域協組がグルになった攻撃が今でも続いているんです。

ただ、これは大阪広域協組全部がそうかと言ったら、そうではないんです。今、大阪広域協組の理事長をやっているのは、もともと社会的に問題のある、宇部興産の関連会社の関西宇部出身だったのが木村貴洋というんですけど、この男は会社からも首になって、員外理

事になったんです。これは祭られている(かいらい)政権なんです。これを支配しているのは、地神秀治、矢倉完治、大山正芳というやくざ、チンピラみたいな男です。この3人が自社の利権、セメントの販売の利権をとる、骨材を納入する利権を取る、輸送の利権を取る、バラ輸送の利権を取る、それでシェアを自分の都合のいいように取る、そういう利権のために、事実上この3人が全部をあおって、それで「反連帯」と。そこへ共産党系の建交労(全日本建設交運一般労働組合)、それともともと連合の生コン産労(交通労連生コン産業労働組合)というのを引き連れて攻撃しているんです。その攻撃で、「今度は10億でも20億でも金を使って徹底的に関生をつぶすんだ」と言っているようですが、われわれからすると、金で結び付いている連中なんで、金の切れ目が縁の切れ目で、すぐほころびるだろうと発信していたんですが、もうすでにそういうほころびは出ているんです。

まずヤメ検の弁護士を中心とする33人に今突きつけているのは四つの法律に違反しているということです。一つは独禁法違反なんです。もう一つは協同組合法違反なんです。協同組合というのは相互扶助、「皆は一社の利益、ご社は皆の利益」の精神で成り立っているわけですね。ところが、優越的地位の濫用をするというのは、それ自体が協同組合の基本理念に反することなんです。だから、協同組合法違反。それから労働組合法違反。それと恐喝、洞喝しているので、これは刑事事件に相当することをやっている。

「四つの法律に違反しているようなことを弁護士が承知して名を連ねているのか」ということで質問状を出した。7日までに返事を寄こせと。そうしたらどうやら弁護士も、「団体交渉を拒否するのはおかしい」と言っています。それともう一つは、在特会の瀬戸は別のグループをつくっていて、その別のグループが朝鮮総連の本部に拳銃を発砲して逮捕されているわけです。そういうつながりがあるんですよ。

そうしたら、今度は大阪広域協組は、たぶん金をやったと思うんですが、この2、3日のことですが、在特会との関係に距離を置くようになっています。また、協同組合内部から、こんな法律違反のやり方については訴訟を起こすということで、2月16日にユ社が訴訟を起こしているんです。この流れが一気に強まりつつあるんです。ですからこれは、先ほどの3人、理事長を入れたら4人の体制は一気に瓦解する。

それを引き留めるために彼らは今何をしているかというと、「武委員長は4月10日に逮捕される」、それだけじゃなくて「16人が逮捕される」と宣伝し始めた。権力は何でも口実を付けて逮捕しますが、それにしても日を設定して逮捕するなんていうことはあり得ない話です。それをバーっと言うて、この3月11日に、神戸で、和歌山で工業組合から除名された人間と大阪の4人がグルになって「決起集会」をやるというんです。その名目は「関生支部は愚連隊といっしょだ」「企業を洞喝し解決金を取っている。そういうとんでもない組織と闘っていくために、決起集会をやる」と。

これはたぶん不発に終わると思うんですが、そういう状況にあって、われわれは明日(3月7日)、第1回目の集団交渉を予定しています。それから和歌山では、明日行動を予定しています。結局裁判とか労働委員会は、それとして活用するのであって、それに依存してはだめです。行動の中で、彼らの攻撃をはねのけていこうということです。

交渉というのは二つの意味があるんじゃないか。一つは要求を獲得するための手段なんですね。同時に、この交渉を仲間の団結を促進するための機会だと。つまり教育の機会だと。教育というのはいろいろ話をして、理解納得するだけではだめだ。それはそれで必要だけど、行動しながら理論を学ぶ。理論と実践を統一しなければ組合員の確信にはならないということで、今年の春闘は、経済的な要求は、安倍のやっている官製春闘ではなくて、自力の闘いで勝利する。困難と思われる側面はあるが、これを団結を促進するチャンスだと思ってますからね。

