JR東労組崩壊。3/13の高崎地本総決起集会は開かれず。

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国鉄分割・民営化から30年。いま、この屋台骨であったJR東とJR東労組の癒着体制が崩壊しました。2月26日の団体交渉でJR東会社は、「スト」を持ち出した東労組に対して「労使共同宣言」の失効を通告、各職場の朝礼などでこれを周知したのです。JR東労組は本部派と本部の責任を問う反本部に分裂。会社は脱退工作を重ね、反本部派は統制を失いながら、独自の生き残りの道を模索しています。とりわけ、高崎地本は全員脱退の方針を固め、すでにほとんどが既に脱退したか、脱退の準備を進めています。3月13日に予定していた高崎労使会館での総決起集会は開催されませんでした。何も知らされないユニオンショップの高崎鉄道サービス(TTS)労組の清掃労働者たちの間では不安がひろがっています。

いったい何がおこっているのでしょうか?

JR東労組の母体は、動労=動力車労働組合。国鉄の運転士中心の組合で、「かつては鬼の動労」と呼ばれるくらい、ストライキの中心で闘った労働組合です。動労千葉は、国鉄分割民営化の攻撃が始まる直前の1979年まで動労の千葉地本でした。その動労は、国鉄分割民営化攻撃が始まり、いったん全員解雇、JRに残れるのは3人に2人、3人に1人はクビ、という攻撃が始まると、180度の転向をします。このまま行けば、動労はスト処分歴を理由にJRにはいけない、JRに行くために、国鉄分割民営化に全面賛成・率先協力を打ち上げました。そしてその大看板が「スト絶滅宣言」であり、これをなんと労使共同宣言でうたったのです。そればかりか、自分たちのクビを守るために、分離独立して単身国鉄分割民営化絶対反対の大ストライキにたち上がった動労千葉や、国労の首切り運動を推進してきたのです。その裏切りを「平和運動」の取り組みでごまかしてきたのです。

ではなぜそのJR総連が「スト」を打ち出したり、JR会社がJR総連の脱退・分裂を促進しているのでしょうか?

それはJRが行おうとしていることが、徹底した金もうけであり、外注化・非正規化であり、リニア開発や新幹線海外輸出であり、それはもはや労働者が人間として生きていけない状況に突き落とすことなしには成り立たないものであるからです。

JRの青年労働者は、外注化・非正規化の波で、たとえば強制出向に出され、今度は転籍が待っている。なんのためにJRに入ったのか?これからどうなるのか?という不安に襲われています。

JR東労組は、分割民営化以降進行する外注化・非正規化に対して「仲間を守る」「いざとなったら闘う」と言い続けてきました。分割民営化の過程を知っているものには通用しないウソも、いわゆる「平成採用」組はだまして、組織を維持してきました。しかしJRがやろうとしていることは、そんなことが通用するような甘いものではありません。

国鉄分割民営化を強行した葛西敬之やJR東会社は、安倍の「働き方改革」=労働基準法解体、連合の再編=自民党支持の労働組合作りと一体となって、一気にJR総連・JR東労組の解体に動き出したのです。それにたまらず、「スト」方針をおそるおそる出したものの、それが一気にJR総連・JR東労組解体のなだれをおこしたのです。

何がおこっているのか?

動労千葉の田中康広委員長は、JR東日本会社がやろうとしているのは、分社化・転籍で雇用も権利も徹底的に破壊することだといいます。

私たちは「第3の分割・民営化攻撃」と呼んでいますが、1987年の国鉄分割・民営化、1999年に始まる業務外注化攻撃、それに継ぐJR体制の大再編攻撃が開始されているという意味です。その核心は、全面的な分社化・転籍という次元まで外注化を拡大していくことにあります。駅運営会社、車両検修会社、保線会社等に鉄道の業務をバラバラにしていく。さらにその子会社・孫会社へと無数の企業に業務と労働者が分断される。企業はその輪郭さえ失って、JR本体には何も残らない。

