求人詐欺を許さない！病院給食外注会社A社との第1回団体交渉開催

求人詐欺を許さない！病院給食外注会社A社との第1回団体交渉開催

B病院の病院給食を請け負うA社。

この６月に群馬合同労組に相談、加入してくれたばかりのシングルマザーのCさんの問題で、２０１８年６月２５日に第１回団体交渉が開催された。

会社からは北関東支社営業部長以下４名が出席。組合は当該のCさん、清水委員長はじめ、合計９名が出席した。うち４名はほぼこのひと月のうちに組合に加入した新組合員。これはすごい。

Cさんは、約１年前にハローワークでB病院の給食業務を外注で請け負うA社の求人広告を見つけた。栄養士・管理栄養士の資格をもつCさん。シングルマザーゆえに、資格をいかし正社員で長く働ける仕事を探していたCさんは、期待をもってこの求人に応募をした。

面接をしたSV（スーパーバイザー）は、３ヶ月は有期の嘱託雇用という形になるが、「よほどのことがない限り」正社員雇用にすると話した。Cさんはそれを信じて雇用契約を結んだ。

ところが正社員にするという話は、とんでいってしまった。

Cさんが経験がなくて、仕事に慣れるのに少し時間がかかったというのはあったかもしれない。チーフからは嫌がらせのようなことがはじまった。気分が落ち込む。しかし何か大きなミスをしたわけでもない。３ヶ月がきて、SVに話したら、まだ正社員にはできない、といわれる。

裏切られた思いと、職場での嫌がらせ、孤立感。２０１８年にはいって、Cさんは、不眠、食欲減退、嘔吐、過呼吸、めまい・立ちくらみ、脱毛、抑うつ症状などに悩まされるようになり、精神科を受診。仕事もとうとう行けなくなってしまった。

そして一年の有期嘱託契約の期限が切れるこの６月半ばを前に、会社はCさんに復職可能かどうか確認をしてきた。そして雇止め通告。ここでCさんは群馬合同労組への相談と加入を決断した。

団体交渉で、A社は、会社には問題はないという立場を表明した。雇止めの撤回も、謝罪も補償もできないと。Cさんの業務が他の人よりもおそい、慣れるのがおそい、正社員としての意識が欠落している、それで正社員にしなかったと言った。

Cさんの怒りが爆発した。それは抑えようにも抑えられない怒りの爆発だった。「あなたは現場にいたんですか！いじめられてたんですよ！なんで一方的に信じるんですか！」団交に出席した組合員みんなが怒る。

はっきりしたのは、A社はハローワークに正社員募集と求人を出しておいて、実際には３ヶ月は様子をみますといって一年の有期嘱託雇用を結ばせる、そうしてなんだかんだと言いがかりをつけて正社員にしない、正社員としての採用は北関東支店長の決裁が必要で、それに通る人は即戦力のごく一握りしかいない。だいたい正社員採用しても就業規則には試用期間3ヶ月と規定しているという。ならば最初から正社員採用すればいい話だ。こんなのは詐欺だ。こんなやり方は立派なブラック企業だ。群馬合同労組はそんな会社は許しませんよ、と通告する。

こんなやり方で即戦力だけを確保して、あとは使い捨ての有期非正規雇用。これが実はA社だけじゃない。どこもえげつなさを競うかのようだ。こんな会社トップのやり方が、現場でのパワハラやいじめを生む。

Cさんは、私の人生を返してくださいと迫った。こんな思いをしている労働者がどれだけいることか。労働組合は、人助けの集まりではない。労働者が自分の人生を取り返すためには、労働組合に結集して団結して闘って、ブラック企業をぶっとばしていくことが必要なのだ。その力は自分の怒りの中にある。団結の中にある。ひとつ闘いに踏み出して、それを自覚し、新たに歩み始める。それが労働組合。そういう労働者の力を引き出せる労働組合こそ本当の労働組合。

労働者の新たな結集が止まらない。みんなで団結して、前に進もう。