ですから経済要求をしっかり実現するようなことと、「沖縄の基地新設を絶対認めない」という沖縄の仲間と連帯する、原発を認めない、憲法改悪には絶対に闘って、もし実行されるならストライキをもって闘っていく、というテーマでしっかり闘うのが今年の春闘です。ちょうど3月11日は300台近く自動車を寄せてパレードをするんです。そういうことを旺盛に闘って、この今の安倍政権に鉄槌を食らわせていく、そして業界の刷新に向けてしっかり闘っていく。こういう春闘になると思うんですね。

 

何べんも裏切ってきた建交労

 

-先ほど、建交労の話が出ましたが、具体的にはどういう形で加担しているんでしょうか。

共産党が2004年に綱領からすべて改悪して、結果的に「資本主義の枠内で」ということで革命を放棄しましたね。それまでも変質しているんですが、非常にあからさまに変質したのは2004年以降ですね。共産党は、資本家と共存する、「大企業は敵ではない」ということです。日本共産党指導下の建交労は以前は、「中小企業は二面性がある」と分析していたんです、労働者を搾取する面と、大企業から収奪されている面。だから「一面共闘一面闘争」というのが基本路線だったんです。2006年にそれを破棄して、「共存共闘」になったんです。「共存共闘」ということは、「ストライキしませんよ」、共産党の「大企業と一緒にやりますよ」という路線といっしょなんですね。2006年に変質して、それから建交労は、この十数年、ストライキ一つやっていないんです。

それどころか、賃下げの先頭を切っているんです。この地域で、生コンの労働者の平均年収は、630万円を超しているんです。ところが建交労ができるところでは530万でスタートする。100万円も年間違いますと、これが足かせになるわけです。だけどわれわれがそんなことを無視して「630万以上上げよう、平均して700万以上にしよう、750万めざそう」と言う。それに対して、建交労は下に下に下げようとする。そうやって妨害していたんですが、2015年に先ほどの「100円払う」という合意を建交労はかぎつけたんです。

2015年5月、「関西生コン関連連合会という労働組合をつくりましょう」と、「今まで共産党が『利権暴力集団』と関生を攻撃したのが誤りだった。これからは反省して、一緒にやりたい」と言ってきたんです。その時、うちの組合員は、「あいつら裏切るのを何とも思っていないから、そう簡単に入れたらいかんのじゃないか」という話があったんですが、「いや、どうやら今度は反省しているようだから」ということで、いろいろ議論の末、彼らも一緒になってやろうかということになったんです。

それでスタートした。そして去年の12月のストライキの時も、「ストライキできない」と言うから、「じゃあ、ストライキを妨害せんといてくれ」と。彼らは「妨害しません」と言うていた。

ところが、その12月12日の時に、後で分かったんですが、11月の末に広域協組が100円をストップしていたんです。それまで配分いくらかありついていたわけです。建交労は何の汗も流さなかったんですが。20%ほど、100円のうち20円、相手に渡していたんです。それが途絶えてしまったんですね。金目当てだけでうちに一緒にやろうと言っていただけなんです。それが入らないと見るや、コロッと裏切って、12月27日に「連合会を離脱する。ストライキは勝手に連帯がやった」と。「妨害しない」と会議で約束しているのに、それをつぶしにかかって、相手にすり寄って、相手からお金を得ようとした。どうやらーカ月分だけは入ったようです。ところが広域協組は、「釣った魚にエサはやらん」ということで、持続的に金をやるわけじゃないですね。

建交労は今、自己矛盾に陥っているようです。直前になってから裏切りをするんです。これはほとほと、今までも82年の時も裏切ったし、2005年の私が弾圧された時も裏切ったし、何べんも裏切っているんですけどね。労働者はそうじゃないんですけど、幹部は腐りきって、ダメなんですね。建交労という、共産党系の民間単産で有力組織なんですが、腐りきっている実態を体験しましたね。