JR東日本だけでも、この数年で、国鉄時代採用された2万人近い労働者が定年退職する。それを逆手にとって、この膨大な退職者を「再雇用」という形で外注会社に送り込んでいく。さらに、外注化を拡大して「雇用の場」を確保しなければ行き場はなくなると現場の労働者自身に思い込ませていく。JRの業務はどんどん外注会社に移され、転籍に応じる以外に選択肢がない状況に追い込み、雇用も権利も安全もすべてが破壊される。これが現在の攻撃の構図です。JRはそれを「水平分業」と言っている。

国鉄分割・民営化攻撃が開始された時、国鉄職員は40万人いました。しかし、民営化されたJRの定員は20万人だと決定された。その席を争って、動労革マルは民営化の手先に転落し、国労本部はこの現実の前に茫然自失し、国鉄労働運動がつぶされていったのです。

それと同じことが起きている。だから「第3の分割・民営化」と呼んでいます。

それと一体で、極限的な労働強化、権利・賃金破壊が襲いかかろうとしています。例えば乗務員の場合ですが、車両基地から列車を出したり、ラッシュ時聞帯が終わった時に、車両基地にいったん車両を沈めたりすることを「出区」「入区」と言いますが、その作業を全部外注化して、運転士はひたすら、120キロ、130キロという速度で、朝の4時から夜中の1時まで、本線を走り続けているだけの業務にしようとしている。かつての佐川急便のようになる。労働者を使い捨てていくだけの存在にしようというのです。さらに、山手線を焦点に無人運転化するためのプロジェクトが立ち上げられています。

(「序局」第17号2018年1月号より。以下も同じ)

2017年10月10日、業務外注化に伴う強制出向の無効確認を求める裁判の判決が東京地裁で出されました。JRにおける外注化・非正規職化粉砕闘争は、18年にわたって首をかけて闘い続けてきた闘争です。その闘いがこの判決をもって大きな節目を迎えることになったのです。

判決は、安倍政権が進める「働き方改革」、戦後労働法制・労働政策の最後的な解体攻撃を合法化することを狙ったきわめて政治的な反動判決でした。JR的に言えば、私たちの闘いによって10年以上遅れ、手をつけられないでいた全面的な分社化・転籍攻撃への扉を開くものです。私たちはそれを「第3の分割・民営化攻撃」と呼んでいますが、JRで働く何万人もの労働者の雇用を破壊し非正規職に突き落とすことを合法化しようとしているのです。

判決は、強制出向について、就業規則に定められていれば、労働協約も個別的合意も必要ないと断言しました。つまり就業規則が万能だというのです。これは重大な意味を持っています。世界中で就業規則を万能化する攻撃が吹き荒れている。それは集団的労資関係という考え方そのもの、労働組合の存在する意味を根底から解体しようとする攻撃です。だから、韓国でもフランスでもそれをめぐって激しくゼネストが闘われている。しかも、出向とは、労働を指揮命令する使用者が変わるということです。それすら集団的合意も個別的合意も必要ないと断言した。また、JR東労組が結んでいる出向協定ですら、出向期間は原則3年となっています。それを会社側は審理の中で「初めから3年とは考えていなかった。10年単位で考えていた」と居直りました。判決は、そうしたことまで含めて、すべてを容認し、労働者など将棋の駒のごとく扱ってかまわないと断じたのです。

第二に偽装請負の問題ですが、判決は、「違法な状態にすることを目的にしている場合」や「違法の程度が社会通念上看過できないほど重大な場合」以外は外注化や出向が無効になることはないと断じました。こんなことを言ったら偽装請負などやりたい放題になる。しかしこれは非常に象徴的な判断です。新自由主義が生み出したのは、社会全体が偽装請負によって成立していると言って過言でない状況です。こうした現実の中で、労働者の権利や雇用がめちゃくちゃに破壊されている。判決はこの現実を追認したのです。

