公益財団法人群馬県健康づくり財団との第1回団体交渉ひらかれる

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2018年9月7日、群馬合同労組は、公益財団法人群馬県健康づくり財団との第1回団体交渉を、前橋テルサにて行った。当該のA組合員は持病があり、経済的にも苦しいので、何とかやっていけそうな職場を求めて、慎重にさがしてきた。そしてこの春、ハローワークの求人募集で見つけて、面接を受け、この条件ならばと公益財団法人群馬県健康づくり財団への就職を決めた。公益財団法人であり、「健康づくり財団」なのだから間違いはないだろうとも思っていた。4月3日から就業することに決まった。ところが後に労働条件に矛盾があることに気づく。求人票では労働時間が1日6時間15分、週31時間15分となっていた。残業もしてもらいたいと、面接でもいわれた。ところが、求人票の別の欄には社会保険の加入なしとなっていた。週30時間をこえる短時間労働者は社会保険に加入する義務がある。おかしい。電話で問い合わせる。財団のミスであることが判明し謝罪を受けるが、最終的に労働時間が確定したのは3月26日。いまさらここをあきらめてまた仕事探しという気持ちにもなれない。泣き寝入りするしかない。しかも労働条件通知書が届いたのは、働き始めて3週間も経ってからだった。人生設計がぶちこわされた気持ちの中で、それでも慣れない仕事に一生懸命専念していたが、配属された職場では上司の対応が忍耐の限度をこえてしまった。不眠や頭痛、動悸など精神的な適応障害の症状が出てしまう。もうだめだ、という限界で、群馬合同労組に相談の電話を入れた。相談し、加入書を書き、闘うというハラを固めたら、しっかりした。そしていよいよの第1回団体交渉だ。

事前のやり取りで、双方出席者は7名以内、時間は1時間30分と合意。組合側からは当該のA組合員先頭に7名が、財団側からは当該部長以下5名及び代理人弁護士と社労士の計7名が出席した。A組合員は、しっかりと言うべきことを言い、財団のごまかしを許さない気迫に満ちていた。適応障害をおこして苦しそうだった時とはまるでちがう。

要求項目と回答は以下の通り。

①A組合員の雇用と労働条件に関して、雇用契約書の締結が遅延した状態で2018年4月3日から就労が開始されました。また求人票や口頭説明時と実際の労働条件に当人の意思をないがしろにして変更がなされました。さらに、その後も当人の希望をないがしろにし、さらなる労働条件変更を打診されました。これらによってA組合員は精神的に大きな打撃を受け、不眠や頭痛、動悸など、適応障害というべき状態を強制されました。これらは労働基準法にも抵触する事態であり、また、貴法人の安全配慮義務にも違反する事態であると認識します。これらについて、理由と経過を調査のうえ説明すること、また責任の所在を明らかにし、謝罪することを求めます。

【回答】ハローワークに提出した求人票の就業時間欄に記載の誤りがあり、また、連絡の不徹底から当初の勤務時間の説明に関しても齪齪があり、混乱を生じさせてしまったことについて、お詫びいたします。その後、当方の希望する勤務時間(1日当たり5時間45分)について説明し、本人の要望にも沿った形で勤務を開始していただいたと考えております。

勤務後の労働条件の変更等については、あくまでも意向を伺ったものであり、現在も本人の要望に添って勤務いただいていると考えております。

②A組合員の労働時間に関して、雇用契約締結時の確認通り、1日6時間15分、週31時間15分としてください。

【回答】現在の勤務時間は本人の希望に沿ったものと理解しておりますので、本人の希望を確認させていただきます。

③貴法人の雇用と労働条件をめぐる不誠実な対応と、職場でのパワーハラスメント、それに類する事案によってA組合員は不眠、頭痛、動悸の症状を来すほどに精神的ストレスを受けています。貴財団の安全配慮義務の問題として、二度と繰り返されることのないように職場の改善をはかってください。

【回答】働きやすい職場づくりを目指して、これまでもハラスメント研修などを実施して参りました。今後もより一層の職場環境の整備に努めて参ります。

④これまでの経過にふまえ、A組合員の希望を再度聞き取り、A組合員が安心して、業務にあたれるように、貴財団の最大限の努力と誠意をみせてください。

【回答】本人の希望をよくお聞きして、誠意を持って対応させていただきます。

⑤貴財団の就業規則と賃金規定の写しを当労働組合に交付してください。

【回答】公益財団法人群馬県健康づくり財団アシスタント職員取扱要綱を別添のとおり交付します。

⑥貴財団で就労するパート従業員すべてに一般健康診断を受けさせてください。(後略)

【回答】これまでも法定の健康診断は実施しております。法定外の健康診断についても、経営状況等を考慮しながら検討して参ります。

 

交渉の中で明らかになったのは、5年ルールが適用される今年の4月から、財団がアシスタント職員という新しい制度を整備したこと、それは夫の扶養に入る女性を念頭に置いた制度であること、したがって週30時間未満の就業しか想定していないこと、健康診断も夫の配偶者として夫の保険で受診することが想定されていること、などである。

そして新しい制度の整備が遅れたこと、各部局への制度の理解の徹底がはかられなかったことによって、A組合員が振り回されたあげくに適応障害の症状を発するまでにいたったということが明らかになった。

組合としては、財団が財団の非を認め、A組合員の希望を聞いて、誠意をもって、対応を検討するというのであるから、再度あらためて当初の説明通り一日6時間15分の就労を要求したい。

 

A組合員の問題は、女性労働者がおかれた、社会保険に加入することもむずかしい非正規労働者の現実を突き出している。

上記グラフを見ればわかるように、非正規女性労働者の年収は極端に低い、そして年を重ねても基本フラットなまま(微妙に下がる)。この背景には、資本・経営者が女性を扶養の枠内で都合よく安くこき使う現実がある。「女性労働者のためを考えて」と言いながら、女性労働者を生きていけない低賃金に縛りつけることになる。

さらに、この8月27日、厚生労働省が厚生年金の収入要件の緩和を検討していることが明らかになった。これが行われれば、パート主婦にとって、大きな負担増にもなりかねない“新たな収入の壁”が生まれることになる。その額は年収82万円。いずれにしてもこの先、女性の非正規労働者の状況はさらに厳しくなる。だとすれば、労働者は今から労働組合に団結して、自ら声をあげ闘うしかない。A組合員の闘いはまったく正しく、勇気あるとても意味のある闘いだ。労働者は、一人では闘えない。女性の非正規労働者のみなさん、群馬合同労組に加入して、力を合わせて、ともに闘い、未来を切り開きましょう。

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