彼らのやり方は、すぐすり替えをするんです。要するに、「労働組合として、連帯は協同組合の人事権に介入している」とか、「ストライキを勝手にやった」とか、一緒にやって「自分たちができなかったら関生支部のストは妨害しない」と言っておきながら、妨害したんですけどね。一応労働組合の名前をかたっているわけですから、労働者は、共産党と言えぱ労働者の利益代表と思いますよね。それで中身が全然裏切ることをする。権力や資本というのはもともと労働者を搾取するために分断してみたり、思想的な攻勢をかけたり、差別したりすることによって成り立っている、自分たちの支配を成り立たせようとするわけですね。そういうものだということは分かるんですが、労働者面をしてきて、後ろから鉄砲を撃つようなことを平気でやるのが、共産党とか建交労です。

ここは、今安倍政権に対する不満が高いので、共産党は「野党連合を組んだらうまくいく」と提唱し、とにかく政権を取り換えることが可能だと幻想を振りまいているんです。同じ現場でわれわれは彼らの裏切りを何回も体験すると、共産党の言うてることのインチキがよく分かります。共産党と言いながら共産主義者じゃないですからね。こういう連中と対立している側からすると、眉唾もので、そんな信頼して付いていったら、あとで2階に上がって梯子を取られるのと同じ目をするよということを発信したいですね。

 

中小企業の労働運動の典型をめざす

 

-今後の展望をどういうふうに考えておられますか。

階級対立が非常に先鋭化するという時代状況ですので、敵そのものの力が全体的に弱ってきているんですね。それを敵が大きいとみて敗北主義に陥る傾向が非常に強いんですよね。そこを闘う立場の人間が、今の世界、今の日本の支配層がいかに困難に陥っているのか、という立場で見るのか、それともいろんな法案をむちゃくちゃ通したりするので「いやあ、敵は強い」とみるのかで全然違ってくるんです。われわれは前者の立場をとる。

そういう観点に立っていくと、われわれの運動は単に生コン建築関連の労働者の状況が向上するだけはなくて、もちろんそれはそれとして、一生懸命やらなければいけません。労働組合ですから、経済闘争しない労働組合になって、政治主義的になれば、多くの仲間を結集することはできませんから、それはしつかり頑張っていかなければいけません。

しかしながら、そこだけに限定するようなやり方ではなくして、世の中を変えていくんだと。今の資本主義は腐りきっているから、東芝に始まり、東レから日産から、日立、あるいは宇部興産、リニアで談合している大成建設、鹿島、大林、清水。腐りきっているわけですよ、この社会は。それでこういう腐りきった社会は、金もうけのために寄っている連申が腐りきるわけですから、こういうのは労働者の本当に魂を入れた闘いをすれば、こんなのいちころだと。そういう気持ちをまず持たなきゃいかんということですね。そのためには、与えられている課題について、団結の輪をしっかり広げていく。そして広げていくというのは他に依存するのではなく、自ら闘いながら広げていく。

世の中をひっくり返すいいチャンスを迎えているとみておりますから、この状況こそ、われわれにとって幸いなる機会を与えてくれている。掲げているテーマをしっかり闘いの中で実現していけば、中小企業の中における労働運動の典型はこれだ、大企業の収奪と闘い、中小企業の利益を還元させる、労働者の雇用も賃金も安定させていく、労働組合がめざすべきことは、個別の企業を対象とするのではなく、産業別的な賃金制度、産業別的な雇用制度、会社がつぶれてもその産業が存在している間は、その産業が連帯して雇用保障を行うという制度、産業別福祉制度、そういうことを実現することを展望して、しっかり産業別運動を全国に発信し、取り組んでいく。