第三に、強制出向に伴う不利益の問題ですが、現実に休日数が減り、労働時聞が増え、指揮命令系統が寸断された結果、命を失うような危険な目に遭っているというのに、「甘受できないほど重大な不利益ではない」とか、「出向期間を延長されてJRに復帰することなく定年を迎えるとしても、看過し難い不利益ではない」などと言ってにべもなく切り捨てました。今回の外注化・強制出向は、強行過程で僕らが執拗に労働局闘争をやったことに対して、労働局ですら、「偽装請負の疑いがきわめて強い」「出向目的が明らかではない」とする指導票をJRに出さざるを得なかったほどひどいものでした。それが裁判の過程で明らかになったのです。10・10判決はそうしたすべてを否定し、ひっくり返したのです。

しかし判決は、外注化や強制出向を積極的に合理化することは全くできなかった。どこもかしこも、「看過できないほどではない」とか、「甘受できないほどではない」という言い訳とごまかしの言葉で埋め尽くされているのです。だから、この反動判決と断固として闘いぬくことが現在の安倍政権の攻撃に対する闘いの最前線を形成すると確信しています。

強制出向への集団訴訟は前例ない

この裁判闘争を通して改めて、18年間貫いてきた外注化.非正規職化粉砕闘争がどれほど大きな意味をもつ闘いだったかを再確認させられました。

JR側は出向裁判を現下の最大の問題と位置づけて、毎回50人以上の管理者を動員してきたのです。この裁判に勝たなければ、外注化攻撃を全面的な分社化・転籍まで拡大することができない。これ以上先には進めない。現状でも、最先端を行っていなければいけないはずのJRの外注化は他企業と比べて後塵を拝している。民営化を強行し、労働組合をつぶしたにもかかわらず「外注革命」が進まない。逆に言うと、われわれの外注化阻止闘争は、そのぐらい大きな位置をもってJRを揺るがし、非正規化に歯止めをかけてきたということです。それがゆえの反動が今回の反動判決だと考えていいと思います。

裁判闘争自身で言うと、外注化、強制出向に反対して、動労千葉、水戸、高崎の60人もの労働者が集団訴訟を起こしたのは前例のないものでした。弁護団も、そもそも裁判として成立するのかを含めて、当初から本当に真剣な議論をしながら踏み込んでいった裁判闘争でした。国鉄分割・民営化から30年余り、何十万人、何百万人という労働者が、強制出向というレベルではなく、どんどん転籍を強制されています。にもかかわらず訴訟すら起きない。それは日本の労働運動の現状を象徴しています。これが連合労働運動の現実です。

こうした事態に一石を投じた。その点で画期的な意義をもつ裁判闘争でした。もし「出向無効」の判決が出たら、支配構造全体がひっくり返ってしまうほどの意味を持っている。やはり、そこは階級裁判です。なりふり構わずやってくる。しかしそれでも、外注化や強制出向の正当性や合理性について積極的に主張することはひとつとしてできたわけではない。

そういうことから言うと、新自由主義攻撃の下で、2千万人もの労働者が非正規職に突き落とされていく過程とは一体何だったのか、なぜ労働運動はそれに対抗する力を持つことができなかったのかという重要な問題が問われてきます。新自由主義が生み出した矛盾によって、社会全体が崩壊していく過程に入っています。労働運動は、今こそそうした現実に対抗する力をとり戻さなければならない。18年にわたる動労千葉の外注化阻止闘争は、その基本的な方向性を示すことができたのではないかと考えています。

………

労働者が、人間らしく生きるためには、労働組合に団結して闘う以外にないのです。それは大きいも小さいも関係ない。一人でも合同労組に加入して闘うことができる。ストライキだってできる。この大事なことを、国鉄分割民営化以来、示し続けてきたのが、動労千葉であり、動労総連合、動労連帯高崎です。外注化に対してストライキで闘い、強制出向無効確認訴訟を闘い、青年を、非正規労働者を組織して闘い抜いています。JRで働く労働者のみなさん、今こそ、くさったJR総連・JR東労組とさよならして、動労千葉・動労総連合・動労連帯高崎に結集しましょう。群馬合同労組に結集しましょう。

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