そういう運動の中に若者を中心とする人材を育成する、人を育てるということです。今、3年目に入っているんですが、隣の労働学校がスタートして、今若者を中心にして学校が大きく結集しているんですよ。東京の仲間たち、現役の学生とか、いろんな東大とか一橋の学生が、この腐りきった社会を変えていくために、関生と一緒に勉強したいという人が寄ってきているんです。大阪の場合は、京大とか同志社、そういう若者がしっかりと理論と実践の中で、闘いを共有して、鍛えていけば、それが大きな力に必ず転化する。若者を育てていくにはだいたい3年から5年くらい、期間が必要ですが。

中小企業の人たちに希望を与えるようなこと、そしてそこで働いている人たちの、闘い方によっては、賃金、労働条件、これで安定しますよと、今関西の生コンの賃金は平均して630万円以上ですが、低いところも中には入っているものですから630万円。700万超しているんですよ。年間休日が125日ですからね。闘いがあれば、中小企業で働いている4千数百万人の、しかもワーキングプアー1000万とか、言われる年収が400万円以下の人たちが圧倒的に多くなっているでしょう。しかし、われわれの関西の場合は、日雇いの人たちも年収400万円を超しておりますからね。ですから、中小企業の中でも、闘い方によってこういうことができますよということを示し、世の中を変えていく運動を続けていかねばと思います。私はそれは可能な時代に入った思います。

76歳ですから(笑)、年齢的にはかなり年いったんですが、私の目の黒いうちに壮大な、今日申し上げたことを必ず実現する。

-運動を始められて、委員長になられたのが23歳でしたね。50年以上ですね。

私は一貫しているのは、共産党の裏切りがあり、権力が日経連とグルになって攻撃、セメントメーカー、ゼネコン、強大資本からの攻撃、やくざに殺されかける、いろんな想像を絶する攻撃を受けたんですが、私自身の世界観、人生観は、「われわれは社会の主人公だ、労働者は必ず天下を取るんだ」というゆるぎない信念ですから、絶対あきらめない。絶対粘り強さを失わない、どんな苦境になっても、韓国の仲間たちの闘い、戦前の小林多喜二などの共産主義者が身を挺して闘ったことを考えたら、われわれの闘いというのは知れているじゃないかと。だから、前科5犯で、何べんもバクられたりもしたけど、それは私にさらなる成長の機会を与えてくれたと思っていますから、そういう信念はゆるぎないですね。「いついつ逮捕する」と精神的に打撃を与えようとしているでしょうけど、大いに結構、どうぞ来てくださいと(笑)いう感じですね。

-しかし、向こうから見たら、そういう信念の人が頑張っていられるというのはすごい脅威ですよね。今日はどうもありがとうございました。

ヒロシマ集会での韓国・城西工団労組委員長のアピール

 

被爆73周年8・6ヒロシマ大行動が、広島現地で開催され、群馬合同労組からも参加して、ともに声をあげました。

前日の5日には、広島市東区民文化センターホールで「国際反戦反核集会」が開催され、韓国・大邱(テグ)を中心に、城西(ソンソ)工団労働組合、迎撃ミサイル・サード配備阻止を闘うソンジュ住民対策委員会、民衆行動の仲間たち11名、イラク戦争従軍で息子を亡くしたアメリカの反戦の母・シンディシーハンさん、アメリカ・サンノゼ平和と正義センター、イラクの医師、パレスチナ・ガザからなど、たくさんの海外の仲間が結集してくれました。すべての結集・発言がすばらしいのですが、韓国・テグにおいて、群馬合同労組と同じように地域で労働者の組織化を進めている城西(ソンソ)工団労組のキムヒジョン委員長のアピールは、これからの労働運動の前進、国際連帯闘争の前進にとって、とても重要なので、許可を得て、ここに紹介させていただきます。

 

南北、米朝首脳会談以後韓国労働運動の現況と課題

城西工団労組委員長・キムヒジョン

こんにちは。韓国、大邸(テグ)、城西(ソンソ)工団労働組合委員長のキム・ビジョンです。

トウジェン(闘争)でごあいさつします。トゥジェン!

毎日、一触即発の戦争の危機の下で、どのように韓国で生きているのか心配している同志たちが多いはずです。でも韓国の人々は、もう戦争に馴染んでしまったような感じです。

私が幼かった時、北朝鮮軍が攻め込んでくるといって、家ごとにラーメンをはじめ食べ物を買い占めたことを思い出します。その後にも「平和のダム」(※)を建設するといって、国全体が大騒ぎになった記憶もあります。最近、北朝鮮で核弾頭ミサイルを発射したというニュースまで…。しかし朝鮮戦争終戦後65年の間、戦争はなく、一言で言うなら、もう韓国の人々は戦争に無感覚な状態です。

しかし、星州(ソンジュ)・ソソンリに配備されたサードについては、北朝鮮のミサイルを防御でき、朝鮮半島が脅威から守られるとして配備に賛成し、米軍が撤退すればすぐ戦争が起こると言って、「アメリカを通じた戦争抑止力」に寄りかかっているのが現実です。こ.れは「コメディ」のような親米反共思想が根深く打ち込まれたことが原因でしょう。

イミョンバクとパククネ大統領が、この親米反共主義を利用して戦争の脅迫で労働者民衆を弾圧してきたとすれば、ロウソク以後に誕生したムンジェイン政権はとても洗練された方式でやってきています。

わずか数年前、パククネが「統一大当たり」(訳注:統一で北朝鮮の安い労働力と韓国の技術力が結合すれば韓民族経済は大発展するという論)を前面に出してきた時、人々はその実現の可能性に多くの疑問符を投げかけました。そしてさほど時がたたないうち開城(ケソン)工業団地は閉鎖されましたし、南北関係は急速に冷却化しました。このパククネの「統一大当たり」論はムンジェイン政府でパッと花を咲かせています。

全国経済人連合会、大韓商工会議所など資本家団体と各種研究機関は、南北経済協力に対するバラ色の展望を、毎日のようにばらまいていて、鉄道、電力、電機、セメントなどいわゆる南北経済協力の主は、すでに好況を享受しています。朝鮮半島平和の裏面には、韓国資本主義の北朝鮮進出と陸路を通じた中国、シベリアまでねらう資本の利害が代弁されているのです。

しかし労働者民衆の生活は決してたやすくはいきません。

2014年4月16日、304人が、「じっとしていなさい」という国家を信じて待ち、海に沈められました(セウォル号事件)。彼ら・彼女らは、大半が労働者民衆の子どもたちでありましたし、国家は彼ら・彼女らの死を隠すことに汲々としました。

また、最近明らかになったパククネ政権とヤンスンテ大法院長が共謀した司法壟(ろう)断により、双龍(サンヨン)自動車、KTX非正規職闘争、鉄道ストライキ、全教組非合法化など、数多くの労働者が血の涙を流しました。

ロウソクで当選したというムンジェイン氏は、大統領当選と同時に非正規職であふれる仁川(インチョン)空港を訪問し、「公共部門100%正規職転換」「最低賃金1万ウォン」を約束しました。ムンジェインの人気は一時89%を超えたりもしました。それと共に、自分を信じて1年間だけ待ってくれと言いました。引き続き労使政大妥協が必要だとして、「社会的合意主義」を前面に押し出しました。1年の問に、強固な路線の組合は壊し、労使協調的な組合は抱き込んで、労使政大妥協を試みようとしたのです。

このようなムンジェイン政権に対する不徹底な階級的認識が、ムンジェイン政権と対話をするという候補を民主労総執行部に入れることになりました。

同志たちがご存知のとおり、ムンジェイン政権は昨年、最低賃金を2けたの率で上げたというのですが、その最低賃金には賞与金と食費・交通費をはじめとする福利厚生費を含ませました。

世界最高の長時間労働を変えると言って、労働時間短縮を前面に出しましたが、週40時間制でなく週52時間制が法制化されましたし、手当は削減されました。日本も最近「働き方改革」により、月100時間、年間720時間まで超過労働が可能なように許容して、高所得専門職は労働時間規制自体をなくしてしまったという話を聞きました。この法は賃金柔軟化、労働柔軟化の道をより一層拡大すると思います。

全教組は相変らず法外労組で、双龍(サンヨン)自動車では30番目の犠牲者が出ました。相変らず75メートルの煙突の上にファインテックの労働者が、この蒸し暑さにかかわらず267日目の籠城闘争をしており、ヤンスンテの司法壟断で発生した犠牲者は、相変らず路上に追い出されて闘争しています。

城西(ソンソ)工業団地には6万人の労働者が仕事をしています。高齢の労働者、女性労働者、移住労働者が中心になっています。彼ら・彼女らは大半が最低賃金水準の賃金に置かれていて、低賃金だからこそ長時間労働をしなければ暮らすことができません。

ムンジェイン政権が、最近自身の公約である最低賃金1万ウォンに「速度調節」をしなければならないと言っています。南北首脳会談や北・米サミットのニュースも見ることができない状況にある城西工団労働者にとっては、「朝鮮戦争の危険が消えて、南北の平和がくる」という期待どころか、最低賃金の約束も古草履のように捨てるムンジェイン政権に対する期待も見出すことはできないと思います。

朝鮮半島の平和を話しながら、酷暑の戦場のような死の現場で仕事をする労働者、出入国取り締まり班の係員の踏みにじる暴力の下で苦しむ移住労働者がいて、果たしてムンジェイン政権の平和は誰のための平和でしょうか?

同志たち。

「平和」といっても、誰かを排除する平和、平和を話しながら一方で死の戦場に追い詰める平和は、私たちは拒否します。

南北首脳会談以後、イジョンソク前統一部長官は、「労働組合のない韓国の労働者=北朝鮮の労働力」と言いました。そして中小企業中央会をはじめとする資本家階級は、北朝鮮労働力が、最低賃金引き上げと労働時間短縮、少子化傾向によってますます若い労働力が減って人手不足が深刻化する中で、大いに役に立つと主張しています。韓国の資本家はよだれを流すほかないでしょう。事実上、非識字率0%で最高の勤勉性を持っている北朝鮮労働力は、資本家には最高のプレゼントであるわけです。

このような時、労働者階級は揺らぐことなく闘争しなければなりません。世界的経済危機は労働者階級に闘争を要求しています。

寒い冬、韓国を明るくしたロウソクのあかりは、資本主義の矛盾を明らかにすることには失敗し、新自由主義政権を誕生させました。労働運動を改良化させる社会的合意主義、内容は影も形もない形式だけの民主主義は、結局資本と政権の食欲による結果を表わすだけです。

「労働のない民主主義」「労働のない平和」を暴露して、自由主義勢力に反対する先進的な活動家の闘争と連帯、一歩進んで世界的連帯が必要です。

韓国の闘争歌の、「九十九回敗北してもただ一度の勝利」という歌詞(※)のように…資本主義が平和をもたらすことはできず、労働者の階級的連帯なしで新しい社会は成り立つことができません。したがって九十九回敗北しても最後のただ一度の最終勝利のため、共に闘っていきましょう。トゥジェン!

 

(※)「平和のダム」:1986~87年、ソウル五輪を前にして、当時のチョンドファン軍事独裁政権は、北朝鮮の北漢江上流ダム建設による「ソウル水攻め」の脅威をキャンペーンし、これを防ぐものとして「平和のダム」が建設された(87年2月着工、1989年1月1次完工)

 

(※)韓国の闘争歌の歌詞:「行け!労働解放」の歌詞(原曲はアンジェイ・ワイダ監督の映画『鉄の男』(1981年)で使われ有名になったポーランド連帯労組の歌)。

九十九回敗北しても ただ一度の勝利 ただ一度の勝利

バリケードを越え 越えて ついに労働解放へ

やむことのないわれらの闘争 誰もわれらを止めることはできない

労働者と資本家の間には 決して平和はない

偉大な労働 そのたくましい腕 機械を止めて 開け歴史を

血に染まった旗 労働者の軍隊 行け!労働解放

 

「月刊労働運動」8月号に寄稿

全国労働組合交流センターがが発行する「月刊労働運動」8月号に清水委員長の投稿が掲載されました。

中央タクシー分会長が労働者代表選挙に勝利

群馬合同労組 執行委員長 清水彰二

群馬合同労組は、7月15日に第13回定期大会を開催し、この一年の闘いの前進を集約する大きな成功を勝ち取りました。新たな青年、女性の結集が、大会の雰囲気を大きく変えました。そして組合員100人の組織拡大を実現し、改憲阻止大行進の先頭に立とうと、一年の方針を確認しました。

大会の成功の鍵は、中央タクシー分会と群馬バス分会の二つの拠点での闘いの前進でした。とりわけ中央タクシーの闘いは、とても豊かで重要な意味を持っています。

中央タクシー分会は、昨年3月、群馬県労働委員会で勝利して、減額された手当、払われなかった賞与、分会長の運転業務への復帰をすべて勝ち取りました。固定残業手当の違法性をめぐって裁判も起こし、現在も進行中です。

勝利命令以降、会社は、組合員には残業をさせない、固定残業手当も全額支払う、という対応を続けていますが、一方組合員でない労働者には相変わらず長時間労働で休みも取れない状況が続いています。業務中に倒れる労働者・重大事故が続出しています。会社の経営危機も深刻さを増してきており、容易に組合の要求ものみません。

群馬合同労組と分会には、労働組合として、これでいいのか?ということが問われました。分会も必死になって組織拡大に努力をしてきました。しかし群馬合同労組はこわいという抵抗感が根強く、組織拡大は困難をきわめました。

こうした中で二つの問題がおこります。

ひとつは、労働組合と組合員のあり方をめぐる分会組合員の分裂です。自分たちだけ楽をしていられれば、でかい顔をしていられれば、金を取れれば、それでいいという考え方が生まれました。そういう態度に職場の同僚たちの不信感も広がります。それではいけないという議論もしてきましたが、溝は埋まらず、分会の会議すらできない状態になってしまいました。

最終的に、執行委員長から、当該の組合員にそういう考え方・あり方は容認できない、と伝え、対決しました。現場の不団結、考え方や方向性の対立、会議が開けないという、放置してはいけない状況でした。それに対して、執行部として、解決に乗り出せなかったことが、現場組合員を困難に追い込んでしまいました。執行部の自己批判として、この状態を乗り越えるという決意を明確にしました。うまく解決したわけではありませんが、分会が息を吹き返しました。

もうひとつは、ちょうどこれと一体で、長野・新潟を含めて中央タクシーの労働者の怒りが爆発を始めたということです。月に2回しか休めない、疲れが取れない、安全が守れない、会社のやり方がインチキだらけだ…。それが会社に要求しよう、やはり労働組合をつくらないといけないのではないかという議論として始まりました。組合員にも相談が持ちかけられるようになりました。社長は動きを察知して、「労働組合をつくってもいいが、群馬合同労組だけはだめだ」と個別につぶして回りました。しかしこんな会社を相手に勝てるのは群馬合同労組しかないのではないか、そういう労働者が職場の中心にすわっています。

群馬営業所の2018年度の時間外労働をめぐる36(サブロク)協定の労働者代表選挙で(法律的にはこの労使協定なしに残業はさせてはいけない)川谷内分会長が20対11で勝利しました。勝ったのははじめてです。今の状況を川谷内分会長に何とか是正させてもらいたいという職場の思いが結実しました。

川谷内分会長は、法律や国土交通省基準通りとはいかないまでも、せめて法定休日ぐらい休めるようにと考えて、修正を要請しました。しかし会社は真摯にそれに応えることなく、先延ばしにします。

この状況を解決するために、群馬合同労組は、今年6月20日付で「違法な時間外労働及び休日労働が行われている現状を直ちに是正されたい。若しくは今後の対応を説明されたい。」「他事業所では、非民主的に協定締結が行われており、会社側の姿勢に問題がある。希望する非組合員をオブザーバーとして交渉時に同席させること。」との要求書を提出しました。

第11回団体交渉は7月5日に行われました。これに先立って7月3日に会社から「オブザーバー参加は認めない」との回答がファクスで送られてきました。長野本社の労働者〇名がオブザーバー参加の用意をしていてそれを知った会社が慌てたのでした。

団交では、会社は、これは労働組合との団交であって、36協定をめぐる交渉はできないと言いました。組合は、わかりました、組合としてはこのまま36協定未締結で時間外労働をやらせるのであれば、労働基準法違反で告発することだけ伝える、従業員以外は退席するので、36協定について交渉してほしいと告げて、委員長(非従業員)は退席しました。

その後の話し合いの中で会社はとんでもないことを言い出します。36協定が結べないのは川谷内分会長の責任だ、未締結状態を解消するためにあらたに別の労働者代表の選出を行う、すでにB氏が名乗りをあげ、承認を受ける手はずができている、として、B氏を話し合いに呼び込んだのでした。こんな状態でまともな話し合いが成立するはずもありません。話し合いに参加した二人の組合員は激しく闘って、会社を追い詰めました。終了後B氏にも「そんなことが通ると思ったら大間違いですよ。大問題になりますからね。自分から取り下げなさい」と忠告しました。

7月6日、川谷内分会長は、従業員代表の変更の撤回と法定休日確保について改めて申し入れました。すると7月7日、会社は要求を受け入れました。「群馬営業所から長野方面へは上田までの送迎に限定する事」、「帰社時間が遅れ、休日が、休息時間含めて32時間確保出来ない場合は、翌日の勤務をタクシーを使ったりし、繰り下げるなど行う事」と合意したのです。

勝ち取ったものはまだまだ小さいです。しかし労働者にとって労働組合が何であるかを、その力と希望を示すことができました。これからが勝負です。

群馬バス榛名営業所と貸切バスセンターに組合掲示板を設置

貸切バスセンター群馬合同労組群馬バス分会掲示板

 

榛名営業所群馬合同労組群馬バス分会掲示板

 

2018年2月13日付で要求した群馬合同労働組合群馬バス分会の組合掲示板設置が、ついに実現しました。

小さな前進ではありますが、2016年夏に結成・通告して以来、度重なる組合員に対する、さまざまな嫌がらせや孤立化、不当な処分の連続に対して、一人一人の組合員が負けずに闘い、不当労働行為で会社を訴えて、力関係を引っ繰り返してきた勝利の地平です。もはや分会つぶしは完全に破綻しました。

群馬バスの不当労働行為を争う群馬県労働委員会も次回8月10日で調査もほぼ終わり、いよいよ審問(証人尋問)に入ります。群馬バスは、2001年に東急資本が撤退、「従業員らが出資した(ウィキペディア)」新会社「株式会社群馬バス」となりました。その時には、私鉄総連群馬バス労働組合に対する会社の組合つぶしがあり、群馬バス労働組合は群馬県労働委員会に不当労働行為救済申立を行いました。これは途中で和解が成立し、会社と群馬バス労働組合はユニオンショップ協定を結ぶ関係になります。こうした状況に対して怒った労働者は国労高崎地本がつくった合同労組・交通ユニオンの分会を結成しました。これに対しても組合つぶしが始まります。それで交通ユニオンが群馬県労働委員会に不当労働行為救済申立を行いました。結局これも和解で解決し、ほとんどの労働者は解決金をもらって会社を去りました。残っている組合員は一人。

過去の2回は会社はまんまと労働組合を和解に持ち込んで、「解決」してしまいましたが、労働組合が会社と闘わなくなるとどうなるでしょうか?そう、職場は、またしても末端の労働者が苦しむ状況になってしまったのです。

群馬バスに群馬合同労働組合の分会ができたことは、こうした歴史に労働者・労働組合の側から、終わりを告げることに他なりません。群馬合同労組は、不当労働行為を許しません。分会長の解雇撤回・職場復帰を始め、すべての不当労働行為に勝利して、会社の謝罪を勝ち取る決意です。群馬バスの労働者のみなさん、すべての労働者のみなさん、群馬合同労組に入って、団結して、ともに闘いましょう!